こんにちは、軽井沢の名ホテル「万平ホテル」に京都の「たん熊」が入っていることを知った時は驚いた、すしログ(@sushilog01)です。
この度、大学生の頃から憧れていた万平ホテルに泊まりました。
新緑の素晴らしい時期に宿泊したのですが、本当に最高でした。
軽井沢の発展とともにある老舗ホテルだけあり、軽井沢の上質な雰囲気を楽しませてくれる名ホテルです。
万平ホテルのディナーはフレンチ(メインダイニング)、中華料理、日本料理が選択肢となりますが、選んだのは日本料理。
しかも、京料理である「たん熊」です(そこで冒頭のセリフに至りました)。
実は、僕は「たん熊」は未訪問だったので気になったのですが、軽井沢の「たん熊」は満足度が高く、安心しました。
雰囲気も相まって、万平ホテルの食事としては外れの無い選択肢だと感じます。
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万平ホテル「熊魚菴たん熊北店」の雰囲気と魅力
まずは、万平ホテル「熊魚菴たん熊北店」の雰囲気についてご紹介します。
万平ホテルの「熊魚菴たん熊北店」は、ホテル直結の「割烹」と「別館料亭」に分かれています。
「別館料亭」は東京から移築した築90年超の古民家「桧館」です。
もともと三井財閥十一家の中の連家、鳥居坂家のもので、明治時代に東京から万平ホテル敷地内に移築されたそうです。
これを改修して2001年に「熊魚菴たん熊北店」としてリニューアルオープンしたとのこと。
万平ホテルの脇にたたずむ日本家屋は実に軽井沢らしい雰囲気です。
「和洋折衷」と「木々の緑」は誰もが頭に浮かべる軽井沢のイメージなのではないでしょうか?
そして、「別館料亭」では「会席」と「鉄板焼き」の両方を提供されています。
しかし、別々の空間なので、香りが混ざる心配はありません。
店内は落ち着いた雰囲気です。
「熊魚菴たん熊北店」の魅力
そもそも「たん熊」とは、1928年(昭和3年)に京都で創業された老舗です。
屋号は初代の栗栖熊三郎氏が「たん栄」で修業されたことにちなみます。
「カウンター割烹」を流行らせた立役者と言え、現在はグループ全体で計17店舗を全国に展開しています。
そして、3代目の栗栖正博氏が書かれた『よくわかる板前割烹の仕事』は名著!!
京料理の技と魅力を知れる一冊なので、活用させて頂いています。
僕はこの本を契機に「たん熊」に伺ってみたいと感じていました。
すしログ
日本料理の食べ歩きをしている人は必読です!
今回実際に伺って感じた魅力としては、万人受けする日本料理・京料理を作られていて、安定感が抜群だと感じました。
「お座敷会席」の進化系と言った料理たちで、今の世の中においては「エクセレント」ではありませんが、説得力のある御料理です。
伝統的な京料理と牛肉などのモダンな万人受け志向の食材を交え、味付けも中々に上品。
全体的に塩気の塩梅が良く、甘みは割と強めだが嫌みが無い範疇に収められています。
語弊を恐れずに表現すると、洗練がされていないところが魅力だと感じます。
メニューが標準化されていても、流石だと感じる内容です。
上記の通り多店舗展開しているため、店舗によっては良い評判を聞かないので、京都で足を運べずにいましたが、軽井沢店については伺って良かったと思います。
「別館料亭」の会席メニュー
下記の価格は税サ込です。
お昼
- 御膳 5,445円
- 古都 会席 7.865円
- 嵯峨 会席 14,520円
夕食
- 嵯峨 会席 14,520円
- 丸鍋会席 すっぽん会席 16,335円
- 鞍馬 会席 19,360円
- 比叡 会席 24,200円
意外にリーズナブルですよね?
