すしログ:日本一アヴァンギャルドな江戸前鮨!通ごのみの鮨店・銀座「鮨処やまだ」

鮨処やまだ暖簾

(No. 345をリライトしました)

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

2017年2月に初めて訪問して以来、何度も定期訪問している銀座のやまださん。

親方の山田裕介やまだゆうすけさんがお店を開いたのは2012年7月で、2021年7月5日に9周年を迎えられました。

僕はオープンから4年半ほど経ったタイミングでの訪問でしたが、ここ数年の進化だけみても目覚ましいです。

様々な鮨店を巡り、時間を置いて再訪すると、必ず新発見があります。

鮨処やまだ鮪カマトロ

※お店の表記については、「鮨處」が正式ですが、一般的な表記「鮨処」で記載しています

「鮨処やまだ」の魅力について

山田親方の凄さと「鮨處やまだ」の魅力については、類を見ない魚の表現です。

すしログ

魚に対して「表現」なんて、変態的な形容で、すみません(笑)

これは端的に言うと、魚の仕込みや仕事(調理)が非常にユニークと言うことです。

 

もともとオリジナリティの高い仕事だと思っていましたが、他のお店に行けば良くほど、山田親方は独自の理論とアプローチを実践されていることが分かります。

特に、魚の香りを重視し、食感を変化させる手腕には目を瞠ります。

〆と脱水はもちろん、寝かせと熟成を駆使して独特の食感に魚を仕上げる仕事は見事です。

鮨処やまだ鮎

鮨処やまだの魅力

端的に挙げると以下の通りです。

  • 酒肴のみならずガリすら無く、握りのみ15貫で勝負する鮨店
  • 東京では珍しい魚ですら江戸前鮨に仕上げるセンス
  • 魚の香りも含めた魚味ぎょみを引き出す
  • 熟成仕事の巧さ
  • 小鰭が旨い!

僕は硬派な江戸前鮨店や老舗の江戸前鮨店も好きですが、個性派のお店としては、比類ない魅力がある一軒だと思います。

その心とは、個性的だったり創作的だったりするものの、ベースは紛れもない江戸前仕事で、〆や煮るなどの基本的な仕事が徹底している為だと確信します。

 

例えば、鮑。

鮨処やまだ鮑

長らく通っておいて頂いけたのは1回ですが、他のお店とは違う仕事で、山田親方固有の火入れを実感しました。

具体的に言うと柔らかすぎない仕上がりで、噛むと鮑の旨味と香りが高まる煮仕事です。

「咀嚼する喜び」がある鮑で、意識的に他店とは異なる味に仕上げていると感じました。

鮑は非常に柔らかいものが流行っていますが、噛み締めて旨味と香りを高める仕事も楽しいものです。

 

鮑に限らず、山田親方は魚の香りと食感を重視しています。

それは旨味と引き換えに香りと食感を弱める可能性がある熟成を巧みに操る点からも分かります。

 

そして、圧倒的にオススメなタネは小鰭です。

鮨処やまだ小鰭新子

〆の仕事で効果的に脱水して旨味を引き出しているのに、食感は柔らかい小鰭です。

〆や寝かせに失敗すると生じる、特有のにおいも感じた事はありません。

全国の色々なお店で小鰭を吟味していますが、ナカズミサイズの大きめの小鰭でも食べやすく〆る手腕には驚きます。

鮨処やまださんの小鰭

逆に、新子(1枚目の写真)であっても〆の仕事で旨味を引き出されます。

新子なので旨味は淡いものの、〆の仕事で魚の良い部分を引き出し、旨味、香り、食感を楽しませてくれます。

なお、ネットには否定的な意見も見られますが、以下のような方が否定的なのだと思います。

  • 江戸前鮨王道のタネを食べたい方
  • 銀座らしい豪華な空間を求める方
  • 承認欲求が強い方(笑)

ハッキリ言って、王道の江戸前鮨を求めるなら、他の多くのお店に行くことをオススメします。

飲食店でお互いにミスマッチが起こるのは双方が不幸なので、目的を持って訪問した方がベターです。

鮨処やまだのシャリについて

鮨処やまだ鰯

そして、シャリ(酢飯)についても万能型で完成度が高いです。

鮨の生命線であるシャリは初めてお伺いした時から改良を加えられています。

当初は非常に硬めの炊き加減でしたが、現時点ではブレがありません。

 

使用しているお米は宮城県登米産のササニシキで、お酢は現在、飯尾醸造の赤酢と米酢のブレンドです。

以前は横井醸造(ヨコ井)の與兵衛と白寿のブレンドでしたが、2019年10月頃に変更されました。

少量の砂糖を用いて、赤酢のクセや強い旨味を穏やかにまとめた万能型のシャリです。

 

また、山田親方のシャリで特徴的なのは、タネによってシャリの温度帯を変えるところ。

今でこそシャリの温度を意識的に変化させる職人さんが多数現れましたが、数年前まではほとんどいらっしゃらず、自分の経験では初音鮨の中治親方の次に山田親方によって体験しました。

