こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
前回の「No. 1」では、「瀬戸内じざかな日和の概要」と「鮨 広島あじろやさんの営業実証レポート」をお届けしました。
今回の「No. 2」では、2022年12月5日(月)に開催された「広島市中央卸売市場の市場見学」、「実食モニター座談会」、「有識者のパネルディスカッション」について、レポートします。
こちらがイベントに関する『中國新聞』の記事です(2023年1月14日朝刊)。
当イベントは、広島市中央卸売市場で開催されました。
なので、まずは市場見学の模様について、簡単に紹介します。
- 広島に関心がある方
- 広島在住、広島出身の方
- 魚、鮨が大好きな方
- 広島の職人さん、料理人さん、生産者さん
- 広島以外で郷土性を志向する職人さん、料理人さん
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広島市中央卸売市場の市場見学の模様
広島市中央卸売市場は、広島の中心街(八丁堀)から1時間離れた場所にあります。
この立地の場所に、ほぼ毎日4時半に行かれている「魚喰い切り 壮士」の佐谷親方は凄い!
我々が訪問した8時ころには既に商いが終わっており、これは豊洲よりも早いので驚きました。
よって、荷受けの「広島魚市場株式会社」さんの案内で、静かな市場を見学しました。
豊洲に買い付けに行く自分としては並んでいる魚を見たかったので少々残念ですが、さまざまな方が参加されているので、そりゃ当然か…と納得。
いつか早朝に行きます!
ご説明の中で印象的であったのが、広島の海域は天然モノの漁獲量が激減しているため、市場としては致し方なく養殖モノを活用されている点です。
漁獲量の低減については、県全体で課題に向き合う必要があると感じたので、「No. 3:広島の江戸前鮨の現状と地域グルメを活性化する方法」で問題提起します。
別にネガティブな状況を書きたい訳ではなく、社会の課題は多くの人が当事者意識を持たないと決して解決しませんからね…
広島市中央卸売市場は海に面しているので、雰囲気の面では豊洲よりも「市場らしい」です。
最近評価が高まる「イカダカワハギ」の実食
その後、「株式会社ヒロスイ」さんから、昼食として「イカダカワハギ」をご提供頂きました。
「イカダカワハギ」は広島で最近注目されているカワハギ類(カワハギ、ウマヅラハギ)です。
カキの養殖筏の下に生息するカワハギ・ウマヅラハギで、「挟み漁」で獲られます。
「挟み漁」とは、カキ筏の上に立ち、ハサミ状のY字型の道具で挟みとる漁法。
Y字型の道具は町工場で20年ほど前に発明されたそうです。
カワハギ類の皮目はザラザラしているため、一匹づつ挟んで捕まえることが可能です。
底引き網漁だと漁獲量こそ多いものの、暴れて身質が悪くなりますが、「挟み漁」だと暴れる事無く活きの状態で確保出来ます。
そして、30センチ以上だけを獲るそうなので、サステイナブルな漁法のようです。
「イカダカワハギ」には確かな旨味があり、味わい深いです。
カキイカダの下にはハギ類が好むプランクトンや甲殻類、海藻類が豊富なので、それらをエサにハギ類が美味しく育つそうです。
臭みや雑味も無く、手当の良さを実感しました。
縁側や肝も美味!
漁獲量が減っている中で、勢いのある地魚は希望の存在です。
県外の方は、広島訪問の際には是非とも食べてみてください!
旬は秋から冬にかけてとなります。
次に、実は市場見学の前に行われた「実食モニター座談会」について、レポートします。
実食モニター座談会
「実食モニター座談会」は2つのグループに分かれて行いました。
筆者はファシリテーター役として参加しました。
そして、一連の話の中で、「地魚はPR次第で非常に魅力的なコンテンツになる」と確信しました。
県内の幅広い世代の方に性別問わず訴求力があり、「知らない魚」や「知らない食べ方」と出会った時の感動が大きい事が分かりました。
要は、伝え方、魅せ方が重要です。
また、名物の地魚や名物料理があれば、「離れた場所でも足を運んで食べてみたい」と感じる人が多いようです。
僕は名物料理の為に数100キロでも車を走らせるので感覚が少しバグっていますが、多くの消費者の方が同じ欲求を持っている事に嬉しくなりました。
特に人気が高い広島県の地魚
特定の魚種としては、「小イワシ」と「三原のタコ」は不動の人気を誇り、他に「オコゼ」も「主役級の魚」と好評でした。
これには僕も完全に同意!
