進化する唯一無二の江戸前鮨!銀座で美味しい鮨なら「鮨處やまだ」

鮨処やまだ暖簾

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

2017年2月に初めて訪問して以来、何度も定期訪問している銀座の「鮨處やまだ」さん。

親方の山田裕介やまだゆうすけさんがお店を開いたのは2012年7月で、2023年10月6日に新天地へと移転されました。

鮨處やまだ外観01
すしログ
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山田親方の凄さは、全ての仕事の精度を着実に上げられているところ。
しかも、何一つとして「他店で食べた事のある味」が無い!

移転後に感じたのは、山田親方の鮨は「ロックなようで純文学的だ」と言う事です。

斬新な表現を王道の江戸前鮨の仕事に落とし込む精度は、移転前のお店よりも更に向上されました。

表層的な虚飾や珍妙な道化がもてはやされるSNS全盛の世の中において、一筋の光明だと言えます。

あるいは本来の意味における破天荒。

山田親方は「移転して、まだポテンシャルの30%くらいしか出していないので、今後を楽しみにしてください」との談なので、楽しみで仕方ありません。

春子


過去に記事を読んでくださっている方は、「2023年10月に頂いた内容」と「鮨處やまだの立地と雰囲気」をご覧ください!

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銀座「鮨處やまだ」の魅力に迫る

鮨處やまだ外観04

「鮨處やまだ」山田親方の魅力を一言で述べると、他に類を見ない魚の表現です。

縞鯵

山田親方は様々な魚種を仕入れ、確かな江戸前の仕事をベースに、新たな仕事を次々と生み出します。

初訪問の時点で類まれな創造性に感銘を覚えましたが、他のお店に行けば行くほど、山田親方の魅力が分かります。

特に、魚の香りと食感の活かし方には目をみはります

〆と脱水はもちろん、寝かせや熟成を駆使して魚を独特の食感に仕上げる仕事は見事です。

「鮨處やまだ」の魅力

「鮨處やまだ」さんの魅力を端的に挙げると以下の通りです。

  • 鮨の生命線であるシャリが美味い
  • 魚の香りも含めた魚味を引き出す仕事
  • 酒肴のみならずガリすら出さず、握りのみで構成する構成力の高さ
  • 熟成仕事の巧さ
  • 江戸前鮨の主役である小鰭が旨い!