そう考えると、ここ4〜5年の鮨の進歩のスピードはもの凄いものです。

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「鮨処やまだ」の立地と雰囲気、システムと目安予算

「鮨処やまだ」さんは、銀座7丁目の「第26ポールスタービル」の3階にあります。

お店は銀座、有楽町、新橋のいずれの駅からも徒歩圏内です。

EVでビルの3階に上がり、右手に進めば、一番奥に暖簾がかかっているので分かります。

 

店内はカウンター8席ほどになり、小ぢんまりとしています。

気取ったところがなく、「銀座の鮨」と言うよりは雰囲気のあるカウンター割烹と言った風情なので、気合を入れすぎないで大丈夫です。

ただ、荷物を置くスペースが限られているので、大荷物でないほうがベターです(笑)

「鮨処やまだ」のおまかせについて

やまださんのおまかせコースは15貫16,500円です。

酒肴は無く、ガリも椀もありません。

純粋に握りのみにフォーカスしたおまかせです。

 

おまかせのタネ数はデフォルトで15種類と多めですが、さらに追加用に15種類ほど用意されています。

訪問する度に何が出るか分からないワクワク感があるのは、やまださんならではな魅力です。

しかも、多品種でありながら最後まで食べ疲れが無いのは山田親方のセンスの賜物。

多品種で魅力的なコースに仕上げているのは、親方のセンスと完成度の高いシャリがあってこそだと思います。

「鮨処やまだ」の追加オーダーのシステム

追加オーダーについては、通常コースの15貫を頂いた後、余力に応じて追加するスタイルです。

ただ、単品で追加するのではなく、5貫単位で追加する方式です。

しかも、追加オーダーは1回のみ。

このシステムについても批判しているレビューを見ますが、個人的にはエンタメ性があり、しかも追加のタネの構成順も考えられるので、別に違和感を感じた事はありません。

批判している人には「自分の好きなものを好きなタイミングで頼みたい」と言う人もいますが、そもそも何故おまかせのお店に訪問されているのか謎ですね。

 

予算としては、通常コース16,500円に、追加1貫1,000円くらい、お酒1杯1,000円を見れば試算可能です。

直近の訪問は、通常コース15貫+11貫追加、お酒 種で約34,000円でした。

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「鮨処やまだ」さんの最新の訪問記事

下記におまかせコースや追加の詳細をお伝えします。

2021年6月の訪問記事

この度頂いたお酒

  • 町田酒造35 MAX 大吟醸 山田錦
  • 寒菊銘醸 True White 雄町50 純米大吟醸
  • 松本酒造 澤屋まつもと Kocon
  • 廣木酒造 飛露喜 特別純米 山田錦・五百万石

 

鮨処やまだ鮎

時期限定で出されていると伺い、お願いして確保頂きました。

産地は岐阜県・郡上八幡の天然モノ。

大変独特な〆の仕事を施されていて、食感が絶妙。

ぷるんとした身は鮎の脂を感じさせ、皮がコリッ、プツッと弾ける感覚が面白い。

尾の方は香りがふんわりと漂う。

魚体が小さい場合は握りで出されているそう。

 

鮨処やまだ鱚

淡路産。

鱚としては予想外の食感で、これは素晴らしい〆の仕事。

ぶちっと切れて、むちっむちっと力強い反発を楽しませる鱚は珍しい。

大抵、しっとり柔らかいか、みっしりと水分が飛んでいるかなので。

お酢の酸味を浸透させつつ、鱚の甘みと香りがふんわりと漂う。

 

墨烏賊

鮨処やまだ墨烏賊

まず、アオリイカの時期なのに墨烏賊を出すところが粋(変わった鮨を出していても、こういうところに江戸前気質が出るものであり、それに気づけるのが本当の鮨食いである)。

独特の切りつけをされていて、タネの中心部が薄い。

それ故に、コリッコリッと軽快な食感を演出し、とろっととろける。

 

鮨処やまだ鮃

昆布〆でみちっと締まっているが、昆布を当てているのは片面なので香りと旨味が上品。

 

椎茸

鮨処やまだ椎茸

頂く前から香ばしい椎茸。

ごりっごりっと力強い食感で、旨い。

椎茸の握りも進化させているのが凄いと実感。

 

鮨処やまだ鰹

佐島産。

非常に濃厚な味わいの鰹で、特に鉄分と香りが強い。

山田親方は何気に鰹に思い入れがあると見ており、季節ごとに異なる味を楽しませてくれる。

 

赤貝

鮨処やまだ赤貝

閖上産。

小型だが香りが強く、じゅわじゅわと旨味が高まり、強い味わいを示す。

 

イサキ

鮨処やまだイサキ

萩産。

熟成仕事が素晴らしい。

みちっとした食感の後に、しっとりとほどける。

そして、噛み締める過程でイサキの酸味、旨味、香りが高まる。

1週間ほどの熟成との事だが、旨味以外に食感や香りも引き立てる熟成の技は見事。

 

縞鯵

鮨処やまだ縞鯵

香りがたっぷりな縞鯵!

