![くるますし看板](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f176fb73c68f80a7527fcceb2dc22e89-1024x683.jpg)
こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。
さて、2019年7月に初めて訪問した「くるますし」さん。
初訪問の時点で28歳の高平親方が生み出す酒肴、握りとは思えない程の完成度で、才能に驚かされました。
ただ、同年11月に再訪したところ少し気になる事があり、シャリのお酢がメーカー違いの4種類で迷いを感じた次第です。
しかし、今回再訪したところ迷いが断ち切られていて、過去2回の訪問を軽々と凌駕する内容に圧倒!
![白甘鯛](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f418c361ac8b7ce98a236140b47d3b08-1024x683.jpg)
再訪問した時の差分は中国・四国・九州で過去に訪問した事があるお店の中で最大。
福岡の今や名店と言える「鮨さかい」さんに匹敵する飛躍を遂げておられ、今後が更に楽しみになりました。
![すしログ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/bfff16286f71f92772bdffbe98056593.png)
親方の稀有なセンスと魚愛が最高です。
そして、愛媛の職人・料理人・生産者と繋がって、切磋琢磨されている点が素晴らしい!
今後とも末永く通いたい一軒です。
![すしログライブラリー_アイキャッチ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/910017e372204aeb3368ce8ca768f40c-160x160.png)
タップできる目次
初めてお伺いした際に感じた「くるますし」さんの魅力としては、以下のとおりです。
- 魚に対する細部の仕事への配慮
- 熟成の見極めの巧さ
- 親方の味覚の精度
- 調味料、食材の取り合わせのセンス
- シャリの味覚調整のみならず、温度調整も巧みに行う
その上で、感じたことは以下のとおりです。
「タネに対する細部の仕事への配慮」については、職人であれば誰しもがやっているだろう、と思われるかもしれません。
ただ、こちらの二代目親方・高平 康司さんの配慮たるや「研究者」と言える程だと感じました。
伝統的な鮨の「仕事」のみならず他ジャンルでの「調理」を意識した新たな仕事を生み出そうと言う気概に満ちた配慮です。
要は初回訪問時点で感銘を覚えた次第ですが、今回お伺いして鮨の生命線であるシャリが更に美味しくなっていました。
![シャリ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/408b7db8feb0e50170cbdc918db66b36-1024x683.jpg)
酸味をキリッとストレートに効かせつつ、塩気を落としており、迷いが切れた印象です。
酸を効かせて味わい深いタネと調和させる手法は咀嚼過程での印象を増幅させる味覚設計だと感じます。
そして、自身の実感に間違いは無く、使用しているお酢のメーカーは大幅に変えられていました。
前回ブレンドされているお酢は「ヨコ井、ミツカン、キサイチ、飯尾醸造」でしたが、メーカーの数を減らしつつ、「広島のお酢も使用」との事でした。
推察すると、「尾道造酢」の【純粋赤酢】か「センナリ」の【純赤酢】を使用されているのでしょうか(「後藤商店」の【後藤の赤酢】ではない印象)。
握りの手数は少なく、軽やかかつ速い。
捨てシャリや、手を打ち鳴らす事もなく、ひとえに流麗です。
そして、握りだけでなく酒肴も抜群に美味しく、個々に「やりすぎ」なほどに手をかけられています。
しかし、食材や調味料を重ねる「やりすぎ」ではなく、魚介の特性を見極めて魚の魅力を引き出すアプローチなので大歓迎の「やりすぎ」です。
都会で流行っている予約困難店には油脂を重ねたり、塩味を強めたり、あるいは禁じ手の香りや外国産の高級食材を重ねたりします。
東京のバブリーな消費者が喜ぶために行っているのかもしれませんが、これらは江戸前鮨においては蛮行であり、自身のセンスが無いことを証明している行為でしかありません。
高平親方は20代後半で「引き算」の美徳を実感されたからこそ、今のシャリがあるのだと頂いて実感します。
酒肴の中で特徴的なのは、魚のネガティブな部分を徹底的に抑え、煮ても焼いてもピュアな味を楽しませてくれる点。
炙りの仕事を少し多めに用いられますが、それが全く気にならず、寧ろ特長として機能しています。
魚の仕立て方と、地方で地魚を江戸前鮨としてどう活かすか?について悩みを抱えている職人さんは、是非とも訪問されると良いと思います。
新潟の「鮨 登喜和」の小林親方や「兄弟寿し」の本間親方と並び、新たなご当地江戸前鮨を生み出す気鋭の職人さんだと確信します。
