こんにちは、鴨が大好きな、すしログ(@sushilog01)です。
「新潟に全国トップクラスに美味しい鴨肉を出すお店がある」と言う言葉を、「すし ふくづか」のソムリエである藤森さんよりお伺いしました。
その場でググったところWEB上に情報がほとんど無く、期待が一気に急上昇。
その後、訪問されるレビュアーが増え、どうしたことか?と思ったところ、「新ばし 星野」の星野親方がオススメされているようで納得しました。
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「割烹 長吉」は新潟の郷土食である、鴨料理を素朴に楽しませてくれる佳店です。
「割烹 長吉」と新潟の鴨について
「割烹 渡辺」さんでもお伺いした通り、鴨は新潟の郷土食として長い歴史があります。
「割烹 長吉」さんはもともとは魚屋さんだったそうですが、道路拡張に伴う移転に伴い、鴨料理店に業態変更されたそう。
業態変更から25年ほど経っていて、ファンの方が多数いらっしゃるようです。
新潟の鴨は11月中旬から12月下旬が旬の最盛期を迎えます。
「割烹 長吉」さんがある潟東エリアに、鴨が越冬のために飛来する時期です。
一般的に鴨と言えば猟銃で獲られますが、「割烹 長吉」さんでは当地の伝統的な狩猟法の鴨を入れています。
その狩猟法は、その名もズバリ、無双網猟です。
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無双網猟は、水を張った田んぼで行われます。
田んぼには、「呼び鴨」と呼ばれる合鴨(家禽の鴨)を20~30羽ほど放ち、エサをまきます。
そして、長さ4~5mの竹竿2本を寝かせ、2本の間に15mの網を長方形に張ります。
猟師は深夜に見張り小屋で天然の鴨を虎視眈々と待つ。
網の範囲に鴨が集まったところを見て、網を遠隔操作して、文字通り一網打尽に捕獲!
名前はワイルドな狩猟法ですが、根気強さが求められる生け捕りの方法です。
「割烹 長吉」さんさんでは血抜きを徹底するため、一般的な鴨の「血生臭さ」や「レバーっぽさ」の無い、鴨本来の味を楽しむことが出来ます。
「割烹 長吉」の立地と雰囲気
お店は車でないと行きづらい場所にあります。
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お店の中も完全に旅館チックで、箱の大きさに驚きます。
個室は中々に風情があり、広々とした中庭が素敵です。
かなり寛げる雰囲気です。
「割烹 長吉」のコースの詳細
コースは約8,800円、席料550円、〆のごはん330円なので、1人10,000円弱です。
先付の内容は大変お粗末なクオリティで、焼きの設備も家庭的ですが、とにかく【鴨やき】が美味しいです!
鴨の肉質が良く、調味料もこの手の割烹としては中々なので、ストレートにご自慢の鴨を楽しめます。
確実に言えることは、こちらの【鴨やき】を否定する人はいないでしょう。
【鴨汁】も家庭的な調理ですが、いかにも郷土の味で、僕は大変好印象でした。
味付けや具の取り合わせが個性的なので、当地の味を十分に満喫できます。
望むらくは、先付のクオリティを上げるか、いっそのこと出さないかして、〆のご飯のクオリティも上げて欲しいところです。
新潟はどこのお店で頂いてもご飯が美味しいので、ご飯がイマイチなだけで相当のマイナスになってしまいます。
〆のオーダーを入店時に尋ね、お客の人数分を炊き、大量炊飯・長時間保温を止めれば相当良くなるはずです。
「割烹 長吉」のコースの内容
- 先付
- 鴨やき
- 鴨汁
- 香の物
- 〆(ご飯 or うどん or お餅)
- 水菓子:黒胡麻プリン
先付
右上から、新潟らしい「かきのもと(食用菊)」、数の子と大根の松前漬け、空豆、浅蜊。
季節感がバラバラで、調理はお粗末。
茹で置き冷凍モノの空豆など冬に出すべきではないだろう。
鴨やき
見ての通り、美しい表情の鴨肉だ。
色合いは小豆色で血を想起させるものの、実際には異なる。
まずは鴨脂を溶かして、ネギを堤防にする。
鴨の脂で野菜がやたら旨くなる。
鴨の部位は胸肉と、背中の肉との事。
まず胸肉を頂き、これは旨い!とシンプルに感じた。
肉質がしっとりで、上品な酸味と鉄の香りに、臭みは皆無。
脂のコクが強くて旨い!
背中の肉も食感が決して硬くなく、食感を気持ち良く楽しませてくれる。
もちろん、ともに焼き過ぎは厳禁だ。
しっとり感が残る焼き加減で頂くのが一番美味しい。
調味料はヒマラヤ岩塩と出汁醤油。
七味はS&Bの気の抜けたようなものだが、塩がJT、醤油が生醤油でないところが良い。
基本的にヒマラヤ岩塩で頂くのがオススメだが、脂が強いパーツは出汁醤油と薬味で頂くと味チェンになる。
とにかく肉の柔らかさ、旨味、臭みの無さについては誰もが納得するはず。
クオリティの高さに大満足だ。
香の物
田舎のおばあちゃんちを彷彿させる漬物が妙に嬉しい。
鴨汁
具は鴨の肉と丸に、ネギ、豆腐、コンニャク、里芋。
丸には鴨の骨も使用されている。
味付けは甘みが控えめで、醤油のキリッとした味付けで魅力的。
ベタ甘な郷土鍋もある中でスッキリした鍋は素材の味が分かるので好印象である。
鴨の旨味がジワジワと出て、ほっこり旨い鍋だ。
〆はご飯、うどん、お餅から選べる。
新潟はうどん文化圏ではなく米どころなので、言わずもがな、ご飯を選択。
残りの具ごと煮込むスタイル。
このあたりザックリ感も、実に郷土的で良い。
ご飯自体は前述の通りであるが、汁と合わさることで多大な魅力を発揮する。
ついつい箸が伸びる、コクの強い雑炊であった。
会席料理店の洗練された鍋とは別物なので、ここは矢張りお米がベストだろう。
出汁が上質な場合は麺類で頂くのが魅力的だが、ある種家庭的な郷土鍋は雑炊の方が魅力が分かる気がする(甘みが控えめな場合に限るが)。
水菓子
濃厚な黒胡麻プリンで、予想外に美味しかった(笑)
有名ホテルや旅館の大量生産スイーツよりも美味。
「割烹 長吉」のお店情報と予約方法
「割烹 長吉」さんは、お電話での予約となります。
店名:割烹 長吉(かっぽう ちょうきち)
予算の目安:コースは約8,800円、席料550円、〆のごはん330円で、1人10,000円弱
TEL:0256-86-2618
住所:新潟県新潟市西蒲区山口新田91
最寄駅:なし
営業時間:10:00~22:30
定休日:火曜
※完全予約制です
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