すしを識る〜鮨・寿司・鮓の魅力〜

すしを識る

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。

本記事は、「鮨に詳しくなりたい!」、「鮨をもっと美味しく食べたい!」という方向けの記事となります。

筆者は恐らく日本で最も江戸前鮨と郷土寿司を食べている人間なので、スシの魅力を幅広く知って頂けるのではないかと思います。

すしログ
すしログ

リンク先も含めて記事を読み終えた頃には、鮨を「識」っていることでしょう。

なお、本記事公開後に「鮨のマナーとエチケット」についての記事も書きました。

気になる方は、是非ともご一読ください(参考になったならば他の人にも教えてあげてください!)。

アイキャッチ 【知らぬは一生の恥】鮨店で押さえておくべきテーブルマナーとエチケット
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鮓・鮨・寿司のヴァリエーションを識る

まず、知っておくべきことは、鮓・鮨・寿司のヴァリエーションです。

江戸前鮨が人気すぎて「鮨=握り鮨」と思われがちですが、本質的にはスシはヴァリエーションに富む食べ物です。

スシを幅広く知ることで、江戸前鮨めぐりが更に楽しくなるのは間違いありません!

江戸前鮨

江戸前鮨

まずは、現在最も人気なジャンルである、江戸前の握り鮨です。

ただ、江戸時代においては、スシと言えば「関西流の押しずし」でした。


しかし、知多半島で赤酢が生み出されたことで江戸前の握り鮨が大ブームとなったのです。

赤酢が発明され、さらに握り鮨の考案者とされる華屋 與兵衛はなや よへえ堺屋 松五郎さかいや まつごろうが赤酢を活用することでブームが起きました。

このブームが無ければ、江戸前鮨は存在しませんでした

これが文政年間(1818〜1830年)の出来事です。


ちなみに、江戸時代における江戸前鮨の王道の鮨種は、以下のとおりとされます(『守貞謾稿』より)。

  • 白魚(しらうお)
  • 小鰭(こはだ)
  • 鮪赤身(まぐろ)
  • 車海老(くるまえび)
  • 海老オボロ
  • 玉子焼き
  • 穴子

江戸時代以降も鮨は高い人気を維持し、現在と同じく憧れの存在だったようです。

これは、志賀直哉の『小僧の神様』や永瀬 牙之輔の『すし通』を読むと実感できます。


その後、第二次世界大戦を経て日本の食文化は衰退し、江戸前鮨も弱体化する恐れがありました。

しかし、実際には全く逆の結果になりました。

なんと、戦争を経て江戸前鮨は不動の人気を獲得したのです。


その理由は「持参米鮨委託加工制度」です。

1945年の第二次世界大戦後、政府は物資管理の側面から飲食店を徹底的に取り締まりました。

そして、「飲食営業緊急措置令」によって飲食店は営業を禁止されました。


しかし、一人の銀座の鮨職人(八木 輝昌氏)が「自分たちは飲食店ではなく、米の加工業者だ」と都知事に直談判をしました。

お客が配給品のお米を持ってくれば鮨職人が鮨として加工して、飲食店ではなく加工業者として営業出来るはずだ、と言う主張です。

そんなバカな!?と思う理屈ですが……なんと通ってしまいました。


お客が米を持ってくれば鮨に加工して出しても良いと言う「持参米鮨委託加工制度」が生まれた瞬間です。

終戦からわずか2年ほどの1947年の出来事です。

その結果、鮨職人は営業できることとなり、大繁盛しました。

敗戦後の悲壮な時代だったので当たり前ですよね。

お店は正に「すし詰め」状態だったそうです。

そして、鮨職人は全国に急増しました。


八木氏が都知事に直談判した際、最初は「米は良いとしても、魚はダメだ」と否決されたそうですが、八木氏は食い下がったそうです。

「米を加工する」と言うロジックに加えて、さらにウルトラCの離れ業を炸裂。

配給規制されていない統制外の種を選びました。

すなわち、貝類、海老、ボラ、淡水魚(ウグイなど)、干瓢、椎茸、卵などの計10種類。

結果的に都知事が折れて、制度化に至りました。


八木氏がいなければ間違いなく鮨は衰退していたので、鮨ヒストリーにおいて、八木氏は江戸前鮨の開祖である華屋 與兵衛と堺屋 松五郎に次ぐ偉人だと言えます。

なお、持参米鮨委託加工が制度化された後は、闇市で海魚を仕入れて握った職人もいたようです。

そのような職人は憲兵が見回りに来る前に魚を卸して、何の魚か分からないようにしていたそうなので、職人の心意気や天晴!です。


ちなみに、鮨の委託加工が制度化された際、同じ江戸料理である鰻職人と天麩羅職人がクレームしたそうです。

ごもっともですね。

しかし、不条理なことに「鰻や天麩羅は米が無くても成立する」と却下されたそうです。

「飲食営業緊急措置令」下で営業出来た飲食店は、戦時中に制度化されていた外食券食堂、旅館、喫茶店と、握り鮨の加工業に切り替えた鮨店に限られていたので、鮨店が異例中の異例だったことが分かります。


さらに余談となりますが、なぜ現在の鮨1人前が10貫か、ご存知でしょうか?

