こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。
宮崎で新たな魚の仕立てを提唱する著名人、津本 光弘さん。
著作は購入して拝読しており、『津本式 究極の血抜き』は非常に示唆に富む書籍です。
そして、この本の中に登場する鮨職人が「ゆう心」の親方、黒木裕一さんです。
黒木親方は「津本式熟成法の第一人者」と知られ、鮮度重視の宮崎で異彩を放つ職人さんです。
しかも、かの「一心鮨 光洋」で修業されたとの事なので、期待を高めて訪問しました。
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「鮨と魚肴 ゆう心」さんは、2018年3月にオープンされたそうです。
黒木親方の修行先は前述の通り「一心鮨 光洋」。
「一心鮨」さんは鮨好きなら知らない人はいない、宮崎が誇る鮨店ですね。
「鮨と魚肴 ゆう心」さんがある青島はリゾートエリアで、晴れていれば最高に気持ちが良い立地だと思います。
…僕が訪問した時は豪雨でしたが。
お店の方向性としては非常に創作的なので、「創作寿司」を求める方にピッタリだと思います。
熟成で旨味が強化された魚に調味料の味を足す方向性の仕事で、タネの構成も独特です。
例えば、【藁焼き・燻製醤油漬け・マスタード添えの中トロ】の後に【熟成を掛けた真鯛】で組み立てる構成。
価格帯はリーズナブルで、山葵については混ぜ山葵も併用。
「江戸前鮨」よりも「街場寿司」や「寿司割烹」としてお伺いするタイプのお店です。
生命線のシャリは温度がほんのりと温かく良好な温度。
そして、パラっとほどけ、良い炊き加減。
酸味を効かせて、甘味もあり、塩気は穏やかです。
そして、全般的に大ぶりです。
それでは、実際に頂いた御料理をご紹介します。
「鮨と魚肴 ゆう心」さんのコースは、幾つか用意されています。
僕は握りのみのコースで一番上の、【吉祥】5,700円を頂きました。
可愛らしいお麩が使われていて、全体的に家庭的な方向性。
玉蜀黍入りのがんもどきなどで季節感を出されている点が良い。
トマトはクラシックな味付けの甘酢漬け。
空豆の香りがぶわっと広がり、魅力的。
使用する調味料はジャンキーなテイストだ。
滑らかな茶碗蒸しで、玉蜀黍餡かけ。
貝柱が入っている。
低温調理して蒸し寿司にして、日向夏の皮を合わせる創作的かつ宮崎らしい仕事。
ぷちっと弾け甘味が広がる帆立に、シャリの酸味がバシッと効く。
そして、日向夏の香りと合う。
混ぜ山葵の香りも鮮烈に広がる。
熟成を掛けているようで、とろりとしたテクスチャー。
強い旨味が酸味の強いシャリと合う。
実にパワフルな味わいの名刺代わりの一貫目だ。
みっちり、むちむちな食感が良い。
塩にレモンを2滴ほど使用。
これについても、混ぜ山葵でなければ非常に魅力的だと感じた。
藁焼きにして、燻製醤油漬けにして、タスマニアンマスタードを添える。
ローストビーフ的な調理法を寿司に組み込んだ創作的な仕事。
中トロの脂を盛り上げるマスタードと燻製の香りが特徴的だ。
上記トロの後に真鯛とは独創的な構成である。
そして、鯛自体もパワフルな味わいだ。
ただ、真鯛の香りよりも、熟成に伴うネガティヴな臭いが気になるところ。
僕は、熟成の妙諦は旨味の強化ではなく、魚介の香りの立て方にあると確信する。
特に白身魚は旨味よりも香りと食感を楽しむものなので、熟成を掛ける際にセンスが問われるジャンルである。
茹で置きで甘味を伝える仕事。
ただ、他のタネから移ったと思われるネガティヴな臭いが気になる。
青島の熟成味噌を使用されていて、酸味が強く個性的な味噌だ。
旨味が強い赤貝。
赤貝の香りが薄れるので、これは本山葵を使用される方が良い。
とろとろではなくホロホロな方向性の穴子。
宮城県の佐藤水産の海胆で、ネガティヴな要素が無く、美味しい。
甘味があり、層ごとの食感が強めな出汁巻き玉子焼き。
抹茶のアイスクリーム。
自家製されているようで素晴らしい!
「鮨と魚肴 ゆう心」のお店情報・予約方法
「鮨と魚肴 ゆう心」さんの予約は、お電話のみとなります。
平日のお昼ながら満席でしたので、事前予約は必須です。
店名:ゆう心(ゆうしん)
シャリの特徴:酸味を効かせて、甘味もあり、塩気は穏やか。温度が管理、ほどけ加減は良好。
予算の目安:ランチ2,950円~
TEL:0985-77-8577
住所:宮崎県宮崎市青島6-14-30
最寄駅:折生迫駅から850m
営業時間:11:00~13:00、18:00~19:30
定休日:水曜
すしログ No. 197 一心鮨光洋@宮崎(宮崎県)
すしログ(@sushilog01)でした。
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