こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
こちらは2020年6月5日にオープンした期待の鮨店です。
コロナ下にも関わらず即座に予約困難化しており、既に予約争奪戦が繰り広げられています(笑)
しかし、予約はフェアにOMAKASE上で受け付けているので、入り込む余地はあります。
この度、依然として利き腕を使えない状態でしたが、9月1日に予約をゲットしていたので、喜び勇んで訪問しました。
「鮨あお」さんの立地と雰囲気
お店は東京都・青山にあります。
最寄り駅は表参道で、B2出口からわずか150mです。
住所的には迷う余地がありませんが、お店が入っているビルが非常にスタイリッシュである点が注意点です。
看板を知らなければ、スルーしてしまう事は確実。
アルファベットのAOをイメージした「▲●」が目印です。
そして、アプローチの先、ビルの外にあるエレベーターで2階に上がるのですが、2階のボタンを押しても「その階には止まりません」と言われます。
自動設定なんですね。
ボタンを押さずとも2階に上がれるので、安心して待ちましょう!
2階に上がればすぐにお店です。
店内は入口から見えないため、カウンター席は独立した空間になっていて、落ち着きます。
意匠はモダンを感じさせる和風建築で、網代の天井など、鮨好きとしてはリラックス出来る内装です。
ただ、詳細は後述しますが、お店の諸注意があるので、お気を付けて。
鮨あおの親方、岡崎亮さんについて
親方の岡崎亮さんは現在34歳で、伝説化した名店、すきやばし次郎のご出身です。
修業期間は約10年。
この修業期間は高橋青空さんの12年間、水上行宣さんの15年に次ぐ長さ。
さらに増田励さんは9年間なので、やはり10年近く修業しなければ、すきやばし次郎の仕事は継承できないのだと思われます。
修業が厳しい事で有名なので、技術のみならず精神力も必須である事は容易に想像がつきます。
そして、お店での立ち居振る舞いは洗練されていて、若い職人さんなれども粋な気風をまとっておられます。
もちろん職人としての貫禄はこれから身に着けるものですが、「ただの有名店出身」ではない洗練があるので、この点については流石だと感じました。
お話を積極的にされるタイプではありませんが、僕個人的には如何にも鮨職人だと思います。
握りを介して味と心意気のキャッチボールが出来る職人さんかと。
小僧さんの教育もバッチリです。
ちなみに、おしぼりはすきやばし次郎の系譜としては珍しく、熱々ではありません(笑)
小野二郎さんは熱々のおしぼりに一家言あるので意外でした。
お茶の差し替えのタイミングは秀逸で、少なくなった時やぬるくなった時に瞬時に交換頂けます。
この点は新しい鮨店として素晴らしい気配りだと感じました。
修行先はお酒NGのお店ですしね。
鮨あおの握りの概観
僕は今回、握りのコースを頂きました。
青空さんや水上さんも同様になりますが、すきやばし次郎の系譜では握り中心で頂くのが自分の好み。
米酢を利かせた硬派なシャリは、18~20貫くらい立て続けに頂いて真骨頂が分かる気がするのです。
シャリの味は系譜を感じさせる味わいです。
つまり、酸味がかなり強めで、塩も利かせた味付け(青空さんより塩は少な目)。
炊き加減は硬くなく、しかし、ほろっとほどける良きシャリです。
個人的に、もう少し粘度に気を払われると、より端正な味に仕上げられるかと感じました。
とは言え、18貫連続で頂いても、毎回次が楽しみになる握りとシャリです。
ただ、粘度以上に気になったのが、山葵の使用量です。
幾つかタネの味を超える量の山葵が使用されていて、特に鮪赤身と小鰭と言う、鮨店での2大スターが山葵過多であったのは残念なところ。
山葵は個体差があるので、確認されつつ使用されると更に良くなるのは間違いありません。
切り付けや仕事などは満足させて頂いたので、微調整を期待します。
この辺りは繁盛しても認識、指摘する人が少ないポイントだと思うので、敢えてご指摘させて頂きます。
鮨あおの握りの詳細
お昼の握りのコース(25,000円)について、詳述いたします。
ガリ
甘みがあり辛味と酸味は極弱いガリ。
奈良漬、沢庵と共に。
真子鰈
むっちりと力強い真子鰈で、シャリと噛みしめて旨い。
個人的に、酸味の利いた米酢のシャリには、熟成させた白身は無粋だと考える。
まして1貫目ならば尚更。
よって、名刺代わりの1貫目から鮨を食べる喜びを深く感じた。
墨烏賊
ムチッとして、パツッと弾けるとともに、とろりと溶ける。
10月上旬であるが、あどけなさが残る食感の墨烏賊を切りつけで食感変化。
これは修行先と全く同じ方向性で驚く。
縞鯵
実に香り良い縞鯵で、紛れも無い天然モノ。
脂とシャリの酸味が合わさり、ギアを上げてくれる。
鮪赤身
ギアが上がったところで、系譜らしい鮪3連発が繰り出される。
赤身は酸味が強めで、香りもあって、旨味がこみ上げてくる。
良い状態と味の赤身だけに、上述の通り山葵が強い点が口惜しい。
鮪中トロ
脂がしっかりで旨い!