僕は硬派な江戸前鮨店や老舗の江戸前鮨店も好きですが、個性派のお店としては比類ない魅力があります。

個性を担保しているのは、言うまでもなく江戸前の仕事とシャリ。

創作的、個性的な仕事ほど、基礎が無くては虚仮威こけおどしのゲテモノになってしまいます。

個性はセンス無くして成り立たないことを、山田親方は伝えてくれます。


例えば、墨烏賊。

墨烏賊

中心部のみ薄切りにされています。

烏賊の仕事は決して多くはありませんが、包丁の切り付けによって味と食感を変えているところが秀逸です(隠し包丁ではなく)。

さらに、包丁だけでなくシャリの味とバランスが取れているところも素晴らしい。

墨烏賊と言う繊細な味わいと強い食感が特徴の烏賊に向き合った仕事と言えます。


そして、圧倒的に好きなタネは小鰭です。

小鰭

〆の仕事で効果的に脱水して旨味を引き出しているのに、食感は柔らかい小鰭。

〆や寝かせに失敗すると生じる、特有の臭いは皆無です。

全国の色々なお店で小鰭を吟味していますが、ナカズミサイズの大きめの小鰭でも食べやすく〆る手腕には驚きます。

逆に、新子であっても旨味を引き出す〆の技術は圧巻です。

魚の良い部分を引き出し、旨味、香り、食感を楽しませてくれます。

「鮨処やまだ」のシャリについて

そして、シャリについても完成度が高いです。

車海老

鮨の生命線であるシャリは初めてお伺いした時から改良を加えられています。

少量の砂糖を用いて、赤酢のクセや強い旨味を穏やかにまとめた万能型のシャリです。

当初は非常に硬めの炊き加減でしたが、現時点では加水と炊飯によって絶妙な硬さに仕上げています。

使用しているお米は宮城県登米産のササニシキで、お酢は現在、飯尾醸造の赤酢プレミアムと米酢(富士酢プレミアム)のブレンド。

さらに、アクセント程度に極少量のヨコ井の與兵衛も使用されています。

以前は與兵衛と白寿のブレンドでしたが、2019年10月頃に変更されました。

タネの数が多いお店ですが、全てのタネと調和するシャリと言うのが凄いです。

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「鮨處やまだ」のおまかせコースの詳細

下記におまかせコースと追加で頂いたものの詳細をお伝えします。

2023年10月に頂いた内容

移転後の2023年10月に頂いた内容です。

最初の1杯目の日本酒は【寒菊 Monochrome 純米大吟醸 山酒4号 無濾過生原酒】。

寒菊

山田親方は日本酒を選ぶセンスが素晴らしい。

ご自身の鮨に合う、旨味がありつつ爽やか後味のお酒を揃えておられます。

鮃

山田親方の名刺代わりの一貫目は、常に白身魚だ。

型破りなイメージを抱かれがちな職人さんだが、名刺代わりは王道であり定石。

理由については、鮨好きであれば頂けば瞬時に分かるだろう。

実に奥深い味わいで、噛み締めるほどに旨味と香りが高まる鮃であった。

白身魚の繊細な旨味と香りをピュアに伝える名刺代わりの一貫目である。

墨烏賊

墨烏賊

移転後の新設備の威力が発揮されている。

墨烏賊らしいパツパツ感を楽しませ、そこからとろけてゆき、甘味が横溢する!

山田親方が生み出した厚みにグラデーションを付ける切り付けに加えて、寝かせの仕事が奏功している。

これは前人未踏の仕事。

イノベーティブを墨烏賊で表現されているのが凄い。

氷温で5日寝かせて、この味を実現されているそうだ。

江戸前鮨において一番美味い烏賊は、紛れも無く墨烏賊である。

墨烏賊こそがシャリと最高の一体感を示し、それでいて主張しすぎない粋なタネ。

江戸前鮨は烏賊を食べるものではなく、烏賊とシャリを食べるものだ。

山田親方は墨烏賊の食感と上品な甘味を活かしながら、味わいの変化を楽しませてくれる。

このような仕事の素晴らしさに気付ける繊細な味覚と感受性を持つ方こそ同志である。

キャヴィアが乗ったアオリイカなど論外である。

春子

春子

移転前と変わらず、絶品の春子だ。

昆布〆を行わずして昆布様の香りを立たせ、確かな旨味が広がってゆく。

この春子を表現出来る職人は全国でも三指を数えるほどだろう。

しかも、移転前よりも春子のテスクチャーとシャリの一体感が更に向上している。

小鰭

小鰭

今回、気を引き締めて冷静に頂いてみたところ、やはり旨い。

実に豊潤な旨味と香りだ。

まろやかに、まるーく、ふくよかに広がる味わいと香り…。

余韻はひたすら旨い。

塩味、酸味、食感、香りの全てにおいてネガティブな要素が無い。

「お腹が空く小鰭」に仕上げられる職人さんは稀有だ。

車海老

車海老

茹で置きなので、みっちりした反発から繊維質がしっとりとほどけてゆき、車海老の香りと甘味が徐々に広がる。

身の柔らかさを求めるならば茹で上げだが、甘味と香りの複雑性を求めるならば古典的な江戸前仕事の茹で置きだ。

また、山葵との相性は茹で置きの方が上だと実感した。

椎茸侍

椎茸侍

以前よりも焼き込んで甘味と旨味を強く凝縮させ、香ばしさもアップさせている。

香りの余韻が長い。

次の鰹に繋がるタネなので、頂いた後は飲料を口に含まず待機すべし。

椎茸の香りとグアニル酸が残っている状態で、鰹の酸味とイノシン酸を融合すると、ドラマティックな味わいとして結実する。

鰹

氷温冷蔵庫で6日ほど寝かせているが、変色はゼロ。

もちろん味の劣化も皆無だ。

食感はもっちりしていて、旨味と香りが素晴らしい。

噛みしめると酸味が広がり後味が良い。

必ずしも強烈な味わいではなく、複雑な味わいを楽しませてくれる鰹。

このような鰹に当たり葱(※浅葱と生姜を叩いて混ぜたもの。下北沢の「小笹寿し」の先代・岡田親方が編み出したとされる)を使用すると、味わいが分からない。

せめて調味料は魚種に結び付けるのではなく、魚の状態に合わせて選択するのが良い。

赤貝

赤貝

豊洲の仲買人のおばあちゃんが山田親方の為に選りすぐっている赤貝。

産地ではなく味で選別されている。

いつも旨いが、今回も旨味が強い…!

