こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
この度ご紹介する静岡市の「日本料理FUJI(フジ)」さんは、稀に見るほどの魚愛に満ちた日本料理店です。
お食事と水菓子を除くメニューの11品中9品が魚介類で、お魚でお腹一杯になれる素晴らしい構成です。
すしログ
僕は事前情報無しでお伺いしましたが、心から驚きました!
ブログを書いていてなんですが、初訪問される方は事前情報無しで訪問することをオススメします(笑)
ただし、お腹を空かせて訪問するようにしましょう!
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静岡市「日本料理FUJI(フジ)」の魅力とは?
「日本料理FUJI(フジ)」のご主人は藤岡雅貴さんで、「京料理いそべ」や「分とく山」で修業されたそうです。
2014年11月に弱冠29歳の若さで、地元である静岡市に「日本料理 FUJI」をオープン。
今でこそお店の魅力は「駿河湾のピンの食材を味わい尽くす」に尽きると感じますが、実は地魚に絞ったのは3年ほど前とのことです。
こちらは焼津にあり全国に名前を知られる「サスエ前田魚店」からの仕入れです。
「サスエ前田魚店」の魚を入れる静岡のお店は軒並み予約難易度が高く、「てんぷら成生」、「茶懐石 温石」、「シンプルズ」と、錚々たる顔ぶれです。
僕は他店には予約を取れず訪問出来ていませんが、「日本料理 FUJI」さんは間違い無く全国区で静岡が誇る一軒だと感じました。
個人的に琴線に触れたポイントとしては、魚への手の加え方です。
手を加えながら生の魚介に近付けるような、ギリギリの調理が見事。
魚に仕事を施して旨くする江戸前鮨のアプローチとは完全に異なるし、他の日本料理人とも明らかに異なる、藤岡さんらしい仕事だと感じます。
そして、提供方法としての魅力は、シェフズテーブル。
ほぼ全てお客の目の前で調理されます。
京都のカウンター割烹文化を一歩先に進めたような臨場感とダイナミズムに、魚好きであればテンションが上がるほかありません。
ご主人のお話をお伺いしていると研究熱心で日進月歩されてきたことが分かりました。
よって、今後どのようにお料理が発展していくのか、心から楽しみです!
「日本料理FUJI」のおまかせコースの詳細
「日本料理FUJI」さんは、昼、夜ともに【おまかせコース】15,000円19,800円を提供されています。
率直な感想としては、コストパフォーマンスが素晴らしく、驚くほどの内容です。
お酒については、風邪予防に【ゆず酒】700円をお湯割りで頂きました。
今度お伺いする際には静岡の地酒と合わせたいと思います。
頂いた【おまかせコース】の内容
- ドウマンガニ入り海老芋饅頭
- 鰆
- アカザエビ
- 蛤
- イトヨリダイ
- 鰆
- 白甘鯛
- 柿の白和え
- 麻機蓮根のおかき揚げ
- 鯖
- 鯵
- お食事
- 水菓子
ドウマンガニ入り海老芋饅頭
浜名湖産のドウマンガニをくるんだ磐田産の海老芋饅頭に銀餡。
穏やかな鰹出汁は香りが上品。
海老芋饅頭も衣が無いため、ドウマンガニの甘味を上品なサプライズとして享受できる。
鰆
漁法は定置網で、活きのものだそうだ。
なんて珍しい。
調理法は、蒸気で蒸して火入れを行ってからの焼き(皮目を軽く炙る程度)。
珍しさだけでなく、味わいも凄い。
つい1時間ほど前に締めたそうなのに、味わいが濃厚で、旨味が強い。
刻み玉ねぎポン酢と合わせつつ、鰆のハッキリした味わいを楽しめ、しかもクリアーな魚味である。
アカザエビ
解禁されたばかりとの事で嬉しい出会いであった。
しかも、活きの状態から目の前でさばかれる。
内子と海老味噌と素揚げのブロッコリーを添えて。
アカザエビは香りが良く、甘味が強い海老だ。
火入れが良く、加熱でぷりっとしつつ軽く火が入った状態に仕上げている。
付け合わせの素揚げのブロッコリーは思わぬダークホースで意表をつく美味しさだ。
凝縮した香りが甲殻類に非常に近く感じ、マリアージュのある組み合わせである。
蛤の飯蒸し
余計な要素を加えず、蛤の出汁をストレートに表現している。
蛤の香りは強く、ほんの少しだけ河川に影響される香りが混ざっていたが、全般的にはピュア。
木ノ芽の使用量も程良い。
引き立ての一番出汁
使用している節は焼津産の本枯れ節で、日本最古の製法である手火山てびやま式焙乾製法のものだ。
マニアックな情報となるが、手火山式で鰹節を作る生産者は日本で10軒を切っている。
合わせる昆布は利尻の五年モノ。
吸い地には塩を打っておらず、昆布に由来する天然の塩気のみで味付けしている。
まろやかな鰹の香りと強い旨味にうっとりする。
椀
椀種はイトヨリダイ。
吸い地はピュアだが、実に味わい深い。
まろやさと豊潤さを合わせ持ち、昆布の甘味と旨味に鰹節の旨味が側面を固めてアクセントとなる。
イトヨリダイは厚みがあり、特有の香りを巧く活かしている。
存在感があるけれど、馴染む。
吸い地の中で主張しない。
これは良い椀だ!
