YouTuberでありNFTアーティストな異色の鮨職人!クリプト系江戸前鮨「鮨 渡利」

渡利内観

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。

こちらはネット上で圧倒的な知名度を誇る、一風変わった鮨店です。

親方の渡邉 哲也さんは、お店を始める前にインターネット上で架空のお店を作り、ヒットさせてしまった職人さんです。

 

ご存知、YouTubeの「銀座 渡利」アカウントは半年間でチャンネル登録者1.5万人を突破しました。

そして、本記事執筆時点では、なんと16.5万人!

僕が初めて「銀座 渡利」さんを知った時は、正直なところチャラいチャンネルなのではないか!?と思いました。

しかし、実際には硬派な発信を続けておられ、鮨を愛する人間として心強く思った次第です。

現在は実店舗で握られているので、「会いに行けるアイドル」ならぬ「会いに行けるYouTuber」です。

この度、大物YouTuberの友人からお誘い頂き、一緒に訪問しました。

すしログ

ちなみに、親方と参加者のチャンネル登録者数の合計は85万人!

凄い時代だな…と感じるとともに、自身もやっぱりYouTubeをやりたいと実感しました。

すしログについて

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☆「すしログ鮨会」のご案内は、すしログの公式LINEにて
★noteに、各種グルメマガジンを連載しています!
Substackでは、英語で鮨の魅力を発信中!

渋谷「鮨 渡利」の魅力とは?

「鮨 渡利」の親方である渡邉 哲也さんは大学を中退して鮨職人として歩み始めた方です。

東京・神楽坂のお店で7年間修業した後、銀座の「鮨 おのでら」で漬け場を任され、2年間の研鑽を積んだそうです。

そして、冒頭に書いた通り実店舗よりも先にYouTubeでの配信を開始して、今や16.5万人ものファンに支えられています。

 

さらに、暗号通過SushiSwapの独自トークン「SUSHI」での決済に対応したり、メタバースで電子マグロの初競りをしたりするなど、振り切った活動もされています。

まさに異端児!

 

僕は伝統を重んじる人間ですが、信念さえあれば時代に即した表現をする職人がいても全く問題無いと思います。

実際、最近になってイタリアンやフレンチのベテラン料理人もYouTubeで発信するようになっていますしね。

 

それよりも、鮨において最も大切なのは魚の仕入れと仕事。

その点が徹底されていて、公序良俗に反しない方であれば、信頼に足ります。

渡邉親方は毎朝豊洲市場に行かれているそうです。

そして、頂いた中で〆の仕事が良く、これらによって信頼を覚えました。

 

包丁の切り付けは流石動画配信されているだけあって美麗。

渡利小鰭

小鰭の模様と握った際の湾曲に合わせて切り付けており、目を奪われるフォルムの小鰭でした。

 

「鮨 渡利」のシャリは、粒が大きめで、2種類ブレンドされているようです。

本記事を書く際に調べたところ、「コシヒカリ」と「あきたこまち」のブレンドとの事です。

酸味は穏やかな赤酢のシャリで、赤酢の旨味を活用しつつ、万能タイプで切られています。

 

お酢は私市キサイチ醸造の「江戸前赤酢」に、酒粕で造った白い赤酢の「R4」をブレンドされています。

「R4」は酸度4.2%の低酸度のお酢なので、コクが強い「江戸前赤酢」とブレンドするにはピッタリだと感じました。

お酢の酸味や香りのパンチを求める職人さんには弱く感じるかもしれませんが、万能タイプを志向されているので、良い選択だと感じました。

キサイチの「江戸前赤酢」については、以下の記事をご参照ください

酒肴を頂き終わり、いざ握りと言うところで、意外にもシャリが低温で意表を突かれました。

YouTubeで発信されている方ならば、最近のトレンドも把握されているはずなので、シャリが冷たいとは意外…

しかし、これには更に意外な魂胆が隠されていて、鮪に低温、小鰭に高温を合わせてこられました。

通常のセオリーの逆を行く試み。

その試みは奏功していて、僕も新しい感覚を楽しませて頂きました。

 

しかも、小鰭の〆方もトレンドの逆を行く、しっかり〆。

45分・30分で〆た小鰭に温かいシャリを合わせるセンスに、渡邉親方のポテンシャルを感じた次第です。

今後もYouTubeやNFTと言った先進的な発信以上に仕事自体に向き合い続ければ、更に魅力的な職人さんになれるのは間違いありません。

2023年には東京の都心を離れる計画があるそうなので、首都圏近郊で如何なるお店を開かれるのか、興味津々です。

 

ちなみに、現在は「東京すしアカデミー」と協業されているようで、「鮨渡利」は「青山鮨ふく江」の離れで営んでおられます(サイトのドメインも同じです)。

「鮨 渡利」のおまかせの詳細

「鮨 渡利」のおまかせは、お昼12,000円、夜20,000円のようです。

お昼の内容は酒肴3品、握り11貫、巻物、椀、玉子で構成されていました。

 

