すしログ No. 327 鮨みずかみ@半蔵門

すきやばし次郎で長年修行された気鋭の職人!鮨みずかみ

新型コロナに負けるな!と言う想いを行動に移すべく、応援を兼ねて訪問しました(2020年4月5日)。

負けるな!と言うのは決して精神論ではなく精神的、経済的に、です。

「三密」を避けるため、移動手段はチャリです。

そして、水上さんはお店入口に消毒液を置かれており、空気清浄も行っておられるので、安心感はバッチリです。

さらに、お客側としては消毒液の前に先ずは手洗いと行うと良いですね。

お店に入ったら先ず手洗い!の習慣が根付くと、コロナ終結後も良き日本文化として残るのではないでしょうか。

目の前の事のみに目を奪われがちですが、何事も終結後を想定して行動するのが良いように思います。

さて、今回はお昼のおまかせに加えて、4月1日より始められた、お持ち帰りの【ばらちらし】を頂きました。

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修行先のすきやばし次郎さんの系譜だと、他に【ばらちらし】を出されているお店を聞いた事がありません。

こちらの系譜と言えば、米酢のみを使用し、酸味が利いたシャリ。

そのシャリが【ばらちらし】でどのように活きるか。

鮨好きならば否応なしに気になります。

訪問の第一義は応援ですが、このようなご時世、各人の食欲がお店を支えるものでしょう。

 

鮨みずかみさんの【ばらちらし】

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開けた瞬間、いや、容器が素敵なので開ける前から嬉しくなります。

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さらに、可愛らしい石鹸が付いており、心遣いがありがたい。

コロナの拡大に伴い人の心がどんどん荒んでいますが、人への心遣いが自身の平穏に繋がるもの。

ネットを含む周りの人間がどうであれ、他者への心遣いを忘れたくはありません。

そして、肝心の味については、ビックリ。

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「すきやばし次郎」の仕事と、酸味が利いた酢飯によって織りなされる【ばらちらし】がここまで美味しいとは驚きました。

【ばらちらし】の重要な味覚的構成要素は甘み、酸味、塩味。

それらの味覚を巧くバランシングする事が必須です。

その意味においては、水上さんの【ばらちらし】は酢飯が緩衝材にもアクセントにもなり、素晴らしいバランスです。

玉子、オボロ、椎茸、穴子の甘みや風味を、酢飯の酸味と香りがしっかりと受け止める。

干瓢は甘過ぎず、椎茸も甘みだけでなく風味を活かしており、仕事が細かい。

そして、【ばらちらし】であっても我ら鮨好きが「待ってました!」と欣喜雀躍する小鰭ちゃん。

しっかしり香りと旨味がアクセントになり、「鮨を食べた」と言う満足感を味わわせてくれます。

【ばらちらし】の最も重要な要素は上記の味覚の調整だと思いますが、鮨好きとしては【ばらちらし】であっても小鰭に止めを刺しますね(笑)

そして、他の全ての食材についても、個々に異なる仕事が施されています。

ホタルイカは甘みを利かせつつ、柔らかな火入れで、肝がとろーんととろける。

漬け込みの塩梅が優しい。

帆立は古典的な煮帆立状ですが、ごくごく弱く火を入れて、しっとりとした艶めかしい味に仕上げており、モダンです。

玉子はお店で頂くものよりも甘みを強め、さらに柔らかく焼き上げている印象。

春らしいコゴミを出汁で炊いているのは、涙モノでした。

懐石料理では一般的ですが、鮨店ではこのような細部にセンスと心配りが表れますね。

バランスが良い上に、個々の具材から意外性を感じさせてくれる【ばらちらし】です。

 

鮨みずかみさんの春のおまかせ握り

そして、この度頂いた握り。

今回頂き「気持ちが暗くなる時こそ、自分が好きなものを食べると気持ちが晴れるなあ」と痛感しました。

水上親方、ありがとうございます。

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先付

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寝かせて旨味を引き出し、ねっちりした食感の鯛。

噛みしめると甘みが溢れるが、即座に酢の酸味が引き締めて爽やか!

シャリの酢が勝ちすぎないのは、鯛に施す仕事の精度の高さ故。

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白いか

ムチムチした白いか固有の歯応えを楽しませる。

そして、甘みが溢れ出る。

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ボラ

鮨店では「下魚」もしくは「カラスミのもと」程度に見られがちなので、大変珍しい。

しかし、味は良い。

河口で獲れるボラは泥臭さが気になる事もあるが、本質的には身は繊細で鯛にも負けない旨味があるもの(と個人的に思う)。

本日頂いたものは鳴門の沖で獲れたボラ。

旨味が大変強く、そしてボラ自体の香りが上品に鼻孔をくすぐる。

思わずお代わりしたくなる味であった。

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春子

しっとり柔らかく〆つつ、昆布の旨味はしっかりと浸透。

昆布の香りは余韻として上品に香る。

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鮪赤身

三宅島産。

爽やかな酸味が持ち味で、上品だが確かな香りも魅力。

冬、夏とは異なる春の鮪としての味をバッチリ楽しませてくれる。

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鮪トロ

主張しすぎぬ脂を、シャリの酸味が引き立てる。

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小鰭

安定感抜群の美味しさ!

バッチリ〆つつ瑞々しさも感じさせてくれる。

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少し時期外れだが、予想以上に美味しい。

脂がとろっととろけ、旨い。

一週間の熟成と包丁仕事が奏功している。

そして、鰤の香りは穏やか。

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北寄貝

非常に肉厚で、甘みが強い!

炙りも丁度良く、甘みを引き出し、香ばしさを付加。

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ぶちっと千切れる音と食感が心底快感。

北寄貝の後に一度リセットされる。

次が車海老なので、北寄貝→車海老だと甘みがボヤけていただろう。

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車海老

大型の車海老を茹で上げで提供。

実に美味しい。

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トリ貝

兵庫産。これは旨い!

かなり大ぶりで、食感、甘み、香りの全てが良い。

高温の湯でサッと火入れを行い甘みを引き出し、ぬめりを除去している。

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海胆軍艦

凡庸なテレビの食レポじゃないけど、とろける〜!と素直に感じた海胆。

温度が低いが、すぐに溶けるので甘みを楽しませてくれる。

この時期の海胆としては印象深い味わい。

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メジマグロ

藁炙り。炙りによって凝縮した皮下の食感とスモーキーフレイバーが抜群の相性。

そして、脂がとろけゆく。

小野二郎氏が編み出したとされる「藁火での炙り」だが、鰹とは異なる味わいを今回楽しませて頂いた。

鰹や鰆は今や普及した仕事であるが、メジは全く異なる面白さがあった。

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穴子

とろりととろける穴子。

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針魚 追加

昆布をバシッッ!と利かせた針魚。

ここまでの昆布〆は少数派と言える。

しかし、野暮ッたくはなく、仕事の塩梅もさる事ながら、昆布も上質だから成立する〆だと感じた。

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蛤 追加

漬け込みがしっかりで、深い余韻を楽しませてくれる。

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出汁は北寄貝で、心が和む味わい。

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玉子、オクラの漬物

ご馳走様でした!

店名:鮨みずかみ

シャリの特徴:米酢のみを使用し、酸味が強めで、塩気は穏やか。食べ疲れない米酢のシャリ。

予算の目安:ランチの握り15,000円、夜の握り20,000円、酒肴+握り25,000円

最寄駅:半蔵門駅から250m

TEL:03-3230-0326

住所:東京都千代田区一番町3-8 大宮ビル1F

営業時間:11:30~14:00、17:30~21:00

定休日:日曜

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