こんにちは、地産地消のお店が大好きな、すしログ(@sushilog01)です。
こちらも「うつしき」さんと同じく、食べログのスコアは3.06で、著名人は訪問していませんが、ゆくゆくはミシュラン、ゴ・エ・ミヨで脚光を浴びると直感しました。
ジャンルとしてはフレンチになりますが、和食やイタリアンが好きな方にも高確率でヒットする方向性です。
食材の選択、接客、ご提案頂くワイン、雰囲気の全てが申し分ない、素敵なレストランです。
洗練された御料理は、見た目のみならず食後感も美しい。
季節を変えて伺いたくなる優良店です!
タップできる目次
「レマイユ(Les mailles)」さんは、2023年6月オープンされたレストランです。
店名の「レマイユ」とは、フランス語で「つなぐ」という意味だそうです。
「豊かな自然の恵みや四季をつなぐ」、「環境を次の世代へつなぐ」などと言った想いが込められていて、お店のコンセプトは「自然に寄り添うレストラン」との談です。
オーナーシェフの満田さんはシェフ兼ソムリエ兼サケディプロマ。
フランスのブルゴーニュで修業された後、東京のフレンチレストランで研鑽を積まれたそうです。
そして、金沢の街並みに惹かれて移住を果たし、尾張町の「ア・ラ・フェルム・ドゥ・シンジロウ」で料理長を務めた後、独立されたそうです。
お料理はモダンフレンチの手法を採り、日本人シェフらしい繊細さを感じます。
芸術的で美しい意匠のお料理ですが、本質が備わっていて、石川の旬の食材の魅力を伝える気概に満ちています。
僕が訪問した時期は季節柄、山菜を複数使用されていて、望外の喜びでした。
まさかフレンチで山菜料理を頂けるとは!と。
このような食材の選択をされるシェフなので、異なる季節にお伺いしても石川の食材の魅力を伝えてくれるはずだと確信しました。
お料理のテンポも秀逸で、メインディッシュまでの所要時間は見事に46分!
ミニャルディーズを頂き終えるまで90分以内!
これは素晴らしいですね。
テンポが良いと通いたくなります(逆にテンポが悪いと一発アウトですね)。
レマイユ(Les mailles)」さんのコースは、ランチ限定・おまかせコース6,000円、シェフおまかせフルコース11,000円、能登を応援 復興支援フルコース20,000円で構成されます。
僕は【ランチ限定・おまかせコース】と【ワインペアリング】を頂き、お料理は下記の内容でした。
違う季節に2回訪問したので、各々紹介します。
2024年11月訪問の際に頂いた内容です。
- 障泥烏賊・能登もずく
- 南瓜・甘海老
- 平政・ビーツ
- 自家製のパン
- 白子・蕪・フェンネル
- 石川県産鹿肉のロティ
- 無花果
- 珈琲
- 小菓子
先程書いた通り満田シェフはソムリエ兼サケディプロマなので、お任せでお酒を頂くのが得策です。
ペアリングは4種5,500円で、ハーフが3,500円です。
グラス単位でもシャンパーニュ 1,700円、白ワイン 1,100円~、赤ワイン 1,200円~なので、安心して楽しめます。
僕はもちろん4種ペアリングをお願いしました。
- DRAPPIER BRUT NATURE
- SAYS FARM ALBARIÑO 2022
- DOMAINE DE VILLAINE Bouzeron 2017
- DAVID MOREAU SANTENAY Les Hates 2020
DRAPPIER BRUT NATURE
能登もずくはゼッポリーニ風の仕上げ。障泥烏賊の上にはおぼろ昆布を添えている。
テクスチャーの一体感とイカの甘味が実に楽しい。塩レモンを少量加えて、ほんのりと爽やかさを漂わせる。
全粒粉の香ばしさの後に蛸の食感と旨味が広がる楽しいアミューズ。
“DRAPPIER BRUT NATURE”は梅っぽく感じる香りとキリッとした酸味によってマスキングの効果がある。