そして、縞鯵独特の酸味が高まり、強い脂が滲んでいく。

これまた驚くべき精度の熟成で、日数と伺ったところ10日。

 

北寄貝

鮨処やまだ北寄貝

甘み、シャリの酸味に黒胡椒を合わせる鮨処やまだ定番の仕事。

 

トキシラズ

鮨処やまだトキシラズ

見た感じ脂がもの凄く、実際にとろけるほどであるが、先ずぷちっと弾けるところが良い。

食感を感じさせ、超強い脂を楽しませる。

脂のノリに頼らないところが魅力的。

 

小鰭

鮨処やまだ小鰭

江戸前。

食べる前から香りが強い小鰭。

独特の凝縮感のある〆加減で、みしっとして、ホロホロ。

強い香りだが全く嫌らしくない小鰭。

 

車海老

鮨処やまだ車海老

伊万里産。

茹で置き+低い温度のシャリ。

しかし、甘みが強く、香りも良い。

 

金目鯛

鮨処やまだ金目鯛

ぶちっぶちっと金目鯛としては力強い食感が魅力的で、一般的な脂を前面に出す仕事とは別モノ。

この金目鯛を頂き、いやはや表現がアヴァンギャルドだな…と実感した。

 

鮨処やまだ鰯

〆た鰯を炙って提供する。

鰯の皮はご存知の通り薄いが、パリッと弾ける。

刹那に脂が滲み、香りが高まる。

鰯を炙った時の香り…これは嫌いな日本人の方が少ないだろう。

〆の酸味が爽やかに後味を引き締める。

 

帆立

鮨処やまだ帆立

むちっと舌に張り付き甘みを感じさせる。

そして、とろける。

 

以上でおまかせの15貫が終了。

この後、10貫追加で頂いた。

 

鮪赤身

鮨処やまだ鮪赤身

境港産だが、問題視されている巻き網ではなく、引き網。

酸味があり、香りは殊のほか穏やか。

余韻としては酸味が強く、キリリと爽やか。

 

春子

鮨処やまだ春子

しっとりな食感に加えて、皮下脂肪が凄い春子で驚く。

とろりと脂が滲む春子は非常に珍しい。

それだけでなく、香りも楽しめる点が心ニクい。

 

鮪中トロ

鮨処やまだ鮪中トロ

波状的に食感が変わる中トロ。

脂に加えて強い酸味があり、夏らしい味わい。

 

胡麻鯖

鮨処やまだ鯖

〆て5日寝かせているので、食感は滑らかにこなれている。

鯖とは異なる香りの余韻が印象的だ。

脂こそ真鯖に完敗するが、夏らしい味わいがあるのは鮪と同様だろう。

 

鮪大トロ

鮨処やまだ鮪大トロ

濃厚ながらスッキリした酸味が喉に残る。

 

鮨処やまだ鯵

脂が乗っているので身質はトロトロで、香りの良い鯵。

 

鮪カマトロ

鮨処やまだ鮪カマトロ

濃厚な脂だが、全く臭みは無くむしろ爽やかな印象のカマトロ。

 

海胆

鮨処やまだ海胆

利尻山。甘みが非常に強いバフン。

 

鮨処やまだ蛤

大型でみっしり、じゅわりとエキスがたっぷりな蛤。

食感を楽しませる火入れ。

握る前にふきんで水分をふき切る職人さんが多いので、瑞々しいのは珍しい。

 

玉子

鮨処やまだ玉子

しゅわっとして、ねっちり絡むような食感の玉子。

今回は塩気を利かせている。

 

「鮨処やまだ」さんのお店情報と予約方法

WEB予約については、一休経由で可能です。

鮨處やまだ(一休のサイト)

人気店なので予約については必須ですが、一人ならば比較的近い日にちでも取れる可能性があります。

好きな日に訪問するならば、余裕を持って2週間〜1ヶ月前に予約される事をオススメします。

 

鮨處やまだ(食べログのリンク)

店名:鮨處(すしどころ)やまだ

シャリの特徴:飯尾醸造の赤酢と米酢のブレンドで、尖ったところのない、まろやかなシャリ。

予算の目安:おまかせ16,500円~

TEL:03-3572-7534

住所:東京都中央区銀座7-2-14 第26ポールスタービル3F

最寄駅:新橋駅から350m、銀座駅から450m、有楽町駅から650m

営業時間:18:00~21:30

定休日:日曜、祝日

 

【過去の訪問記事】

すしログ No. 181 鮨処やまだ

すしログ No. 186 鮨処やまだ

すしログ No. 190 鮨処やまだ

すしログ No. 200 鮨処やまだ

すしログ No. 216 鮨処やまだ

すしログ No. 228 鮨処やまだ

すしログ No. 257 鮨処やまだ

すしログ No. 276 鮨処やまだ

 

これからも通い続けたいと思う、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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