鰆
左が腹側で、右が背側。
切りつけが肉厚なのが素晴らしい。
実に味わい深く、脂も凄い。
寝かせていないので食感はぷりっとしているが、旨い!
白甘鯛の松笠焼き
お店のシグネチャーでありスペシャリテ。
頂く前からご主人が「スペシャリテ」と宣言するだけあり、素晴らしい火入れである!
身はしっとりしつつ、味わいが凝縮していて旨い。
白甘鯛のエキスを逃さない絶妙な焼き込み方だ。
燻蒸香の付け方も魅力的。
遠火と近火を使い分けて焼くことで、上品に燻蒸香のパンチも加えることに成功している。
香りを付けない選択でない点が攻めていて良い。
スペシャリテとして認知されているため、白甘鯛は前田さんから毎日入るそうだ。
生産者、料理人、食べ手の皆がWIN-WIN-WINな構図。
柿の白和え
藤枝産の胡麻を目の前でじっくりと煎ってすりおろす。
そこから生まれる香りは圧巻。
富士宮産の四ツ溝柿と合わせ、絶妙なバランスで組み立てている。
麻機蓮根のおかき揚げ
徳川家康公も好んだと言われる蓮根である。
繊維が強く、それでいて蓮根らしいとろっとした粘りを漢字、しっとりほどけてゆく。
おかき揚げの香ばしさも魅力。
鯖
蒸してから焼き、コンフィのような食感を目指しているそうだ。
しっとり、ぷるんとした食感が独特。
付け合せは藤枝さんの玉取茸。
酢のもの
サッと火を入れた鯵の酢のもの。
今の時期は桜海老が主食だそうで、味わいが濃い。
「酢のもの」と言っても和えておらず、土佐酢おろしで魚の味を味わいながら頂くスタイル。
お食事
本来ならばご飯を数種類ご用意されているのだが、今回は時間が限られているため鰹節ご飯のみ頂いた。
出汁、椀で頂いた鰹節なので再会が嬉しい。
水菓子
紅茶のババロア、干し柿のクリームチーズソース。
水菓子まで手抜かり無し!
「日本料理FUJI」の立地と雰囲気
「日本料理FUJI」さんは、静岡駅から10分ほどの場所にあり、好立地です。
お店の外観はアンティーク調なので、日本料理店には見えないかもしれません。
店内も同様で、スタイリッシュ。
スタイリッシュでありながら無機質な意匠ではないので、温かみも感じて落ち着きます。
一般的なお店ではお料理の仕上げをお客の前で行いますが、こちらはほぼ全てをお客の前で行われます。
食材や調理過程を見させて頂けるので、お料理を待つ時間も一興です。
「日本料理FUJI」のお店情報と予約方法
「日本料理FUJI」さんのWEB予約については、OMAKASE経由で可能です。
大人気のため予約できる日が限られていますが、東京から新幹線で伺う価値があるので、空いていたら訪問するのもアリです(笑)
店名:日本料理FUJI(にほんりょうり ふじ)
予算の目安:おまかせ5,000円19,800円
TEL:054-260-5166
住所:静岡県静岡市葵区栄町3-6
最寄駅:静岡駅から700m
営業時間:12:00~、18:00~
定休日:日曜、第3月曜、水曜昼
地魚に振り切った上質なお店は日本の宝だと思う、すしログ(@sushilog01)でした。
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