鮨1人前

これは「持参米鮨委託加工制度」で、お米一合が鮨10貫(巻物含む)に加工されたためです。

そして、同時に「持参米鮨委託加工制度」によって鮨は小ぶりになったとも言えます。

戦前までの鮨はよく知られている通り巨大で、1貫50g~80gほどだったと言われます(コンビニのおにぎりは1個約110g)。

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画像出典:『すし技術教科書』(旭屋出版)より「明治初期のにぎりずし」

お米一合の重量は約330g。

「持参米鮨委託加工制度」における握りについては、細巻が約80gなので、1貫あたり25g程度となります。

ただ、それでも現在の鮨と比較すると大ぶりで、現在は更に小さくなっています。

現在の人気店は10g~20gほどなので、かなり軽めです。

時代とともに洗練されているのが江戸前鮨。

鮨人気が高まったここ数年においても進歩し続けている点が江戸前鮨の魅力です。


…と、このように、江戸前鮨の歴史や進歩を調べると面白いエピソードが発掘されます。

単に食べるよりも美味しく、楽しくなるのではないでしょうか?

とりあえず、誰かに話したくなりますよね。

上記2つのエピソードが無ければ、現在の江戸前鮨人気は無かったので…。


なお、「江戸前鮨とは何か?」については、当ブログ開設から2回目のコラムに書きました。

2015年の記事になりますが、普遍性はあるので、ご関心のある方はご参照ください。

すしコラム No. 2 江戸前鮨とは何か?

江戸時代から続く鮨職人の系譜について知りたい方には、下記の記事もオススメです。

アイキャッチ 【永久保存版】すしログ:鮨職人の系譜〜鮨の歴史と修行先を知ると更に面白くなる!

そして、「鮨関連本77冊レビュー」で紹介した『江戸前魚食大全』も、江戸前鮨を考える上で非常に有用です。

じっくりと深く知りたい方は他の書籍も是非ご覧ください。

鮨本アイキャッチ 【全てのスシ好きに贈る】鮨・寿司・鮓についての関連本77冊レビュー!

