![暖簾](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/63eadac6cf9289806b64c95d54bae2a9.jpg)
こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。
さて、滋賀県は言うまでも無く「ナレズシの聖地」であり、湖魚を用いた郷土料理に恵まれる土地です。
【鮒鮓】は現存する日本で最も古いスシですが、現在でも通用する魅力的な料理です。
例えば、世界にファンを持つ余呉の「徳山鮓」さん、「鮒鮓懐石」を作るマキノの「湖里庵」さん、江戸時代から続く高島の「喜多品老舗」さんなど、魅力的なお店が多数あります。
それ故に、江戸前の握り鮨のお店は少なく、未だに鮨店の多くが街場寿司の形式を採られています。
今回ご紹介する長浜の「京極寿司」さんも先代までは街場スタイルのお店でした。
転機をもたらしたのは県外で修業された三代目。
眞杉 国史親方がお店に戻られてから、自らの江戸前鮨を探求されています。
しかも、関西鮓も出しながら「滋賀らしい江戸前鮨」を模索されている点が非常にユニーク。
![コアユの稚鮎](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/70fff3d9bf38b312fce39f1f1805ad44-1024x683.jpg)
初回が印象深かったため、今回、2年半ぶりにお伺いしました。
眞杉親方とは「シャリサミット」でもお会いしましたが、鮨を頂かずとも親方の口調や眼から鮨を改良されているのが分かりました。
なので、今回、機会を作って再訪した次第です。
![すしログ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/bfff16286f71f92772bdffbe98056593.png)
結果的に、間違い無く以前から前進されていて、引き続き応援し続けたいと実感しました。
![すしログライブラリー_アイキャッチ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/910017e372204aeb3368ce8ca768f40c-160x160.png)
タップできる目次
「京極寿司」さんは創業から60年以上の歴史を持つ老舗で、長浜の中心街にあります。
長浜は戦国時代から要所として知られる港町で、北国街道沿いの宿場町です。
歴史があるので、街歩きが非常に楽しい街です。
今でも舟板塀や紅殻格子を持つ家や土蔵がある老舗の商家が現存したり、常夜燈が建っていたりします。
同時に明治時代に鉄道を誘致して、モダンな建築の銀行が建てられた事を受け、西洋的な建築物も散見されるところが面白い街です。
![長浜](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/cebb4b3d910758f67c385f4e730c4af3-1024x683.jpg)
京極寿司さんは2020年に外観をリニューアルされたばかりなので、大きな商店街で目を引きます。
![京極寿司外観](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/bc6dd821b0fe126dcdd927509060c709-1024x576.jpg)
現在つけ場に立たれている三代目の眞杉 国史親方は、札幌のすし善に修行に入られた職人さんです。
その後、2002年にカレッタ汐留にオープンした東京店で研鑽を積まれました。
そして、家業を継がれる前に福井で今や大変な人気店となっている「鮨 十兵衛」で仕上げ。
「十兵衛」の二代目の塚田哲也親方はすし善での兄弟子に当たるとの事で、良き信頼関係があるようです。
![すしログ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/bfff16286f71f92772bdffbe98056593.png)
余談になりますが、「十兵衛」さんには2度再訪を試みましたが、予約を取れませんでした。
全国的な鮨人気には僕も困っています(笑)
眞杉親方のシャリについては、甘味を利かせ、米酢の酸味が程々な、まろやかな味わいです。
このシャリは前回と同じ関西らしい方向性。
しかし、かつて訪問した時から調整されていて、シャリの進化を実感しました。
![金目鯛](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/cefafb573711deb387633597acf3ed7c-1024x683.jpg)
味付けはそこまで変えず、飯尾醸造さんの富士酢(純米)も使うようになり、旨くなっています。
そして、温度も前より上げられている点が個人的に嬉しい限りです。
ただ、それでいてお店らしい味わいを残している点こそが、何よりも素晴らしいと感じます。
当然の事ながら今の時代、シャリの甘味を削った方が上品に感じられるものですが、郷土性を残しつつ新しい味を生み出す試みは他県の鮨職人さんの励みにもなるのではないでしょうか。
全ての県で東京と同じ方向性のシャリである必要性は皆無です。
また、以前からの大きな変化は仕入先を増やされた事。
金沢から仕入れる北陸の魚と、江戸前鮨らしいタネ、滋賀の湖魚は同じです。
そこに、駿河湾の魚が加わりました。
鮨店としては珍しく、静岡県焼津市の「サスエ前田魚店」さんから仕入れられていて、こちらからの魚が味わいの幅を広げています。
「サスエ前田魚店」さんの魚を使う静岡のお店は、「茶懐石 温石」、「シンプルズ」、「日本料理 FUJI」、「馳走西健一」と錚々たる顔ぶれです。
鮨職人で使っている人は札幌「宮川」さん、銀座「よしたけ」さんくらいなので、眞杉親方はパイオニアの職人さんだと言えます。
そして、使うタネの産地のみならず構成も個性的なところが魅力です。
詳細はこの後のコース内容を見て頂くとして、予測が出来ない構成は、長浜で頂く面白さが向上する良き仕組み。
ちなみに、こちらは「昼夜通し営業・握りも酒肴も全てお好み可能」という点が凄いな…と感じました。