パッと見では分からないが、甘海老の下にはバターナッツかぼちゃ、金糸瓜。間にコンソメのジュレ。バターナッツかぼちゃと海老の香りの調和が魅力的!不思議と甘海老の香りを強く感じる。金糸瓜は食感が軽妙。
ヒラマサは富山産。前回のサヨリのように、目を引く美しいプレゼンテーションだ。
ヒラマサの中にはビーツ、ケーパー、オリーブなどが詰められていて、レモンクリームソースが添えられている。ヒラマサはむっちりと効果的に脱水していて旨い!マリネしたビーツやハーブ香が優しく魅力的なアクセントとなる。
SAYS FARM ALBARIÑO 2022
コクが強い白ワインで、同時にキリッとした苦味もある。香ばしさ、苦味、コクが合う。
蕪のピュレ、フェンネルオイルとフェンネルのピクルス、能登地方の赤大根である「能登娘」。蕪のピュレの甘味と一体化して白子の甘味を活かす点が白子の上品な使い方だと実感する。ピクルスの優しい酸味も奏功している軽やかな印象になる。
DOMAINE DE VILLAINE Bouzeron 2017
ヨーグルトを感じさせる香りでスッキリした方向性だが、日本酒の熟成香に近いニュアンスもあり面白い。
「本日の魚料理」は「地物の鰆」で大変魅力的であったが、今回は初志貫徹で【石川県産鹿肉のロティ】を選択。+1,000円で、 2名からオーダー可能だ。
万願寺唐辛子の下には鹿肉のミンチをソテーしたハンバーグ状のお料理があり、憎らしい設計だ。キノコは能登産の椎茸、マイタケ、ナメタケ。ソースは自家菜園の唐辛子や万願寺唐辛子で作ったソース。面白いのがマスタード状の調味料。唐川菜使用されている種子は「唐川菜」のもので、これは能登の伝統野菜だそう。穴水町下唐川地区に自生している稀少な品種のようだ。
肝心の鹿肉については、軽やかな味わいで美味。コクや酸味が軽く、特有の香りもまた上品。肉質はしっとり、ほろりとしたテクスチャーだ。ソースは辛味と苦味があり魅力的な相性。能登のキノコも美味で、特にナメタケのシャクシャクした細やかな繊維質が面白い。ミンチは凝縮感が強く噛みしめる食感が魅力だ。
DAVID MOREAU SANTENAY Les Hates 2020
香ばしさ、甘味、苦味が鹿肉に合う。
ドーナツ生地にクリームチーズ、いちじくを詰めて揚げたデセールとレモンバームのアイスクリーム。いちじくは「黒蜜姫」で、フランスで言う「ビオレソリエス」だ。いちじくは生だと酸味があり、すっきりした味わい。加熱するととろりとして甘味が強まる。もっちりしたドーナツ生地とクリーム状のいちじくが実に美味しい。アイスクリームはレモンバームの爽やかな香りがあり、軽やかな着地。
金沢柚子のケーキ、加賀棒茶のカヌレ、フランボワーズのマカロン。
2024年5月訪問の際に頂いた内容です。
- 鱒・玉ねぎ
- 林檎・鶏レバー
- そら豆・ひよこ豆
- サヨリ・山菜・トマト
- 自家製のパン
- 筍・蛍烏賊・独活
- 白ソイ・金柑
- 苺・酒粕・能登大納言
- ハーブティー
- 小菓子
ペアリングの内容。
- Gosset Extra Brut
- Pierre-Olivier Bonhomme Sauvignon 2022
- Vin de la bocchi No.15 Bocchi Rose 2023
- Domaine Andre Bonhomme Vire Clesse Thurissey 2020
鱒はコリアンダーでマリネして、ディルをあしらっている。
生地はカリカリで軽やか。
玉ねぎ香ばしい香りが食欲をそそる生地だ。
そして、ビネガーの酸味がキリッと上品に広がる。
ハーブの香りも上品に調和させている。
林檎・鶏レバーは、フランボワーズの香りが良い。
リンゴも含めてフルーティーさが嫌み無く調和していて、見た目以上に美味しい。
ひよこ豆はピュレにして、ヨーグルトとカルダモンのムースを合わせている。
豆類のコクと香りを楽しませてくれる一品!