この度頂いたお酒

渡利お酒

神奈川の宮坂醸造の特注品。

精米歩合は48%で、3年以上熟成させた「雄町」純米大吟醸と「山田錦」純米大吟醸をブレンドしたもの。

造りは生酛。

味わいは万能タイプで、1種類しか置いていない理由に納得だ。

 

うるいのお浸しと春子の昆布〆

渡利うるいのお浸しと春子の昆布〆

みちっと昆布〆を施した春子とうるいが良い取り合わせ。

握りだと硬く感じるむっちりに〆つつ、うるいと合わせることで酒肴として上手く表現している。

うるいのホロ苦味と香りも良い。

季節感も味わえて好印象である。

 

水茄子の浅漬け、べったら漬け

渡利水茄子の浅漬けべったら漬け

漬物が冒頭に出てくるとは珍しい。

 

金目鯛のしゃぶしゃぶ

渡利金目鯛のしゃぶしゃぶ

千葉県大原産。

厚みがあり、火入れも良くてバッチリ旨い。

 

唐墨

渡利唐墨

2021年の11月に作った淡路産。

もっと熟成させているのかと思いきや、味噌漬けとのことであった。

厚切りで嬉しく、片方は炙ったものを提供。

 

鮪赤身

渡利鮪赤身

塩竈。

身質は柔らかく、鉄分があり、香りも良い。

前述の通り、シャリ温の低さに意表を突かれる名刺代わりの一貫目だ。

 

鮪中トロ

渡利鮪中トロ

脂が決して重くなく、コクが強い中トロ。

 

小鰭

渡利小鰭

美しい見た目が印象深い。

〆は皮がむちっと気持ちの良い弾力を示した後、身がもぎゅっと凝縮しつつ広がってゆく。

面白い〆加減で、爽やかに旨い。

着目すべきはシャリの温度を上げている点!

酸味を浸透させるクラシカルな〆方の小鰭に温かいシャリとは、斬新ながら相性が良い。

 

北寄貝

渡利小鰭

苫小牧産。

トロットロな北寄貝。

しっかり炙りっているため香ばしく、やや焦げの苦みが気になる(親方にお伝えした)。

 

渡利鯵

浜田産との事だったので、どんちっち鯵だ。

むっちりした身は歯切れが抜群で、食感の良さの後に脂を楽しませてくれる。

 

イサキ

渡利イサキ

2日寝かせてから振り塩をして脱水しているそう。

しっとり、とろりとほどける繊維質で、食感が良い。

 

ノドグロ

渡利ノドグロ

流通量が増えているブランド、紅瞳。

トロットロで、これも炙り強め。

バーナーではなく、網を用いて炙っている。

 

白海老

渡利白海老

安定の甘みの白海老であるが、体感の甘みが強め。

宗谷の塩を用いる事で甘みを強く感じるようだ。

 

海胆

渡利海胆

海胆については、握りもしくは軍艦がベターだと感じた。

見た目よりも味が重要なタネである。

 

カニ餡の小丼

渡利カニ

鰹出汁を利かせ蟹味噌を混ぜ込んだ餡は問答無用にシャリに合う。

 

穴子

渡利穴子

ふわふわ感に強い香ばしさをまとった穴子で、これは良い。

 

渡利椀

キリッとした味わいの味噌汁。

 

伊達巻き

渡利伊達巻き

玉子代わりに伊達巻きとは面白い試み。

しかも、江戸前鮨らしく海老の香りが漂い、強い!

あたかも焼いたかのような香りの強さが魅力だ。

そして、帆立の甘みが自然に舌を喜ばせる。

 

トロ鉄火巻き

渡利太巻き

最後は細巻きではなく太巻きで〆。

「鮨 渡利」の立地と雰囲気

「鮨 渡利」さんは渋谷駅から5分程度歩いた好立地にあります。

外観に「渡利」の文字は無く、混乱するかもしれませんが、下記の場所になります。

渡利外観01

前述の通り「青山鮨ふく江」の離れとのことです。

渡利外観02

暖簾も出ないので、要注意です(笑)

まあ、立地的に暖簾を出したらフリのお客さんが入ってきちゃいそうですからね…

 

店内は隠れ家的で、茶室のような趣を感じます。

渡利内観

「鮨 渡利」のお店情報と予約方法

「鮨 渡利」さんの予約は、公式LINE経由で可能です。

 

鮨渡利(食べログのリンク)

店名:鮨 渡利(すし わたり)

シャリの特徴:私市醸造のお酢をブレンドした万能タイプのシャリで、温度に意外性あり

予算の目安:お昼12,000円、夜20,000円

TEL:050-3138-3144

住所:東京都渋谷区渋谷1-6-4 せいこうビル1F(半地下)

最寄駅:渋谷駅から500m

営業時間:予約次第

定休日:不定休

※完全予約制、予約は2名からとなります

 

個性派鮨職人の活躍に期待する、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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