今や東京のお店のスタンダードは「夜営業のみ・おまかせのみ・回転制一斉スタート」なので、凄すぎる…と痛感しました。
親方は食べ歩きをされたり、他県の職人・料理人さんと交流されたりして、精力的に研究されています。
今後、さらに美味しく楽しい鮨店となるよう、心から応援しています。
上述のとおり「京極寿司」さんは握りも酒肴も全てお好み可能ですが、他県や遠方から伺う場合は、【江戸前おまかせ握り】がオススメです。
13貫5,500円、15貫7,700円の2本立てでされていて、非常にリーズナブル。
仕入れも特徴的なお店なので、是非とも【江戸前おまかせ握り】予約の上で訪問されてください。
なお、コロナ禍を経て、ノンアルドリンクも開発されました。
![萌黄スパークリング](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/05deb4f36bd211654339a186975480c0-1024x683.jpg)
1杯550円の【萌黄スパークリング】は、水出しの緑茶と炭酸水、季節のハーブを合わせる意欲作。
ペパーミントとホーリーバジル、ウスベニタチアオイを用いて、鮨と合うノンアルドリンクです。
![琥珀](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/6f9ac9d8636732501ad7f453e8198211-1024x683.jpg)
そして、【琥珀】は、水出しの雁が音ほうじ茶で、こちらは味の濃いタネに合います。
それでは、【江戸前おまかせ握り(15貫)】の内容を紹介します。
![コアユの稚鮎](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/70fff3d9bf38b312fce39f1f1805ad44-1024x683.jpg)
名刺代わりの一貫目は、琵琶湖らしいコアユの稚鮎。
江戸前鮨の小鰭の新子に見立てて握る。
実に滋賀らしい趣のご当地江戸前鮨である。
小鰭の新子よりも皮が柔らかく、あたかもとろけるかのようだ。
最後にふんわりと鮎の香りが漂う。
長らく頂きたい握りであり、実際に頂けて嬉しかった。
ちなみに、コアユは海に降りない陸封型の鮎で、成魚となっても小さい琵琶湖固有の鮎なので、「大型の鮎の子ども」ではない。
この点はグルメな方でも誤解されている方が多々いるので、ご注意を。
![金目鯛](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/cefafb573711deb387633597acf3ed7c-1024x683.jpg)
静岡県焼津市の「サスエ前田魚店」からの仕入れ。
生なのに美味しい金目鯛!
香りと旨味の余韻が強く、実に良い。
ピュアに美味しい金目鯛だ。
厳密に言うと完全に生ではなく塩を振って湯霜で軽く火を入れているそうだが、ほとんど生で楽しませる仕事が魚を活かしている。
![花鯛](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2cc1094e77ad1175f6aa91aa488a896c-1024x683.jpg)
これも「サスエ前田魚店」仕入れ。
仕事は甘酢〆。
柔らかく、それでいて旨い〆加減だ。
花鯛の香りを豊潤に楽しませてくれる。
こちらは特に仕事とシャリが合っていて、関西らしいシャリが活きているのが素晴らしい。
![季節の茶碗蒸し](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/eb5c27025457f8620434336c0068a9ff-1024x683.jpg)
石川の墨烏賊のゲソを使用。
アオサの香りと墨烏賊のゲソらしいコリッと感が楽しめる、きめ細かい茶碗蒸し。
![甘海老](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/c09fc184b2f4a1ee3a0c0e1e19e0ee82-1024x683.jpg)
越前産。
ぷりっとしてから、とろりととろける。
1日寝かせることで強い甘味と香りを楽しませる。
![琵琶鱒](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/75f4f16ec90c5fbae30c71a352e7a2d1-1024x683.jpg)
漬け地の味わいと柑橘の香りが立ちつつ、噛みしめると琵琶鱒らしい強い味わいが広がり、旨味と脂が広がってゆく。
柚子ポン酢を加えた漬け地との事。
![鮪赤身](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/84d8164d761d8cb6ee0568097f774771-1024x683.jpg)
切り身に醤油を塗り、昆布に乗せて暫く置く仕事。
お客の来店に合わせて仕込むので、頂く頃には昆布の旨味が軽やかに移っている算段だ。
昆布の香りは上品に用いていて、後からふんわりと追いかける程度なのが嬉しい。
仕事で巧くするオリジナルの漬けが魅力。
![鮪中トロ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/641800cf53e007b867b742ee8bfee8cf-1024x683.jpg)
皮ギシ。
温度と包丁が良い。
身は柔らかく、脂と酸味を楽しませる中トロ。
![小鰭](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/602bd4a6babfb9a3640046233e6d57c4-1024x683.jpg)
みちっと〆めて、酸味を程良く効かせている。
旨味がありつつ爽やかに感じさせる酸味だ。
巧い〆加減である。
![鯵](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/daa39b6e24d4c4a1e59ac5930402d87b-1024x683.jpg)
「サスエ前田魚店」仕入れ、駿河湾産。
桜海老が餌との事だが、頂いてみると確かに!