そして、香りとエキスのきめ細かい粒子が舌を包み込み、噛み締めるほどに粘度が高まる。

これぞ赤貝。

旨い。

黒ムツ

黒ムツ

炙らない選択が粋。

脱水して食感を引き締めて、黒ムツが持つ「甘味」を最大化させている点が素晴らしい。

同時に、香りも広げるアプローチだ。

脂が多い魚に対して脂を前面に出さないアプローチは現代へのアンチテーゼと言えよう。

鯵

バッチリ酢〆とは、今日び珍しい仕事!

〆て香りを複合的に広げる仕事だ。

〆て寝かせているようで、酸味の強いアタックも無く計算されているのが流石。

北寄貝

北寄貝

黒胡椒を使用するのは昔から同じ。

北寄貝の甘味から黒胡椒の辛味と香りが味を引き締める。

この度は肉厚な北寄貝を使用されているため、甘味と胡椒のバランスが更に良くなっている。

縞鯵

縞鯵

酸味があり、旨味が広がり、脂はそこそこで香りが広がる縞鯵。

実に爽やかな後味だ。

後半に配置される意味が分かる仕事。

脂にしても塩味やコクにしても、終盤にどんどん高める構成が一般的になっているので、構成の面でも独自の選択をされているのが分かる。

鰆

山田親方の鰆の仕事は白眉である。

此度も終盤で「めちゃ旨い仕事!」と心の中で思わずガッツポーズだ。

脱水、寝かせと切り付けが秀逸。

鰆の魚味、ポテンシャルを引き出す仕事。

旨くて香りが良い鰆!

そして、余韻のみならず鰆の繊維質(テクスチャー)を満喫させる唯一無二の仕事である。

鮪中トロ

鮪中トロ

香りから瞬時にコクを感じさせる。

脂、旨味のコクと軽やかな酸味があり、産地は予想通り津軽で、大間であった。

玉子

玉子

玉子さえも進化していて驚いた。

表面はみちっとして、中はしゅわっとした後に、じゅわっ。

昔から帆立を使用されているそうだが、ブレンダーを用いて帆立の粘性を活かしつつ、味わいや香りの面では均一性を高め、結果的に上品でありながら意外性を与える事に成功している。

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2022年8月に頂いた内容

2022年8月下旬に頂いた内容です。

おまかせの15貫に10貫追加して、計25貫頂きました。

この度頂いたお酒

  • 冩楽 純米吟醸 酒未来
  • 大信州 秋の純吟
  • 山川光男
  • 山本 サンシャインイエロー 山廃純米吟醸

鮃

個性的なお店でありながら名刺代わりの一貫目が白身魚と言うのは実に硬派。

旨味が凄い鮃で、痛快にスタート。


墨烏賊

墨烏賊

訪問のタイミングは新烏賊の時期であったが、山田親方は状態の良い成魚を仕入れて握られた。

墨烏賊らしくバツバツなのに、歯切れが速い。

これは前述の通り、卓越した包丁仕事の賜物である。

白身魚の一貫目に始まり、分かる人なら興奮するワンツーがクールだ。


春子

春子

山田親方の春子は絶品だ。

しっとりとほどけ、シャリと一体化する。

皮の食感も楽しませつつ、巧みな〆で引き出される昆布様の旨味に魅了される。


新子

新子

抜群に旨い新子で驚いた。

香りが力強い上に旨味が強く、〆による酸味のアタックならびに塩気の脱水が軽く、最後に香りを楽しませる。

柔らかい新子であっても皮のテクスチャーも活かして1る。

離れ業を組み合わせているような新子の仕事だ。

酢水に塩を入れて〆る、日本酒の並行複発酵のような〆を高度に実現している。


車海老

車海老

愛知県産。

茹で上げではなく、茹で置きで美味しく仕上げるのが山田親方のスタイル。

まず、繊維質のほどけ方が良い。

もちろん甘味と香りも楽しませてくれるが、ほどけ方が良いためシャリとの一体感が高いところが魅力。

しかし、鮃、墨烏賊、春子、新子、車海老とは、江戸前鮨の素晴らしいタネの流れだ。


椎茸侍

椎茸侍

定番の椎茸侍であるが、椎茸ですらバランスが向上し続ける。

これはシャリが美味しくなっている証だろう。

食欲をそそる香りに、強烈な旨味が堪らない!


