みかわ流の天麩羅名人!築地なかがわの絶品天麩羅

f:id:edomae-sushi:20170407231533j:plain(No. 74、No. 106を統合し、最新記事を追加しました)

こんにちは、江戸料理好き鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

実直に腕を磨く職人の姿は凛々しい。

決して奇抜な事をせず、ただ自らの技と向き合う職人さんのもとには、繰り返し足を運びたいと思います。

職人は料理人とは異なり、一芸で技を極め抜く料理人。

僕のライフワークである鮨は勿論、天麩羅にも同じような職人の粋があると信じています。

天麩羅なかがわさんは、天麩羅において自身が通い続けたい、職人の粋を感じるお店です。

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天麩羅なかがわの親方・中川崇さんについて

親方の中川崇さんは天麩羅の名店の一つである、「みかわ是山居」で修業されました。

「みかわ是山居」は鮨の名店である「すきやばし次郎」の小野二郎さんが通うお店で、親方の早乙女哲哉さんは当代一の天麩羅職人の一人とされます。

新たな技を幾つも編み出され、「天麩羅は脱水作業」と言う名言が有名です。

 

中川さんは18歳の頃に早乙女哲哉さんの元で修業に入り、技を磨く事なんと17年!

2004年7月に築地で独立されました。

僕が初めてお伺いしたのは10年ほど前になりますが、伺う度に技を向上させておられ、同じタネなのに印象が違う!と驚かされます。

そして、他の天麩羅店を巡ることで中川さんらしい魅力を再認識するので、足を運ぶ喜びがあります。

 

中川さんの天麩羅の技で、個人的に特に凄いと思う事は主に3点です。

  • 海老における「みかわ流」の火入れの精度の高さ=高温の油でレアを保ちつつ水分を飛ばす脱水
  • 穴子における「みかわ流」の火入れの精度の高さ=「蒸す」と「焼く」を同時に行い過脱水を行う揚げの技
  • 鮑や虎河豚の白子などの食材を、天麩羅だけでなく他の調理法にも無い仕上げにする技

中川さんの天麩羅は、早乙女親方の昔の仕事を進化させている印象で、幾つかのタネについては既に御師匠を超えていると個人的に感じます。

或いは、早乙女親方は近年、火入れを変えた(ご自身の好みが変わった)とのお話もありますので、中川さんは原初の早乙女親方の仕事を色濃く伝えていると言えるかもしれません。

 

そして、中川さんの天麩羅は衣も強い印象を与えてくれます。

タネによって表情を大きく変える衣なのですが、押しなべて香ばしさが強く、高温の油を操る技が凄いと感じます。

タネをみっちりと包みこみ、隙間の無い衣は、タネと一体化し、香り、味覚、食感の全ての点で多層的なハーモニーを奏でます。

 

衣とタネの分断が無く、一体感があって、美味しさが波状的に広がる天麩羅です。

噛み締めていると、味わいが幾段階かに変化する魅力があります。

 

そして、全体を通してのタネと衣で織りなすストーリーテリングも絶妙。

ふんわりと軽やかにお仕上げる衣、香ばしくサクッと仕上げる衣など、衣で緩急に富んだストーリーを編まれています。

 

個人的に、天麩羅を愛する方ならば、全国でも訪問すべきお店の一つだと断言します。

なかがわさんのコースの概要と予算

なかがわさんは凄腕なのにリーズナブルです。

メニューは昼の【梅】6,600円に始まり、【竹】9,900円、【梅】12,100円、【おまかせ】時価となります。

日本トップクラスの天麩羅店なのに、グルメな学生でも楽しめる価格帯なのは素晴らしい。

僕はいつも【おまかせ】を頂きます。

「時価」は怖いかもしれませんが、実際には他の有名店や東京の鮨店からすると大変リーズナブルです。

お酒を飲んで22,000円~23,000円くらいを見ると良いでしょう(冷酒は佐賀県・窓乃梅、常温は高知県・菊水)。

使用するタネのクオリティ、ボリュームともに充実しているので、価格に見合う満足感があるはずです!

