![広川外観](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/0d354640024c332f4f41a2de4148a934-1024x576.jpg)
こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。
大阪の「すし処 広川」さんは、京橋という大衆的な街において上質な江戸前鮨を頂ける鮨店です。
ミシュランガイドで2011年から連続で1ツ星を獲得されている人気店で、外国人旅行者も多数訪れるようです。
この度お伺いしたところ、堅実で古典的な江戸前仕事をベースに、大阪らしさと和食の趣を採り入れている鮨店だと感じました。
![すしログライブラリー_アイキャッチ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/910017e372204aeb3368ce8ca768f40c-160x160.png)
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「すし処 広川」の大将である盛岡 博嗣さんは、職人歴が長く、大阪・北新地にある完全紹介制の「鮨処 多田」で修業の仕上げを行った職人さんとの事です。
「鮨処 多田」はエンタメ性が高く、「大阪らしいお店」と聞いていますが、盛岡大将は非常に穏やかな方。
誰もが落ち着ける接客とお人柄です。
同時に、お店の設えも心地良く、静謐な空間に癒される鮨店です。
盛岡大将のシャリは、赤酢ですが、見た目ほど強くはありません。
タネによって甘味と酸味が変わる印象を覚える、万能型のシャリに仕上げておられます。
これは大阪らしい赤酢のシャリだと感じます。
使用しているお酢は私市醸造、ミツカンの三ツ判山吹と優選との事。
握りのモーションには、掌を打ち鳴らすと共に捨てシャリがリズムとして組み込まれています。
使用される魚については、瀬戸内、西日本のものを中心に組み立てておられます。
その中に北海道のマスノスケなどを加えるなど、大都市だからこそのタネの組み立て方をされています。
旬外れのいくらを出される点や酒肴に玉子豆腐を出される点にオールドスクールな寿司店の流れを汲むと感じました。
「すし処 広川」さんは、お昼も夜もおまかせ一本で営業されています。
お酒を3種類頂き22,600円でしたので、コストパフォーマンスが高い鮨店です。
![お酒](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/4a3c74ff44a1cc3bc6e88a4a0493a25d-1024x683.jpg)
この度頂いたお酒
- 日高見 純米酒 純辛
- 田酒 純米吟醸 山廃
- 日高見 弥助 芳醇辛口 純米吟醸
お酒はおまかせで頂きましたが、上記の通り「辛口」の方向性です。
【日高見 純米酒 純辛】は、香りは青リンゴ、洋なし、軽いマスカットで、強くキリッと引き締まる後味は日高見らしい。
【日高見 弥助 芳醇辛口 純米吟醸】は久々に頂いたが、「旨味がある辛口」で、成る程…これはこれで良いと感じた。
お店のペアリング的には同調や補完などのマリアージュを目指すのではなく、後味を切ってマスキングする方向性です。
![小鯛の酢〆とトマトのすりながし](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ed4331e8b1d9278907e04251b24f751f-1024x683.jpg)
大阪らしい小鯛はクラシックに〆つつ、しっとりした食感で魅力的。
香りのある鯛なのでトマトの甘味と酸味の中でも味を感じられる。
![鯛](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/a2f66bbbf4f494a5d80b238a67b1d9d1-1024x683.jpg)
香り良く、旨味が込み上げる鯛。
湯引きした皮も添えて頂いている点が嬉しい。
![玉子豆腐と淡路の海胆](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f4b28d83be1707cb8ba275b5be355665-1024x683.jpg)
海胆に玉子豆腐を合わせるとは、意外な組み合わせだ。
家庭的な親近感を感じさせる食材の選択か。
![真魚鰹](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/c8ca93b787e541dcd6496628fd253f87-1024x683.jpg)
焼き茄子、おかわかめ、葛打ちした餡。
真魚鰹は関西らしい魚で嬉しく、しかも旨い。
そして、旨味だけでなく特有の酸味が実に爽やかだ。
おかわかめのシャキトロ食感も魅力的。
![マスノスケ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/3c191b2417b5e6dd1335bcb2b5fae8ff-1024x683.jpg)
高級魚マスノスケを用いつつ、これも家庭的な方向性でほっこりする御料理だ。
![白ミル貝とじゅんさいの酢のもの](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/660f0864926c0c9230740af0dbba506c-1024x683.jpg)
爽やかな一品で、構成的に和食を意識していると実感する。
じゅんさいの時期に酢の物を頂くと実に嬉しい。
![鮑の蒸し寿司](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/32f11497832cd5ffc9c26abe8f82ed35-1024x683.jpg)
肝を用いた葛餡が独創的で、肝の磯の香りをふんわりと楽しませ、シャリの酸味でキリッとした後味に着地させる。
この後、握りに移行します。
![ガリ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ec65ead3c753b82df359277b49e4a376-1024x683.jpg)
極薄切りでシャキシャキした食感。
甘味に酸味、ピリ辛がある。
