すしログ日本料理編 No. 22 旬席鈴江@東山(京都府)

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こちらは京都でミシュランの二ツ星を獲得している日本料理店です。

京都の中でも最高レヴェルの素材を出すお店として有名ですが、クオリティのみならず価格も最高レヴェルにあるところが最大のネック。

3万円~6万円の「時価」と勇気の要る価格帯です。

 

しかし、このお店が凄いのは、このような高価格帯にあって予約を取り辛い点。

京都のみならず日本全国の食通に愛されているお店と言えるでしょう。

この度、常連さんにお声掛け頂き、訪問する機会にあずかりました。

 

訪問して感じた魅力は三点。

  1. 前評判を聞いていても、驚嘆に値する素材のクオリティ、
  2. 切り付けが雄々しく、ボリュームもたっぷり、
  3. 力強い味付け(濃いわけではない)

凝った技法や変態的な創造性はあまりありませんが、上質な素材を重ねに重ねた、他のお店では中々出来ない御料理が最大の魅力です。

出てくる食材のほぼ全てが強い存在感を放っています。

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お店は平安神宮の鳥井が見える場所に立つ洋風な三階建ての建物でしたので、少し驚きました。

京都の日本料理店ぽくなく、内装も過剰にお金を掛けておりません。

それでいて、使用されている器が素晴らしく、尾形乾山の美術品クラスの皿が出てきた時は手が震えました(笑)

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頂いた御料理の中では【鳴門の蛤の椀】、同じく鳴門の【穴子の焼き霜造り】、【筍とグジの揚げ出し】が特に強く記憶に残る味わいでした。

 

先付

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ワラビには黒胡椒とオリーブオイルを使用しており、興味深い。

全体的に独創的な御料理が多いのか?と思うも、他は全体的に硬派であった。

タイラガイ、サヨリ、海老。

この辺りは鮨好きとしては、「ジャブ」的な内容。

 

お造り

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南淡路の海胆、赤貝、真鯛。

赤貝は最上級の閖上のものに比べると旨味が少々少なかったが、包丁によって歯切れを良くし、魅力をアップさせている。

海胆は松葉のような香りがかすかに混ざり、松山近くの海胆に似ていた。

鯛はとにかく肉厚な切り付けで、しかも山のように積んでありビックリ。

 

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鳴門の蛤を使用。

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1人当たり3個入っているのも日本料理店の椀としては凄いが、お客は7人だったので21個分の出汁が圧倒的だった。

蛤自体の旨味でトロッとしている。

昆布の塩梅も良好であった。

 

穴子の焼き霜造り

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炭火で皮目だけ炙り、身は生で頂く。

味付けは塩、山葵、酢橘。

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噛みしめると信じられないくらいの甘みが舌を魅了し、頂いた後も強い余韻に幻惑を覚えるかのよう。

非常に強い味わいの穴子なのに、脂と香りは驚くほどに上品。

瀬戸内の穴子はたくさん頂いてきたし、江戸前や対馬のものも食べ比べてきたが、こちらの鳴門の穴子は鮮烈な印象を与えてくれた。

 

虎河豚の白子

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超巨大で驚きました。

濃厚な甘みと香りで、しばし言葉を失うほど。

 

筍とグジの揚げ出し

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山城の筍と若狭の甘鯛。

筍の香りが素晴らしく、噛みしめた時の甘み、苦味、食感、香りに長けている。

出汁は鰹が強めだが、素材を殺していない。

筍、甘鯛ともに大きめのポーション。

 

甘鯛の土鍋ご飯

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炊き加減は抜群で、有無を言わさぬ美味しさ。

筍の風味とグジの旨味が渾然一体となっており、グジへの火入れも秀逸。

 

ももいちごを使用した苺大福

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前述の尾形乾山のお皿に載って登場。

市販品はガッカリすることも多々ある苺大福ですが、餅、苺、餡の調和が素晴らしく、心地良い〆となりました。

 

お酒は愛媛県の石鎚を。

 

この価格帯になってくると、庶民にとっては滅多に行けないお店となりますが、圧倒的な食材の迫力を体感出来る稀有なお店だと感じました。

東京だと「ひろ作」さんの素材に匹敵するのではないかと思います。

 

店名:旬席鈴江(しゅんせきすずえ)

予算の目安:30,000円~60,000円 →60,000円~ →100,000円~ →120,000円~

TEL:075-771-7777

住所:京都市左京区岡崎神宮道仁王門白川南入ル

最寄駅:東山駅から280m

営業時間:17:00~20:00

定休日:8月中旬、年末年始

 

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