以下に、訪問録を春、秋、冬に分けてお届けします。

直近の訪問で頂いたもの(秋)

2021年10月に頂いたものです。

 

先付

天麩羅なかがわ三ツ葉と菊の花のおひたし

三ツ葉と菊の花のおひたし。

 

車海老×2

天麩羅なかがわ車海老01

2尾連続で出てきて、異なる火入れなのがこちらのスタイル。

天麩羅なかがわ車海老02

1尾目で、前よりも更にレア感がアップ!中心は透明なのに甘みが強い!!と思ったところ、2尾目で驚かされた。

よりレア感が強く、甘い。

前よりもコントラストが明白になっていて、親方の修練の証を見る!

 

車海老頭

天麩羅なかがわ車海老頭

安定感抜群。

これでお酒を飲むのが旨いんだよな〜と緊急事態宣言解除後の喜びを実感した。

 

天麩羅なかがわ鱚

巨大でホロホロな鱚は天麩羅で鱚を頂く喜びを心から感じさせてくれる。

鱚の旨味は本来淡いものであるが、十分に旨味を感じ、胡麻油(九鬼純正胡麻油)の香りが強烈にアシスト。

静と動を併せ持つ鱚の天麩羅である。

 

天麩羅なかがわ鱧

江戸前天麩羅では勿論のこと珍しいタネ!

キスの後だと鱧の少し野趣がある香りが活きる。

身質も異なり、ホロホロかつゼラチン質がねっちりととろけ絡まる。

旨味も活きている。

 

天麩羅なかがわ鮑

白眉!

衣はガリッガリ、そしてしゅわっと溶けるので、鮑を盛り上げ完全に寄り添う。

鮑の身はむっちり、ぷりぷり、そしてジューシィなエキスがじゅわっと溢れる。

その後、旨味と香りが力強く広がる。

中川親方の鮑は変化し続け、他にない魅力を高め続けている。

 

鮑の肝

天麩羅なかがわ鮑の肝

鮨でも天麩羅でも鮑に肝がついてくると笑顔になるもの。

天麩羅の場合、ホロ苦さが落とされ肝の甘みを強く感じる。

 

モロッコインゲン

天麩羅なかがわモロッコインゲン

衣の香ばしさが広がった後に、凝縮されたインゲンの甘みと香りが炸裂する。

 

松茸

天麩羅なかがわ松茸

長野県諏訪、湖南後山のもの。

親方が切りつける時から香りが広がり、素晴らしい!

感動モノの香りだ。

頂いた後にも残るほど。

個体によって味が異なり、長い方は旨味が強い。

 

アオリイカ

天麩羅なかがわアオリイカ

アオリイカについては鮨よりも旨い食べ方だと感じる。

むっちり食感が加えられ、甘みがふつふつとこみ上げる。

鮨でも軽い火入れを行ってみると面白い仕事になるのではないか?

 

万願寺唐辛子

天麩羅なかがわ万願寺唐辛子

とろっとろで、甘い。

既存のイメージの食感とのズレは中川親方の天麩羅における妙味だ。

 

海胆大葉巻き

天麩羅なかがわ海胆大葉巻き

海胆の甘みが強く、ミョウバン臭さは無く、大葉も香りと食感共に良好。

海胆大葉巻きは当たり外れが大きいが、中川親方のものは大当たりだ。

海胆は浜中町カネキ木村の特選。

 

カボチャ

天麩羅なかがわカボチャ

ホクホクで甘く、香りも良い。

 

メゴチ

天麩羅なかがわメゴチ

後半でも美味しい白身!

これは天麩羅ならではなストーリーテリングだ。

香りが良い。

しかも、食感がむっちりしていて、効果的に脱水して揚げている。

 

穴子

天麩羅なかがわ穴子01

サクッ!!

天麩羅なかがわ穴子02

巨大な穴子を脱水して揚げていて、安定感が抜群の美味しさ!!

