![重あり暖簾](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/9c5c559c4c41c3acebd6001a53d4009e.jpg)
こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
今回ご紹介するのは、牛込神楽坂で今後人気が高まるであろう鮨店です。
お値段が高騰する鮨業界においておまかせ16,500円で頂けて、しかも仕事は高精度。
日本酒の品揃えも良いので、終始楽しめる優良店です。
![すしログ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/bfff16286f71f92772bdffbe98056593.png)
江戸前鮨の古典と独自の仕事に意識的に向きっておられる親方。
お若いので今後が大いに楽しみな職人さんです!
女将さんの接客もほっこりして素晴らしい。
現状の食べログのスコアは3.49ですが、きっと上がるはずです。
![すしログライブラリー_アイキャッチ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/910017e372204aeb3368ce8ca768f40c-160x160.png)
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「鮨 重あり」の親方、重盛 勇人さんはお店を2022年8月10日にオープンされました。
「20代のうちに独立する」と言う夢を持っておられたとの談ですが、有言実行されるとは凄い。
しかも、よくある「ヘッドハンティング風パトロン系早期独立」ではなく、基礎を身につけたうえでの独立である事は握りを頂けば明瞭です。
〆や煮る仕事をバッチリ押さえつつ、鯵の薬味に当たり葱ではなく、万能葱と大葉を叩いたものを使用されるなど、意識的にアレンジを加えておられます。
脂の乗った鯵だったので、調整が魅力的でした。
このようなアレンジを加えられる職人さんは伸びしろが大きいです。
![鯵](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/0e52f6a912e1f7856ebd704e870949db.jpg)
鮨の生命線であるシャリについては、酸味も塩気もともに穏やか。
米粒は大粒でやや硬めに炊きつつ、もっちり感があり、噛みしめるとお米の存在感とともに甘味が広がります。
非常に印象的なお米のブレンドだったので品種をお伺いしたところ、ななつぼしと青天の霹靂ブレンドでした。
これは珍しい。
前半に特定の味覚が先行する料理もありましたが、そのあたりは今後に期待するところ。
若くして全ての味覚を洗練させられる人など稀有なので、お店の魅力を損ねることにはなっていません。
大いに頑張って欲しいです。
応援のため記事を書くだけでなく、またお伺いします。
「鮨 重あり」さんは上述のとおり、おまかせ16,500円です。
握りと酒肴を織り交ぜて構成されるので、お酒好きならばどんどん楽しくなるはずです。
![酒器](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/collage-1.png)
お酒によって酒器を変えられるのは素晴らしい。
お酒の味が酒器によって変わるのは、ワイングラスの多様性を見れば自明です。
この度頂いたお酒
- 手取川 純米吟醸 生原酒 シャキッと辛口(山田錦、五百万石・60%)
- 雪の茅舎 美酒の設計 純米吟醸(山田錦・55%)
- 日日 山田錦(スペック非公開)
- 月山 純米吟醸 涼夏(佐香錦、山田錦・55%)
- 船中八策 純米超辛口 雫下生酒(アケボノ、朝日、山田錦・60%)
- 羽根屋 純米吟醸 CLASSIC(雄山錦・60%)
スッキリと味を切るタイプのお酒が中心です(ペアリング理論で言うとマスキング主体)。
![酒01](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ec361d7dc4edbbc058aa9b5ed117b648.jpg)
![酒02](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/08dd5d56c7657ec7938d68f1920d3db4.jpg)
![酒03](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/01da5c52882e280c3e83f73a4e212387.jpg)
![酒04](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/813a96792a160c1410c6efe341479c29.jpg)
![酒05](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/996196afde36f496ea8bd8bb048100ba.jpg)
![酒06](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/110fc854694778bee6cda22f9333db78.jpg)
![岩もずく](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f0e81e3b232bc2ccfff624ce0b6fd9af.jpg)
能登産。
甘味が効いた甘酢を用いて、まろやかに提供。
![鮃](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ce840d54732bdf5f40a3df5af02e6625.jpg)
昆布〆。
寝かせてしっとりした食感。
旨味を強化した鮃に煮キリを塗って提供。
個人的には煮キリが無くても良いかと思う(魚味を楽しむために)。
![ガリ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/3016d63398f6b9813a86c2410cc582d5.jpg)
甘味があるクラシックな方向性。
![鰆](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/623c3d03b371ea5f44162ac9770c8fa2.jpg)
玉ねぎ醤油で提供。
刺身の鮃にしても、名刺代わりの一貫目にしても強い味付けでのスタートだが、握りで頂くと魚の味や仕事が活きていて非常に印象深いスタートとなる。
滑らかな食感の鰆に温かくぱらりとほどけるシャリが好相性。
これは一貫目に出される自負を感じる仕事である。
![鯵](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/0e52f6a912e1f7856ebd704e870949db.jpg)
長崎県産。
今や王道となっている当たり葱ではなく、万能葱と大葉!
