すしログ:新潟前のパイオニア!寛げる雰囲気の鮨店、古町「はつね寿司」

はつね寿司暖簾

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

2014年に初めてお伺いした、新潟・古町の「はつね寿司」さん。

当時は新潟に「上質な鮨店」は少なく、料亭と割烹の二択に近い状態でした。

食べログで検索しても上位店はラーメン屋さんばかり。

鮨はこちらか「奈可久 星野」さん、あるいは街場の名店「寿司安」さんと言う選択肢でした。

 

久々にお伺いした「はつね寿司」さんは、今でも「新潟らしさ」を楽しませてくれる良い鮨店でした。

懐が深いお店で堅苦しさが無く、時代が変わっても残り続ける鮨店です。

すしログ

何気に干瓢巻きが全国トップクラスの美味しさで印象的でした!
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新潟「はつね寿司」の魅力とは?

「はつね寿司」の親方、渡辺裕一さんは1974年生まれの職人さんです。

東京の鮨店で6年間修行された後、新潟のご実家に戻られました。

ご実家は飲み主体なので鮨店と言うよりも寿司店だった模様。

 

お父上と衝突しつつ、8年後にお店をリニューアルし、夜営業のみ・おまかせコースのみの鮨店へ変えたそうです。

リニューアルは2012年なので、僕が訪問した2014年は、わずか2年後だったと後に知りました。

 

このあたりのエピソードは、歳は離れるものの同じく新潟の「兄弟寿し」の本間龍史親方や「登喜和」の小林宏輔親方と似ていると感じます。

東京で江戸前鮨の仕事を覚えた職人さんが、ご実家の街場寿司店を変える。

この試みは江戸前鮨にテロワールを与え、ご当地江戸前鮨を編み出す事に繋がるため、全国で活性化して欲しいと常々感じています。

 

渡辺親方は寡黙な方ですが、きめ細かく接客をされます。

常連も一見も分け隔てない接客で、客あしらいが巧い職人さんです。

それゆえに僕もかつて一人でお伺いした時に寛ぎを覚え、他の常連さんと談笑する機会を得ました。

 

そして、「はつね寿司」の魅力は、新潟産の魚介類を駆使するところです。

それでいて生主体ではなく、キッチリと江戸前の仕事を施されています。

この点において、僕は渡辺親方を「新潟前」のパイオニアだと感じます。

 

また、単に新潟産のタネを使用するだけでなく、構成も魅力的です。

硬派な感じのタネの構成で、それでいて味の起伏に揺さぶられます。

これぞ食材力と仕事の妙だと感じました。

 

親方はリズミカルな手返しが印象的で、親指を決めるスピードも速いです。

それでいて、必ず捨てシャリをされ、捨てシャリ用の器まであり、これは珍しい。

捨てシャリを握りの所作に組み込んだ個性的な握り方です。

 

シャリは一見するとクラシカルですが、バッチリ、パラッとほどけます。

温度の加減や粘度も申し分ありません。

味付けは酸味がありつつ、米の甘みも楽しませてくれます。

そして、お米の香りが最後に漂います。

このあたりは独特です。

 

使用されているお酢は恐らくミツカンの白菊ではないかと思います。

 

新潟「はつね寿司」のおまかせコースの詳細

それでは、「はつね寿司」さんで頂いたおまかせの詳細をご紹介します。

2021年12月に訪問した際の記事

下記が7年半ぶりに訪問した際に頂いた内容です。

 

はつね寿司酒器

この度頂いたお酒

  • 久須美酒造、七代目 純米吟醸
  • 麒麟山、遠雷 吟醸
  • 麒麟山、雪の下 純米吟醸
  • 久須美酒造、亀の尾 大吟醸

お酒もさることながら、そもそも和らぎ水が美味しいところにグッときます。

 

南蛮海老

はつね寿司南蛮海老

昆布〆で脱水され、むっちりした後にとろりととろける。

言わずもがな甘い!

