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鮨さいとう
こちらは言わずと知れた有名鮨店。
ミシュラン三ツ星、食べログ鮨ジャンル全国一位など、話題性に事欠かないお店なので、既に予約が困難になっております。
この度、常連さんにお声がけ頂いた上、約7ヶ月待って訪問することが出来ました。
お店はアークヒルズサウスタワーの1F、入口のそばにあり、少々意外です。
そして、中に入ると6席ほどのカウンターで、こぢんまりとした空間です。
聞いていた通り、ご主人の立ち居振る舞い・トークは機転に富んでおり、握る所作も無駄がなく凛々しい。
鮨さいとうさんの概観
シャリは米の香りが嫌味なく香り、温度や硬さは非常に良く、赤酢と米酢のバランスも非常に良好です。
米酢に対してやや赤酢を立たせており美味しいシャリ。
ただ、ベストの状態が素晴らしいため、ムラが分かり易いのが難点でしょうか。
頂いていて、最後の方は状態がイマイチで、舌に障ることがありました。
イメージが良くなったその後の再訪記事もございます。
今回頂いた酒肴と握り
いくら
皮がやや残るが、出汁を利かせ爽やかな旨味を楽しませてくれる。
いくらの旨味を壊さぬ繊細な味わい。
蒸し鮑と蛸の桜煮
鮑は素晴らしい香りで、柔らかさも非常に良い。
桜煮は甘みがあり、柔らかすぎず、硬すぎない火入れ。
鰹
とても脂が乗っており満足。
喉黒(アカムツ)の焼き物
スモーキーな香りが心地良い。
一口サイズなのが残念。
真鱈の白子
10月上旬でしたので、東京だと結構早い登場でしょうか。
嬉しい一品。
穴子の白焼
白眉。食感はぷりぷりしており、噛みしめるとプツッと身が弾け、
ジュワジュワっと脂が舌を魅了する。
旨味だけでなく、香りも抜群で、素晴らしい焼き加減。
対馬産とのことですが、中でも上物かと思われます。
ガリ
赤酢の鋭いキレがあり、食感はシャキシャキ。
真鯛
寝かせつつ食感を十分に残し、甘みも強い。
何よりもシャリとの相性が良く、一貫目から印象に残る味わい。
金目鯛
昆布〆。これも熟成による甘みを高めており、とろける脂が旨い。
小鰭
絶妙な〆加減。
塩、酢は強すぎず、香りが芳醇で、柔らかな食感が魅力的。
鮪赤身
鮪中トロ
鮪大トロ
流石に良いモノを使われておりシャリとの相性も良い。
煮キリに甘みを感じた。
墨烏賊
包丁が良く、パツっとした食感を感じた後に、ぐにゃりとした食感とともに甘みが訪れる。
個人的な好みもあるだろうが、酢橘は余計に感じる。
鰯
とんでもなく凄い脂で驚嘆を覚えた。
しっかりと〆ているが、身はフレッシュでプルプル。
噛みしめる度に脂がほとばしり、握るのが難しい程だと思われた。
タネの美味しさや仕事だけでなく、握りの技術を感じる一貫。
海老
茹で上げだが、悲しきかな、臭いが気になった。
高級店ではあるまじきこと。
鰺
出水産。かなり脂が乗っており、香りも心地良く、余韻が長い。
海胆
唐津産の赤海胆。
ねっとりと濃厚だが、苦味が出てきている。
穴子塩
穴子煮ツメ
白焼きとは異なる魅力を楽しませてくれる二貫。
煮ツメは甘みが強いもののコクは弱く現代的な味わい。
いくらの手巻き
海苔が美味い。
いくらは酒肴で頂いたものとは異なり、醤油の漬けが割と強め。
椀
玉子
玉子プリンのような食感を持つ、個性的で美味しい玉子。
以上、14貫、椀、玉子、日本酒1合で24,000円。
握りの構成は正統派の江戸前で自分の好みドンピシャです。
そして、握りの技術は極めてレヴェルが高く、技術に限れば紛れも無くトップクラスかと思います。
しかし、正直なところ、全体的には玉石混交で、費用対満足度は必ずしも高くないように感じました。
決定的に、ストーリー性が弱いように思います。
同価格帯だと同じく三ツ星のすきやばし次郎の方がストーリー性が面白く、
もっとリーズナブルなお店だと赤坂のはしぐちさんの方が二枚くらい上を行っております。
シャリに乱れがあったり、仕事に乱れがあったりするのは、この価格帯だと致命的なマイナスポイント。
今度は握りに専念出来るお昼に伺い、改めて斉藤氏の握りと向き合いたいと思います。
世間的な評価は最高潮に達しておりますが、個人的には更なる進化を楽しみにしております。
店名:鮨さいとう
シャリの特徴:米酢と赤酢を効果的にブレンドし、ベストの時は温度、硬さともに抜群。
予算の目安:昼6,000円〜、夜24,000円~
最寄駅:六本木一丁目駅から60m
TEL:03-3589-4412
住所:東京都港区六本木1-4-5 アークヒルズサウスタワー1F
営業時間:12:00~14:00、17:00~23:00
定休日:日曜、祝日
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