「冬のフグ、夏のオコゼ」と言われるくらい、オコゼは抜群に美味しい魚です。
尾道には美味しいオコゼを頂けるお店があります。
魅力的な【オコゼのフルコース】を提供する「魚信旅館」さん
オコゼに限らず尾道の美味しい地魚を意欲的に提供する「郷土味かけはし」さん
オコゼをキャラクター化して売り出せば知名度が高まるのでは?と言う、キャッチーなアイディアも飛び出ました。
ポテンシャルを感じる広島県の地魚
また、「チヌ(クロダイ)にポテンシャルを感じる」と言うご意見もあり、示唆的だと感じました。
クロダイは釣魚としては人気なものの、食用魚としては不人気です。
「磯臭い」と言う意見が多く。
しかし、岩礁地帯に生息するクロダイではなく、沖合のクロダイは臭みが無く、非常に美味しい魚です。
漁獲量が低減したメジャーな魚だけでなく、漁獲量が多い未利用魚にスポットを当てる事は、広島に限らず今後大切になる筈です。
株式会社ユーグレナが2009年に発表した「寿司が消える日 久兵衛×euglena」はショッキングな内容でした。
これは、食好きなら皆が認識すべき問題ですよね。
僕は「魚に貴賎なし」と考えています。
知名度が高い魚だけでなく、美味しければマイナーな魚も率先して頂き、市場の評価ではなく自身の舌で評価するのが大切だと思います。
消費者が喜ぶポイントとは?消費者からの提案
最後に、地魚料理には、綺麗な盛り付けと料理の説明が必要だと、複数の方が指摘されました。
僕も、県内外を問わず、外食で重要なのはこれら2点が生み出す「サプライズ」だと感じます。
「サプライズ」と言うのは、何も「インスタ映え」のような軽薄なものではありません。
魚が主役として引き立てられている盛り付けや、郷土性を感じる盛り付けであれば、過剰な装飾は不要です。
「(宮島名産の)しゃもじの上に乗せて提供」する料理を食べられた方もおられました。
北大路魯山人の言葉を借りるなら「器は料理の着もの」なので、郷土性のある器や道具と食材を組み合わせて、料理を美しく彩る事は、全てのお店が意識した方が良いポイントです。
いかに美味しい地魚であってもプリントのお皿や型で作った量産品だと興醒めです。
そして、お店の価格帯を問わず料理の説明は大切です。
特に地魚は説明のお話自体が魚の調味料になると思います。
消費者のワクワク感を高める説明は行わない方が損です。
また、地魚はPRが非常に重要であるとのコンセンサスを得ました。
特に印象的だったのが、個人の力の重要性。
一過性のキャンペーンで終わらせないため、個人の方が積極的に情報発信した方が良い、と言うご意見がありました。
筆者としても、SNSマーケティングを行うべきだと実感していました。
現代において、若い方は美味しい料理や食材をSNSで探します。
従来のPR手段だけでなく、時代に合った手法を採らなければ拡散されず、一過性で終わってしまいます。
モニター参加者の方は意識が高い方が多いので、地魚の魅力や、地魚の美味しい食べ方・料理を発信してくれるような仕組みを募集段階で構築すると良いと感じました。
そして、モニター以外のシーンでも、協力店を訪問したお客さんが発信してくれる施策を講じると良いように感じます。
有識者のパネルディスカッション
パネルディスカッションについては、広島の各業界の有識者の方々と登壇させて頂きました。
各人の問題意識は共通していて、「漁獲量の低減」が繰り返し聞かれました。
これは明白な課題のようなので、県全体で改善して行く必要があります。
ただ、大きな課題なので、地道に一歩ずつ歩み、同志を増やしながら着実に前進すれば良い…と心から感じます。
より具体的な問題提起は、次回の「No. 3」で行います。
まとめ
以上で、「瀬戸内じざかな日和」の「レポートNo. 2」を終えます。
次回は「No. 3:候補店のリサーチで見えてきた課題」となります。
レポートNo. 1:「瀬戸内じざかな日和」とは?「鮨 広島あじろや」のレポート
本記事がきっかけで、広島と広島の魚介に関心を持って頂ければ幸いです!
鮨を心底愛する、すしログ(@sushilog01)でした。
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