 

バイ貝と〆鯖

はつね寿司バイ貝サバ

年季の入った短い柳刃で波を作りながら切り、アゴでリズミカルに叩く。

歯切れが良い。

バイ貝の香りと甘み、そして強い食感を楽しませる

 

〆鯖は藁炙りで。

しっとりした〆加減に藁のスモーキーフレイバーが良い相性だ。

脂が乗った鯖で美味。

 

はつね寿司鮑

佐渡産。

4時間の酒蒸しのみ。

むっちりした身から旨味がほとばしり、香りが広がる。

鼻腔をくすぐり、香りがこみ上がる。

これは仕事の妙。

 

秋刀魚

はつね寿司秋刀魚

秋刀魚のワタを混ぜた醤油の漬け焼き。

もはや、頂く前から香りが良い!

山椒も良い香りで、痺れは強くなくピリリと演出。

本当に香りが良い。

 

鰯の海苔巻き

はつね寿司鰯の海苔巻き

過去も出されていた、定番の酒肴。

芽葱、茗荷、ガリ、大葉、酸橘少量。

脂が上手く封じ込められた〆加減で、薬味もバランス良し。

海苔の香りも食欲をそそる。

 

白子

はつね寿司白子

艶めかしい火入れで、茹でた後に炙っている。

ぷちっと弾け、とろっと甘い!

付け合わせの調味料は生七味で、相性良好。

 

鮟肝

はつね寿司鮟肝

滑らかで、脂がとろっと溢れる。

下味が極めて上品なので、甘みよりも肝の脂を味わわせる仕事だ。

器はご主人がベトナム旅行で買ってきたバッチャン焼き!

 

ガリ

はつね寿司ガリ

甘みがあるが、キレのある辛味が先行する爽やかテイストのガリ。

 

真鯛

はつね寿司真鯛

寝かせてしっとりホロホロな食感。

 

墨烏賊

はつね寿司墨烏賊

バツッバツッ!と力強い食感で、新潟でこの食感は実に良い。

江戸前鮨らしいので。

また、墨烏賊はシャリを味わえるので、冒頭で魅力的な配置だ。

 

はつね寿司鯵

あたりネギを噛ませて。

脂はそれなりに強く、甘みがあり、香りはクリア。

美味しい鯵だ。

新潟の鯵は冬が良いと言う話に納得。

 

鮪中トロ

はつね寿司鮪中トロ

塩釜。

筋はやや食感があるが、濃密な脂を楽しめる。

ほのかな酸味が広がり、香りも込み上げてくる。

 

小鰭

はつね寿司小鰭

みっしりした食感で、脱水が強めで、酸味も浸透させて、オボロと調和させる。

これまた江戸前鮨らしい仕事だ。

全体として独特の香ばしさを編み出していて、実に良い。

新潟で攻めている〆加減と言える。

 

はつね寿司鰹

藁でスモーキーフレイバーが印象的で、麒麟山の酒米の藁を使用されているそう。

むっちりした身質で、酸味がキリッとしつつ、脂よりも旨味が強い。

 

いくら軍艦

はつね寿司いくら軍艦

たっぷり!!

超濃厚で、卵の美味しさをストレートに味わえる。

ピュアな喜びがあり、皮も柔らかい。

ほぐして塩水で洗う程度だろうか?と思って伺ったところ、煮切ったお酒に薄口醤油をごく少量使用した漬け地との事で、まさに塩梅の妙を感じさせる。

 

車海老

はつね寿司車海老

活きからの茹で上げ。

肉厚で、みちみちした食感。

甘もみ強い。

身体に味噌を残していて濃厚だが、雑味や臭みは無い。

 

はつね寿司鰤

地物ではなく氷見産。

見た目通り脂が強い鰤。

5日寝かせてから漬けにしている。

パンチのある脂で、問答無用に美味い。

漬けの加減が程良く、香ばしさに繋がる漬けの仕事だ。

 

ノドグロ

はつね寿司ノドグロ

ピチットシートで脱水しているそうだ。

そして、帆立の貝殻に乗せて炙る仕事が面白い!

最後に酸橘を2滴ばかり絞る。

脱水のおかげで身がぷりっ、ほろっと良い弾力と食感。

そして、脂は勿論乗っている。

いやあ、ストレートな仕事で良いな、産地らしくて…と実感する。

 

穴子

はつね寿司穴子

笹の葉に乗せて炙るクラシカルな仕事。

ふわっ、ホロホロと、良い食感。

下味は上品に仕上げ、濃厚な煮ツメを少量用いる。

穴子が脂過多でないところが良い。

穴子の味と仕事が合っている。

 

はつね寿司椀

南蛮海老の出汁。

超濃密な香りと旨味で、甘みが特徴的!

