昨年11月に訪問した、ととやさん。
記憶に残る印象的な仕事とシャリでしたのでこの度再訪しました。
前回の記事はこちらとなります。
再訪した感想としては、個性的な仕事の輝きは変わらず、
特に小鰭、鮪赤身の出汁漬け、玉子については絶品だと改めて感じました。
また、シャリも前回からブレが無く、小ぶりなシャリは口に入れるや否やパラッと鮮やかにほどけ、二、三粒残るという理想的な散り方です。
ミル貝と針魚の焼物
煮切りを塗って炙った酒肴。
シンプルながらに美味。
針魚はこの後握りで頂くことになるが、
火を入れることで違う香り、味わいを楽しめる。
真鯛
香りと食感がしっかりあり一貫目から心穏やかに。
墨烏賊
パツッと切れ、噛みしめるとゴワゴワした歯応えで、徐々に甘みが広がる。
包丁の入れ方によって独特の食感となっている。
小鰭
柔らかな食感とまろやな香りを楽しめる珠玉の一貫。
〆た後に一週間ほど寝かせておられるそう。
〆加減が良く、ふんわりとした食感が魅力的で、小鰭特有の嫌味を消しつつ旨味と香りを封じ込めている。
鯵
和歌山。走りではあるが、香り、旨味共にしっかり。
出水の鯵が人気だが、引けを取らないのではないかと感じる。
春子
こちらは小鰭よりもしっかりと〆て、オボロの甘みでバランスを取っている。
針魚
一見すると生に近い食感だが、塩を振って軽く〆ている。
凝縮した旨味と柚子胡椒をぶつける個性的な仕事。
ミル貝
シャリとの相性が良好。
ミル貝の香りが赤酢の風味と合致している。
トリ貝
肉厚で、甘みが十分。
赤貝
極厚でびっくり!
大きさに比べると旨味はやや弱いものの、香りは中々。
青柳
香りと甘みが桁外れに強く、特有の磯の香りが余韻として嫌味なく香る。
されど青柳…と思わされる一貫だった。
鮪赤身
壱岐。心地良い酸味があり、舌触りは官能的な滑らかさ。
時期を考慮すると満足度が非常に高い。
鮪中トロ
中トロは勝浦。酸味と香りのバランスが良好で、テンションが上がる。
鮪大トロ
壱岐。濃厚な脂質で、壱岐の赤身、勝浦の中トロと印象的なストーリー展開。
鮪赤身の出汁漬け
ともすれば味付けが強く感じるが、噛みしめると鰹出汁が強めの味を補強。
その後、鮪の酸味が滲み出る。
ひと噛みひと噛みに変化が生じる面白い仕事。
海胆軍艦
たっぷりなので半分にカット。
海老
茹で上げではないが、十分な甘みを楽しませてくれる。
故に、オボロは蛇足だと感じた。
〆ものの酸味にぶつけるのは良いけれど、甘い海老にオボロは好みから外れる。
蛸
波打たせて切りつけた後、縦にたくさん包丁を入れる。
柔らかく頂けて、蛸の香りを存分に満喫。
穴子塩、穴子煮ツメ
ふんわりと煮上げつつ、穴子の食感がそれなりに残っており、印象深い仕事。
この時期、ガッカリする穴子も少なくないので大満足。
玉子
活車海老を使用。
余熱で火を入れる事により、印象的な二つの食感を楽しめる。
べったら漬け
酒肴1品、握り19貫に玉子を頂き、日本酒はなみなみ1合。
2万円を切るコストパフォーマンスは銀座では極めて貴重です。
まさに「燻し銀」と 言える仕事。
またお伺いするのが楽しみです。
店名:すし処ととや
シャリの特徴:赤酢の使い方に長けた、小ぶりながらに存在感のあるシャリ。
予算の目安:15,000円~20,000円
最寄駅:東銀座駅から200m
TEL:03-3543-3324
住所:東京都中央区銀座3-11-7
営業時間:[火~金]12:00~13:30(事前に要確認)、17:30~23:00、[土・日・祝]17:30~21:30
定休日:月曜
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