それでは、実際に頂いた内容をご紹介します。
それでは、「くるますし」さんのおまかせコースの詳細について、ご紹介します。
まずは、2023年8月に頂いた内容です。
- 石鎚酒造 石鎚 純米大吟醸 愛
- 仙頭酒造 土佐しらぎく 特別純米 八反錦
- 川亀酒造 川亀 山廃純米山田錦 大漁ラベル
- 玉櫻酒造 玉櫻 純米 近畿33号
- NAREKLISHVILI & SON’S WINERY RKATSITELI QEVRI 2020
【石鎚 純米大吟醸 愛】については、「鮨たか山」さんでも頂きましたが、愛媛県限定のお酒です。
![石鎚愛](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/668f452c530fbafc1d36bd076951206b-1024x683.jpg)
「愛媛食材研究会」と石鎚酒造さんが開発された飲食店専用の日本酒で、美味しさとともに土地で味わう喜びに満ちた純米大吟醸酒です。
![石鎚愛02](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/71acc7c619eb85d98732aedaac98801a-1024x683.jpg)
香りについてはメロン、グレープフルーツ、ミネラル感が強く、甘味が切れていて、酸味がキリリと引き締める。
他の日本酒についても魅力的なご提案で、お酒の面でも味覚的にご自身の鮨と向き合っておられるのが分かります。
![川亀山廃純米](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/20c5ec56592bbb49d20f7428854bde27-1024x683.jpg)
そして、煮もののタイミングではジョージアのオレンジワイン。
![NAREKLISHVILI & SON'S WINERY RKATSITELI QEVRI 2020](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/a1f1bb36548ee868aa40761e62e30f18-1024x683.jpg)
最高です。
なお、和らぎ水が何を言わなくても夏でも常温である点が素晴らしいです。
ここにセンスが表れていると実感した次第です。
![鰻](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/4fedfd8bacb18a1f1660d287abb8ed9b-1024x683.jpg)
クリスピーでサクサクした食感の後に、繊維がホロッホロにほどけながら、皮目がもっちり感を加えつつ、脂がとろーりとろける。
さらに天然鰻らしい香りが力強く広がる。
これは素晴らしい仕事。
高温の炭火で5分以内に焼き上げるそうだ。
鰻は、岡山県・児島の青鰻を使用。
また、蛇腹のキュウリの仕事が良い。
提供温度は常温で、酢や塩の塩梅も申し分無し。
焼きの仕事のみならず細部への配慮に関して抜群のセンスを発揮されている。
純粋な「味わい」だけを気にする方は多いだろうが、親方の真骨頂は細部の配慮の積み重ねにある。
![真魚鰹](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2a65183d824fc779963d9f4d7e3c9ceb-1024x683.jpg)
2.6キロ、藤本さん仕入れの鱧で、手前が背で、奥が腹側。
これまた凄い仕事。
ピュアに旨く、そして香りがあくまでも上品にふわっと広がり、鱧らしいかすかな野趣ある香りを感じさせる。
上質な仕立てと繊細な仕事により生み出される剛胆な味わい。
剛胆でありながら上品であるのは見事。
魚体は地元ならではで、昼に藤本さんが締めたものだそうだ。
群の中で最大の個体を活きで仕入れ、泳がせてストレスを抜き、骨については包丁で全て除去している…実に驚かされる仕入れと仕込みだ。
なお、塩は「高知の天日塩で、白身魚用に作ってもらっているマグネシウムが多めのもの」との事。
生産者は予想通り田野屋塩二郎さんであった。
![胡麻鯖](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/e14de6603129da7f9f06de6f0214f7bc-1024x683.jpg)
愛南町のもの、との事なので丸鉄水産・濱田さんの魚だろう。
朝締めとの事。
ねっちりした身質の後に、とろとろと脂が横溢し、胡麻鯖の脂を活かす素晴らしい仕事である。
さらに軽い漬けで味わいにアクセルを掛けている。
軽い甘味ある漬け地で、余韻が良い。
薬味の当たり葱も合っており、薬味を「ただ使う」のではなく調整を踏まえて「合わせている」事が分かる。
胡麻鯖は締める前に泳がせてストレスを抜いているそうだ。
![鮑](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/eb9321f548b8dd8edd8b12abd840815d-1024x683.jpg)
