こちらは1947年(昭和22年)に創業された金沢の御菓子司です。
歴史ある金沢の中だと比較的若いお店と言えますが、金沢の茶道の世界で確固たる地位を築き上げています。
金沢の名店、吉はしさんの概観
お菓子は基本的に茶席や懐石料理店からの受注生産を行っているため、個人が入手するには前日の15時までに予約をする必要があります。
お電話を入れて、受け取りのお時間を伝えてお伺いする完全予約制の和菓子店となります。
現在は二代目の吉橋廣修さんが暖簾を守っておられ、更に息子さん兄弟も跡を継がれているそうです。
そして、こちらの和菓子を頂いた時に餡の存在感が異なるなと感じたのですが、後になって長男の慶祐さんが漉し餡を、次男の太平さんが粒餡を作られていると聞き、成る程、と納得しました。
単に餡の違いと言うだけでなく、何となく性格が異なるように思います。
こちらは上記の通り受注生産なので、1日に作られる種類が日によって異なります。
和菓子なので勿論季節によっても異なりますので、足を運ぶ魅力があるかと思います。
完全予約制の和菓子と聞くとハードルが高いように思われるかも知れませんが、家族経営なので温かみがあり、ひとりひとりに向き合って作られていると感じられるので、個人的には良いシステムだと思います。
京都の名店・嘯月さんも同様のシステムですしね。
ちなみに、旅程の都合上、受け取りが難しいと言う方は、ひがし茶屋街の「久連波」さんで頂くことが出来ます。
吉はしさんの和菓子の詳細
この度頂いた上生菓子
- 狩衣
- わらび餅
- 星の願い
- 夕ざり
- 天の川
- 漁り火
上生菓子は大体280円、290円くらいのようで、意外にもわらび餅が330円と最も高額でした。
上質な上生菓子の価格としては大変良心的な価格なので、お会計を頂き驚いた次第です。
狩衣
求肥。ぷるんと踊り、ぱつんと弾ける食感が魅力的。
そして、瑞々しい餡はさらりと流れるような口溶け。
甘み的にも食感的にも上品であり、それでいて強い印象を残す一品。
わらび餅
お持ち帰りの場合は蒸すと美味しい、と伺ったので、蒸籠で蒸して頂いた。
これは素晴らしいわらび餅。
もっちりした後にすぐさまとろける餅で、蕨粉を活かしきっている。
黄粉は香ばしく、これまたさらりとした餡が素晴らしきバランスで調和。
星の願い
実に爽やかな見た目。
寒天に金粉を合わせているところが金沢らしい。
一口頂くと、見た目とは裏腹に力強い味わいに驚く。
それもそのはず、粒餡を使用されている。
これは見た目と餡に意外性が有る。
粒餡は小粒の小豆を潰して使用しているので、上品な口当たりである。
甘みもまた然り。
夕ざり
寒天。
夕ざりの茶事で暮れゆく情景を完全にイメージさせられる。
黒糖を力強く用いており、食感もプルプルと存在感が有る。
何気に二重構造となっており、金粉が上部に固定されていて技を感じる。
天の川
金沢らしい白餡が美味しい。
豆の味わいがしっかり感じられる。
寒天は食感的に嫌みが無く、調和している。
漁り火
しっとりした金団。
これも口溶けが良く、味わいはしっかりしている。
金沢に行く際には、再訪したいと思います。
吉はしさんのお店の情報
店名:吉はし(よしはし)
予算の目安:上生菓子1個300円前後
最寄駅:金沢駅から2,100m
TEL:076-252-2634
住所:石川県金沢市東山2-2-2
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜・祝日の午後
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