過去に何回か伺い、西日本の若手職人さんの中で有数の腕を持つと思うお店です。
この度、初めて7月に訪問しました。
訪問当初は食べログで3.5ほどだったので、ここのところのスコア高騰には驚くばかり。
また、敢え無く写真撮影不可になってしまいましたが、その分集中して頂けるのは嬉しいと考えましょうか(笑)
再訪して、矢張り相当の実力をお持ちな職人さんであり、今後の可能性を感じさせて頂きました。
この度頂いた日本酒。
土佐しらぎく、船中八策、勇心、石鎚。
今回は酒肴は3品のみ。
握り主体で頂きました。
真子鰈
肉厚!極めてぶりぶりな食感で、強い甘み。
個人的に大変好みの白身の寝かせ方。
旨味と香りもバッチリであり、3日以上寝かせて食感がダレたものとは異なる。
蛸
地もの。3分のみ茹でたとの事。
蛸としては大変短い火入れだが、噛み締める喜びがある。
噛むごとに香りが高まる。
今や鮨店で定番中の定番となった【桜煮(柔らか煮)】とは異なる魅力。
蛤
桑名の蛤。
身はトロトロで、煮ツメが良い仕事。
蛤の苦味と旨味に寄り添い、異なる旨味で引き立てる。
この後、握りに移行します。
タネの後に記載している(白)、(赤)は使用する酢の違いとなります。
合わせたワインではありません(笑)
→その後、酢飯を赤酢一本に絞られました。
真子鰈(白)
昆布〆。最初に鰈の旨味が来て、ねっちりした食感と共に昆布由来のグルタミン酸が感じられる。
酢の酸味との相乗効果が良く、理に適った昆布〆。
最初の一貫として、穏やかに盛り上げてくれる。
剣先烏賊(白)
肉厚な烏賊に超細の包丁を入れている。
徹底的にトロトロした食感を演出しており、甘い!
蝦蛄(赤)
大ぶりの子持ち蝦蛄で、思わず「おおっ」と声が漏れる。
しっかりと漬け込んでおり、煮ツメで提供。
淡白な2貫の後に面白い流れ。
卵の含有量が多く、細かくプチプチと弾ける。
小鰭(白)
しっかり目に〆ているが、しっとり感もあって美味。
酢の浸透も強めだが、小鰭の香りがふつふつと立ち上がる。
鮑(赤)
蒸した鮑に肝を噛ませている。
切り付けが面白く、厚みのある部分と薄い部分があり、波を打たせている。
香りが抜群で、柔らかな身からゼラチン質がたっぷりと滲み出て、旨味に流されそうになったところで、肝の苦味と風味が味わいを調整する。
緩急の付いた味わいである。
赤酢のシャリとの味覚的なバランスも良好。
味わいが良いので産地を伺ったところ、小豆島産との事。
鯵(白)
超大ぶりの鯵を半身使用。
叩いた青ネギを噛ませている。
シャリの酸味との相乗効果がこれまた高く、旨い。
塩2分、酢2分で〆ているそう。
ノドグロ(赤)
炙っているが、ほぼ皮目だけの炙りで、身は生。
身の旨味を活性化させつつ、生の魅力も楽しめる。
エゾイシカゲガイ(赤)
雑味無くミルキーな甘みに満ちており、食感も抜群。
エゾイシカゲガイ(イシガキガイ)は都内でも頻繁に用いられるようになっているが、全てが全て美味しいと言う訳ではなく、仕入れのセンスも要求される状況にあると感じる。
蔵前の幸鮓さんは早い段階から使用されていた。
マナガツオ(赤)
炙って皮をパリパリに仕上げ、皮が弾けるや否や旨味が横溢。
赤酢のシャリと香ばしさ、脂の旨味が良く合う。
真鯛(白)
後半戦に真鯛とは、面白い流れ。
香りが強く、旨味は上品。
2キロ弱との事で、瀬戸内の鯛は夏にもう少し旨味を増す。
鮪赤身(赤)
20秒くらいの短い漬け。
爽やかな鉄分を楽しめる。
煮キリを変えておられ、たまり醤油的なコクが奏功している。
鮪中トロ(赤)
サラッとした旨味だが、脂はシャリの酸味と結合し魅力を増す。
海胆(白)
由良の赤海胆で、形が非常に綺麗。
冷えているのに一瞬で溶け去り、ただただ旨味が残る。
ミョウバン入りの海胆は室温で馴染ませる必要があるが、上質な塩水海胆は低い温度帯でも口どけが良く、旨味を瞬時に感じられる。
鰯(白)
ひたすら、トロトロトロトロ。
抜群の脂の旨味。
〆加減が素晴らしい。
叩いた青葱と生姜を噛ませている。
焼き穴子(赤)
煮穴子(赤)
穴子を東西2通りの調理法で供されるのは、大変面白い。
香りが炸裂し、煮穴子はトロトロ。
焼きで食感と香りを楽しんだ後に、煮穴子で甘みを楽しむ。
玉子
車海老とマナガツオを使用した贅沢な玉子。
大変味わい深い。
店名:鮨舳(すしとも)
シャリの特徴:タネに合わせて、米酢(白)と赤酢を駆使。硬さ、ほどけ加減ともに抜群のシャリ。
予算の目安:14,000円~20,000円
最寄駅:瓦町駅から150m
TEL:092-726-6289
住所:香川県高松市瓦町2-8-17
営業時間:お昼12:00~14:00(基本的に二人以上から)、夜18:00~22:00
定休日:日曜、祝日
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