二神島の漁師直仕入れで、加熱しても縮まない鮑だそうだ。
まず、香りが良い。
そして、口当たりと食感も絶妙で、むっちり感が強く、切れた後に口に張り付き、もぎゅっ!と食感を楽しませる。
良い鮑と良い仕事を判別するポイントは、多層的な口当たりと食感を見れば良い。
親方は肉厚ながらに程良い歯切れと食感を両立させている。
もちろん旨味も強い。
そして、旨味だけでなくゼラチン質によるとろみすら感じる。
ここまで魅力的な仕事だと、肝ソースは最早蛇足だ。
理由は、味。
鮑の肝ソースの味は予測可能だが、鮑自体の味は予測不可能である為。
故に素で食べねば分からず、ひとたび頂くと魅了され続け、そのものの味わいで深い感動へと導いてくれる。
蒸しの時間は6時間との談。
![金目鯛](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ea57727aa8cdf0c9b250dc6ec633537f-1024x683.jpg)
藁炙りの後に炭火で焼く仕事。
調味料は玉ねぎポン酢。
皮目は自己の脂で揚げ焼きにされていてサクサクだ。
きめ細かいクリスピー感と、ホロ苦さが良い。
![金目鯛02](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/b1db772abed957bb4b53404fe757ac44-1024x683.jpg)
加熱による脂の活性化、むっちりした食感の表現、それでいてしっとりした食感とホロホロ感を出し、香りなども素晴らしい。
この金目鯛は漁師が一人しか獲れないもので、室戸あたりだそうだが、ポイントは誰にも教えていないものだそうだ。
![アコウ(キジハタ)](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/13e49c448cb7cf41865e75a945776a76-1024x683.jpg)
今治。
厚切りして身に2回ばかり包丁を入れて、皮目を炭火で炙り、昆布出汁でしゃぶしゃぶ的な提供方法。
故にアコウらしいぷりっとした食感を楽しませつつ、ホロッとほどける食感で、艶めかしさに加えて加熱による魅力も両立させている。
そして、皮目が旨い!
![ガリ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ba34575ccf279c74547e702d58f4a4da-1024x683.jpg)
甘味を排除し、酸味と塩気をキリッと利かせたガリ。
口直しの方向性。
![白甘鯛](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f418c361ac8b7ce98a236140b47d3b08-1024x683.jpg)
八幡浜産、2キロ。
みちっと凝縮させ、酸味が強いシャリと合わせて乳化に導く仕事。
6日ほど脱水、熟成を行っているそうで良い仕事だ。
食感だけでなく表面の舌触りがねっちりと艶めかしい点も魅力。
印象に残る名刺代わりの一貫目だ。
![イサキ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/938a2220192890088446b5b0e9b2b32e-1024x683.jpg)
愛南町。
炭火炙りで強いサックリ感とホロ苦さを味わわせる。
そして、そこから脂の香りが高まる。
![縞鯵](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/dc5e61385ead17ba26734eb4ab16a71c-1024x683.jpg)
愛南町、5日熟成。
皮目に近いところと中心の食感のズレが良い。
フラットに柔らかいのではなく、プチプチ感ととろり感の両方がある。
そして、途中から香りが急に広がる点も面白い。
![鮪中トロ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/c8dfc0fa7ce3460cd35dfe0c56ae6ad5-1024x683.jpg)
塩竈、血合いギシ。
血の香りがふんわりと漂い、酸味は穏やかに感じる。
これはシャリの味も一因かもしれない。
そして、脂の甘味が広がる。シャリとの相性が良い。
![鮪大トロ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/cdd4cd1b7ce53221166eb628686ca169-1024x683.jpg)
夏鮪らしい後味だ。
初速がありつつ、フィニッシュは穏やかな大トロ。
この時期の大トロは実に良い。
![ワタリガニ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/b033edd9bb9d02c1cb197593ff2b8d14-1024x683.jpg)
味噌、半熟に仕上げた内子も使用。
これは凄いパンチ!
