こんにちは、和菓子が大好きな、すしログ(@sushilog01)です。
さて、今回紹介する和菓子は、当ブログで絶対に紹介しないといけないアイテムです!
なにせ滋賀の【鮒ずし】を使った「焼き羊羹」で、しかも名店「魚治/湖里庵」さんの【鮒ずし】を使っているので…。
実際に頂いてみたところ、想像以上、期待以上の美味しさで驚きました。
一言で述べると、圧巻です。
料理史に名が残るべき傑作。
和菓子と鮒ずし両方の新しい表現で、完全にイノベーティブだと感じた次第です。
紹介してくださった、和菓子ソムリエの柳谷 ナオさんに心より感謝です!
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滋賀県高島市の安曇川にある「とも栄」さんは、1932年(昭和7年)創業の和菓子屋さんです。
安曇川は滋賀の人でも馴染みが薄い方がいらっしゃるかと思いますが、安曇川からマキノにかけての琵琶湖岸の風景は、日本全国でも明媚だと断言します。
そして、このエリアで忘れてはならない名店が、「魚治/湖里庵」さんです。
詳細については個別記事に譲りますが、「とも栄」の4代目である西沢 勝仁さんは「魚治/湖里庵」さんの【鮒ずし】に惚れ込んで創作菓子を作られましたそうです。
先代の西沢 勝治さんも「近江の名工」と「現代の名工」に選ばれていて、和洋混淆の創作菓子を作られてきたそうなので、親子2代で和菓子の新境地を切り拓いておられる事になります。
今回メインでご紹介する【ベイクドようかん湖々菓楽 ふなチー】は、滋賀県伝統の発酵食【鮒ずし】を使用した革新的な「焼き羊羹」です!
早速ですが、【鮒ずし】を使った創作菓子【ベイクドようかん湖々菓楽 ふなチー】の魅力を紹介します!
「湖々菓楽」は「ここから」と読み、和菓子のその先を予感させる意欲的なネーミングです。
ただ、頂く前にどうしても言っておきたいのが、原材料表記。
マニアックです。
ニゴロブナ…だと?
【鮒ずし】は琵琶湖のニコロブナを用いるナレズシで、握り鮨の祖先と言える伝統食品です。
【鮒ずし】を用いたスイーツと聞くと、鮒の周りの溶けた部分の「飯(いい)」を用いているのかと想像すると思いますが、さにあらず。
なんと身も使用しているとは、驚嘆に値します。
しかも、一体感が凄く、違和感はゼロ!
頂いてみると、アタックはチーズケーキです!
しかし、白インゲン豆の白餡を使用しているため、豆特有の微粒子のしゃりっと感があるのが「ベイクド羊羹」を謳う証!
【鮒ずし】の乳酸発酵による酸味とコクと塩気、サワークリームの酸味、醤油の香りなどが一体化して、和とも洋とも判断がつかない、非常に魅力的な創作ワールドを構築されています。
塩気が効いていて、旨味もあるので、味わいは濃厚…。
それでいて白インゲン豆の香りもあるのが和菓子っぽい。
チーズのような香りを感じさせ嗅覚で脳をバグらせ和菓子をチーズケーキに錯覚させる意欲作、正に唯一無二!
サブレ部分ははったい粉(大麦)を使用されて、土台にも和のエッセンスをバッチリ加えています。
以上のような味わいなので、日本酒との相性がバッチリです。
ご主人のアドバイスに従い、2種類の銘柄を入手して合わせてみました!
まずは、木ノ本にある冨田酒造さんの【七本鎗 純米 搾りたて生原酒 玉栄】とのペアリング。
【ふなチー】とお酒の酸味が同調します。
そして、双方のコクも力強く、きめ細やかに同調します。
【ふなチー】に塩味がバシッと効いているのもお酒に合う理由でしょう。
旨味が舌に広がるので、【七本鎗 純米 搾りたて生原酒 玉栄】の味わいが同調しつつ、綺麗に切ります。
お酒のテイスティングノートはこちら。
次に試したのが、福井弥平商店さんの【萩乃露 双子座のスピカ】。
お酒自体がもともと酸味を強調した酒質なのですが、合わせると特に酸味を感じます。
七本鎗も酸味を意識してペアリング銘柄にされたのだと思いますが、違いを述べると以下のとおり。
七本鎗がコクで同調し軽い酸味で切る、スピカが酸味で切り甘味で同調する、そのような方向性です。
また、七本鎗は「日本酒と合わせている感覚を残すペアリング」のところ、双子座のスピカは「日本酒感が少ないモダンなペアリング」だと言えます。
僕が提供するならば、日本酒マニアには七本鎗、ビギナーやふだん日本酒を飲まない人には双子座のスピカです。
お酒のテイスティングノートはこちら。
「とも栄」さんは精力的に様々な創作和菓子を開発されています。
是非とも今後も色々頂きたい!と感じました。
中から一つ紹介するのが【マサラチャイきんつば】です。
袋を開けた瞬間に、カルダモンとシナモンがバシッと香ります。
しかし、甘味と餡のテクスチャーは完全に和菓子です。
チャイでありきんつば…
不思議な感覚を覚えますが、和に引き戻す創作和菓子です。
秀逸な食後感に長けているなと痛感しました。
サプライズと深い余韻のある和菓子です。
「とも栄」さんのお店情報は下記のとおりです。
そして、実店舗だけでなく、ネット販売もされています!
店名:とも栄(ともえ)
TEL:0740-32-0842
住所:滋賀県高島市安曇川町西万木211-1
最寄駅:安曇川駅から500m
営業時間:9:30~18:30
定休日:元旦のみ
湖魚を用いた秀逸な佃煮、鮒ずし懐石の名店「魚治/湖里庵」さん
すしログ日本料理編 No. 194 魚治@マキノ(滋賀県) 琵琶湖の素晴らしさと鮒鮓の美味しさに感動する名店!滋賀県マキノ「湖里庵(こりあん)」
和菓子の進歩に感動する、すしログ(@sushilog01)でした。
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