
こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。
さて、今回ご紹介する「鮨 重永」さんは、大阪で洗練された江戸前鮨をいただける穴場の優良店です。
クラシックな江戸前鮨の仕事を伝えつつ、モダンなタネを盛り込み、繊細な方向性の仕事で楽しませてくれます。


大阪で上品な味わいの鮨を求める方にオススメの一軒!
構成もメリハリがあり、間違いなく大阪でトップクラスの美味しさです。
大阪の有名店は予約困難店が多いので、グルメな方は覚えておいて損のない鮨店です。
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「鮨 重永」さんは2021年5月に北新地でオープンした鮨店です。
北新地らしいクラブが入っている雑居ビルに入っていますが、店内は上質な雰囲気です。
そして、空気は清浄!
場所柄「大丈夫かな?」と思う女性もいらっしゃるかもしれませんが、全く問題なく、実際に女性のお一人客もいらっしゃいました。
「鮨 重永」の大将である重永 大輔さんは鹿児島出身とのことで、九州の魚も使用される点がお店の魅力となっています。
しかも魚の活かし方が巧みで、香りを含めた魚の魅力を損なうこと無く熟成や薬味の取り合わせを行っておられ、繊細な配慮を感じさせます。
全く食べ疲れず、それでいて一つ一つが味わい深い酒肴と握りです。

また、盛り付けの美的センスが秀逸で、香りや味だけでなく見た目も考慮されている点が素晴らしいです。
大阪の鮨店はどうしても派手になる傾向がありますので、「鮨 重永」さんのように洗練を感じる鮨店こそ人気になって欲しい!と感じました。
味にしても見た目にしても、濃厚な方向ではなく上品な方向を求める方に強くオススメします。

そして、生命線のシャリについては、なかなかに個性的!
炊き加減はやや硬めに仕上げ、米粒の存在感が強く、ぱらっとほどけながら旨いシャリです。
噛み締めると旨味や米の甘味を感じさせ、タネによってお酢の酸味がふんわりと広がる良いバランスです。
硬さだけでなく、温度も良好。
お米は2年熟成させた笑みの絆で、お酢は飯尾醸造の3種類ブレンド。
赤酢の比率が抑えられていて、赤酢の旨味を活かすブレンド比だと感じます。
そして、関西らしく加糖も行い、きび糖を使用し、さらに昆布も用いているとのことで納得。
一貫目で感じる旨味には赤酢だけでなく、昆布のグルタミン酸も含まれていたようです。
「鮨 重永」さんの【おまかせコース】は26,400円。
お酒については女将さんのチョイスが素敵なので、おまかせでいただくのがオススメです。

控えめな香りで、後から生酒らしい香りが広がる。甘味は上品で、酸味が効いていて旨い。キレもある。夏の暑い日にピッタリな一杯目。

ツブ貝は北海道産で、天草の海そうめんが面白い取り合わせ。柔らかく、くにゅっとした食感で、もずくとは完全に別の口当たりや食感を持っている。ツブ貝は甘味が強く、良い歯ごたえと香りだ。清涼感があり、美味しい先付である。

明石産。煎り酒の香りと旨味がありつつ、切りつけによって鯛の香りと味をどんどん高めて満喫させる!これは魅力的な鯛の楽しませ方だ。

田光の雄町とは攻めている!女将さんの日本酒愛が伝わるチョイスだ。甘味の後にすぐさま旨味を伴う苦味が広がりキリリとしたフィニッシュ。

関西らしい一品だが、合わせるのが玉ねぎポン酢と個性的。いただくとふっくらした食感の火入れ。ゼラチン質と玉ねぎポン酢は相性良し。

実に良い景色だ。産地は天草。ほんのりと歯ごたえを残す火入れで、むっちりとした身から鮑の芳醇な香りが広がる。甲殻類のような香りも広がる。旨味は勿論のこと香りが良く、肝の使い方も衒いが無く好感が持てる。

海鰻は肉厚で、むっちむち!味わいだけでなく食感を楽しめる鰻の酒肴は魅力的だ。

噛み締めると脂が滲み出るが、過剰に前面に出さずアタックは軽い設計。ゼラチン質がたっぷり。

黄ニラを用い、地味になりがちな九絵の酒蒸しに華を添えている。そして、調理も良く、九絵の旨味と脂の甘味をしっかりと楽しめる。黄ニラの香りは緑のニラよりも柔らかくて良い。


甘味、酸味、旨味のあるガリ。飯尾醸造のお酢の味わいを感じる。

包丁を細かく格子状に入れて、口溶けが良い。シャリ温高めからスタート。鮪は八戸、延縄、167キロ。

時期的に淡い脂と旨味の小鰭をみちっと〆ているが、塩気の浸透は上品である点に細やかな調理的配慮を感じる。

脂がありつつ重くない。身と皮目で香りが異なる点が非常に面白い白身魚だ。

こちらは対象的に脂がノリノリで、巧みに脱水を行っているためペースト的にシャリと一体化する。香りが強く、あたかも焼き魚のような香ばしさを楽しめる黒鯥だ。一週間の熟成を掛けているそうで、仕事に技を感じる。

寝かせて身をしっとりさせつつ、皮目は軽くぱつりとした食感を楽しませる。気持ち良い食感の後に脂と香りが広がる。


漬け。酸味や香りよりもコク主体の赤身。こちらのみならず今夏は鮪の時期と味がズレている印象を多々抱いた。

柔らかくトロトロした低温調理の方向性。旨味だけでなく苦味もじんわりと広がる。

蛤の後にアオリイカとは意表を突く構成だ。しかし、蛤の甘味が重くないので、甘味で接続する。

蛤→アオリイカ→車海老と、甘味を後半に配置する。

産地は天草とのことで、本田屋さんから仕入れているそう。味わいは濃密ながら、爽やかな香りが印象に残る海胆。


塩で提供。しっとりした食感で、穴子の香りを楽しめて、味付けは軽やかな穴子。

潮汁がベースになっていることが明瞭で、ゼラチン質がたっぷりの味噌汁。まろやかな方向性の味噌汁だ。


鉄火巻と干瓢巻をともに提供するとは粋。醤油もコクもしっかりしていて、歯切れが良い干瓢。関西風の仕事ではない明確な意思を感じる干瓢だ。

見た目通りしっとりした食感で、同時にジューシィな玉子。

ナガノパープル。
「鮨 重永」さんについては、テーブルチェックでWEB予約が可能です。
店名:鮨 重永(すし しげなが)
シャリの特徴:飯尾醸造のお酢3種類を巧みにブレンドし、昆布の旨味を効かせつつ、タネとの調和を感じるシャリ。
予算の目安:おまかせコース 26,400円
最寄駅:北新地駅から160m
TEL:06-4797-7676
住所:大阪府大阪市北区曽根崎新地1-6-13 ニューセントラルビル 3F
営業時間:18:00~、20:30~ ※日曜日は18:00~のみ
定休日:不定休(月2回)、祝日
お店をご紹介いただいた和歌山の鮨店「義心」さん。
実力店との出会いに嬉しくなる、すしログ(
@sushilog01)でした。
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