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郷土寿司

次に、最も大衆的でありながら奥深いスシ郷土寿司です。

郷土寿司

郷土寿司は日本の各地方・地域の食文化を伝えてくれるので、非常に魅力的です。

しかしながら、郷土寿司は全国的に見て「絶滅危惧」のものが多数散見されます。

僕が考える「絶滅危惧」の大きな理由は、以下の3点です。

  • 地域の祭りや行事が減った
  • 家庭で作る機会が減った
  • 再構築されていない

もともと郷土寿司は外食の為のスシではありません。

特別な行事の際に集落(コミュニティ)で振る舞われることが多く、いち家庭で作るとしてもハレの日に作る、「身内のための特別なスシ」でした。

故に、コミュニティに属する人が手作りしてレシピが伝承されてきました。

社会構造や家族構成が変わるとともに、食文化も西洋料理を中心として多様化することで、家庭で作る機会が激減したのが「絶滅危惧」の最大の理由でしょう。


そして、調理法的にも調味的にも再構築されていないものが多い点も、「絶滅危惧」の主要因と考えます。

要は現代人の味覚との乖離が生じている状況です。

京都の【鯖棒寿司】などは現在も大人気で、しかも外食専門店として成立していますが、その理由は古くから再構築されてきた為だと考えます。


再構築は洗練と言っても良いかもしれません。

レシピは時代と共に再構築されなければ、古臭いものとなり時代に取り残されてしまいます。

郷土寿司の今後は、残すべき価値のあるスシを再構築することが重要だと考えています。


最近では、江戸前鮨店で関西鮓や郷土寿司をコースに組み込む職人さんが増えてきているので、個人的に注目しています。

郷土寿司を知るきっかけになりますし、再構築されることで魅力に気づけます。

読者の方も、魅力的な郷土寿司を見つけたら是非とも試してみてください。

そして、気に入った際にはネットで発信してください。

自分で再構築して、ネットで発信するのもアリです。

そのような動きが郷土寿司の存続と進歩に繋がると信じています。

下記は、全国の郷土寿司で有名なものやオススメのものをまとめた記事です。

郷土寿司アイキャッチ 【隠れた名物!】日本全国各地の郷土寿司おすすめガイドとランキング

郷土寿司のリストも作成しています。

郷土寿司アイキャッチ 【保存版・寿司の事典】日本全国すべての郷土寿司・都道府県別まとめリスト

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関西

そして、郷土寿司と同じく徐々に減少しているものの、ポテンシャルを感じるのが関西鮓です。

関西寿司

関西鮓は本来、江戸前鮨と並んで人気が高いジャンルでした。

しかし、最近は東京だけでなく、当の大阪でも関西鮓のお店は閉店しています。

とある腕利きの関西鮓職人さんに衰退の理由を聞いてみたところ、「関西鮓は使用するお米の量が多いので、ヘルシー思考的に敬遠される」との事でした。


大阪では江戸前鮨の新規出店がすさまじく、関西鮓が押されているのは揺るぎない事実です。

要は、関西鮓が魅力を打ち出せていない状況だと言えます。

ビジネス的には江戸前鮨の方が上手く行くため、新規出店が江戸前鮨ばかりとなるのは資本主義の論理からすると致し方ありません。


ただ、社会や文化が消費者のニーズに基づき発展するものと言っても、関西鮓がどんどんマイナーになるのは勿体ない。

僕は食べ歩いて発信することで関西鮓を応援したいと考えています。

当ブログを始めた頃、江戸前鮨は今ほど人気ではありませんでした。

少なくとも、銀座のお店で若い人を見る機会は今よりも格段に少なかった。


将来はどのように変わるか分からないので、読者の方は興味があるお店があれば是非とも訪問してみてください。

関西鮓を食べて面白い点は、江戸前鮨の源流になっている仕事を体感出来るところです。

下記の記事に関西の優良店をまとめています。

関西寿司 すしコラム:握りとはちゃうで!実はおもろい関西寿司の世界!

こちらは東京バージョンです。

すしログ:東京で入手可能!美しく、美味しい関西寿司たち

関西鮓の名店として一軒挙げるとするなら、僕は「たこ竹」さんを推します。

たこ竹看板 すしログ:190年受け継がれる絶品大阪すし!復活の「た古竹(たこ竹)」(大阪天満宮)

また、関西鮓には、未だに江戸前鮨で使われていない仕事もあるので、江戸前鮨を食べる/作る上で役に立ちます。

ここに、ポテンシャルがあります。

今後、江戸前鮨の職人さんは、おまかせコースに押し寿司や蒸し寿司を加えると面白いかもしれません。

関西鮓は酒肴として頂けるものが多いので、握りパートに入っても酒肴的に構成することが可能です。

さらにアレンジの可能性も多分にあるので、考案、調理していて楽しいのは間違い無いです。

少なくとも、今や皆が出している【鮟肝と奈良漬け】や【ノドグロの小丼】などよりも、よっぽどセンスを感じます。

伝統的な江戸前鮨以外の種を用いる場合、他人のレシピではなく、オリジナルなものを出された方が粋と言うものです(これは消費者のニーズも影響しているので、消費者にも気づいて欲しいポイントです)。

実例として、札幌の「たな華」さん、白金の「良月」さんは、押し寿司や蒸し寿司を効果的に組み込んでおられます。

鮪中トロ すしログ:個性炸裂!札幌を代表する鮨店の一つ!すすきの「鮨たな華」 小鰭 すしログ:若くして己の鮨を確立し、快進撃を続ける職人!広尾「すし良月(あきら)」

実力のある江戸前鮨職人は、やはりセンスが違うと感じる次第です。

このセンスについては、お店の知名度は全く関係ありません。

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回転寿司

最後は、回転寿司です。

「えっ、回転寿司!?」

驚く方も多いかもしれません。

しかし、スシ文化を考える上で回転寿司に触れないのは思考停止だと考えます。

回転寿司は「あくまでも回転寿司と言うジャンルの中で進歩しているスシ」と言う印象かもしれませんが、シャリにしても使用するタネにしても「鮨」を意識して改良され続けています。

上記のような郷土寿司に足りない「再構築」を繰り返しているのが回転寿司だと言えます。

当ブログでは、大手2社、グルメ系回転寿司3社、ご当地系回転寿司3社の合計8社を巡り、考察を加えたいと考えています。

…が、残り2社残っていて、大手2社の記事しか出来ていない状況です。

回転寿司の比較 すしログ:「スシロー」と「くら寿司」はどっちが美味しい?鮨ブロガーが徹底比較!

この記事のPVは圧巻で、1記事で15万PV以上になっています。

ニーズはあるようなので、今後にご期待ください!

全店を巡った後に、本項目も改訂します。


では、次の項目からスシにおいて重要な要素を解説していきます。

自ずと江戸前鮨を意識した内容となりますので、ご了承のほど…

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シャリとお酢を識る

この項目から、「鮨」において重要な要素を順番に紹介します。

まずは、僕が「鮨の生命線」であると考える、すし飯=酢飯=シャリです。

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一般的なメディアやレビューを見ていると、一番重要なものは魚のように書かれていますが、シャリの方が重要であるのは間違いありません。

職人さんに「鮨におけるシャリの重要度」を尋ねてみると、ほとんどが60%~80%の範囲に収まります。

50%以下は聞いたことがありません。


鮨はシャリによって美味しくも不味くもなるものです。

正直なところ、回転寿司もシャリのクオリティを上げれば美味しくなります。

※最も、「美味しい」の基準は人それぞれであり、人それぞれである理由は個々人の食の経験に依拠するためなので、平均的に美味しい味を理想とする薄利多売モデルの回転寿司の場合、「江戸前鮨の人気店のような美味しさ」を志向することが必ずしも正しいとは言えませんが