直前に炭火炙りの海苔と合わせて完成する香りと旨味の暴力だ。
![小鰭](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/89d334c6f4f81edef0d40b48be174ab1-1024x683.jpg)
肉厚で、身はみしっとした食感。
酸味を利かせ、寝かせつつ、ネガティブな要素は一切無い。
シャリとも合うのは芝海老オボロのお陰だ。
![鮎の蒸し寿司](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/0b29fdd3d9f9e3ca03b5341a2dd5be79-1024x683.jpg)
山奥の集落、愛媛県喜多郡内子町小田の鮎。
肝の苦味を活かしたソースを用い、鮎でも乳化するなんて驚いた。
海苔は西条のばら海苔。
![メバル](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/7da14ac98cbf6e777f6574549eafaaf5-1024x683.jpg)
地元・北条の釣りもの。
ぶっちりとワイルドな食感の後に、旨味と甘味がどんどん込み上げる。
味わい深さとシャリとの一体感の高さ故に、すぐに頂くのは勿体ないとすら感じた。
海老、煮ものに移行するタイミングで頂くのは矢張り、ジョージアのオレンジワイン。
![NAREKLISHVILI & SON'S WINERY RKATSITELI QEVRI 202002](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/8dafc9d33abfd62a5ca3d227cc3ab4c3-1024x683.jpg)
![車海老](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/a7aa3d8c23f4c04150d2d964d7fee10d-1024x683.jpg)
85℃で火入れを行った後に、52℃の鍋に移して提供する。
2回目に温度帯を低く設定している理由は、全員に同じ状態を提供する為だそうだ。
味とサービスを高度に両立させる仕事。
産地は地物。
これは面白い車海老。
ぷりぷり、ぱっつりした食感で、強い甘味が印象深い。
シャリの酸味が途中主張しすぎるかと思いきや、1秒以内に甘味に収斂された。
![海胆軍艦](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/8d9a67b6bc04fe51cee3035edc5922d7-1024x683.jpg)
二神島産との事なので、「鮨たか山」さんと同じ仕入れだ。
剥いてから3日寝かせているそうで、仕入だけでなく仕事も加えている。
塩水にすら触れさせずに寝かせるそうだ。
甘味、旨味はバッチリで、実に濃厚な味わい。
やはり、独特の野趣を感じさせる香りが一瞬漂う海胆だと再認識。
![穴子](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/57764cf58dabb1dc88013ddc5face490-1024x683.jpg)
地物。
「えびこぎ」の底引き網で獲れる巨大な穴子との事。
煮てから骨を完全に除去されている。
身はホロッホロで、皮目はとろとろしつつ、みちっとした食感も十分に楽しませてくれる。
長時間加温をして柔らかくし過ぎた穴子ではない。
香りもじんわりと広がり、味わい深い仕事だ。
![玉子](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/61e5a870cfd88a20c0fcfb9479904790-1024x683.jpg)
ヨリエビと大和芋を使用。
江戸前の芝海老玉子に愛媛色を加えているご当地江戸前式。
みっちり、中心はとろとろ。
甘味が穏やかで、塩気を効かせて、海老の香りも楽しませる。
今日びのデザート仕様の玉子焼きとは異なる方向性で、江戸前鮨らしい玉子焼き。
以上でお会計は28,700円。
過去の訪問時はおまかせ13,000円だったので、1万円ほど上がっている状況ですが、内容がハイレヴェルなので腑に落ちる価格です。
2019年7月の初訪問時に頂いた内容です。
初回から完成度がズバ抜けていました。
頂いたお酒
![f:id:edomae-sushi:20190804074159j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074159j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074159.jpg)
熟撰生、石鎚・吟醸夏吟、山丹正宗・短稈渡船、賀儀屋・番外編シングルタンク直汲み純吟No. 20、石鎚・純吟山田錦、Dario Princic ヴィノビアンコ 2015
赤海胆
![f:id:edomae-sushi:20190804074125j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074125j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074125.jpg)
二神島産。海胆だが3日寝かせているそうで、西条の「絹かわなす」の焼き茄子と合わせている。
絹かわなすは甘みが軽やかで、焼きの香ばしさは上品。
海胆の甘みが強いので、邪魔せず味覚的バランスを取っている。
出汁の塩梅も上々。
白甘鯛
![f:id:edomae-sushi:20190804074129j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074129j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074129.jpg)
八幡浜産、12日熟成。
これも良い仕事。
寝かせる代償を皮目の炙りで補強しており、焼き霜ではない点にセンスを感じる。
旨味は熟成を掛けているので強い。
香ばしさと食感によって熟成に新たな魅力を与えている。
胡麻鯖の漬け
![f:id:edomae-sushi:20190804074139j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074139j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074139.jpg)
地物。凄い脂の乗りに驚く!
