こんにちは、蕎麦の人気を高めたい、すしログ(@sushilog01)です。
長野県戸隠にほど近い飯綱高原にある「蕎麦ふじおか」さんは、僕が全国で最も訪問したかった蕎麦屋さんです。
過去に予約が取れなかったり、休業されていたりして、タイミングが合いませんでしたが、この度念願の訪問を果たしました。
結果としては、想像を遥かに超える秀逸な蕎麦であり、心から訪問して良かったと実感しました。
すしログ
しかし、蕎麦を心から愛する方ならば、他の職人さんとは全く異なる独自性に感嘆を覚えることでしょう。
→その後、再訪しました。
秋に訪問した際に、女将さんから「春がオススメ」と伺ったため計画を練って訪問しました。
結果的に大満足!
お蕎麦だけでなく地元の野菜を駆使して、異なる季節で異なる印象を与えてくれる名店です。
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「蕎麦ふじおか」の魅力とは?
「蕎麦ふじおか」さんの魅力は、緑色を帯びた美しい色合いの見た目と、重層的な芳しさ、記憶に残る食感のリズムです。
そして、類まれなる蕎麦にふさわしい、考え抜かれたツユ。
蕎麦は結局のところ好みによる食べ物だと思いますが、麺とツユともに完成度が高く、合わせた時に究極的な相性を示す蕎麦は決して多くありません。
しかも、「ふじおか」さんの凄いところが、一回伺った限りで「次回伺った時も同じかそれ以上のクオリティの蕎麦を頂けるはずだ」と確信を抱かせてくれる点です。
それほどまでに一回頂いた時のムラが無く、職人技術の粋を見ます。
高原に在って、ただ「ふじおか」さんの蕎麦を求めて来るお客のために向き合った結果の技術。
その技術を体感できる食の経験を積んできて良かったと実感します。
また、蕎麦に野菜料理と香の物とともに提供するスタイルも当地で頂く理に適っていて、素敵です。
1983年から同じスタイルで提供されているそうですが、実に魅力的です。
土地の季節と味を知れるので。
旬を感じにくい蕎麦において、素敵な試みではないでしょうか?
たまに「蕎麦だけ食べたい」と低評価している方を見ますが、無粋と言わざるを得ないでしょう。
「蕎麦ふじおか」の蕎麦の詳細
それでは、「蕎麦ふじおか」さんの蕎麦の詳細をご紹介します。
2023年4月訪問時の記事
この度頂いたお料理
- せいろそば 4,000円
【せいろそば】は、単体で見ると「えっ、高級すぎない!?」と思うかもしれませんが、実はコースです。
お蕎麦以外に、【季節の野菜料理】、【蕎麦雑炊】、【季節の香の物の盛り合わせ】で構成されています。
非常に満足度が高い内容です。
下記の写真については、2人分となります(ボリュームを納得頂けるかと)。
季節の野菜料理
前回と全く異なり、ひと目で心が躍る!
内容は、ギンバソウ(海藻みたいなもの)、ウドの白和え、わさびの葉、コゴミの黒胡麻よごし、アケビのつる。
ギンバソウは食感が抜群!
ジャキジャキと力強く、快感とも言える食感だ。
アケビのつるは強い苦味と青い香りが爽快。
卵黄と鰹節で和えているようで、苦味と卵黄のコクでバランスを取るのが面白い。
白和えには肉厚な椎茸も入っていて、豆の味が濃い。
コゴミの黒胡麻よごしは甘味があり、香りも良い。
蕎麦雑炊
筍、カタクリの花、アマドコロ入り。
アマドコロは非常に味わい深い!!