ちなみに、僕が考える「鮨におけるシャリの重要度」は70%~80%くらいです。

理由としては、有名仲卸から高価な鮪を仕入れる予約困難店でも、シャリが不出来で満足度が下がることがあるためです。

逆に、種がピンでなくとも、江戸前の仕事が押さえられていてシャリが美味しい鮨店は予約困難店の満足度を超えるため、とも言えます。


個人的には、高級なタネを仕入れる前に美味しいシャリを切るのが圧倒的に先だと確信しています。

タネは仲卸の力が大きいですが、シャリは職人さんの力100%ですからね…。


そこで、読者の方にオススメしたいのが、「シャリベースでの鮨店巡り」です。

僕は鮨を食べ歩き始めた頃からシャリに意識を集中することを心がけ、文章では必ずシャリに言及してきました。

シャリを味わうための8要素

「シャリベースでの鮨店巡り」で重要なのは、シャリの状態を早く捉えることです。

そこで、僕がシャリを噛みしめる際に気にしている要素を紹介します。

以下の8点になります。

  • お米の硬さ
  • お米の粘度
  • お米の甘さ
  • お米の香り
  • お酢の酸味
  • お酢の香り
  • (塩による)塩味
  • (加糖による)甘味

これらが合わさることで「シャリのほどけ加減」「シャリの美味しさ」が生まれます。

そして、これらを一貫で感じ取れるようになれば、鮨のレベルは相当高くなったと判断出来ます(僕も食べ歩きを始めた頃から最短での認識を目標にして、自身が知覚出来る範囲に対してシビアに向き合ってきました)。

使用しているお米などの「情報」自体は大して重要ではありません。

お米の「状態」と「味」を捉えずして「情報」を得ても糧にはならず、糧にするためには認識が必須です。

シャリ切りの妙

高度な江戸前鮨においては、鮨職人は握る技術だけでなく、シャリを切る(シャリを作る)技術も求められます。

鮨店において、シャリは以下のプロセスで作られます。

  • 使用するお米を選択する
  • 使用するお酢を選択する
  • お酢、塩、砂糖の塩梅を決める
  • お米を研ぐ
  • お米を浸漬する
  • お米を炊く
  • 炊き立てのご飯に合わせ酢を掛ける
  • シャリを切る(しゃもじで混ぜる)
  • 団扇で扇ぎ水分を飛ばして艶を出す
  • 保温、温度管理を行う

個々のプロセスが全て重要で、実に奥深いのがシャリ切りです。

可能であれば、鮨を食べ歩きながら自分でもシャリを切ると格段にスキルアップ出来るのでオススメします。

そして、シャリ切りの方法を紹介すると、以下のとおりです。

  • 良いお米屋さんで、シャリの方向性を相談した上でお米を買う
  • 浸漬(浸水)は冷蔵庫で1晩掛けて行う
  • 使用する水は美味しい水を選び、温度は冷蔵庫内の温度に合わせる
  • 炊飯は羽釜、土鍋、炊飯器の何れであっても、高温・短時間で行う
  • 合わせ酢は購入せず自分で調合する(お酢・塩・砂糖の比率は好みで)
  • 合わせ酢は温かくしてから、炊き立てのお米に掛ける
  • シャリ切りはお米の粘りが出ないように手数を少なく手早く行う

僕もまだまだ未熟なので、生涯を掛けて追及していきます。

情報は随時アップデートします。

鮨におけるお酢の重要性

そして、シャリにおいては、お米だけでなくお酢も極めて重要です。

中国・四川省の郫県ピーシェンは豆瓣醬(豆板醬)のブランド産地であり聖地なのですが、当地に在る「川菜博物館(四川料理博物館)」の壁面には「川菜之魂 郫県豆瓣」と書かれています。

それでは、鮨の魂とは何だろうか…と考えてみると、調味料レベルでは言うまでもなくお酢となります。


そもそも、スシがナレズシから関西鮓(早スシ)に発展するためには、お酢無くして成り立ちませんでした(ナレズシはお米を乳酸発酵させて酸味を出すところ、早スシはお米に酢酸発酵されたお酢を用いて酸味を出す)。

本当に美味しい鮨を作るためには、良いお酢でなければなりません。


歴史的に見ても、江戸前鮨は美味しいお酢が発明されたために江戸(東京)でブームとなりました。

そのお酢とは「三ツ判山吹」。

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現在はグローバル企業となっている株式会社Mizkanミツカンの創業者である中埜又左衛門が生み出した、酒粕を原料として造る赤酢です(従来のお酢はお米を原料として造られる米酢だった)。

米酢の場合はお酒を造ってから発酵させる必要がありますが、赤酢の酒粕はアルコールを含むため、お酒造りをせずとも造れます。

赤酢には固有の旨味と香りがあるため、米酢とは異なるシャリを作れます。

現在も東京の一流店の多くが赤酢を使う理由は、江戸前鮨誕生に遡るわけです。


その後、第二次世界大戦を経て、お酢の工業化が進みました。

その過程で、原料となるお米や酒粕を少量しか使わず、人工的なアルコールを加えて機械を用いて1日で発酵を終えさせてしまう速醸法(全面発酵)が主流になってしまいました。