鰹

脂、酸味、香りのバランスが良い鰹だ。

最初は軽やかな味わいか?と思わせつつ、実際は余韻が長く、酸味が爽やかに味を引き締める。

山田親方は薬味を噛ませない。

鰹の仕入れに対する自信の現れであり、鰹の魚味をピュアに楽しませるポリシー。


赤貝

赤貝

昆布様の旨味が強烈!

香りもグイッと高まり、満足度が高い。


金目鯛

金目鯛

金目鯛であっても、昨今流行りの脂先行ではないところが山田親方流。

旨味が先行する素晴らしい仕事だ。

脂がオラついていないため、金目鯛の味わいを伝えてくれる。


鰆

脂が抜群に乗っているが、旨味と香りを活かす仕事。

これもまた金目鯛に続いて当世流行りの仕事とは一線を画す。

身質はしっとりしてペースト的。

よって、シャリと瞬時に一体化しつつ、その後味わいを広げてゆく。

3キロアップの鰆との事。


帆立

帆立

みちっと引き締まった繊維質を楽しんだ後、とろっととろけ、甘味と香りが広がる。


鰤

余市のブランド【天上鰤】。

脱水後の1週間熟成が奏功しており、凝縮された旨味と鰤の酸味が渾然一体となっている。

凄い熟成の仕事だ。

余韻として酸味と血の香りが残るところが実に爽やかで、旨味や脂で媚びない仕事。


北寄貝

北寄貝

黒胡椒を噛ませるアイディアが活き、もともと美味しい北寄貝であったが、初期に比べて格段に美味しくなっている。

火入れによって軽く締まった食感と甘味を効果的に楽しませ、それを時間差で引き締める黒胡椒の変遷がテンションを上げる。


琵琶鱒

琵琶鱒

湯霜に掛けて寝かせている。

脂が濃厚で、マスノスケ級だ。

しかし、後味は爽やかなのが琵琶鱒らしい。

山田親方は早期から琵琶鱒を出されている。


イクラのショットガン

イクラのショットガン

初イクラで味わう、お店の得意技。


鮪赤身

鮪赤身

漬けにより、濃密なコクと血の香りを楽しませる。

頂いた後も、喉から鮮烈に味わいが蘇る。


黒ムツ

黒ムツ

8日熟成で、皮はパリパリに乾燥している!

黒ムツらしい脂に加えて、熟成で引き出された旨味が印象を強め、香りでフィニッシュ。


鮪中トロ

鮪中トロ

濃密な脂で、旨味が凝縮している。

どっしりした脂が溶けて広がってゆくが、味がクドくないのは切りつけが奏功しているためだ。


エゾイシカゲガイ

エゾイシカゲガイ

清々しい香りに、強い甘味はエゾイシカゲガイらしい魅力だ。

食感が強いところも美点。

たまに柔らかすぎるエゾイシカゲガイにも出くわすので…


鮪大トロ

鮪大トロ

中トロに続き、脂のパンチを切りつけでコントロールする仕事。


海胆

海胆

ピュアな甘味と香りの海胆で、ストレートに旨い。


鮃の縁側

鮃の縁側

酒肴を出すお店では刺身で出すことが多い縁側なので、まさか山田親方が握られるとは驚いた!