香りも旨味も面白い鯵。
余韻が喉に残る程の美味しさであった。
故に薬味は不要だと感じたので、親方にお伝えした。
眞杉親方だけでなく、薬味を意識的に用いる職人さんは決して多数派ではない。
「鯵だから使う」のではなく、鯵ごとの特徴に応じて使い分けた方が絶対に美味しくなるはずだ。
![カンパチ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/9d06d004adb1a1ed79741c2febfd774b-1024x683.jpg)
「サスエ前田魚店」仕入れ。
酢橘の皮をあしらう。
身はむっちり、ぱっつりしたカンパチらしい食感で、脂は強すぎず甘味と旨味がある。
よって、シャリの甘味に調和して、独特の味を楽しませてくれる握りとなる。
金目鯛に近しい方向性でサスエさんらしさと親方らしさをともに感じる。
![北寄貝](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/8c35a8d92e7312d6122914d5f6514703-1024x683.jpg)
親方が「一番好きな貝」との事。
甘味が強いので、これもシャリとの相性が良い。
![カマス](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/48591361d884915d0a4008dea58f9fff-1024x683.jpg)
「サスエ前田魚店」仕入れ。
むっちり、しっとり、ホロッホロ。
これぞカマスらしい食感だ。
そして、食感の変化の課程で脂の甘味と旨味がどんどん広がる。
活きのカマスをサスエさん店内で締めて、温度管理を徹底して届くそうだ。
カマスと言う大衆的な魚に対して手の掛け方が凄く、それによって魚のポテンシャルを引き出している。
マスメディアは大量捕獲を「大漁」や「豊漁」と表現しがちだが、早くシフトする事を願うばかりだ。
![鯖](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/17c0b7bc45ed92c3f34aa53ab3f03b6b-1024x683.jpg)
北陸。
みっちり〆て、ホロホロにほどけてゆく食感。
鯖の香りと旨味を伝えてくれる〆だ。
鯖は秋のイメージが強い魚だが、親方は春から初夏までの脂が控えめな鯖が好きだそう。
巧い〆の仕事で個性を確立している。
![穴子](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/a1c3d269842278389459b757911ea43c-1024x683.jpg)
しっとりホロホロしていて、脂が強くない。
実に穴子らしい穴子だ。
産地をお伺いしたところ、三重産であった。
![海胆](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ff3a3131653115ffc74a31eb7d6b90d4-1024x683.jpg)
オホーツクのエゾバフン海胆。
明礬不使用なのでピュアな味わいだ。
![玉子焼き](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/55efda6d0a7d2f3a2a9dd548373dbdd2-1024x683.jpg)
関東式と関西式の2種類を提供。
しかも、関東式には芝海老ではなく「おうみ海老」と白身魚を使用しているそうだ。
「おうみ海老」は長浜で養殖される無投薬の上質なバナメイエビとの事。
みしっとしつつ、しっとりしていて、軽くジューシィな玉子に仕上げている。
関西式には鰹出汁を上品に用いている。
![マカジキ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/e9fbfcc328de39df5a37dbaf67b1703a-1024x683.jpg)
タタキにして柚子胡椒を合わせる仕事。
マカジキの爽やかな味わいが活きる(部位はご覧の通りハラモではない)。
旨味と酸味が味わい深い。
![椀](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/704a8c722554f88b2438b1646b51b327-1024x683.jpg)
「サスエ前田魚店」仕入れの魚の中骨とアラを焼いて、水と酒で炊いたスープ。
濃密な美味しさ!