塩気は穏やか。

これはストレートで良い椀だ。

 

干瓢巻き 追加

はつね寿司干瓢巻き

白眉!

干瓢をねじって巻く、山葵入りの鉄砲。

干瓢は力強い食感で、醤油も甘みもやや強めにしつつ、バランス抜群で美味しい。

酢飯のほどけかたや海苔の香りを余韻として残すところなども良い。

かなり美味しい干瓢巻きで、出会えて嬉しい。

 

玉子

はつね寿司玉子

みっちり且つしっとりした食感で、海老の香りが香ばしい!

 

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2014年6月に訪問した際の記事

すしログ

正直なところ写真が下手すぎて焦るので、もの好きな人だけ見てください(笑)

 

南蛮海老昆布〆

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ほんのりとした昆布の香りが爽やかで、甘みがぶわっと広がります。

 

ハチメの焼き物

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標準和名はメバル。

薬味は葱と塩麹を混ぜ、酢橘を絞ったもの。

火入れが抜群で、火が入りほろっとした身と、レアで肉感的な身を同時に味わう事が出来ます。

 

鮪とアラの刺身

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佐渡産の鮪は脂がさらりとしており心地良いです。

アラの力強い旨味と硬派な繊維質は上物の証。

アラは新潟でも高級で、なかなか揚がらないそう。

 

ボタン海老とバイ貝の刺身

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ボタン海老も美味しかったが、バイ貝の強い風味は最高でした。

 

金目鯛の椀

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浅蜊で出汁を取った吸い物。

出汁が金目鯛を活かし、旨味の二重奏に驚嘆しました。

 

鰯の海苔巻き

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酢〆加減が抜群で、全体が調和しています。

 

穴子の漬け焼き

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濃いめの下味と、生七味がお酒を進めます。

 

ここから握りがスタートです。

シャリはかなり硬めで、タネの旨さを最大限楽しめる味わいです。

東京以外の地でこのシャリを出されるとは凄いなと感じました。

 

真子鰈

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鮪血合いギシ

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鮪中トロ

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車海老

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いくら巻き

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穴子

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タネの外れも無く、季節ものを中心に心から満足しました。

新潟に行った際は、必ず再訪したいと思います。

なお、常連さんと盛り上がったので日本酒を飲み過ぎたため、都合11,000円強となりましたが、本気で飲まなければかなりリーズナブルかと思います。

また、常連さんのお陰で頂く僥倖にあずかったのですが、「夏子の酒」のモデルになった久須美酒造の超絶レアなお酒と出会えるかもしれません。

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現地でも仕入れが難しいお酒なので運次第かと思いますが…

 

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新潟「はつね寿司」の立地と雰囲気

お店は古町でも閑静な一角にあり、周囲は落ち着いています。

はつね寿司外観

店内は温かみのある空間なので、初訪問でも緊張感は無いかと思います。

8席でこじんまりとしたカウンターですが、席の間隔は広いです。

 

豪奢ではありませんが実に鮨店らしく、数年ぶりの訪問ながらに初訪問時の寛ぎが蘇りました。

コースはおまかせですが、タネ札が掛けられているところなども、粋な印象を覚えます。

 

新潟「はつね寿司」のお店情報と予約方法

WEB予約については、食べログ経由で可能です。

はつね寿司(食べログのリンク)

 

店名:はつね寿司(はつねすし)

シャリの特長:酸味がありつつ、米の甘みと香りを楽しませてくれるシャリで、温度・粘度はバッチリ。

予算の目安:夜10,000円〜15,000円 → おまかせ16,000円

TEL: 025-222-5231

住所: 新潟県新潟市中央区上大川前通7番町1238

最寄り駅:新潟駅から1,700m

営業時間:18:00〜

定休日:日曜、水曜、不定休

 

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新潟の魚の美味しさに魅了される、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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本記事は、すしログ No. 50に大幅加筆してアップデートしました。

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