 

小玉葱

天麩羅なかがわ小玉葱

甘くて香りが良い。

 

蓮根と茄子

天麩羅なかがわ蓮根と茄子

茄子はとろっとろで甘みが強い。

蓮根も香りが良い。

 

サツマイモ

天麩羅なかがわサツマイモ

超上質な焼き芋のようなサツマイモ。

 

天丼

天麩羅なかがわ天丼

天茶とも選べるが、赤出汁を求めて天丼を頼む確率が高い。

天麩羅なかがわ香の物

香の物もバッチリ美味しい。

天麩羅なかがわ天丼02

タレ味の天麩羅は胃袋にダイレクトに突き刺さる美味しさだ。

 

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ある冬の訪問で頂いたもの

2020年12月の訪問です。

今回頂いた天麩羅

  • サイマキ(2尾)
  • サイマキ頭(2尾)
  • ハゼ
  • 銀杏
  • 墨烏賊
  • 虎河豚の白子
  • 万願寺唐辛子
  • ハゼの卵巣(酒肴)
  • 海胆の大葉挟み
  • カボチャ
  • 穴子
  • アスパラガス
  • 茄子
  • 蓮根
  • サツマイモ
  • 天茶、香の物

車海老01

車海老(サイマキ)

車海老02

車海老(サイマキ)

「みかわ」流の火入れが更に堂に入っており、驚嘆する。
中心温度を人が甘みを感じやすい45℃から50℃の間に仕上げる技に加えて、余計な水分が飛び凝縮したような食感は絶妙の一言!
衣はしっとり、ふんわりかと思えば、さくりとほどける。
車海老の甘みと香りを強く感じさせ、衣の妙も味わわせる、中川さんならではな車海老だ。

車海老頭

車海老の頭

とにかく香ばしく、香りの凝縮感が素晴らしい。

鱚

みっしりした身はホロホロとほどけゆく。
淡白な鱚の味を活かしつつ、衣が美味しい事を実感させる。
初手からホロホロではない、しかし、鱚らしい繊細さを残す火入れ。

ハゼ

ハゼ

大型のハゼ!
野趣ある香りが心地良い。
身はホロッとほどける。
鱚よりも高温で脱水か?
それでいて鱚よりもホロホロ。
白身魚でコントラストを楽しませくれる天麩羅は意外に珍しいので、タネの構成が良いなと実感。

銀杏

銀杏

一口目に広がるホロ苦さと香りが良い。

鮑

3年前に初めて頂いた鮑だが、これまた精度を上げられていてビックリ。
食感、香り、旨味の点において明らかに他の調理法では楽しめない表現に仕上げておられる。
鮑のむっちり感、火入れを行った事によるぷつりと切れてくにゅっと身をよじらせる食感、口に広がる鮑の旨味など、言葉を失う味わい。

鮑
これが、驚くきことに揚げ時間はわずか2分程度!
サイズによって時間を調整されているとは思うが、予想以上の短時間に意表を突かれた。
鮑をここまでの短時間で化けさせるとは。

墨烏賊

墨烏賊

ぷるっとして、パツッと切れる墨烏賊らしい食感で、鮨と同じく江戸前らしい魅力を感じさせてくれる。

トラフグの白子

虎河豚の白子

親方は天然モノしか使わない。
大きく切りつけた肉厚な塊を、タンパク質が凝固するギリギリまで攻めて揚げる手法。
柔らかすきず決して硬くせず、中心まで火が「程良く」入ってクリーミー。
この程良さが絶妙。
写真は映えないが、味は格別!
真鱈の白子よりも上品な甘みで旨味は強い点が特徴であり、その特徴を魅力のレヴェルまで昇華させている。

万願寺唐辛子

万願寺唐辛子

香りと甘みが良い口直し。

ハゼの卵巣の塩辛

ハゼの卵巣

柔らかいカラスミ状の塩辛で、酒を盗む盗む。

海胆大葉

海胆の大葉挟み

前よりも味わいが洗練されていて、海胆の甘みも強く感じさせる揚げ加減に。

カボチャ

カボチャ

海胆の甘みからカボチャの甘みに自然に接続。
ホクホクで、香り高い。

穴子

穴子

超巨大な穴子を絶妙な脱水の技で仕上げる。
江戸前の穴子は状態が悪く、対馬産を使用されていた。
中川さんは対馬の脂が乗った柔らかい穴子にムチを打ち、決して甘やかさない。
その結果、引き締まった繊維質と気高い香りを楽しませる逸品に仕上がる。