現在市場で主流のお酢はこのお酢で、ツンとするにおいがあり、旨味が少なく、酸味が強いところが特徴になります。


日本の伝統的なお酢は、お米もしくは酒粕を原料としてアルコール発酵させた後、出来たお酒を酢酸発酵させて造ります。

本来のお酢造りは、お酒の酢酸発酵に80日~120日、熟成に240日~300日かける「静置発酵」で行われます。

残念ながら「静置発酵」を行う蔵・メーカーは非常に少ない状況ですが、今なお現存し、美味しいお酢を造り続ける志の高い蔵・メーカーも存在します。

良いお酢と出会うキーワードは「静置発酵」です。


そして、「静置発酵」を行う蔵の中で、最も伝統的かつ先進的な試みをしている蔵は、京都府宮津にある「飯尾醸造」さんです。

飯尾醸造02

この蔵は、お酢の原料となる清酒を自前で造るばかりでなく、お米も無農薬で自家栽培あるいは契約栽培で作っている、極めて珍しい醸造蔵です。

上記の「静置発酵」を行う前に清酒(酢もともろみ)造りに40日以上かけている蔵は極めて稀少です。


また、江戸前鮨に使用される赤酢も造っていて、熟成期間は10年~15年にも及びます。

自社の酒粕100%で赤酢を造っているのは、飯尾醸造以外には和歌山県の「九重雜賀ここのえさいか」さんしかありません。

暖簾 日本が誇る銘酢【富士酢】を作る醸造元!京都宮津の飯尾醸造〜お米からお酢の旅〜

「飯尾醸造」さんのお酢については、飲み比べを行いました。

すしログ:飯尾醸造「富士酢」「富士酢プレミアム」「赤酢プレミアム」を飲み比べ!

そして、鮨職人向けのイベント「シャリサミット」にも参加させて頂きました。

シャリサミットアイキャッチ 【40人超が集結!】鮨職人による鮨と酢飯と魚の祭典「世界シャリサミット2022」レポート(於 飯尾醸造)

他に、現在の江戸前鮨店で人気が高いお酢を造っている蔵については、「横井醸造(東京都)」さん、「内堀醸造(岐阜県)」さん、「私市キサイチ醸造(千葉県)」さんなどがあります。

これらのお酢についても、飲み比べを行いました。

すしログ:前代未聞!?鮨ブロガーが鮨向けの赤酢を飲み比べ!

また、記事にはしていませんが、「横井醸造」さんのお酢については、鮨職人さんのご協力でほぼ全て飲み比べを行いました。

鮨店増加の影響で、各メーカーともお酢の在庫不足が続いているのが心配ですが、鮨文化を支える為に今後も頑張って頂きたいと応援しています。


なお、お酢にまつわる面白い流れとしては、江戸前鮨が各県で深化する過程で、自県の醸造蔵のお酢を用いる職人さんも増えています。

伝統的な調味料造りは手間とコストがかかるので、一流の鮨職人が使用し、認知を高めて消費量を増やす行為は崇高な試みですね。

自県のお酢に切り替えた職人さんとしては、新潟の「兄弟寿し」の本間親方や、広島の「鮨 稲穂」の三原親方が頭に浮かびます。

兄弟寿し鰤 すしログ:新潟が誇るミシュラン2ツ星獲得の名鮨店!古町の「兄弟寿し」 ヤズ 鮨職人×漁業者×すしログが伝える「瀬戸内さかな」の魅力!広島「鮨 稲穂」

本項目のまとめとしては、鮨を食べる時はシャリに注目してみてください。

そして、美味しいと思ったポイントを職人さんに伝えるようにしてみてください!