今までに九州で頂いたものも含めて、トップクラスの美味しさ。
脂に加えて、ぶりっとした食感は胡麻鯖の妙味。
これはびっくり胡麻鯖だった。
鮑
![f:id:edomae-sushi:20190804074147j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074147j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074147.jpg)
赤海胆と同じ二神島産。
香りが素晴らしい。
旨味もゼラチン質もたっぷりで、身はぷりっぷりっと気持ち良い食感。
塩、酒、水、全て不使用との事!
抜群であった。
鮑の肝
![f:id:edomae-sushi:20190804074151j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074151j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074151.jpg)
身と同じく香りが良い。
素晴らしく濃密な味わいで、シャリの酸味と乳化する。
直前まで餌を食べていたと言う活の鮑との事だが仕事が良い。
鮑は柔らかくすれば良いと思っているお店や、風味の弱い鮑を出す高額店が馬鹿馬鹿しくなる。
マナガツオ
![f:id:edomae-sushi:20190804074205j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074205j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074205.jpg)
塊(サク)の状態で焼き、福井の地芥子を添え、中島の新玉ねぎ醤油漬けと共に。
藁で燻した後に炭火で焼いて仕上げる調理の細かさ。
それも、身をしっとりと仕上げており、美味い。
燻香が食欲をそそり、付け合わせ調味料のセンスも魅力。
鱧の出汁
![f:id:edomae-sushi:20190804074211j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074211j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074211.jpg)
塩ではなくかん水数滴で調味、あとは水ではなく吟醸酒を使用。
旨味がたっぷりで、ゼラチン質も滲み出ている。
ガリ
![f:id:edomae-sushi:20190804074216j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074216j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074216.jpg)
甘みがあるが、赤酢の旨味がまとめるガリ。
噛みしめると酸味と辛味が高まる。
スルメイカ
![f:id:edomae-sushi:20190804074221j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074221j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074221.jpg)
食感を楽しませる包丁。
同時に、シャリを味わわせる一貫目だと感じる。
藻塩の水塩を用いており、塩気がまろやか。
アコウ(キジハタ)
![f:id:edomae-sushi:20190804074225j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074225j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074225.jpg)
これは1日のみ寝かせている。魚体は1キロ。
薄切り二枚でつけられ、甘みが素晴らしい!