強烈な脂と独特の食感を満喫し、モノの良さを痛感する。


アラ

アラ

脂の強いアラを昆布〆にする選択が良い。

しかも、昆布の旨味と香りが先行しないところに、流石の仕事を見る。


蛤

通常のお店では定番の蛤は、「鮨處やまだ」さんでは追加しないと出てこない(笑)

漬け込みで味わい深い蛤だ。


玉子

玉子

帆立を強めに用い、塩気を利かせた玉子。

スイーツ志向の玉子焼きに真っ向から攻めるような方向性だ。

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2021年6月に頂いた内容

次に、2021年6月に頂いた内容は下記のとおりです。

この度頂いたお酒

  • 町田酒造35 MAX 大吟醸 山田錦
  • 寒菊銘醸 True White 雄町50 純米大吟醸
  • 松本酒造 澤屋まつもと Kocon
  • 廣木酒造 飛露喜 特別純米 山田錦・五百万石

鮨処やまだ鮎

時期限定で出されていると伺い、お願いして確保頂きました。

産地は岐阜県・郡上八幡の天然モノ。

大変独特な〆の仕事を施されていて、食感が絶妙。

ぷるんとした身は鮎の脂を感じさせ、皮がコリッ、プツッと弾ける感覚が面白い。

尾の方は香りがふんわりと漂う。

魚体が小さい場合は握りで出されているそう。

鮨処やまだ鱚

淡路産。

鱚としては予想外の食感で、これは素晴らしい〆の仕事。

ぶちっと切れて、むちっむちっと力強い反発を楽しませる鱚は珍しい。

大抵、しっとり柔らかいか、みっしりと水分が飛んでいるかなので。

お酢の酸味を浸透させつつ、鱚の甘みと香りがふんわりと漂う。

墨烏賊

鮨処やまだ墨烏賊

まず、アオリイカの時期なのに墨烏賊を出すところが粋(変わった鮨を出していても、こういうところに江戸前気質が出るものであり、それに気づけるのが本当の鮨食いである)。

独特の切りつけをされていて、タネの中心部が薄い。

それ故に、コリッコリッと軽快な食感を演出し、とろっととろける。

鮨処やまだ鮃

昆布〆でみちっと締まっているが、昆布を当てているのは片面なので香りと旨味が上品。

椎茸

鮨処やまだ椎茸

頂く前から香ばしい椎茸。

ごりっごりっと力強い食感で、旨い。

椎茸の握りも進化させているのが凄いと実感。

鮨処やまだ鰹

佐島産。

非常に濃厚な味わいの鰹で、特に鉄分と香りが強い。

山田親方は何気に鰹に思い入れがあると見ており、季節ごとに異なる味を楽しませてくれる。

赤貝

鮨処やまだ赤貝

閖上産。

小型だが香りが強く、じゅわじゅわと旨味が高まり、強い味わいを示す。

イサキ

鮨処やまだイサキ

萩産。

熟成仕事が素晴らしい。

みちっとした食感の後に、しっとりとほどける。

そして、噛み締める過程でイサキの酸味、旨味、香りが高まる。

1週間ほどの熟成との事だが、旨味以外に食感や香りも引き立てる熟成の技は見事。

縞鯵

鮨処やまだ縞鯵

香りがたっぷりな縞鯵!

