読者の皆様、明けましておめでとうございます。
昨年中は当ブログを閲覧頂きまして、誠にありがとうございました。
本年も美味しいお店の開拓に励んでいきたいと思いますので、引き続き応援頂けましたら幸甚でございます。
さて、2016年に入りましたので、この度、昨年2015年を振り返り、訪問したお店の中で特に印象に残ったお店を10軒選びたいと思います。
たった10軒選ぶのは中々に難しかったですが、東京編と東京都外編に分け、各5軒ご紹介致します。
まずは、東京編を本日お送り致します。
【総合ベスト】
昨年訪問したお店で、最も強く印象に残ったお店はこちらとなります。
こちらは創作色が強く、ご主人のパフォーマンスもあるため、好き嫌いが分かれるお店かもしれません。
しかし、2014年12月に訪問(すしログ No. 27)してから約1年後、たった1年間で更なる進化を遂げていた点に敬意を表して、この度のベストに選ばせて頂きたいと思います。
また、味だけでなくコストパフォーマンスも上々で、使用されているタネは築地でもトップレヴェル。
それでいて昔から大幅な値上げをされていない点にご主人の気概を感じます。
人気が過剰になっている点は不安ですが、今後も進化し続けるお店だと思います。
【正統江戸前鮨ベスト】
創作性、独自性よりもストレートな江戸前仕事で印象に残ったお店。
ベストは、赤坂のはしぐちさんとなります。
こちらはとにかくシャリが美味しく、握りの技術は極めて高度です。
的確な小手返しでシャリを形成し、あらゆるタネに合わせる技。
これぞ、江戸前鮨!と思わせる凛とした魅力のある粋な握りです。
なお、ご主人のストイックな接客については賛否両論ありますが、個人的にはあまり問題が無いように感じます。
ミシュランの星を獲得したお店における英語での接客は色々見てきましたが、ご主人は精一杯の説明をされておられ、武骨ながらもはにかんだ笑顔が印象的でした。
文句を言う人は鮨店に慣れていない方や、自分中心の接客を求める方に多いように感じますので、あまり気にされなくても良いかと思います。
【赤酢のシャリベスト】
東京で主流となりつつある赤酢のシャリ。
酸味だけでなく、香りと旨味までコントロールするには難しいように感じますが、その中でも抜群に美味しかったのが新橋のしみづさん。
パッと見、かなり濃厚な色のシャリですが、頂いてみると刺々しくなく、ほぼ全てのタネに合致している点は流石。
硬さ、温度、握りの加減によってタネと調和させる技があります。
そして、「お任せ」だけでなく、「お好み」で頂けて、明朗会計な点もポイント。
古き佳き街の鮨店を思わせる渋い雰囲気も相まって、鮨通に慕われる理由に納得です。
【進化系江戸前鮨ベスト】
2015年は若手職人さんのお店や話題の新店を多く巡りましたが、一番印象深く、握りの技術とシャリの個性では随一かと思います。
こちらは前述のしみづさん以上に赤酢を利かせておりますが、同様に赤酢特有のクセは巧いこと除いておられます。
そして、酸味と塩気を鋭く利かせておられるところが圧倒的に面白い。
赤酢の使い方の巧さだとすし処ととや(すしログ No. 117)も印象に残りましたが、まだ30歳前半と言う事を考えると、こちらのご主人・佐藤さんの将来が楽しみです。
予約が取りにくい点がネックで、僕も早く再訪したい…と思っているお店です。
【マニアック部門ベスト】
こちらはどちらかと言えばお酒を飲むための鮨店ですが、豊富な酒肴だけでなく握りの技術も高いお店です。
そして、出される酒肴はマニアック…それ故「マニアック部門」としました(笑)
2回訪問しましたが、食べ比べをさせてくれるところが面白い。
白身魚、青魚、貝…の食べ比べとか、同一素材の別産地食べ比べとか。
海胆を6種類用意されていたのには心から驚き、感涙しました。
こちらのご主人の渡辺さんもまだお若いのに研究熱心。
進化を楽しみにしつつ、末永く応援して行きたいと思います。
上記のお店は独自性(味)のみならず、コストパフォーマンスも加味して検討しました。
初音鮨さんは25,000円ほどで一番高額ですが、鮪のクオリティとボリュームを考慮すると破格。
他のお店はお好み、ランチ鮨を駆使すれば、概ね10,000円〜15,000円ほどで楽しめます。
一般的に「タネのクオリティが高い方が良い」と思われる方が多いように感じますが、「高ければ美味しい」と言うのは鮨には当てはまりません。
何よりも「シャリ」が美味しく、安定していなければ鮨にはなりえず、そこに「仕事」と「握りの技術」が合致して初めて美味しい鮨になるためです。
リーズナブルでも美味しい鮨店はたくさんありますので、2016年も開拓して行きたいと思います!
次回は、【東京都外編】をお送りしたいと思います。
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