シャリの酸味との相性も考えられている。
食感の強さを巧く表現するための薄切り二枚だと感じる。
イサキ
![f:id:edomae-sushi:20190804074230j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074230j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074230.jpg)
10日熟成。バツッよりもぷりっとした食感。
旨味は強く、香りは穏やか。
シャリの温度が封じ込められた脂を活かす。
鮪赤身
![f:id:edomae-sushi:20190804074236j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074236j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074236.jpg)
これはシャリの味わいが先行する印象を抱く。
漬け加減はともかく。
縞鯵
![f:id:edomae-sushi:20190804074241j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074241j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074241.jpg)
12日熟成。旨味と脂がひたすら強いので、シャリに合う。
鮪中トロ
![f:id:edomae-sushi:20190804074247j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074247j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074247.jpg)
湯霜にして漬け。赤身と同様に脂、旨味がしっかりなのでシャリに合うのだが、直前にシャリを交換され、温かいシャリに合わせられた。
よって、脂が活性化し、中盤を盛り上げてくれる。
小鰭
![小鰭](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/5fe4cdf76f560e62dd29e3a1dc310e68.jpg)
朧を噛ませ。しっとり〆だが、酢を回しており、小鰭の香りは上品にまとめている。
ワタリガニ軍艦
![f:id:edomae-sushi:20190804074257j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074257j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074257.jpg)
地物。内子も使用し、熱々で乗せる。
ワタリガニの香りを楽しませる一貫。
内子によって旨味を補強。
Dario Princic ヴィノビアンコ 2015
![f:id:edomae-sushi:20190804074305j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074305j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074305.jpg)
親方との話の中でワインと煮ものの相性の良さを聞き、試しにお願いした。
結果的にこの後のタネとの相性が本当に良く驚く。
ジョージアのワインだと更に決まるとの事。
蛤
![f:id:edomae-sushi:20190804074311j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074311j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074311.jpg)
江戸前の古典的な漬け地の味付けと浸透具合。
しかし、火入れは軽やか。
赤海胆
![f:id:edomae-sushi:20190804074315j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074315j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074315.jpg)
八幡浜産。素晴らしい温度の戻し方。
溶けやすい海胆であるが、常温まで戻している。
車海老
![f:id:edomae-sushi:20190804074320j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074320j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074320.jpg)
地物。茹で上げ。短時間で茹で上げているが、頭とボディで湯に通す時間が異なる。
車海老の甘みを引き出している。
穴子
![f:id:edomae-sushi:20190804074325j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074325j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074325.jpg)
笹の葉を用いて温め、しかも焼き込んでいる。
身はみっちりした食感。
椀
![f:id:edomae-sushi:20190804074330j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074330j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074330.jpg)
玉子
![f:id:edomae-sushi:20190804074335j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074335j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074335.jpg)
芝海老と大和芋を使用。
みっちり、じゅわりとした食感。
甘みは軽やか。
文中にある事柄に加えて、微調整するポイントは存在します。
しかし、それを補って余る才覚があるのは間違いありません。
また、自身の仕事を追求する月日も十分にある年齢。
またお伺いするのが楽しみです。
「くるますし」さんはアクセスしやすい松山の繁華街にあります。
![f:id:edomae-sushi:20190804074115j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074115j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074115.jpg)
過去は暖簾がかかっていましたが、今はかかっていません。
![くるますし看板](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f176fb73c68f80a7527fcceb2dc22e89-1024x683.jpg)
入り口左脇に注目です。
![f:id:edomae-sushi:20190804074339j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074339j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074339.jpg)
そして、外観にも看板が掛けられていましたが、現在はありません。
![くるますし外観01](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/eb12a486a81880c85c4e14fe45a23396-1024x576.jpg)
![くるますし外観02](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/dcab802069875c8ebe928ba7766ed621-1024x576.jpg)
店内は洗練されていて、非常に素晴らしい空間です。
![f:id:edomae-sushi:20190804074119j:plain f:id:edomae-sushi:20190804074119j:plain](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2020/10/20190804074119.jpg)
店内に漂う香りにもネガティブなところが皆無で、実に好感を持てます。
「くるますし」さんの予約は、ポケットコンシェルジュより可能です。
店名:くるますし
シャリの特徴:赤酢を使用し、酸味が強めながらタネの仕事と調和する。温度管理が抜群。
予算の目安:おまかせ13,000円〜 →お酒を頂き3万円弱
TEL:089-932-3689
住所:愛媛県松山市一番町1-6-9
最寄駅:勝山町駅から200m
営業時間:1部18:00~、2部20:30~
定休日:水曜
今後が人気が高まるであろう「たか山」さん
![海胆軍艦](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/8c134ff48d57220752a1e93df6791860-160x160.jpg)
「たか山」さんの弟弟子の方が営む裾野が広い「山本進一郎」
![小鰭](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/3121f536d5060ef8a3846650865d6099-160x160.jpg)
同じく「愛媛食材研究会」にて切磋琢磨される「鮨かわなか」さん
![鮪赤身](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/8684dc4786cc9a4d924bccddcbd51ab1-160x160.jpg)
名漁師・藤本さんが通う伯方島の鮨店「あか吉」さん
![ネブト](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/45543fa22e68e9e3709e6341ca71b81a-160x160.jpg)
愛媛の鮨を盛り上げたい、すしログ(@sushilog01)でした。
No. 295に最新記事を加筆しました。
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