![剣先烏賊](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/c8d88996a260e3ec1fb6d30040040e7a-1024x683.jpg)
大変細やかな包丁を入れて、とろける方向性で提供。
温度低めでスッキリとスタートする名刺代わりの一貫目。
![石鯛](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ae3da1b74dce42156c0e77b1114a28d4-1024x683.jpg)
軽い漬けにして提供。
石鯛ながら強い味付けで赤酢のシャリと共に。
![甘海老](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2632129e4cd9158fa83808eba637b6c5-1024x683.jpg)
プチッと弾けて、とろりととろけ、強い甘味にシャリの甘味が同調する。
![鱚](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/71c59eaa7775054d72ff6caa477d0027-1024x683.jpg)
昆布〆。
昆布の旨味をバシッと力強く乗せて、木ノ芽と合わせるのは実に大阪らしい仕事だ。
![鰹](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/208ec8cbb8d6cf39cbea34985ba71dd1-1024x683.jpg)
漬け。
酸味が強い鰹を漬けの味付けでバランスを取る。
薬味の使用量は上品で好感。
![赤貝](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/271bdce9f111de7aaef53158d9115946-1024x683.jpg)
旨味が強く、昆布様の香りが徐々に高まってゆく赤貝。
![ひもきゅう巻き](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/81b9d30225191f9ec872d88aaa32bdd1-1024x683.jpg)
手巻きで軽やかに提供。
食感と旨味が強く、美味い紐だ。
![鮪赤身](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/59e9c2cd58e1f720a5529e3edd1160f5-1024x683.jpg)
赤身の香りと旨味を活かす漬けの仕事。
最後に酸味が立つ。
![鮪中トロ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/c9e5fb1d5c157fdb01e70ea7f1bccc46-1024x683.jpg)
脂が強く、雄々しい香りのトロ。
これはタイヘイヨウクロマグロではなくタイセイヨウクロマグロか?
![小鰭](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/fb9c00fee69a8d3fc78284f703a04c2b-1024x683.jpg)
みっしりした食感に酸味がしっかりと効いているクラシカルな小鰭。
正に鮪の後の為の仕事。
![海胆いくら巻き](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/49a0bb0f0afe2774eb99b5b57788d663-1024x683.jpg)
海胆といくらとは意外にも軟派な一貫で、しかも旬外れのいくらを使用される点が非常に意外であった。
![穴子](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/1b0da32934f25cc2868661e1d4afe29d-1024x683.jpg)
穴子は笹の上で炙ってから提供。
みっしりと良い食感で、香りも良い穴子。
笹ゆえの香ばしさも効いている。
![トロ鉄火巻](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/c48ab8b2270735335b768e7fa6b4e46a-1024x683.jpg)
巻き物は3貫あったが、全て手巻きでの提供となる。
![椀](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/14d2c3a8cbebb02da9be202bbe103cf6-1024x683.jpg)
アラ出汁の味噌汁。
![玉子焼き](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/88b536bff8431ece5322498152d5f8f2-1024x683.jpg)
ふわんふわんでシフォンケーキっぽいが、みっちりとしている点が鮨店らしくて良い。
![べったら漬け](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/e5b661e2c9eff49270827fc0218a9440-1024x683.jpg)
切り込みを入れて間に大葉を噛ませている点が、実に爽やかだ。
「すし処 広川」のお店情報・予約方法
「すし処 広川」さんは、お電話のみの予約となります。
店名:すし処 広川(すしどころ ひろかわ)
シャリの特徴:赤酢の色が濃いものの、味わい的には万能型の美味しいシャリ。
予算の目安:昼夜おまかせ、お酒を3種類頂き22,600円
TEL:06-7410-5343
住所:大阪府大阪市城東区蒲生1-8-39
最寄駅:京橋駅から450m
営業時間:12:00、18:00 ※それぞれ一斉スタート
定休日:日曜
僕が愛する大阪鮓の名店、たこ竹さん
![たこ竹看板](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f6fa29a02694d1e85e83efa28d687c6e-160x160.jpg)
食い倒れの街、大阪の鮨の今後に期待する、すしログ(@sushilog01)でした。
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