アスパラガス

アスパラガス

香りが良く、天麩羅との相性の良さを実感するタネ。

茄子

茄子

茄子も脱水され、初めてならば意外性を感じる味わいに。

 

蓮根

写真撮影を失念。茄子の後に食感が印象的で、香りも良い。

サツマイモ

サツマイモ

天麩羅店におけるスイーツ的な役割のサツマイモ。
焼き芋のような妙がある。

天茶01

天茶

いつもはかき揚げ丼を頼むことが多いが、天茶でスッキリと。

天茶02

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ある秋の訪問で頂いたもの

中川さんの松茸の天麩羅は絶品です。

今回頂いた天麩羅

  • サイマキ(2尾)
  • サイマキ頭(2尾)
  • 銀杏
  • ハゼ
  • 墨烏賊
  • 松茸
  • 海胆の大葉挟み
  • 穴子
  • アスパラガス
  • 茄子
  • サツマイモ
  • 獅子唐(追加品)
  • かき揚げ丼と赤出汁、香の物

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サイマキ(2尾)

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サイマキ頭(2尾)

相変わらず秀逸な仕事。

レアに仕上げつつ、甘みと香りを引き出す!

頭は香ばしく揚げ、コントラストを楽しませる。

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カリ!と弾けた後、ふーんわり、きめ細かくほどけゆく。

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非常に柔らかく、ぷりぷりしており、甘みがジューシィに横溢する。

とにかく食感と旨味を最大限引き出す技術。

火を入れず生から揚げている(=天麩羅の仕事だけで勝負)のに、上質な蒸し鮑に近い感動を与えてくれる、硬派且つ洗練された技。

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銀杏

ねっちりと美味い。

苦味が酒に合う。

この食感は天麩羅ならでは。

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ハゼ

野趣に満ちた香りを強い旨味が追い掛ける。

そして、軽い酸味がサラッと引き締める。

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墨烏賊

これもまた絶妙な火入れ。

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松茸

岩手県宮古産。抜群の香り!

松茸のクオリティは香りで明確に決まる。

香りのみならず、旨味の余韻も強い。

そして、歯切れの良さもまた特筆すべきもの。

縦に裂けるのはキノコなので言わずもがなだが、横の歯切れの良さは天麩羅ならでは。

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海胆の大葉挟み

揚げると磯の香りが引き立つ。

衣のサクサク感と大葉の香りの残し方が良い。

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穴子

穴子

こちらの穴子の天麩羅は最高です!

野趣溢れる香りがあり、まさか10月上旬にまだ羽田のこのサイズ!?と驚いて聞いたところ、まさしく産地は江戸前羽田沖であった。

記憶に残り、また頂きたくなる穴子。

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アスパラガス、茄子

アスパラガスは香り良く、ジューシィで甘みたっぷり。

天麩羅通の知人いわく、野菜の中でも特にアスパラガスで天麩羅職人の腕が分かるとの事。

その意味では、中川さんは素晴らしい腕前。

根元の方はトロトロに仕上げ、意外性が有る食感。

茄子もトロトロで香り良く美味しい。

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サツマイモ

カリィッ!衣が弾け、ホクホクしたサツマイモから、甘みと香りがぶわっと広がる。

甘みを衣の香ばしさが制御する。

単に甘いだけで終わらないサツマイモの天麩羅である。

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獅子唐

追加したところ、良い口直しになった。

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かき揚げ丼と赤出汁、香の物

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春の訪問で頂いたもの

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サイマキ(2尾)

一口で感銘を覚える素晴らしい火入れ。

レアな状態で旨味を活性化している。

あたかも肉におけるレアのように、中心部は半生だが熱を通し旨味を活かし、甘みが非常に強く感じられる。

海老にレアな火入れを求める方ならば、親方を超えていると感じる仕事だろう。

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サイマキ頭(2尾)

実に香ばしい。

頭までも柔らかな火入れで、外はカリッと仕上げつつ、中には瑞々しさを内包している。

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周囲の身は強く凝縮されつつも、中心部はほろりとほどける。

