こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。
今回ご紹介する「里山十帖」は、言わずと知れた新潟が誇るオーベルジュです。
運営会社「自遊人」の岩佐 十良さんは『新潟美食手帖』で新潟グルメの情熱的な紹介も行っておられます。
そして、山形の「山形座瀧波」は、岩佐さんの監修のもとに再生された宿として有名です。
「山形のショーケース」を目指すオーベルジュ!「山形座 瀧波(たきなみ)」昔から伺いたかった宿でしたが、いざ伺ったところ、期待以上に寛げて大満足でした。
御料理の満足度が高く、土地の食材を活かそう!と言う意欲に溢れていました。
そして、お米の美味しさは突出していて、流石「お米の聖地」だと感じます。
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個人的に感じた「里山十帖」の魅力としては、「静寂と平穏」です。
車で宿に到着するや否やスタッフの方が足を運ばれ、すぐさまホスピタリティを感じますが、滞在中はスタッフが敢えてサービスを控えているような雰囲気があり、お客は各々の時間軸で平穏を享受する事が可能です。
そのような接客と場の雰囲気ゆえか、他のお客さんも静かに過ごされている方が多く、「里山」の名にふさわしい雰囲気のオーベルジュです。
空間、御料理以外の魅力としては、食事前のミニツアーで菜園をご案内頂き、採りたての野菜や自家製の漬け物を頂けるサービス。
土地の空気を感じられるので、琴線に触れました。
夏の日だったので、外にご用意頂いているビールと頂く漬け物は格別でした…
もちろん露天風呂が付いているお部屋もあるので、自分たちの時間を過ごすのも一興です。
共同の大浴場についても雰囲気があり、非常に寛げます。
御料理については土地の食材を駆使した独自性が高いものばかりなので、終始ワクワク感があります。
お肉はジビエではなく牛肉を使用されていたり、発酵系の調味料は発酵が穏やかだったりするので、幅広い層に訴求するよう調整されていると感じました。
僕は何でも食べられますが、幅広い世代のために郷土性の高い料理を作る事は意外にハードルが高いので、大変好感を覚えました。
ただ、夕食にしても朝食にしても、なぜかスタッフの方で料理説明が異なる点は如何なものか??と感じました(笑)
食材の説明が人によって異なったり、調理法が間違っていたりするので、御料理目当てでオーベルジュに泊まる性質の人間にとっては、そこのところは徹底頂きたいと感じた次第です。
食材の生産者さんのためにも、頑張って欲しい!
それでは、御料理のご紹介に移ります。
まずは、「里山十帖」の夕飯について、ご紹介します。
お酒は里山と言うよりも東京に近い価格設定ですが、せっかくなので2種類頂きました。
ともに南魚沼の酒蔵さんで、美味しい日本酒です。
- 青木酒造 鶴齢 無濾過 雪譜 純米生原酒(五百万石・55%) グラス1,430円
- 高千代酒造 たかちよ SEVEN おりがらみ 生原酒(非公開) グラス1,100円
以下の御料理は、「処暑の頃 天地始粛(てんちはじめてさむし)」の内容となります。
【大沢の湧き水】は、天草産の心太と梅を使用し、すっきりとしたクリアな味わいが特徴だ。
梅の酸味と香りは上品で、穏やかな鰹出汁との調和が絶妙である。
日本料理の根源である水をテーマにした一品から始めるとは、気が利いている。
【茶豆】はピーマンを合わせた、にえばなを用いた豆ご飯である。
豆の香ばしくて甘い味わいを楽しませる。
豆はカリッとした食感で良い火入れ。
塩加減も良く、残暑の香りに魅了される。
【郷土料理】では、郷土料理【鯨汁】を再解釈されていて、素晴らしい試み!
鯨肉の代わりに豚肉を使用し、夕顔や乳酸発酵させた茄子とミョウガがたっぷりと使用されている。
見た目は素朴だが、味で意表をつく。
実にモダンな郷土料理の再解釈だ。
豚肉の香ばしさも魅力で、食欲を刺激する。
このタイミングで炊飯が開始される。
土鍋は滋賀県の雲井窯のものだ。
カジカとは嬉しい!
【魚野川のカジカ】は、カジカに胡瓜、蕎麦、自家製味噌を使用したガレットだ。
カジカと味噌の香ばしさ、軽い酸味がバランス良く、ガレット由来の甘味もある。
大葉以外にもハーブの香りが印象的。
器はケイコンドウさんの手によるもの(僕も好きな作家さんです)。
【夏野菜のタルト】には玉蜀黍、トマト、茄子が使用されていて、ねっちりしたテクスチャーの雑穀が食感をまとめる。
甘味が強いトウモロコシとセミドライトマトの旨味が印象深く、さらにフレッシュトマトの酸味がアクセントと成る。
香りも味覚も複雑で面白い、ここだけのタルト。
【佐渡の海から】は、甘鲷を使用しているので、パンチのある脂とゼラチン質が「間違いない」一品だ。
花穂紫蘇も多くの人の目に訴求するあしらい。
一見すると順当な和食と思わされるが、トマトの使用方法がモダンである。
甘味と超クリアなキレがあり、日本人が好きなお米の香りが鼻に抜ける。
余韻は上品だ。
【妙高短角牛】には、蓮根やムラサキホウキタケを合わせている。
牛肉の表面をカリッと焼いて塩を利かせており、野菜出汁の旨味と頂く。
レンコンを皮付きでごろっとしたポーションで出すのが良い。
【ごちそうさん】はメインのお食事。
お米は南魚沼の米仙人・清さんのコシヒカリを使用。
このコシヒカリは粘度が高く、甘くもっちりとした食感が特徴である。
時間でお米の表情が変化するので、何回かに分けて味わうのがオススメだ。
【里山・さっぱり甘味】はハーブのアイスクリームで、レモンバーム、レモングラスなどを用い、ブラックベリー、マリーゴールドの花をあしらっている。
ブドウは甘味が強いデラウェア、大豆。
「里山十帖」さんは【朝ご飯】もまた美味しい。
味だけでなくボリュームも大満足だ。
多すぎる朝食は食後感の美しさに欠けるので、適量こそが美徳だろう。
冒頭で味噌汁を自分で作るのが楽しい。
香の物。
香の物も勿論自家製だ。
そして、納豆を醤油ではなく「切り菜」と言う刻んだ漬け物で頂くスタイルが琴線に触れた。
漬物の塩味、旨味、酸味で食べる非常に素晴らしい食べ方だ!
おかずについては、ワラサ焼き物、自家製蕗の薹味噌、三年熟成梅干し、野菜たっぷりの玉子焼きなどが楽しめる。
ご飯については、夜とは異なり柔らかめに炊かれている。
卵かけご飯用の「とっとこ卵」が秀逸な味わいで、黄身が実に甘い。
「里山十帖」さんの予約については、一休経由で可能です。
一休のポイントを貯めていない方は、公式サイト経由でも可能です。
店名:里山十帖(さとやまじゅうじょう)
予算の目安:1泊2食付き54,450円くらい
最寄駅:大沢駅から1,8km
TEL:025-783-6777
住所:新潟県南魚沼市大沢1209-6
営業時間:チェックイン15:00、チェックアウト翌10:00
定休日:無休
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