鮨職人にとってシャリは自身の分身のようなものなので、褒められて嬉しくない人などいません。

間違い無く、鮨を楽しく / 美味しくする秘訣はシャリです。

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旬魚を識る

スシにおいてシャリと並んで重要な要素は、もちろんです。

コハダ

しかし、それはブランド産地や豊洲における有名仲卸の魚を指すわけではありません。

昨今、ブランド産地やブランド仲卸の魚は100%美味しいと喧伝する人やメディアが増えていますが、これは勘違いです。

確かにそれらは間違いなく高確率で美味しいのですが、消費者にとってスシを楽しむ上で必須の知識は魚の旬だと断言します。

世間的には旬を知らずしてブランドを盲信する方がいますが、非常にもったいないと感じます。

旬魚の知識があれば更に美味しくなるので…。

魚の旬を知る意義

鮨を含む日本料理の醍醐味とは、魚や山菜、野菜などから季節を感じ取ることに在ります。

旬の走りでは、これから迎える季節に思いを馳せ、旬の名残には、過ぎ去る季節を惜しむ。

このような感傷的な詫びさびこそが、日本料理と向き合う基本的な感性です。

ブランド産地やブランド仲卸の鮪であっても、「●●の鮪は美味しい」ではなく「●月の鮪は〇〇な味と香りだ」のように楽しんだ方が理に適っている次第です。

予約困難店をスタンプラリー的に巡るよりも、旬を知り、感性を磨いた方が幸せな食事と出会えます。


ただ、毎年、気候変動が激しくて魚の旬や回遊する海域が大きく変わっている状況です。

下記の記事に旬魚の情報をまとめていますが、いち参考データとして頂ければ幸いです。

ブレが大きくとも基本値となるデータや情報があれば十分楽しめます。

旬魚の世界 鮨が10倍楽しくなる!旬魚の世界 No. 1〜魚の旬とは?〜美味しい時期を逃さない

かく言う僕も基準となるデータを押さえつつ、毎年変わる旬を楽しんでいます。

気候が大きく変わると悲観的な論調のニュースが流れますが、僕は致し方ないと考えています。

環境問題や漁業問題は絶対に改善しなければなりませんが、人間は有史以来、自然と共存しつつ気候変動を克服してきたもの。

これは人として生きる上で避けては通れない宿命ではないでしょうか?

「昔は魚が圧倒的に美味しかった」と言う人がいますが、我々が生きているのは現在ですからね。

現在を感じるなら感傷ではなく旬を感じる他ありません。


そして、魚の旬を実感、体感するためには同じお店に通うのが大切です。

まずは是非とも、自分のホーム鮨店を作り毎月から2ヶ月に1回の頻度で通ってみてください。

それが難しいと言う方には、僕が「鮨みずかみ」さんに通って書いた記事を紹介します。

noteに連載後、マガジンにまとめましたので、ご参考になれば幸いです。

▶鮨カレンダー ~鮨みずかみの1年~


ちなみに、旬の知識は職人さんとの共通言語ですが、マウントになっては絶対にダメです。

お店では料理人が主であり、お店の空間は他のお客さんと共有しているもの。

一介のお客が知識をペラペラ話したり、全てのタネに対して産地を聞いたりするのは無粋の極みです。

筆者も、そのような方とお店で出くわすと心底苦しく感じます。

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山葵を識る

ワサビ01

スシにとって、シャリ、魚の次に重要な要素は山葵です。

山葵無くして江戸時代に江戸前鮨はブームにならなかったとされます。

そして、重要なのは本山葵。

本山葵は混ぜ山葵や粉山葵とは完全に別物で、魚を一番美味しく食べるためには本山葵一択です。

もちろんコスト的に安い街場寿司で混ぜ山葵についてガタガタ言うのは些か野暮ですが、居酒屋であっても本山葵を使っているお店は全般的に美味しいです。

余談となりますが、地方で居酒屋を選ぶ際、本山葵を用いている個人店は高確率で当たりです。

本山葵と混ぜ山葵の違い

たまに居酒屋で「山葵で酒が飲める」と言いながら混ぜ山葵を食べている方がいますが、本山葵の方がお酒に合います。

本山葵と混ぜ山葵(チューブ山葵)の何が違うのか?

グルメな発信者でも混ぜ山葵に無頓着な人が極めて多い状況ですが、だからこそ僕は本山葵の重要性を伝えたい。

なぜなら本山葵と混ぜ山葵は味が違うから、です。


江戸前鮨店で穴子を塩かタレ(煮ツメ)か選べるお店がありますが、本山葵と混ぜ山葵は塩とタレくらい違いがあります。

混ぜ山葵に使われる山葵は本山葵だけではなく、ホースラディッシュ(山わさび)も併用されます。

香りが全く別なので、当然のことながら、どちらで食べるかで鮨の味が変わります。

さらに、混ぜ山葵(チューブ山葵)には調味料や添加物が使われることが一般的です。


有名なメーカーの商品の原材料を見ると、以下のとおりです。

  • 本わさび、西洋わさび、コーン油、砂糖、でん粉、食塩/ソルビット、セルロース、酸味料、香料、増粘剤(キサンタン)

かたや本山葵は調味料を使用せずとも、以下の味覚や魅力を兼ねそろえます。

  • 香り
  • 辛味
  • 甘味
  • 瑞々しさ
  • 食感

僕はフェアに向き合うべく、本山葵、混ぜ山葵、粉山葵で白身魚を食べ比べしましたが、やはり本山葵は別格でした。

何が違うのか?