あの万平ホテルに入っている会席料理店としては。
「熊魚菴たん熊北店」の【すっぽん会席】の詳細
今回、僕が選んだコースは【すっぽん会席】。
たん熊北店の名物とされるコースです。
すっぽんは京都の名店「大市」と同じく、浜名湖の服部中村養鼈場のものを使用しているはずなので、間違いないかなと言う予想です。
結果的に正解だったと頂いて感じました。
【すっぽん会席】の内容
- 梅昆布茶
- 先付3種:胡麻和え、鱧南蛮漬け、甘鯛汲み上げ蒸し
- 吸物:たん熊北店名物「すっぽん丸鍋」
- お造り:鮪、鯛、牡丹海老
- 炊き合わせ:蛸と軽井沢野菜
- 冷もの:コールドビーフ、高原野菜、アメ―ラトマト
- 油もの:すっぽん天婦羅、野菜天婦羅
- 御飯:すっぽん雑炊
- 香の物
- 果物:本日のデザート
- 菓子:あんみつ
- 抹茶
この度頂いたお酒
- 真澄 純米吟醸 1,694円
- 京都熊魚菴 吟醸 1,210円
軽井沢には「禁酒法」が無いので、久々にお酒を満喫しました。
オリジナルの日本酒【京都熊魚菴 吟醸酒】は純米酒ではありませんが、スッキリした飲み口なので、御料理との相性が良かったです。
梅昆布茶
先付3種:胡麻和え、鱧南蛮漬け、甘鯛汲み上げ蒸し
胡麻和えは濃厚で、利久麩が使われているところが嬉しい。
胡瓜と紅蓼が清涼感を与え、椎茸が旨味のアクセントに。
鱧の南蛮漬けは甘みが穏やかで、酸味がスッキリ。
オレンジキャンディーは香りと苦味が印象に残るパプリカ。
甘鯛汲み上げ蒸しのべっこう餡は出汁がしっかり利いているので、柚子胡椒が相性良好。
甘鯛はふんわりと蒸されていて、シメジが大きくて食感良い。
味覚的にメリハリが利いた、食欲を刺激する先付けの組み合わせ。
吸物:たん熊北店名物「すっぽん丸鍋」
生姜を利かせた甘みのある吸い地。
スッポンは癖がなく、柔らかくてトロトロ。
足やエンペラ周りはペタペタとゼラチン質に富む。
餅が入っているところが非常に個性的。
お造り
鮪の炙り、鯛の昆布〆、牡丹海老。
昆布の旨味と風味をしっかりと浸透させた鯛は酒肴的な調理。
(日本料理ではあまり期待出来ない)鮪についても、炙りと言う仕事を加えている点に好感を覚えた。
牡丹海老も中々。
ただ、山葵が残念すぎる。
ホテルとお店の格式を考えると、本山葵を使うべき。
しかも、長野は山葵の名産地なので。
炊き合わせ:蛸と軽井沢野菜
軽井沢野菜は里芋、南京、人参、軽井沢隠元。
蛸は食感を適度に残した柔らか煮で、むっちり感の後にしっとりほどけて、こりっと軽く弾む。
野菜が大変美味。
人参は味が濃く、軽井沢隠元は食感が良く瑞々しく香りも魅力であり、里芋は甘みと香りに富む。
冷もの:コールドビーフ、高原野菜、アメ―ラトマト
メニュー上で見つけて「えっ、ローストビーフが…出るの?」と戦々恐々したが、実際は美味しかった(笑)
しっとりホロッホロな食感が魅力で、ローストビーフとして完成度が高い。
出す必然性は謎だが、これはこれで美味しい(笑)
マスタードがマイユでないところも好感。
※マイユは良いマスタードだと思いますが、「マイユ香」が強い点がネックで、食材を邪魔してしまうと感じる次第です
油もの:すっぽん天婦羅、野菜天婦羅
竜田揚げ的な丸天だ。
揚げる前に炊いているのでホロホロ、トロトロ。
野菜はエリンギ、ズッキーニ、獅子唐。
全て揚げ方はさっくりしていて軽い。
これも好印象。
御飯:すっぽん雑炊
【新生姜ご飯】と選べ、そちらも魅力的だが、すっぽん会席のコースなので当然ながら【すっぽん雑炊】を選択する。
旨さは言わずもがな。
塩気が非常に穏やかなところが良い。
味付けを抑制し、すっぽんの味を満喫させてくれる。
香の物は沢庵、キュウリ、牛蒡、昆布、野沢菜。
雑炊の塩気が穏やかなので、香の物と非常に良いバランスである。
個人的に海苔は蛇足である気がするが、万人受けを狙っての使用かと思われる。
雑炊にも焼き餅が入っているので、ボリューム感がある。
果物:本日のデザート
中心の胡麻のババロアはともかく、奥に鎮座する謎のケーキは正直なところ不要であると感じる。
冠婚葬祭や安い立食パーティで出てくる出来合いのミニケーキそのものだ。
初物のスイカが美味であったので、スイカなどの生のフルーツに絞られても良い気が…
あんみつと抹茶
あんみつは、えんどう豆、白玉、寒天、餡、黒蜜。
前のデザートよりも遥かに好印象!
抹茶は祇園辻利の「金剛の白」を使用したお薄。
おまけ:万平ホテルの写真とメインダイニングの朝食
「熊魚菴たん熊北店」のご紹介は終わりますが、せっかくなので万平ホテルの写真もご紹介します。
お昼の外観
夜の外観
万平ホテルの客室(アルプス館)
万平ホテル客室の窓から
万平ホテルメインダイニング
可愛らしい朝食のメニュー
美しいオムレツ
クラシックホテルって、良いですよねえ。
万平ホテル「熊魚菴たん熊北店」のお店情報と予約方法
予約は基本的にお電話のみのようです。
旅行会社経由だとホテルとセットのプランがあり、ポイントが付くのでお得です。
店名:熊魚菴 たん熊北店 軽井沢万平ホテル店(ゆうぎょあん たんくまきたみせ)
予算の目安:お昼御膳 5,445円〜、夜14,520円〜
最寄駅:東銀座駅から100m
TEL:0267-41-2310
住所:長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢925
営業時間:朝食7:30~9:30(ホテル内の割烹)、お昼11:30~14:30、夜17:00~22:00(L.O21:00)
定休日:無休(1月~3月の冬季休業期間を除く)
軽井沢の魅力を改めて感じる、すしログ(@sushilog01)でした。
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