すしログ No. 121 鮨まつもと@祇園(京都府)

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京都で気になっていた最後の寿司店。

これで京都の京寿司、江戸前鮨の主要なお店は全て伺った事になります。

こちらは祇園の一等地にありつつ若いご主人のようなので、前々から伺うのを楽しみにしておりました。

どうやら修業先は東京で人気を誇るしみづさん

(つまり、鮨竹の竹内氏の兄弟子に当たる模様です)

 

この度、お昼に訪問しました。

お店の外観は祇園の街並にフィットしており、瀟洒。

暖簾をくぐる喜びがあります。

 

店内は少々落とし目の照明で、キリッとした香りに包まれております。

祇園の京料理店風なのに、香りは鮨店というギャップが面白いです。

 

お昼のメニューはお決まり9,000円、お任せ12,000円。

違いは貫数で、お決まりが13貫、お任せが17貫との事でしたので、お任せにしました。

尚、夜同様に酒肴が付くコースもあり、15,000円です。

(貫数は仕入れによって少し変動する模様です)

 

こちらのシャリは、頂いて驚きました。

圧倒的に強い赤酢と塩気で、やや硬めの炊き加減が良く、パラッとほどけます。

実に関西らしくないシャリです。

 

ご主人曰く、「あえて強めにしている」との事。

いやはや、素晴らしい試みだと感じます。

個人的にはやや強すぎると感じましたが、関西で赤酢のシャリを出すならば、これくらいアグレッシヴでも面白いでしょう。

読者の方で京都や大阪在住の方がいらっしゃるならば、こちらに行けば東京で流行りのシャリを味わえる、とお伝えさせて頂きます。

ガリ

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明石産。

熟成させているようで、ねっとりとした甘み。

シャリだけでなく、白身をとっても関西の一般的な仕事とは異なります。

 

墨烏賊

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酢橘は一滴だけ。

パツッとした食感を爽やかに満喫。

 

小鰭

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しっかりした〆で、旨味と香りを凝縮した仕事。

 

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大間産。

シャリとの相性良し。

シャリとのコントラストで鮪の甘みが強調される。

 

煮蛤

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蛤自体の味付けがしっかりしており、これもシャリとの相性良し。

煮ツメも濃厚で好みでした。

 

甘鯛

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京都ならではなタネ。

ただ、強い味のタネが続いた後と言うこともあり、シャリとのバランスが気になる。

折角の甘鯛に、シャリ(赤酢)の香りが勝ってしまっている。

 

縞鯵

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これは甘鯛に比べて香りが強いので、シャリと合っております。

脂の乗りも良く、それでいてしつこくない。

 

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軽いスモークを利かせ、食感はふんわり。

燻香の後に甘みが広がる。

 

車海老

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茹で上げで、肉厚ながらに噛みしめると甘みがほとばしる。

これも少しシャリの酸味が勝つところがネック。

 

北寄貝

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鮮度良く気持ち良い食感。

なお、酒肴を頼んだお客さんには炙りで供されておりました。

 

ツブ貝

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包丁の入れ方が良く、ツブ貝特有のゴワッとした食感を楽しみながらに歯切れが良い。

 

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塩、酢ともに強めの〆だが、脂と香りを楽しめる。

下手な鯖寿司を食べるくらいなら、こちらで一貫頂いた方が嬉しい。

 

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白眉。

炙った後に漬けにしており、香りが素晴らしく、

凝縮された脂の旨味に心を奪われる。

鰤の雄々しい香りも楽しめ、清々しく横溢する。

 

海胆軍艦

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昆布森産のバフン海胆。

使用している海苔のクオリティも高い。

 

いくら軍艦

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薄皮で弾けて消えゆく、いくら。

 

穴子

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穴子が冷えており、シャリとの温度差が気になった。味は良い。

 

干瓢巻き

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甘辛く仕上げた干瓢で、食感も良い。好みである。

 

玉子

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三層のグラデーションになっている、見目麗しき玉子。

良質なプリンのような食感。

すし処ととやの玉子も素晴らしいが、こちらの玉子も完成度が高い。

 

17貫と巻物、玉子を頂いて12,000円とは、内容を考慮すると非常に満足です。

「シャリと仕事のバランス」という観点で考えると、シャリに改良すべき点が無くは無いものの、まだお若いので更なる進化を期待出来ます。

個人的には、赤酢の角をもう少し丸めた方が全体的な完成度が上がり、それでいて、お店の個性も殺さないように感じました。

とは言え、京都のみならず関西で頂ける江戸前鮨としては、非常にハイレヴェルだと思います。

 

店名:鮨まつもと

シャリの特徴:赤酢の輪郭を強調し、塩も利かせたシャリ。硬さ、温度なども良い。

予算の目安:9,000円~

最寄駅:祇園四条駅から230m

TEL:075-531-2031

住所:京都府京都市東山区祇園町南側570-123

営業時間:12:00~14:00、17:30~21:00

定休日:火曜、水曜のランチ

2 COMMENTS

匿名

京都の江戸前鮨の主要なお店はすべて伺ったことになります?
嘉瑞は行ってないでしょ??

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edomae-sushi

匿名さま
コメントありがとうございます。
嘉瑞さんは上野毛にあったお店でしょうか?
京都に移転された現在、会員制と伺っております。
当ブログ(=僕の食べ歩き)では読者の方が訪問できるお店を基準としており、会員制のお店は対象から外しております。
大変申し訳ありませんが、ご了承頂ければ幸いです。

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