高温で長時間揚げ、過脱水寸前に迫る火入れ。

噛み締めてサクッと弾けた瞬間の香りは堪らない。

雄々しい鱚の仕事と言う印象。

当たり前だが、家では決して再現出来ない火入れである。

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蕗の薹

食感の二重奏が面白く、ふんわり、とろっと段階的にほどける。

そして、香りは炸裂し、心地良い苦味が充満する。

大ぶりの蕗の薹の魅力を引き出す仕事。

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海胆の大葉挟み

サクサクした大葉の衣を噛み締めると、じゅわトロッと海胆が滲み出る。

これは凄い揚げの技術!

好みを差し置いても、師匠を超える火入れである。

海胆は明礬の収斂味があるものの、甘みはしっかりしていた。

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墨烏賊

ミディアムレアに仕上げ、墨烏賊らしい食感を活かす。

それでいて、スパッと切れる生の食感とは異なるため、鮨とは異なる魅力がある。

淡白な墨烏賊に衣の香ばしさが付加され、牽引する力を帯びる。

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白魚

身の厚い白魚で、ふんわり、サクッと揚げている。

ラッキーにも子持ちの白魚も混じっており、季節の移ろいを愛でる事が出来た。

大きな魚体の魚だと子を持つと一気に魚味が落ちるが、小さな魚体の魚の場合、影響が少なく、食感が増えるため嬉しく感じる。

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タラの芽

強めに脱水し、香りと苦味を凝縮している。

これはこちらの流派ならではの匠の仕事。

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虎河豚の白子

非常に上質な白子で、超濃厚。

舌にトロトロとまとわりつく粒子は官能的。

親方も「もう最後の最後」と仰るクオリティの白子で、出会えたのは僥倖と言わざるを得ない。

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メゴチ

特有の強い香りと旨味がしっかりと凝縮されている。

白子の後に出されるとは、嬉しい味わい。

非常に良い流れでメゴチを頂いた。

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穴子

これは白眉。

走りの江戸前穴子であるが、産地を聞かずとも、頂けば分かる。

野趣溢れる香り、どことなく土っぽい香りは江戸前の証!

しかも、その個性が仕事によって引き立てられている。

身は必ずしも厚くないが、香りと旨味を十分に引き出している。

カリッ!ホロホロ!トロトロと三重奏を織りなす食感も秀逸。

力強さと繊細さを同居させた穴子である。

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椎茸

香りがぶわっと広がり、食感は艶めかしい。

やはり職人さんの腕は野菜を頂けば明白。

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サツマイモ

甘みと香りが凝縮されている。

甘いだけの一般的なサツマイモと大きく異なる。

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茄子

全てに於いて衣と野菜の食感のコントラストが良い。

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アスパラガス

繊維のほどけ方ととろけ方が凄いアスパラ。

甘みがジューシィに横溢する。

尚、師匠のお店では野菜は4種から2種を選ぶ選択性である為、全て頂けるのは嬉しい。

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お食事

かき揚げ丼と天茶を選べる。

タレと味わい、赤出汁を頂きたかったので、かき揚げ丼をセレクト。

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香の物

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赤出汁

大きめの蜆をたっぷりと用いている。

そして、しっとりとした火入れなので実に優しい味わい。

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かき揚げ丼

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なかがわさんのお店の情報と予約方法

予約についてはお電話のみとなります。

ご夫婦でされているので、営業時間外に掛けるのがスマートだと思います。

予約は比較的取りやすいと思いますが、人気店なので余裕を見たほうが無難です。

天麩羅なかがわ(食べログのリンク)

 

店名:天麩羅なかがわ(てんぷらなかがわ)

予算の目安:おまかせ時価、松12,100円、竹9,900円、梅6,600円(お昼のみ)

TEL:03-3546-7335

住所:東京都中央区築地2-14-2 築地NYビル1F

最寄駅:築地駅から130m

営業時間:11:30~13:30、17:00~22:00

定休日:月曜

 

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通う喜びのあるお店があるのは幸せだ…と実感する、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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