シンプルに答えると、魚の味で最も重要な「香り」を活かしてくれるのは本山葵でした。

山葵の産地とおろすための道具

山葵は日本固有の野菜となります。

そして、江戸時代初期には天然モノしか使用されていませんでした。

その後、静岡市「有東木うとうぎ」で日本初の栽培が始まり、江戸幕府でも珍重されてきました。


現在、日本の主要な生産地は、長野県、静岡県、岩手県、東京都奥多摩、島根県、山梨県、奈良県となります。

その中で鮨店で使われる頻度が高い産地は、圧倒的に長野県と静岡県です。

そして、各県内での主要産地は、長野県は安曇野市、静岡県は伊豆市と御殿場市となります。


また、山葵を識る上で避けて通れないのが、おろすための道具です。

理由は、道具によって山葵の味が全く変わるためです。

職人さんが何を使っているか?何が相性が良いか?に着目すると、鮨が更に楽しくなります。

一般的に多用されている道具は、金おろし、鮫皮おろし、鋼鮫です。

使い分けている職人さんもいらっしゃるので、漬け場(カウンター向こうの調理スペース)で気になったら、こだわりを尋ねてみましょう。

道具については比較を行いましたので、下記の記事も参照ください。

ワサビ01 ワサビの世界~金おろし・サメ皮・鋼鮫を比較~ワサビを知ると和食が更に面白くなる!

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鮓・鮨・寿司を識るための本

本記事の補足として、鮓・鮨・寿司を識るためには、専門書を読むことをオススメします。

ネットで大概の事は知れる世の中ですが、本質的かつ専門的な情報は書籍に優位性があります。

圧倒的多数の人はネットで完結させているからこそ、より深く知りたい人は書籍を手に取ってみてください。

鮨本アイキャッチ 【全てのスシ好きに贈る】鮨・寿司・鮓についての関連本77冊レビュー!

ただ、このように書きつつ、書籍を絶対視しているわけでは決してありません。

書籍とネットの二刀流こそが最適解です。


なお、知識が増えても他者と比較することは心からオススメしません。

人は知識過多になると、知識量で優劣を付けたり、人にマウントを取ったりしがちですが、比較すべきはあくまでも自分。

自分の過去、現在と比較して、良き未来へと繋がる行動を示唆してくれるのが知識だと思います。

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鮨の今後について

最後に、鮨の今後について、筆者の展望を簡単に述べます(2023年5月執筆)。

どうなる?「鮨バブル」

ご存知の通り、現在は「鮨バブル」が崩壊せず、むしろ続いている状況です。

筆者が「鮨バブル」について指摘したのは2016年でした。

当時は指摘する人が未だいませんでしたが、関西の料理人さんと話す中で問題に気付き、食通の友人の中には同意見の方も数人いて、密かに事態を確信しました(正に金融バブルのようですね)。

その時には「鮨バブル」はオリンピック後に破綻すると予想したものの、コロナ下でも勢いは衰えず、現在は資本家が鮨店を開く速度が上がっています。

市況的には、日本の漁獲量は激減し、魚の価格が高騰すると共に、日本円の国際競争力が急速に低下することで海外に魚を買いたたかれている状況ですが、店舗数は右肩上がり。

しかも、高級店を凌駕する「超高級店」が増えていて、意図的に暴利を乗せる価格設定を行い、シャンパーニュやワインを売りさばく「ワイン屋」と化す鮨職人も増えています。

以上の情報だけ見ると悲観を抱く状況ですが、個人的には鮨人気が上がっている点は好都合だと思っています。

何よりも、不当に高い高級店・超高級店を蔑視する鮨職人が増えている事が希望です。

鮨は仕事で魚を旨くするもの。

本質を失っている鮨店は、一般人が行かなくても良いと言えます。

食の情報リテラシーの重要性

そこで、重要になってくるのが「お店の選球眼」です。

本当に良いお店を探す眼力と、本当に良いお店を紹介してくれる人と繋がることが、今後の日本で美味しい鮨を食べる秘訣です。

SNSを眺めているとバズっている鮨店が目に入ってきますが、本当に美味しいお店は数少ない状況です。

この理由は、SNSマーケティングに長けたお店や劇場型のお店、「コスパが良い」と書かれつつ費用対満足度が低く安いだけのお店などがバズり易い傾向にあるためです。

更には、SNSのインフルエンサーにはステマを行う人が多々います。

昔の食評論家や文筆家にもタダ飯でステマをする人は多数存在したので、SNS=悪とは決して言いませんが、ステマは純然たる悪です。

なので、webサイトにしてもSNSにしても自分で判断するための眼を鍛えないと、ポジションを確立している人に踊らされる現実があります。

今後も一層ネット主体の社会になる事は間違い無いので、「お店の選球眼」=食の情報リテラシーが一層重要になります。

また、業界全体の展望としては、全てのお店が値上がりするわけではないと踏んでいます。

最近はむしろ価格帯を下げて、「お酒を飲んで2万円ほど」の価格設定でオープンするお店が増えているので、筆者はこの流れに期待しています。

上記の通り、仕事で魚を旨くして、価格帯を上げない努力をしている職人さんは特に応援していきます。

鮨に限らず、原価が高騰した場合の値上げはお店の存続のために僕は大いに賛成します。

また、技術料や権威料として、腕を上げた職人さんが値上げするのも大いに賛成です。

ただ、一等地に高級な内装のお店を設えてスタッフ多数名を抱えて独立しながら、食材原価を理由に短いスパンで値上げを繰り返す職人さんは、粋な職人像から外れます。

僕が知る粋な職人さん達は、1人~3人でお店を回しています。

世の中には様々なスタイルのお店があって良いと思いますが、ワインやプレミアム日本酒などの付け焼刃の利益商品を売るのではなく、お店が提供する価値を向上させているお店こそが、今後も訪問するお店であり続けるでしょう。

