すしログ No. 5 松鮨@烏丸(京都)【2017年閉店】

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こちらは京都にあって古い江戸前の仕事を継承するお店です。

昔から食通の間では有名なお店で、「名店」とも「伝説のお店」とも評されてきたそうです。

お店は錦市場から少し歩いた場所にあり、カウンター6席ばかりのこぢんまりとした空間です。

しかしながら、カウンターは200年物の欅を数十年掛けて乾燥させたものとのことで、小体ながらも歴史を感じさせる内装です。

(当店は2000年半ばに移転したそうですが、内装はそのまま移したとか)

 

ご主人は「老練」という言葉が似合う方。

かと言って、圧迫感は皆無で、すぐに寛ぐことが出来ます。

「京都の老舗」と聞いて構える必要は皆無です。

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こちらのシャリは柔らかく、甘い!

東京の感覚すると驚くことは必至です。

人によっては、「江戸前と違う」=「NG」と感じるかもしれません。

しかし、ご主人の仕事を施されたタネと頂けば、驚くほどの一体感を味わえます。

僕は硬めで、シャープな味わいのシャリが好きなのですが、真逆を行くのにもかかわらず美味しかったです。

それと言うのも、仕事が独特でありながら完成度が高いためだと思います。

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鮪はシャリに合う温度にぴったりと合わされ、〆ものは酢と塩をばっちり利かし、ツメは味醂と酒をアグレッシヴに使う。

この一体感は個性的で、唯一無二かと思います。

また、酢橘や木ノ芽を使うところは、京都に来たなあと感慨ひとしお。

【鯖の棒寿司】や【ひよこ】などはこちらならではな、スペシャリテでしょう。

 京都では珍しい、京都らしい味わいの江戸前鮨と言えるかもしれません。

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蛸の桜煮

非常に柔らかく煮ておりますが、旨味が強く、吸盤は強い食感を保持。

もろみ味噌で頂く冷えた胡瓜が、まだ蒸し暑い京都で滲んだ汗を和らげてくれました。 

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中トロ海苔巻き

紀州勝浦産とのことですが、東京で頂いた勝浦産とは旨味の質が微妙に異なりました。

脂も濃厚ですが、さらりとしており、クドさは残らず、余韻がたなびきます。 

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烏賊

食感と甘みが良い塩梅で、木ノ芽が香しく漂う。

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甘めに、柔らかく仕上げている。

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鮑の肝

非常にパンチのある一貫。

濃厚な鮑の肝を、濃厚なツメでまとめ上げる。

味のもたつきが無いのが不思議です。

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車海老

オボロも使っておりますが、甘めの味わいでシャリに合います。

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針魚

絶妙な〆方に圧倒されました。

酢、塩、昆布をバシッと利かせながら、食感は柔らかく、針魚の味わいも残す。

繊細な針魚を華やかに仕立てた逸品。

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鯖の棒寿司

まさにスペシャリテだと感じさせる一貫。

シャリと最も合っており、一気に頂いてしまいました。

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穴子(塩)

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穴子(煮ツメ)

東京のようにふんわり柔らかく煮るのではなく、穴子自体にしっかりと甘めの味を付けております。

ツメとの相性が抜群。

ツメは穴子の骨だけではなく、穴子まるまる一本煮詰めているそう。 

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玉子

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ひよこ

ひよこは卵の白身にオボロを仕込んで握った変わり種。

相当古い江戸前仕事の鮨です。

ただ、はんなりとした甘みがあり、何処と無く京都らしい味わいです。

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ネギトロ巻

海苔を二重に巻き、日本酒に合うように仕上げているそうです。

こちらの握りは、古い江戸前の仕事を独自の解釈で完成させた、ここでしか頂けない鮨だと感じます。

江戸と京都のハイブリッド。

シャリの味わいは穏やかですが、握り全体で考えると、確かに通好みなのかもしれません。

ただ、京都にあって長らく食通に愛されたお店。

ご主人のお話も面白く、季節を変えてまた伺いたいと思うのです。

※敢え無く閉店されてしまいました

 

店名:松鮨

シャリの特長:柔らかく、甘い。セオリーを無視したシャリだが、こちらの仕事には不思議と調和。
予算の目安:20,000円~25,000円

最寄り駅: 烏丸駅から427m

TEL: 075-221-2946
住所: 京都府京都市中京区蛸薬師柳馬場西入十文字町432-1
営業時間:13:30~19:00 

定休日:木曜

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