甘くて苦い。
トロッとした食感も面白い。
デトックス効果が大きいカタクリの花も嬉しいところだ。
せいろそば
改めて、香りが抜群だと実感する。
そして、クリアーな後味…
余韻が上品ながら確かに残る。
東京の倍近いボリュームも嬉しい。
繊細ながら歯ごたえがしっかり。
それでいてプチっと歯切れが良く、その硬い食感が嫌らしくも野暮ッたくもない。
もちろん、ツユとの一体感は今回も同様だ。
蕎麦湯
蕎麦粉を添加する「とろっとろの蕎麦湯」は「ふじおか」さんが元祖だ。
このタイプの蕎麦湯は香の物と合わせて美味いものだ!と実感した。
たまに蕎麦が繊細なのにバランスが悪いと感じることがあったが、元祖には確たる理由がある。
季節の香の物の盛り合わせ
今回も非常に魅力的な香の物。
しみじみと、伺って良かった…と実感する。
2022年11月訪問時の記事
この度頂いたお料理
- せいろそば 4,000円
- そばがき 800円
蕎麦茶
季節の野菜料理
右下から錦糸瓜の酢の物、ロマネスコのマヨネーズ和え、春菊とヤーコンの黒胡麻よごし、ほうれん草と椎茸・菊花の和え物、マスカットと柿の白和え。
実に魅力的な盛り合わせ。
野菜で土地の旬を感じさせる心配りが嬉しく、初手から土地を訪問する喜びを感じることが出来る。
味わいも勿論申し分無く、味覚的にも食感的にもメリハリがあり、繊細な味と濃密な味を共に楽しめる。
蕎麦雑炊
蕎麦の身はホロッとしていて、とろっとろ。
蕎麦の甘味と香りが素朴に広がる。
地のキノコも嬉しい出会い。
味わいと香り、食感でその地の魅力を感じさせてくれるのがキノコだ。
そばがき
結論から言うと頼んで大正解であった。
箸を入れた瞬間に驚きが訪れる。
もっちりしつつ、ふんわりしていて、きめが非常に細かい。
口に運ぶと繊細な瑞々しさが広がり、強い甘味に頬がほころび、食後感は爽やかだ。
爽快な余韻に浸ると、残り香に魅了される。
香りが抜群で、頂く前から飲み込んだ後の数秒まで香りが途絶えることは決して無い。
せいろそば
お待ちかねの主役の登場だ。
弾力が非常に強く、もぎゅもぎゅ、そしてプチプチと弾け、もっちりと異なる食感を楽しませてくれる麺。
かつて藤岡さんは「水をはじく、より強靭な麺体を持つそば」を志向されたそうだ(参照:宮下裕史さんの『そば名人』)。
その言葉が体現された蕎麦だと実感する。
蕎麦には粘りや食感のもたつきやムラなどが皆無で、驚嘆すべき技量だ。
それでいて、水回しが下手な職人の蕎麦とは別次元の味覚を提示する。
噛み締めた時に食感だけでなく香りも弾け、香ばしさが変化し爽快感へと導く。
そして、甘味が蕎麦らしくふーんわりと残る。
食感、味わい、見た目の全てが記憶に残る蕎麦である。
そして、ツユも鮮烈な印象を与える。
一見すると江戸蕎麦の辛汁のようだが、味わいは完全に異にする。
醤油のアタックが軽く、甘味も穏やかだ。
鰹節のバランスも絶妙で、香ばしさが上品に用いられ、旨味とキレがアクセントになる。
蕎麦を完全に活かす蕎麦ツユに、久々に出会った。
蕎麦湯
蕎麦粉を溶いたとろみのある蕎麦湯は今やモダンな蕎麦屋さんで一般的だが、実は「ふじおか」さんが発祥である。
単体だと濃厚でヘヴィになりかねないが、香の物と合わせることで魅力ある一品料理となる。
むしろ香の物にサラッサラの蕎麦湯はミスマッチだろうと感じさせる。
季節の香の物の盛り合わせ
香の物を蕎麦湯と合わせるところが良い。
心が落ち着く。
ラインナップも魅力的で、むかごの味噌和えや、梨と白菜の漬物、菊芋の醤油紫蘇の実漬けなど、サプライズがある。
山葵の茎を熟成酒粕に漬けているところも魅力的だ。
「蕎麦ふじおか」のお店情報と予約方法
「蕎麦ふじおか」さんの予約については、お電話のみとなります。
完全予約制で、人気のお店なので、早めの予約が望ましいと思います。
訪問日の1ヶ月前から予約が可能です。
店名:蕎麦ふじおか(そばふじおか)
予算の目安:せいろそば(のコース)4,000円ほか
TEL:026-239-2677
住所:長野県長野市上ヶ屋2471-2066
最寄駅:なし
営業時間:11:30~
定休日:火曜、水曜、木曜
※完全予約制です
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