鯵はもの凄い脂の乗りで、むっちりした身は脂を滲ませながらとろける。
大葉は最後にふわりと広がる。
薬味を自身の感性でアレンジされるとはセンスが有る。
![鮑](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/e647b4035f7c3380d7bcb55ceada9b21.jpg)
小ぶりながら香りが活きている。
むちむちした食感。
これは旨い。
価格的に頑張っておられると実感する。
![鮑02](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/8cf3c3dd43fcc45bef5d58f1e73709aa.jpg)
肝は定番の食べ方で。
![岩牡蠣](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/d26aaccb2e189240f6df0537154fab04.jpg)
五島産。
濃密な味わいで真牡蠣とは完全に異なる食感と味わいであることを実感させる。
鮑と言い、これは嬉しい。
![墨烏賊](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/cbcc95a85d78a2a98a7fa9140bdf525c.jpg)
淡路島産。
パツパツしつつ、とろりと甘い。
レモンを用い、大葉を噛ませつつも上品な範疇で収めているのは良い。
![榨菜の浅漬](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/c4e4a211805b48c7d69149cbfb9ef932.jpg)
![鮪赤身](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f0c5650997b1db7005159c27e115b17a.jpg)
塩竃産。
漬けは食感をねっちりさせ、コクを実感させる塩梅。
故に、海苔を加えている点が素敵なアレンジだ。
海苔の香りと旨味をクッションにすると巧く接続される。
シャリ温も高めに調整していて抜かりなし。
![鮪葱串](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/1746bbc17729e9b1b203e2f206166252.jpg)
これは江戸前鮨店の酒肴らしくて良い試み。
塩気を効かせて酒肴に調整されている。
![帆立](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/9b017dba3849a1d82d23de68a617042c.jpg)
直前に殻から剥いた帆立だそうで、しかも手裂き!
仕事の細部に向き合っている。
帆立の甘味が強いので柑橘とも合う。
柑橘の使用は賛否両論あるが構成を考慮して考えれば良いだけだ。
鮪葱の後だと間違い無いタイミング。
![鮪中トロ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/63bfeee9add404a90ff0aed664095b26.jpg)
コクが強く酸味がある中トロ。
筋は丁寧に切っている。
これもシャリ温を調整して味わいを最大化。
![帆立の精巣](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/a44ea2186332369910a6de00d09fbba2.jpg)
「すし屋のレバ刺しです」との談!
胡麻油と葱を使いつつ甘味が強いので良い酒肴。
鮮度が非常に良くないと出せない部位なので、殻から剥くメリットを最大化されていて素晴らしい。
![小鰭](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/d30099fcc543c803affdd96ac10299b8.jpg)
かなりみっしりと脱水させているクラシック寄りの〆加減だ。
40分30分で2日寝かせ。
旬の名残に入る小鰭ゆえの〆加減で、成る程と思う。
今の時代にこのような小鰭の仕事を出来る職人さんは、今後が楽しみになる。
![ズワイガニの茶碗蒸し](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/7ff6805d2f90753353fb41db705e18e0.jpg)
自家製の生海苔ポン酢を掛けているため、爽快感がある茶碗蒸しだ!
![車海老](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/edd81b47b68c6640d63add2e25ca5274.jpg)
大ぶりな車海老で嬉しい。
ネガティブな要素(臭みと苦味)はゼロで、甘味を楽しめる。
![紫海胆](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/6d84c8c87661510456eba960142110e2.jpg)
青森県産。
すっきりしていて甘味もありつつ香りは上品。
![小メロンの浅漬け](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/0665650684f9b72d2059f2448f6465a0.jpg)
![ゴボトロ巻き](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/baf511b78d5b2efc7befc65c65b8f563.jpg)
トロタクではなく牛蒡とは良い。
歯ごたえが強く、野趣ある香りもアクセントとして魅力。
![穴子](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/37bfc467245fd3c75e9a898b71681fcb.jpg)
対馬産。
ふっくら、ほろほろに煮ていて、トロトロ過ぎず良い。
煮ツメを先に掛けてから温めているので一体感が高められている。
![椀](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ae75fddb536048e7e099c0d281386a1b.jpg)
アラ汁ベースのアオサ入り味噌汁。
![出汁巻き玉子](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/51a97d1d21da40043691cc922806b3a8.jpg)
甘味があり、卵の香りが芳醇な出汁巻き玉子。
![重あり外観](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/e35b282c97392111147dfb8b632fa3b5.jpg)
「鮨 重あり」さんは駅から徒歩ですぐの場所にあり、アクセスは至便です。
それでいて大江戸線・牛込神楽坂駅という立地なので、落ち着いた住宅地的な雰囲気が漂っていてアットホームです。
店内も温かみがある内装で、女将さんのきめ細かくフレンドリーな接客も相まって、実に寛げます。
かつての街場寿司の雰囲気を持った明るい江戸前鮨店だと感じました。
ちなみに、余談となりますが、最近リーズナブルな鮨店を「街場寿司(町寿司)」と表現する人が増えていますが、それは間違っています。
銀座や麻布などのお店と比較して価格的に分けたくなる気持ちは分かりますが、「街場寿司(町寿司)」はアラカルト注文が可能で、もっとカジュアルな雰囲気かつ廉価な業態です。
何でもかんでも線引したり定義づけしたりするのは僕も好きではありませんが、時としてお店に対して失礼になるので、気をつけるべき表現であると思います。
「鮨 重あり」さんの予約については、お電話もしくはインスタのDMで可能です。
店名:鮨 重あり(すし しげあり)
シャリの特徴:酸味、塩気もともに穏やかで、もっちり感があり、噛みしめるとお米の甘味が広がるシャリ。
予算の目安:おまかせ16,500円+サービス料5%
TEL:03-6265-0833
住所:東京都新宿区北町21-1 第2信幸ビル1F
最寄駅:牛込神楽坂駅から200m
営業時間:17:00~23:00
定休日:第三日曜
親方と近しい気概のある鮨職人さんのお店。
北千住「千住しげ」さん
![千住しげ針魚](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f316b5937962a51b646e880667aacf80-160x160.jpg)
千歳船橋「鮨 一喜」さん
![鮨一喜トリ貝01](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/e25ce42f6fac877b59237a92b7da32b2-160x160.jpg)
若い鮨職人さんと話すと若返った気になる、すしログ(@sushilog01)でした。
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