
こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
今回ご紹介する「かみむら」さんは、宮崎市の鮨店です。
訪問した結論としては、修行歴が長い方なので食材の選択や調理には安定感があり、誰もが美味しいと感じるカバー範囲の広い鮨だと感じました。


僕が訪問した時は悪天候のため海が厳しい状況でしたが、大満足させていただきました。
食材の選択肢が限られている中で工夫して楽しませてくれる職人さんは信頼が持てますね。
また季節を変えて訪問しよう!と感じました。

宮崎にある「かみむら」さんのオープンは2025年7月です。
親方である上村亮介さんは宮崎県日向市のご出身で、大阪で10年間修業された後、宮崎で7年間修業を積まれた叩き上げの職人さんです。

店内は席数12席のL字カウンターで、洗練された設えでありながら寛げる間取りです。
BGMにはスタジオジブリのインストゥルメンタルが流れており、肩肘張らず楽しめる軽やかな心地良さを感じました。

上村親方のお料理は、宮崎の食材だけでなく全国の旬を感じさせる食材を用い、独自の仕事が施されています。
市場に出回らない県北・諸塚村の天然鰻や、北浦で解禁されたばかりの地蛸など、土地の恵みをダイレクトに感じさせてくれるところが嬉しい。
かたや、走りの松茸の椀でコースが始まったり、秋刀魚の味噌漬けにいちじくを合わせたりと、魅力的なコースを設計されています。

鮨の生命線であるシャリは、大分県竹田産のヒノヒカリを南部鉄器で炊かれています。
酸味を効かせつつタネに寄り添い、もっちり感があります。
やや硬めに炊き上げつつ、それでいてお米の芯を残さない絶妙なバランスに仕上げられています。
日本酒の品揃えも豊富で、個性あふれるお料理やお鮨にピタリと寄り添う提案をしてくださる点も魅力です。
それでは、実際にいただいたおまかせコースの詳細をご紹介します。
コースの価格はおまかせ15,000円なので、今の時代に非常に良心的な価格の鮨店です。
お酒をハーフでいただいても、きっちり半額で涙モノでした。
2026年9月訪問時にいただいた内容です。


出始めの松茸。初手から心を掴まれる一品だ。香りも良くたっぷりと使われており、サクリとした食感は快感そのもの。出汁は力強く松茸を支える。柑橘の香りと酸味がやや強めに効いているのが宮崎らしく、それでいて松茸の味を邪魔しない。

熊本のいちじくと共に供される。秋刀魚は味噌漬けにしており、その味噌の塩気とコクがいちじくの甘味とよく合う。いちじくは秋刀魚とともに蒸し焼きにし、上にあしらった肝は蒸籠蒸しにする手の込みよう。仕事と取り合わせの妙で、他に無い魅力を表現している。秋刀魚特有の香りと食感、余韻は誰しもに秋の到来を伝えてくれる。他の青魚とは全く異なる個性が際立つ。2026年は秋刀魚の漁獲量もクオリティも惨憺たる結果であったので、お店で美味しい秋刀魚をいただけて嬉しかった。

北浦の解禁されたばかりの地蛸に梅肉を合わせた茶碗蒸し。底から香ばしい蛸が現れるサプライズがある。繊維質は初手でホロッとするので全体的にホロホロかと思いきや、もぎゅっと噛みしめる楽しさもある食感だ。コントラストを付けている点にセンスを感じる。また、敢えて大ぶりに切りつけているのも良い。味付けが実に良く卵もとろんとろん。餡の出汁と梅肉の調和が魅力的な塩梅で、蛸を噛みしめるほどに香りと味が広がっていく。
日本酒は豊富に揃えられているので、おまかせでいただいた。

純米大吟醸ながら酢酸イソアミル系の香りで良いご提案。

県北、諸塚村の天然鰻。農家さんが夏場の暑い時期に釣りに行く鰻(スッポンも獲るそう)で、市場に出回らない貴重なものだ。皮がバリッバリで香ばしい。ホロ苦さがあるため、軽く塗られたタレが嫌みなく調和する。天然らしい鰻の香りと地焼きらしい香ばしさを感じさせつつ、焼きの仕事で余分な脂は落としていて軽やかな食後感だ。有明海の海苔と共にいただく。

