こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
さて、「築地青空三代目 丸の内店」。
こちらは、何回かお伺いしていて、テレビ番組「新日本男児と中居」にも登場頂いたお店です。
多店舗展開するグループですが、丸の内店は佐野正志さんの尽力が光ります。
他店とはシャリが異なり、「シャリは鮨の生命線」である事を実感します。
そして、この度、筆者が「J.S.A. SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」を取得したことをきっかけに、日本酒ペアリングの会を開催しました。
すしログ
自分自身、日本酒と鮨・和食のペアリングには可能性しかないと確信しました。
考えてみると、ワインにはペアリングを行って味覚に変化を与える「マリアージュ」があるのに、日本酒にはありません。
日本酒が和食ならば全般的に合わせやすいお酒だからかもしれません。
しかし、今や幅広い味わいの日本酒が登場しているので、ペアリングを意識しないのは勿体ないと思います。
「ペアリング」と聞くとコース仕立てがイメージされがちですが、グラス単位でもペアリングは可能です。
「鮨・魚には辛口のお酒」と言う時代は終わりました。
自身でイベントを行いつつ、料理人の方々に情報を発信していきたいと思います。
すしログ
持ち込み料、1本1,000円と言う破格でご対応頂き、感謝いたします。
コラボして頂ける職人さん、料理人さん、随時ウェルカムです!
日々、お酒を飲んでスキルを磨いていきますので、一緒に日本酒の可能性を試しましょう。
★全国6,000軒以上を食べ歩く食好き
☆鮨の食べ歩きは15年以上のキャリア
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今回の日本酒ペアリングのお酒とイメージ
それでは、まず、今回の日本酒ペアリングに用意したお酒を紹介します。
そして、ペアリングのイメージをお伝えします。
日本酒ペアリングのお酒
今回、日本酒を選ぶに当たり、お伺いした酒屋さんは西小山の「かがた屋」さんです。
理由は、経営者の直井一成さんが「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」をお持ちで、「アカデミー・デュ・ヴァン」で講師をされているためです。
受験に当たり、発信されている対策クイズにも全て目を通しました。
まずは酒屋さんで全てのお酒に目を通し、スタッフの方に相談しつつ、6本のお酒を選びました。
45分ほど悩みに悩み、選び抜いたお酒は、こちらです。
- 宮坂醸造:真澄スパークリングOrigarami(¥2,200)
- 日々醸造:日日 山田錦 大酒造期新酒(¥2,398)
- 萬乗醸造:醸し人九平次 純米大吟醸 山田錦(¥2,134)
- 水戸部酒造:山形正宗 稲造 稲刈り(¥2,750)
- 吉田酒造店:吉田蔵 u 百万石乃白(¥1,760)
- 秋田醸造:ゆきの美人 貴醸酒 山田錦(¥2,200)
※別途送料1,650円、交通費800円
ペアリングのイメージ
ペアリングのイメージとしては、以下のとおりです。
- 爽やかに始める
- 爽やかさを維持しつつ、徐々に味わいを濃くする
- 中盤の鮪のタイミングで最も最も濃くする
- その後、一度リセットして爽やかさを戻す
- 最後は濃醇に、しかし、軽やかにまとめる
日本酒は基本的に甘味があるお酒なので、味覚的にダレない事、料理にネガティブな影響を与えない事が必須です。
反面、スッキリした味のお酒だけ揃えても、ペアリングの意味を失います。
そして、重視した事項は、以下のとおりです。
- 当たり障りのないお酒は選ばない
- 味覚的にも嗅覚的にも同調を意識する
- 鮨職人が選ばない日本酒を盛り込む
すしログ
味覚の変化や相乗効果を発揮するマリアージュを目指すならば、自分で作るか料理人と完全に二人三脚するしかないので、お酒を選ぶ際に役立ったのは、食べ歩きの経験と味覚でした。
なお、理想を言えば燗酒も交えたかったのですが、初の試みでしたので、今回は冷酒で組み立てました。
「築地青空三代目 丸の内店」で行った日本酒ペアリングの内容
それでは、「築地青空三代目 丸の内店」さんで頂いた内容と、日本酒ベアリングの内容を紹介します。
こちらは通常8,800円と言う非常にリーズナブルなコースを提供されていますが、11,000円でカスタマイズをお願いしました。
以下では、選んだお酒ベースで酒肴と握りを紹介していきます。
すしログ
なので、食レポは控えめで、写真中心にて恐縮です!
