こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。
さて、言わずと知れた日本橋蛎殻町(人形町)の老舗「都寿司」さん。
こちらは歴史、格式がありながら「街場の名店」を貫いていて、誰もが寛いで鮨を楽しめる今の時代に貴重な一軒です。
名物の【にもの丼】は丼好きなら必食の逸品!。
「日本橋蛎殻町 都寿司」さんは、1887年(明治20年)創業の老舗です。
現在は5代目の山縣 秀彰親方が暖簾を守っています。
店内には昭和の時代に粋(お洒落)とみなされたタネケースがあり、カウンターのみならテーブルは白木。
こう言ったアイテムが「粋」だと感じる方ならば、訪問する価値があります。
漬け場には職人さん4名が立ち、キビキビしていて威勢が良いです。
これぞ昔ながらの鮨店!と嬉しくなる情景が、こちらにはあります。
ランチは非常にリーズナブルです。
一番上の【おまかせにぎり】でも4,950円と破格です。
なお、現在、日本随一の鮨店として名高い「日本橋蛎殻町 すぎた」の杉田 孝明親方はこちらのご出身です。
「日本橋橘町 都寿司」として2004年に暖簾分けされて、2015年に「日本橋蛎殻町 すぎた」としてリニューアルされた経緯があります。
「日本橋蛎殻町 すぎた」の系譜は今や飛び鳥を落とす勢いで、孫弟子まで輩出されているので、「都寿司」の系譜が続いている点に江戸前鮨好きとしては喜びを禁じ得ません。
ちなみに、両国「鮨 北条」の北条 充親方も「都寿司」ご出身です。
【永久保存版】鮨職人の系譜〜鮨の歴史と修行先を知ると更に面白くなる!「都寿司」は握りを頂くのも粋ですが、鮨好きの中で有名な名物料理がお昼の【にもの丼】です。
「にもの」は言うまでも無く筑前煮のような煮物ではなく、江戸前鮨の重要な仕事である「煮る」調理を行った魚介類です。
「〆る」仕事と並んで実に粋な江戸前仕事なので、丼で堪能出来るなんて幸せ過ぎです。
しかも価格は1,210円と、今の時代に信じられない程にリーズナブルです。
それでは、レポートいたします。
ご覧の通り、一目見て「味が濃そう!」と思われる事だろう。
私もそう思った。
しかし、シャリのお陰で殊の外サッパリと頂ける。
お酢と塩が利いたシャリだからこそ、甘味がある煮物は美味しいのだ。
「都寿司」さんは江戸前の老舗ゆえに、お酢は古法に則り赤酢のみ。
人形町あたりの鮨店は今なお昔ながらの赤酢のシャリを切り続けている点が粋だ。
ちなみに、お米はササニシキとあきたこまちをブレンドしているそうである。
煮ツメは甘味が程良い穴ツメ(穴子の煮汁を調味料と煮詰めたもの)。
粘度は軽やかで量も多すぎない。
まずは煮蛸を頂いたところ、感動した。
噛みしめた瞬間に香りと旨味が広がる!
これぞ蛸の魅力を生以上に引き出す江戸前鮨の仕事だ。
穴子はふんわり、ホロホロで、ランチの廉価な丼でも温めてから提供される点が嬉しい。
干瓢は柔らかく仕上げつつも小気味良い食感を残す。
海老は安い海外産だが価格を考慮すると全く問題無し。
帆立もベビー帆立ながら食感はしっとりしていて甘味を楽しめる。
総じて、穴子と蛸の仕事は流石である。
ガリは酸味がキリッと利いたもの。
薄切りでシャキシャキした食感だ。
甘味が強い市販のガリは本質的に江戸前鮨を美味しく食べる為のガリではない。
昭和の頃のクラシカルな遺物である。
リーズナブルなランチメニューでも椀が付いているのが嬉しい限りだ。
「都寿司」さんは、気が向いた時にふらっと立ち寄るのが最も粋でオススメですが、電話で予約も可能です。
店名:都寿司(みやこずし)
シャリの特徴:赤酢を用い、砂糖を用いない江戸前鮨の伝統を踏襲するシャリ。
予算の目安:にもの丼1,210円など
TEL:03-3666-3851
住所:東京都中央区日本橋蛎殻町1-6-5
最寄駅:水天宮前駅から280m
営業時間:11:00~~20:00(L.O.19:15)
定休日:日曜
人形町でオススメの鮨店
これぞ気軽に頂く鮨の喜び!人形町・水天宮前の鮨處六兵衛(ろくべい) すしログ No. 283 㐂寿司(喜寿司/きずし)@人形町
日本橋から人形町あたりの老舗が好きな、すしログ(@sushilog01)でした。
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