ゼラチン質がたっぷりだが、脂コテコテでない点が良い。
そして、持ち帰りで【ばらちらし】を頂いた。
![江戸前ばらちらし01](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/90cfb8af9aecfeeba5a126301933b391-1024x683.jpg)
なんと、タネの全てに仕事を施した完全なる江戸前ばらちらし!
これが泣かせる傑作であった。
![江戸前ばらちらし02](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/083820d619fe771520a2ee188ed73678-1024x683.jpg)
海胆も使用されているが、蒸しているのか火を入れている点が実に素晴らしい。
コロナ下で生モノを大量に使って、見ばえばかり気にした高級ばらちしを作る職人さんもいらっしゃいましたが、眞杉親方の【ばらちらし】は真逆。
きちんと江戸前鮨の教養を感じさせる【ばらちらし】です。
これを江戸東京ではなく滋賀、それも長浜でされているのが崇高です。
![江戸前ばらちらし04](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/4e937458399acf94c4579d9d9038c2a7-1024x683.jpg)
蛸は古法に則り煮られていて、しっとり切れて、味わい深い。
そして、ばらちらしでも「主役級」と分からせてくれる小鰭。
親方の【ばらちらし】を頂き、煮ものと〆ものが巧みに使われている【ばらちらし】こそが本物だと再認識しました。
![江戸前ばらちらし03](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/cf53a7c17f7b439273e698e08d835669-1024x683.jpg)
タネには関西らしく鰻も使用。
とは言え「江戸前のばらちらし」らしく穴子も使用している点が抜かりありません。
さらに、鰻の下には木ノ芽を散らすと言う配慮も泣かせるではないか?
具はアワビや蟹まで使用しているので豪華絢爛。
玉子は関西式・関東式ともに使用。
故に「お店らしさ」を盛り込んでいます。
刻んだガリや沢庵そして黒ゴマで食感や多様な味わいを加え飽きさせぬ工夫もされています。
やはり、【ばらちらし】の肝は味のメリハリです。
そして、最も重要な点が甘味のコントロールであり、〆ものやガリなどの酸味でバランスを取る事が美味しい【ばらちらし】には必須です。
最後に、付け合わせの湖魚の佃煮も実に魅力的です。
先代女将さんの手作りだそう。
甘く炊きつつホロ苦いコアユが実に滋賀らしい。
2021年2月に頂いた内容を紹介します。
ガリ
![ガリ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/6c32237d9880568c1fb78aba01481eee.jpg)
甘みを利かせたクラシカルなガリ。
鱈
![鱈](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/d00950ff1356f9631cd605da30ceb0de.jpg)
初手が個性的なタネで意表を突かれるが、仕事が良い。
昆布で24時間〆ていて、水ッぽさは皆無で、むぎゅっとした食感。
柚子皮の使用量も上品で良い。
ノドグロ(アカムツ)
![のどぐろ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/a5cd62c47021db111c273b0bd0519d58.jpg)
3日寝かせていて、脂だけでなく旨味も活かしているのが魅力。
人気が高い割に脂が個性の(ある意味面白さに欠ける)魚なので、仕事の方向性に共感を覚える。
鰯
![イワシ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/d3a98098adde6046216dc4081e536e76.jpg)
林檎酢で5分〆ているそうで、これも良い〆加減。
鰯の香りは割と強め。
甘海老
![甘海老](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/7b6a93a6b2400652e8417a043a21db98.jpg)
福井産。氷に挟んで一晩寝かせているそう。
ぷちっと切れて、強い甘みがねっとりと舌に絡む。
琵琶鱒(ビワマス)
![ビワマス](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/af4937371cdf38110500bd56dad8c032.jpg)
琵琶湖の固有種の琵琶鱒で、天然モノ(世には養殖モノも多々ある)。
むっちりした身は脂が乗っていて、同時に特有の香りを楽しめる。
軽い漬けにしているが、漬け地は煮キリとポン酢をブレンドしている。
薬味は生姜。
雲子の茶碗蒸し
![雲子の茶碗蒸し](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/29f6ccaf34e822f422c523a312e84c9d.jpg)
「雲子」は関西の言葉で鱈の白子。
焼いたもの乗せつつ、茶碗蒸しにも溶かしている。
竜王町の古株牧場の「つやこフロマージュ」も使用している点がユニーク。
チーズの味を考慮して薄味なのが良い。
鮪赤身
![鮪赤身](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/71ee1e5e4fe12c92c773e74c1364e59a.jpg)
正直なところ鮪は期待していなかったのだが、個性的で良い鮪であった。
望外の喜び。
産地は紀伊勝浦。
むっちりした身はじゃくっとほどけ、食感に妙がある。
さらに、香りが良く、酸味も楽める赤身。
鮪中トロ
![鮪中トロ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f66d7aef8fb886aa87c8b1f314d8667e.jpg)
背中側、とろっととろけ、濃厚な脂だが、クドくない。
塩で食べさせる手法もモダン。
小鰭
![小鰭](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/3650cfbea91bb2d2663bcb0770a1b78c.jpg)
しっとりした〆加減で立地的に意外性がある。
旨味は弱いものの、頂けるとしても強めの〆が多い土地なので、県内の人は面白いのではないだろうか?
