こちらは東こちらは東京の日本料理店の中でも、特に若い方からの人気が高いお店です。
お店は青山はAOビルの後ろにあり、立地からしてお洒落。
外観はコンクリート打ちっ放しのビルで、内装もスタイリッシュです。
ご主人の望月英雄さんは2017年で38歳を迎える方で、34歳の頃にお店をオープンされました。
新宿の龍雲庵で修行の後、人形町で格式の高い玄冶店濱田家を経て、麻布十番の割烹喜作にて修業されたそう。
修行先のお店は何れもお伺いした事はありませんが、玄冶店濱田家は大正元年から続くそうなので、興味が湧きました。
頂いた感想としては、シンプルさの中に力強い味わいがあり、品数、食材の数は多くなくとも満足度を高めてくれる日本料理だと感じました。(ボリュームは結構あります)
茶懐石をベースに、モダン且つ東京らしい和食に仕上げておられる印象です。
玄人好みの「渋い日本料理」ではないので、若い方が日本料理の魅力を感じられる良店だと思います。
今回頂いた8,000円のコース
・先付:いくらの玉〆
・八寸
・椀がわり:鱧と松茸の土瓶蒸し
・お造り:カンパチ
・焼きもの:鰆の柚香焼き
・揚げもの:徳島産の海老芋、山科唐辛子
・お食事:ハラスご飯
・水菓子:黒胡麻アイス、シャインマスカット、カボチャの揚げ饅頭
・お薄
先付:いくらの玉〆
いくらをまぶした茶碗蒸し。
いくらは醤油漬けにし、軽く酢橘を絞っている。
この時期に嬉しい茶碗蒸し。
卵といくらの相性は言わずもがな。
八寸
銀杏、子持ち鮎の煮浸し、焼き栗、むかご、大黒シメジ、鶏の松風焼き、百合根のコロッケ、つるむらさきのお浸し。
百合根のコロッケは魅力的な味わいで、百合根の甘みとジャガイモの風味が一体化。
やや強めの塩気で纏め、衣は軽やかでサクサク。
オーソドックスな食材を用いつつ、秋を強く打ち出し、ほっこりする八寸であった。
鱧と松茸の土瓶蒸し
松茸は今年評価の高いブータン産。
薄切りにしてたっぷりと使用し、香りを楽しませる仕事。
2017年は全国各地で松茸の不作を聞いた。
気候に大きく左右されるキノコなので、モノが良ければ外国産でも構わない。
国産ブランド信仰は必ずしも真ならず。
こちらで頂いたブータン産は香りが良かったが、特に土の要素を強く感じさせる香り。
そして、旨味も予想以上にしっかりしていた。
塩気は穏やかで、鱧と松茸双方の旨味を主体に提示している。
松茸を頂くべく5,000円ではなく8,000円のコースにした次第だが、中々の満足度であった。
お造り
大分産のカンパチ。
脂がしっかりしているが、軽く寝かせる事で身に馴染んでいる。
酸味と強いカンパチの香りが楽しめる。
付け合せの酒盗入りの煮キリが合っている。
カンパチの雄々しい香りに酒盗の発酵の風味が相性良好。
あしらいは人参ではなくカボチャとの事で、洋風の洒落が利いている。
うさぎのカービングも可愛らしい。
鰆の柚香焼き
鰆は明石産。柚子の香りは優しく、焦げの風味がしっかり付けられている。
鰆単体に香りを付け満足度を高める。
お皿は唐津・天平窯の岡晋吾さんの作品との事。
揚げもの
徳島産の海老芋と山科唐辛子は揚げ、みぞれを添えて。
揚げものであるがみぞれで供されるためサッパリ。
海老芋の甘みと山科唐辛子のほろ苦さと香りが相性良し。
お食事:ハラスご飯
京味(と出身料理人たちのお店)の名物ご飯。
日本料理のお食事としてはパンチが強い方であり、こちらも鮭ハラスの脂がしっかりと滲んでいる。
ただ、お米の炊き加減が硬めで丁度良い為、脂がギットリしておらず、軽やかに頂ける。
脂が米粒に馴染んでいる印象。
そして、ネギがたっぷりなので飽きさせない。
皮はパリパリに焼いて供され、嬉しい限りである。
お替わりが止まらなかった(笑)
味噌汁は赤出汁で、味噌は発酵感のある熟成期間が長いものを使用。
しかし、味噌の塩気は強くないので、サッパリと頂ける。
水菓子
黒胡麻アイス、シャインマスカット、カボチャの揚げ饅頭。
黒胡麻アイスは黒胡麻の風味がしっかり。
カボチャの揚げ饅頭はカボチャの甘みが活き活きしており、カボチャはホクホク、皮はモチモチで美味しく仕上げている。
店名:日本料理 太月(にほんりょうり たげつ)
食べるべき料理:力強さを持つ東京らしい日本料理。
予算の目安:お昼5,000円、8,000円、夜15,000円~
最寄駅:表参道駅から400m
TEL:03-6450-5991
住所:東京都港区北青山3-13-1 北青山関根ビルB1F
営業時間:11:30~14:00、18:00~23:00
定休日:日曜、祝日
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