街場寿司(町寿司)の再評価

また、1万円を超える鮨店だけでなく「街場寿司(町寿司)」を再評価する潮流には、個人的に注目しています。

コロナ下で脚光を浴びた「立ち食い寿司」については、優良店も生まれましたが、高額となる謎の「高級立ち食い寿司」も生まれました。

ビジネスモデル的に若い職人さんをヘッドハンティングして握らせるため、技術が低いのに高額な「高級立ち食い寿司」…

その点、優良な街場寿司店は仕事が確かで、魚こそピンではなくとも仕事で旨くする江戸前鮨の本質を押さえています。

なので、今後盛り上がって欲しいと感じている次第です。

かつて街場寿司は回転寿司に押されて多数のお店が閉店しました。

現在生き残っているお店には実力店が多いはずなので、積極的に開拓していきます。

ただ、本記事を読んで頂いた街場の職人さんにおかれましては、是非とも本山葵を使用して頂きたいとお願い申し上げます。

お店の中では相対的に高い刺し盛りや握りに限定しても良いです。

本山葵を用いれば、グルメなお客さんも増えるはずです。

復習になりますが、鮨で重要なのは、シャリ、仕事、山葵です。

ご当地江戸前鮨が日本を更に面白くする

最後に、非常に重要な「ご当地江戸前鮨」について、お話します。

「ご当地江戸前鮨」とは僕が使っている造語なのですが、要は東京以外の地方で「ご当地の魚」を用い、「江戸前鮨の仕事」を施す鮨を指します。

僕は「すしログ」を開設した2015年以前から地方の江戸前鮨に惚れ込み、出来る限り全国のお店を開拓してきました。

東京の江戸前鮨店では頂けない魚を楽しめるため、敢えて旅行する意義がある、と感じた次第です。

そして、鮨は地方を盛り上げる起爆剤になる、とも感じました。

具体例を挙げると、新潟県です。

10年くらい前の新潟は、食べログで検索を掛けても、各町の上位がラーメン屋さんばかりでした。

僕はラーメンもむっちゃくちゃ好きですが、日本料理や鮨、イタリアンやフレンチがヒットしない事に驚いた次第です。

しかし、開拓して訪問した鮨店は紛れも無く美味しいのです。

新潟らしい魚を多用し、江戸前鮨の仕事を施して、上質な鮨に仕上げています。

当時の「鮨激戦区」は札幌、福岡に次いで、金沢の名が挙がる事が多い状況でしたが、個人的には新潟もアツいと感じました。

結果的に現在は新潟県全体のトップ1、2が鮨店になっていて、当時「ご当地江戸前鮨」の魅力を伝えてくれた「はつね寿司」さんも11位にランクインしています。

新潟県の料理人さん達が結束してグルメ県として盛り上げた結果ですが、やはり鮨はキラーコンテンツになる!と確信するばかりです。

鮨を始めとするグルメが地方再生に極めて効果的である事は、2022年にレポートに書きました。

これは広島県農林水産局から委託した地魚に関する調査のレポートです。

すしログレポートアイキャッチ03 「瀬戸内じざかな日和」レポートNo. 3:広島の江戸前鮨の現状と地域グルメを活性化する方法

記事に書いている通り、日本の将来を考えると「ご当地江戸前鮨」のポテンシャルは計り知れません。

しかも、現在は物流と情報伝達手段が進歩した結果、「海なし県」でも素晴らしい江戸前鮨を握る職人さんが現れています。

消費者の食べ歩き動向も変化していて、昔は地方に行かなかった人でも、ある一軒をピンポイントで訪問するために旅行するようになりました。

魚は前述の通り季節を感じさせてくれるので、実に日本らしい食材です。

鮨・魚料理は日本の自然、季節を楽しむために旅行する人に最適だと言えるでしょう。

個人的に、鮨と日本酒は世界有数のプロダクトなのに、まだまだ世界に魅力を伝えきれていないと確信しています。

ネットを見ても正しい江戸前鮨の知識が発信されていない事が多いので、僕は日本人だけでなく全世界に向けて鮨の真実を伝えていきたいと思います。

まとめ

僕は20代の頃から、鮨に詳しくなりたい!と思いながら食べ歩きを続けてきました。

その間に出会った鮨職人さんと鮨友しんゆうには感謝が尽きません。

人との出会い、人の助けが無いと、人は成長出来ないと痛感するばかりです。

人間は他者の厚意によって生かされている……と、鮨は自分に教えてくれました。

今後も他者への感謝と謙虚さを忘れずに、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を胸に精進してまいります。

そして、読者の方に有益な情報を提供し続けます。


生涯を通して鮨を探求していきたい、すしログ(@sushilog01)でした。

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