宮坂醸造:真澄スパークリングOrigarami
・特定名称:純米酒
・原料米:非公開
・精米歩合:55%
・アルコール度数:12%
「宮坂醸造」さんは、1662年に創業された非常に長い歴史を持つ酒蔵です。
そして、「きょうかい7号酵母」の発祥蔵として知られます。
老舗ながらに近年格段に評価を上げている酒蔵だと思います。
【真澄スパークリングOrigarami】は、今注目を集めるスパークリング日本酒の傑作です。
合わせる酒肴は、こちらの2品です。
鯖の燻製
煮牡蠣
力強い酒肴でスタートされるため、お酒は爽快感を重視しました。
そして、風味が強い酒肴なので、後に残らないようにお酒で切るイメージです。
日々醸造:日日 山田錦 大酒造期新酒
・特定名称:非公開
・原料米:山田錦
・精米歩合:非公開
・アルコール度数:13%
「日々醸造」さんは、2022年に稼働した新しい酒蔵です。
しかし、蔵元杜氏である松本日出彦さんは、「松本酒造」さんで【澤屋まつもと 守破離】などの銘酒を生み出された方。
日本酒の新しい世界を拓く杜氏さんなので、現在、僕が最も注目している方です。
酒蔵のフラッグシップモデルである【日日 山田錦】は、伝統的な生酛造りで醸すお酒です。
合わせる酒肴は、こちらです。
白子焼き
ボタン海老の醤油麹和え
鮟肝ペーストと西瓜の奈良漬
生酛特有の酸味で【真澄スパークリング】に爽やかに接続し、酒肴が持つまろやかさや発酵系のコクと調和させるイメージです。
萬乗醸造:醸し人九平次 純米大吟醸 山田錦
・特定名称:純米大吟醸酒
・原料米:山田錦
・精米歩合:50%
・アルコール度数:16~17%
もはや「言わずと知れたブランド」である、【醸し人九平次】。
ラベルに書かれている「オウ・ド・デジール」は日本語で「希望の水」を意味します。
なぜフランス語かと言うと、蔵元がパリの星付きレストランに直接営業を掛け、地道な努力で実力を認めさせた経緯があるためです。
そして、瓶燗火入によって「火入れなのにフレッシュ!」という新境地を拓きました。
それまでは、フレッシュ=生原酒(火入れ無し)と言うのが世間のイメージでしたので。
合わせたのは、こちらの握り2貫です。
春子
墨烏賊
実は、酒肴から握りに移行するタイミングを見越して、【日日 山田錦】を味わっている途中で抜栓して注ぎました。
純米大吟醸なので冷酒の状態が美味しいのは勿論ですが、「かがた屋」さんにて「温度が上がっても美味しい」と聞いたため、握り(米)に寄せるべく、この方法を採りました。
水戸部酒造:山形正宗 稲造 稲刈り
・特定名称:純米吟醸酒
・原料米:出羽燦々
・精米歩合:60%
・アルコール度数:15%
鮪に合わせて選んだのが【稲造 稲刈り】です。
鮪は酸味、旨味、脂、血の香りの野趣などで構成されるため、様々なアプローチがあると思います。
ワインの場合、赤を選び、血の香りや鉄分に合わせる事が一般的ですね。
僕は【鮪丼】をイメージして、旬モノの鮪の脂や旨味にお米の旨味をぶつけるべく、【稲造 稲刈り】を選んだ次第です。
鰯
鮪赤身
鮪中トロ
鉄火手巻き
吉田酒造店:吉田蔵 u 百万石乃白
・特定名称:純米酒(山廃)
・原料米:百万石乃白
・精米歩合:60%
・アルコール度数:13%
【手取川】で有名な吉田酒造店さんは、革新的な酒造りを行っています。
【吉田蔵 u 百万石乃白】は、後半の〆ものと光物に合わせ、爽やかに味わうべく選びました。
僕は以前に別のスペックを頂いた事があったので、自信を持って選択しました。
9%の低アルコール日本酒ですが、「モダン山廃」で醸すことから、爽やかながら旨い酒です。
2019年に名称が公募で付けられた新種の酒米「百万石乃白」の旨味も活きているのだと思います。
「百万石乃白」は酒米の王者である「山田錦」と「05酒系83」の掛け合わせで、少タンパク質の酒米です。
小鰭
鰆
車海老
秋田醸造:ゆきの美人 貴醸酒 山田錦
・特定名称:純米酒(貴醸酒)
・原料米:山田錦
・精米歩合:55%
・アルコール度数:16%
最後のお酒ということで、煮もの・煮ツメに寄せるべく貴醸酒を選びました。
貴醸酒とは、三段仕込みの三回目を水ではなく日本酒で仕込むスタイルです。
味わいは濃醇になります。
一般的には甘味が強いものが多いので、デザートワインのように楽しむことも可能です。
ただ、今回選んだ「秋田醸造」さんのものは、甘味が強いものの酸度が2.0を超えるのでクリアーに感じる貴醸酒です。
イクラ
軽く火を入れた後に西京味噌に漬ける仕事なので、こちらも貴醸酒との相性が良かったです。
蛤
穴子
椀
「築地青空三代目 丸の内店」のお店情報と予約方法
「築地青空三代目 丸の内店」さんは、食べログ経由でWEB予約が可能です。
店名:築地青空三代目 丸の内店(つきじあおぞらさんだいめ まるのうちてん)
シャリの特徴:赤酢を巧みにブレンドし、酸味・塩気ともに強め。硬さ、温度共にバッチリ。
予算の目安:ランチ3,520円など、夜おまかせ8,800円
住所:東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルB1F
最寄駅:有楽町駅から220m
TEL:03-6256-0178
営業時間:月~土12:00~、17:30~、日11:30〜17:30最終入店
定休日:不定休
いやあ、日本酒ペアリングは本当に奥深いです。
これからも追求していきます!
すしログ(@sushilog01)でした。