針魚
![針魚](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2a2844af776b322995b29053e5008f56.jpg)
〆て凝縮させつつ、しっとりほどける〆加減。
バイガイ
![バイガイ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/45c0f6550b98305996b70baf137a4b72.jpg)
朝むいたもの。海苔を噛ませて。
じゃくっと気持ち良く弾ける食感が爽快。
切り付けの厚みが良い。
海苔との相性も想像以上に高く、バイガイのほろ苦みと甘みがじんわりと舌を喜ばせる。
鰤
![ブリ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/6087822e79581f03252fd78753d93f23.jpg)
能登の寒ブリ。
旨味と酸味が良い!
脂よりも他の味覚で楽しませる鰤で印象的。
尾の身を用いており、6日熟成。
鯖
![鯖](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/04f86248a9aaac1f6e2a03f577064c3b.jpg)
4枚づけにする事で舌に触れる表面積をアップさせ、結果的に印象を強めている。
これは非常に美味しい鯖で、堂に入った〆の仕事。
しっかり〆て旨い鯖の仕事だ。
これは流石に鯖の棒寿司を大量に仕込まれているだけある。
針魚の皮焼き
![針魚の皮](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/6dc7996902c7cafd029aef50870576ed.jpg)
お酒を飲んでいないのに珍味を出してくださるところが嬉しい。
穴子蒸し寿司
![穴子蒸し寿司](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/a8d3d90714210d05264225cf953b5aa2.jpg)
使用する穴子の仕事は煮穴子(江戸前流)だが、箱寿司を蒸すと言う関西鮓の妙味を楽しませてくれる。
冬に笑顔にしてくれるのが、関西の蒸し寿司。
細かく刻んだ椎茸も関西鮓らしい。
ズワイガニ
![ズワイガニ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/6400f7092e226e35024cda9e1092c660.jpg)
季節もののズワイガニをまさか滋賀・長浜で頂けるとは驚いた。
海胆
![海胆](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/32dc887ca5662396c352a6fe1aaaacb1.jpg)
予想外にミョウバン無添加の海胆で、これまた嬉しい!
生産者は根室のマルカワ川村水産。
玉子
すし善の玉子と、鮨十兵衛の鰹の出汁巻き玉子の2種類。
すし善の玉子は江戸前仕様で、きめ細かく、しゅわっとした食感。
抹茶のブランマンジェ
![抹茶のブランマンジェ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/1f7e6d6dc4c50136b810197ef531c105.jpg)
金粉が乗っていて少しバブリーだが、味は美味しい(笑)
夏場は琵琶湖名物の小鮎を用いるそうなので、是非とも再訪して頂きたいと感じました。
予約についてはお電話のみとなります。
店名:京極寿司(きょうごくずし)
シャリの特徴:米酢を用い、甘みを利かせ、酸味と塩気は穏やかな関西らしいシャリ。
予算の目安:【カウンター限定江戸前おまかせ握り】5,500円(13貫)、7,700円(15貫)など
TEL:0749-62-3265
最寄駅:長浜駅から450m
住所:滋賀県長浜市元浜町6-11
営業時間:11:00~21:00
定休日:火曜、第3水曜
滋賀が誇る素敵なお店です。
マキノの湖里庵さん
![湖里庵カウンター](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/792c81d8853f11644db45519203d7da4-160x160.jpg)
余呉の徳山鮓さん
![](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20180115215223-1-160x160.jpg)
安土の魚石さん
![](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20181017202753-1-160x160.jpg)
東近江の湖香六根さん
![湖香六根山の白和え02](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/4a80886797195a2a09eb1869780cf953-160x160.jpg)
大津の行楽庵さん
![行楽庵先付01](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/3f78ad2d63163a5651f0722e68d95812-160x160.jpg)
滋賀が大好きな、すしログ(@sushilog01)でした。
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