調味は日本酒と塩のみ。高知の郷土料理が発祥で、それをアレンジしているそうだ。口に含むと、確かに日本酒のふくよかな甘味がある。肉厚でむっちりとしており、夏の九絵ならではの香りを感じさせる。皮付きなのも魅力的で、皮下脂肪の旨味を余すところなく感じられる力強い仕立てだ。タフなクエの魅力を存分に引き出す提供方法である。付け合わせはほうれん草で、香りが良くシャキシャキとしており、ホロ苦さがふんわりと寄り添う。

脂ノリノリの白身魚に対し、完全発酵の辛口タイプのお酒が綺麗に合う。

対馬産。ふわふわ、トロトロに煮て塩で供される。握りの名刺代わりとして意表を突く選択だ。シャリの酸味が活きて重たさは皆無。口の中でちょっとマヨネーズ的な乳化すら感じるが後口は軽い。それでいて穴子の香りはしっかり楽しめる。久々に使うそうだが、面白い選択だ。

しっとりとしてホロホロと崩れ、香りが良い。蛸の本体(ボディ)とは少し異なる香りが広がる。塗られた煮詰めは濃厚で好みだ。蛸の香りと調和し、添えられた柑橘も自然に調和している。

塩で〆て甘酢の白板昆布を合わせる魅力的な仕事。ヒラアジの肉厚な切りつけで食感と味わいを伝えつつ、白板昆布と融合して味わいを変化させてゆく。アジを完全に生ではなく、塩で〆て握りで出す点に親方の個性が光る。

松前漬けの仕事で、スルメと昆布を使用。スルメと昆布の旨味を纏わせつつも、鰆の香りと脂を楽しませてくれる。親方のシャリとの相性もバッチリだ。

辛口タイプながらフルーツ感を漂わせ、ガス感もある面白いお酒と合わせる。

うーん。これは……誰もが美味いと思う味わいだ。巻いても地焼きによるサクサク感があり、鰻の香りもあり脂も広がる。尾の方なので重くなく軽やかだ。

鰻の巻物の後に意表を突く構成。細切りにして握ることで、ゴツゴツと力強い食感を楽しませ、咀嚼するとほどけてゆき甘い。少し薄皮があるが、それも心地よいアクセントになっている。

出始めで、身はぷりっぷりしている鮃。昆布を当てて旨味のパンチもあるので、コースの流れの中に綺麗に落とし込んでいる。昆布を当てつつ、鮃本来の香りもしっかり楽しめる。

穴子をコースの中で2貫用い、煮ツメを後半に配する構成。

山廃で寝かせた雰囲気のある生酒のぬる燗と合わせると、味と香りが綺麗に調和し、心地よい酸が活きてくる。

山葵を細切りにして、香りとホロ苦さ、そしてほんのりと鼻の方に広がる辛味を表現している。すりおろしと全く異なる味を伝える仕事だ。細切りにすると、空気と混ざらないため辛味が極めて穏やかで、野性味のある苦味が前面に出てきて、カリカリした食感となる。おろし山葵よりも「野菜感」が強い。黒胡麻も巻いているため、味わいは単調ではない。

アオサ海苔の赤出汁。赤味噌のコクが強い。浅葱に山椒も用いて清涼感を加えている。

甘味のある出汁巻き玉子。
「かみむら」さんは、お電話や公式サイトからのWEB予約が可能です。
店名:かみむら(かみむら)
シャリの特徴:南部鉄器で炊き上げる大分県竹田産のヒノヒカリを使用。酸味を効かせつつタネに馴染み、もっちり感がありながらやや硬めの粒立ちを感じさせない設計。
予算の目安:おまかせ15,000円〜
最寄駅:JR日豊本線「宮崎駅」西口から徒歩約15分(宮崎交通バス「橘通3丁目」から徒歩約3分)
TEL:0985-40-1818
住所:宮崎県宮崎市橘通西3-9-1 カメリアビル 1F D
営業時間:17:30〜22:00(※日曜日は昼営業あり、二部制の場合あり)
定休日:月曜日(不定休あり)
宮崎の食材と独自の仕事に敬意を表する、すしログ(@sushilog01)でした。
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