こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
「鮨はしもと」さんにお伺いした時にこちらの話になり、同行頂いた方とともに訪問しました。
「鮨はしもと」さんの支店扱いなので、二番手に当たる紺野隆親方が漬け場に立ちます。
雰囲気や接客、味わい的に、地に足の着いた鮨店だと感じました。
「すぎた」さんのような凛々しさや強烈なインパクトはないものの、穏やかな気持ちで鮨に没頭できる、良き一軒です。
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「鮨 美幸」の魅力とは?
紺野親方は「鮨はしもと」で二番手を務めた職人さんですが、「鮨 美幸」では独自性を表現されています。
酒肴の構成や仕事は「鮨はしもと」とも橋本親方の師匠筋の杉田親方とも異なります。
ベースの仕事に共通点があるため、直系の系譜でもここまで変わるのか…と面白い発見がありました。
鮨の生命線である紺野親方のシャリは美味。
硬さはそこまで硬めではなく、もっちりしている点が好印象です。
噛み締めて美味いシャリに仕上げています。
使用しているお米もお酢も修行先と同じとの事なので、ミツカンの特注酢にヨコ井の與兵衛をブレンドされている模様です。
紺野親方は独自で仕入れを行っているそうなので、「鮨はしもと」の支店扱いであっても別のお店のような印象が強いです。
とは言え、完全に自分の色を出すことは出来ないと思いますので、修行の延長線上で漬け場を任されているように思います。
そのような観点で考えると、開店早々にこれほどのレヴェルであるのは当系譜の強みです。
「鮨はしもと」で10年の修行を積んだ野口親方の福岡「枯淡」さんは完成度が極めて高いので、紺野親方も後に続き、素敵な独立を果たされることを期待しています。
系譜としては抑えめな価格設定である点も魅力であり、リピーターが多い理由に納得です。
「鮨 美幸」のおまかせコースの詳細
「鮨 美幸」のコースについては、ランチ握り8,800円、ディナー おまかせコース17,600円となります。
この度頂いたお酒
- 山城屋 純米大吟醸 Matured(ブレンド、50%)
- 天上夢幻 一度は飲んでいただきたい蔵出し原酒(蔵の華、50%)
- 山本 試験醸造酒 純米大吟醸(一穂積、50%)
- 越の誉 純米無濾過生原酒 葉月みのり精米歩合90%(葉月みのり、90%)
- 石鎚 純米吟醸 愛山50(愛山、50%)
この通り、お酒の品揃えには個性があり、日本酒好きとしては楽しめるラインナップです。
この点については、同じような銘柄が並ぶ人気店とは一線を画す強みだと感じました。
岩もずく
青森県産。
寒くなってきた時期だったので、温製とは嬉しい!
また、優しい甘味も沁みる。
もずくのジャキジャキした食感は活かしつつ、季節に合わせた魅力的な提供方法だ。
刺身
ボタンエビ、エゾイキカゲガイの、甘甘コンビ。
ともに分かりやすい甘味と香りを楽しめる。
白子
湯葉とともに。
甘味を連続させるのは面白い構成だ。
ただ、餡にお酢を効かせてサッパリに仕上げていて、ダレる事はない。
ポン酢餡が良い。
鰯と鰹
浅葱と生姜、醤油
脂と旨味を味わわせ酸味で抑制、多めの薬味も爽やか
カワハギ肝和え
カワハギの肝とシャリを合わせるのは一般的で、マヨネーズ的なコクを楽しませる提供方法だが、紺野親方は刻んだ墨烏賊を混ぜている。
或る意味、単調になりがちな提供方法にリズムを加えている。
酢牡蠣、蝦蛄
牡蠣は昆布森産で、蝦蛄は小樽産。
蝦蛄は提供前に軽く焼いて、香りを加えている。
卵入りのカツブシなので、香りと共に嬉しい。
牡蠣はトロットロで、クリーミーに感じる火入れ。
自家製のにぼしの炙り
大衆的な一品を挟み、ほっこりさせる。
穴子の白焼き
熱源はサラマンダーだが、皮はバリッと仕上げ、身はしっとりじゅわり。
十分に美味しい。
ガリ
甘味を付けつつ辛味があり、旨味が強めなガリ。
小鰭
しっとりしていて、かなりソフトな〆加減であり、寝かせ。
旨味も香りも軽やかだ。
真鯛
脂が乗っていて強い味わいの真鯛。
みちっとしていて、歯応えを楽しませる。
鮪赤身
三厩産。
食感はみっちりしていて、旨味が主体の赤身。
ただ、旨味自体は軽やかで、鉄分と酸味も軽やかだ。
北寄貝
生に近いサッと火入れで、ナチュラルな甘味を楽しませる。
鮪中トロ
シャリ温を上げてコクを楽しませる方向性。
ミル貝
ジャキジャキと強い食感が気持ち良く、旨味が強い。
食感と旨味の表現が印象的なので伺ったところ、塩もみとの事であった。
秋刀魚
みっちりと〆る仕事が魅力的で、香りが良く、極々ほのかな苦味が奥でキリリと引き締める。
脂は穏やか。
食感と香りを〆の仕事で表現している点が良い。
カマス
程良く脱水し、しっとり、ほろり。
後半故か塩気を効かせている。
赤貝
昆布的な香りがそれなりにあり、淡白ながら赤貝らしさがある。
イクラと毛蟹
塩イクラで合わせている点が魅力だ。
毛蟹の味わいを壊さない配慮がある。
穴子
むっちりしていて、とろーりとろける、対馬産穴子に対する良き仕事。
椀
蜆の濃密な吸い物。
蜆の吸い物は冒頭で出すお店もあるが、最後に頂いた方が喜びが大きい。
酒好きの感覚として。
玉子
しっとり且つみっちりした部分が広い。
食感が階層的ではない玉子焼き。
干瓢巻き
醤油と強く効かせて、歯切れも中々。
やや柔らかめであるが、軽くコリッとする食感。
「鮨 美幸」のお店情報と予約方法
「鮨 美幸」の予約については、OMAKASE経由で可能です。
と言うか、電話番号が非公開なので、OMAKASEから予約するか、「鮨はしもと」さん経由で予約する方法になります。
店名:鮨 美幸(すしみゆき)
シャリの特徴:系譜らしくミツカンの特注酢にヨコ井の與兵衛をブレンドし、バランスが良いシャリ
予算の目安:ランチ握り8,800円、ディナー おまかせコース17,600円
TEL:なし
住所:東京都中央区新富1-15-11 マキプラザ1F
最寄駅:新富町駅から250m
営業時間:12:00~、18:00~
定休日:火曜、水曜
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杉田親方の系譜の拡大に目をみはる、すしログ(@sushilog01)でした。
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