しかし、クドさは無く、あくまでも爽やかな口どけが特徴的な中トロ。
鮪大トロ
大トロだが、爽やかな味わい。
鮪3連発で、こちらのシャリと鮪の相性の良さを実感。
小鰭
みっしりした食感で、酸味を浸透させた、しっかり〆。
皮目の食感も楽しませる。
旨味と香りがやや弱いところ、山葵が強いため、バランスを崩していた。
ミル貝
非常に強い甘みとシャリの酸味の相性が最高。
食感も香りも良く、下ごしらえと包丁の丁寧さを感じさせてくれる。
ただ、これも山葵が強すぎた。
鯵
脂が弱めな個体だが、切りつけでねっちり感を先行させる味に変えて、シャリとの一体感を高めていて面白い。
薬味は生姜のみで、浅葱は不使用。
辛味や香りなどは上品に用いられている。
車海老
大車!ムチムチした身はひたすら甘い。
良い温度での茹で上げ。
臭みは皆無。
兄弟子さん達と同様に小野二郎さんの仕事を継がれている。
鯖
これは素晴らしい!大変魅力的な〆加減!
脂が強いサバを塩と酢で絶妙な味に仕上げていて、みっしりした凝縮感とほろりとした繊細な柔らかさを併せ持つ。
同時に鯖の香りも満喫させてくれる。
最後にはシャリの酸味が爽快に幕を閉じる。
鰹
脂が乗りつつ酸味が清々しい鰹。
藁のスモーキーフレイバーの付け方も巧みで、初手から香るが、終始嫌みの無い範疇。
蛤
火入れも漬け込みもしっかり目で、みっちりした身は甘く、煮ツメも甘みが強め。
鰯
身の中心部のみ使用している。
むっちりした食感で、香りの良い鰯。
脂も乗っているのでシャリとの相性の良さは言わずもがな。
小柱軍艦
小柱がバッチリ旨いので、シャリの個性が際立つ。
海胆軍艦
温度が良い。
室温に馴染ませているので濃厚な甘みを感じやすい。
いくら軍艦
プチッと程良い反発があり、とろりととろけ、濃厚な味。
穴子
とろんとろんで、非常に柔らかい煮加減。
とろっととろける。
甘みがしっかりなのでスイーツ的な味付け。
鉄火巻き(トロ)
2個ずつ2回。鮪なのは時期故だろうか。
玉子
きめ細かく、みっしりしていて、甘いカステラ玉子。
完成度が高い。
椀
水菓子
メロンとはクラシカルな!と思ったが、甘みが非常に強いメロンで美味しかった。
鮨あおの予約方法、予算と注意事項について
お店は完全予約制で、予約サイトOMAKASE(おまかせ)のみでの受付です。
毎月1日の12:00に、翌月末までの予約が可能です。
アクセスはスマートフォンよりもPCがオススメ。
候補日複数と頼むコースを決めておいた方がベターです。
コースは、夜はおまかせ30,000円一本で、酒肴が6品、握りが16貫程の構成です。
ランチは水曜と土曜のみで、握りのコース25,000円、握り18貫+巻物半分、玉子、椀、水菓子。
お酒は頼んでいないので価格不明です。
お店の注意点としては以下の通りです。
- 12歳以上(中学生以上)
- 匂いの強い香水や化粧品はNG
- 半ズボンやサンダルなど極度にカジュアルな服装はNG
- スマホ・携帯をカウンターに置くのはNG
撮影はシャッター音OFFならOKです。
が、撮影前はご了解を取りましょう!
高いポテンシャルを持ち、既に粋な雰囲気を纏った職人さん。
兄弟子の親方たちのように立派な職人さんになられることでしょう!
関連記事:修行先、兄弟子さんたちのお店
イチオシ!
店名:鮨あお
シャリの特徴:酸味を強めに利かせ、塩気もある、エッジの利いた米酢のシャリ
予算の目安:ランチ握りコース25,000円、ディナーおまかせコース30,000円
最寄駅:表参道駅から300m
TEL:03-6450-5235
住所:東京都港区北青山3-10-13 FPG links OMOTESANDO B棟 2F
営業時間:ランチ(水・土のみ)12:00~、ディナー17:30~、20:30~
定休日:日曜、第1・3月曜、祝日月曜
※予約サイトOMAKASEからの完全予約制です
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