そして、縞鯵独特の酸味が高まり、強い脂が滲んでいく。

これまた驚くべき精度の熟成で、日数と伺ったところ10日。

北寄貝

鮨処やまだ北寄貝

甘み、シャリの酸味に黒胡椒を合わせる鮨処やまだ定番の仕事。

トキシラズ

鮨処やまだトキシラズ

見た感じ脂がもの凄く、実際にとろけるほどであるが、先ずぷちっと弾けるところが良い。

食感を感じさせ、超強い脂を楽しませる。

脂のノリに頼らないところが魅力的。

小鰭

鮨処やまだ小鰭

江戸前。

食べる前から香りが強い小鰭。

独特の凝縮感のある〆加減で、みしっとして、ホロホロ。

強い香りだが全く嫌らしくない小鰭。

車海老

鮨処やまだ車海老

伊万里産。

茹で置き+低い温度のシャリ。

しかし、甘みが強く、香りも良い。

金目鯛

鮨処やまだ金目鯛

ぶちっぶちっと金目鯛としては力強い食感が魅力的で、一般的な脂を前面に出す仕事とは別モノ。

この金目鯛を頂き、いやはや表現がアヴァンギャルドだな…と実感した。

鮨処やまだ鰯

〆た鰯を炙って提供する。

鰯の皮はご存知の通り薄いが、パリッと弾ける。

刹那に脂が滲み、香りが高まる。

鰯を炙った時の香り…これは嫌いな日本人の方が少ないだろう。

〆の酸味が爽やかに後味を引き締める。

帆立

鮨処やまだ帆立

むちっと舌に張り付き甘みを感じさせる。

そして、とろける。

以上でおまかせの15貫が終了。

この後、10貫追加で頂いた。

鮪赤身

鮨処やまだ鮪赤身

境港産だが、問題視されている巻き網ではなく、引き網。

酸味があり、香りは殊のほか穏やか。

余韻としては酸味が強く、キリリと爽やか。

春子

鮨処やまだ春子

しっとりな食感に加えて、皮下脂肪が凄い春子で驚く。

とろりと脂が滲む春子は非常に珍しい。

それだけでなく、香りも楽しめる点が心ニクい。

鮪中トロ

鮨処やまだ鮪中トロ

波状的に食感が変わる中トロ。

脂に加えて強い酸味があり、夏らしい味わい。

胡麻鯖

鮨処やまだ鯖

〆て5日寝かせているので、食感は滑らかにこなれている。

鯖とは異なる香りの余韻が印象的だ。

脂こそ真鯖に完敗するが、夏らしい味わいがあるのは鮪と同様だろう。

鮪大トロ

鮨処やまだ鮪大トロ

濃厚ながらスッキリした酸味が喉に残る。

鮨処やまだ鯵

脂が乗っているので身質はトロトロで、香りの良い鯵。

鮪カマトロ

鮨処やまだ鮪カマトロ

濃厚な脂だが、全く臭みは無くむしろ爽やかな印象のカマトロ。

海胆

鮨処やまだ海胆

利尻山。甘みが非常に強いバフン。

鮨処やまだ蛤

大型でみっしり、じゅわりとエキスがたっぷりな蛤。

食感を楽しませる火入れ。

握る前にふきんで水分をふき切る職人さんが多いので、瑞々しいのは珍しい。

玉子

鮨処やまだ玉子

しゅわっとして、ねっちり絡むような食感の玉子。

今回は塩気を利かせている。

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「鮨處やまだ」の立地と雰囲気

鮨處やまだ外観02

「鮨処やまだ」さんは、「第26ポールスタービル」に入っていましたが、2023年10月に「グランベルスクエア」に移転されました。

鮨處やまだ外観03

お店は以前のお店と同じく、銀座、有楽町、新橋のいずれの駅からも徒歩圏内です。

鮨處やまだ内観01

移転されてキャパシティが大幅に拡大し、カウンター8席からMAX11席に変更。

厨房もかなり広くなったので、「やっとやりたい事が出来るようになった」との談で、今後にワクワクします。

鮨處やまだ内観02

店内は木曽桧の美しいカウンターで、穏やかに香る桧の香りが心地良いです。

カウンター下部のお客さん側にアール(丸み)を付けているのが実に良い配慮!

元・大工さんらしい心遣いがされていて、素晴らしい…と感じます。


以前のお店とは打って変わって贅沢な間取りと空間なので、銀座らしい鮨店に進化を遂げたと、誰の目にも明らかです。

「鮨處やまだ」のお店情報と予約方法

予約については、現在のところお電話のみの模様です。

人気店なので予約については必須ですが、一人ならば比較的近い日にちでも取れる可能性があります。

好きな日に訪問するならば、余裕を持って2週間〜1ヶ月前に予約される事をオススメします!


鮨處やまだ(食べログのリンク)

店名:鮨處やまだ(すしどころ やまだ)

シャリの特徴:飯尾醸造の赤酢と米酢のブレンドで、尖ったところのない、万能タイプのシャリ。

予算の目安:15貫20,790円+追加

TEL:03-3572-7534

住所:東京都中央区銀座7-2-14 第26ポールスタービル3F →中央区銀座7-2-18 グランベルスクエア3階

最寄駅:銀座駅から400m、新橋駅から400m、有楽町駅から600m

営業時間:18:00~21:30

定休日:日曜、祝日

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すしログ No. 186 鮨処やまだ

すしログ No. 190 鮨処やまだ

すしログ No. 200 鮨処やまだ

すしログ No. 216 鮨処やまだ

すしログ No. 228 鮨処やまだ

すしログ No. 257 鮨処やまだ

すしログ No. 276 鮨処やまだ


これからも間違い無く通い続ける、すしログ(@sushilog01)でした。

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本記事はNo. 345に最新情報を追記して更新しました。

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