ヨーグルトの酸味とカルダモンの爽やかな香りが爽快に調和する。
バランスに洗練がある。
食感についても程よく残して意図的に粗いテクスチャーを表現している点など素晴らしい。
針魚はおぼろこんぶで〆て、山菜、トマトのコンソメと合わせるとは素敵な組み合わせ。
多種多様な山菜はソテーして魅力を引き出している。
行者にんにくの香りがふわりと漂い、他の山菜の苦味も広がる。
トマトのジュレは旨味があり、青い香りも広がる事で爽快だ。
針魚はぷるり、しっとりなテクスチャーで旨い。
これは良い。
山菜の香りや味覚を満喫できるプレートだ…。
山菜料理で誰もが魅力を感じる調理に仕上げているのは素晴らしい事である。
タケノコはムニエルにして、文旦のピュレ、葉山椒と共に。
タケノコのホロ苦さ、文旦のピュレの甘味、甲殻類のソースの海老の香りと旨味が独創的な味覚体験を与えてくれる。
その結果、ウドがフルーティーに感じる。
味の組み立て方が素晴らしい。
文旦の味わいとのバランスでウドにビネガーの酸味を加えている点も一体感に貢献している。
訪問当日は、魚料理と肉料理、オプショナルな肉料理2品の合計4品から選べた。
魚は仕入れ次第だと思うので、ラッキーである。
僕は魚料理の【白ソイ】を選び、妻は【能登豚】をチョイスした。
【白ソイ】は旨味が強く、ゼラチン質も豊富だ。
肉厚で美味!
ソース・ヴァン・ブランと金柑も魚の味わいを全く壊すこと無く盛り上げてくれる。
妻が選んだ【能登豚】は、豚肉を薄切りにしてチーズを挟んで衣を付けて焼き揚げたコートレット。
蕗の薹ソースと共に。
イチゴは小松市・本田農園さんのもので、カスタードクリームには【奥能登の白菊】で有名な「白藤酒造店」さんの酒粕を使用!
酒粕とカスタードは香りの相性が良く、濃厚で美味しい。
イチゴは香りが強く、瑞々しく、美味しい。
和と洋の調和を巧みに表現していて、懲りすぎずにフルーツと向き合い素晴らしい。
ミルフォイユを「再構築」と言う単語を用いずに上品に再構築している。
なお、「白藤酒造店」さんの日本酒については、姉妹ブログにテイスティングノートを書いている。
訪問の直近で頂いていたので、嬉しかった。
金沢産柚子のパウンドケーキ、フロランタン、生姜のコンフィ。
パウンドケーキは得てして凡庸なものも多いところ実に美味しく、柚子の香りがしっかりと漂い、酸味も効いている。
フロランタン、生姜のコンフィも含め、ミニャルディーズもしっかり個性がありバッチリ美味しい。
「レマイユ(Les mailles)」さんは市街地から離れた卯辰山にあり、瀟洒な雰囲気です。
敷地内にそびえる巨樹が目を引きます。
店内は3つほどのゾーンに分かれていて、僕らがご案内頂いた席は桜が見えて嬉しかった。
とおくには金沢城跡が見えます。
美味しい御料理も雰囲気も、接客も、全てが大満足でした。
「レマイユ(Les mailles)」さんの予約については、「一休」経由でWEB予約が可能です。
店名:レマイユ(Les mailles)
予算の目安:ランチ限定・おまかせコース6,000円、シェフおまかせフルコース11,000円、能登を応援 復興支援フルコース20,000円
TEL:050-3159-3864
住所:石川県金沢市東御影町58-2
最寄駅:金沢駅から2.7km
営業時間:12:00~15:00(13時最終入店)、dinner18:00~22:00(20時最終入店)
定休日:火曜、水曜
直近で金沢をめぐり印象深かったお店です。
うつしきさん
金沢で温故知新を体現する王道且つモダンな日本料理「うつしき」鮨いくたさん
鮨の激戦区、金沢で気鋭の鮨職人!「鮨 いくた」すし屋小桜さん
金沢駅に最も近く、最も美味しい江戸前鮨の優良店!「すし屋 小桜」
知られざる未来の名店に出会いワクワクする、すしログ(@sushilog01)でした。
本記事のリンクには広告がふくまれています。