松鮨ご出身の職人さんと聞いて、前々から伺いたかったお店。
高級住宅地・北山にあり、ホラースポットとして名高い「深泥池」の近くです。
お店の外観は小料理屋と言った感。
こちらは屋号に「すし」を掲げておらず、酒肴をメインで楽しみ、〆に握りを頂くのが良いとのこと。
確かに、店内にはネタケースもつけ台も見当たりません。
何よりも、メニューを眺めると、種種多様な酒肴が躍っており、鮨種が見当たりません。
(後になって分かりましたが、握りのメニューは別にあります)
よって、先ずは【若竹煮】をオーダー。
京の春を楽しませてくれる料理で、多めの木ノ芽も嬉しい。
西には珍しく強めの味付けですが、酒肴にはぴったりです。
そして、次は【甘鯛汐焼】、【鴨まんじゅう】と頼みます。
甘鯛(ぐじ)は骨と皮を使って、最後にお吸い物にしてくれるのが嬉しいです。
鯛はひとしおしているので旨味が凝縮されております。
【鴨まんじゅう】は祇園の古い仕事の一つ。
叩いた鴨肉に百合根、男爵を加えて饅頭にした上で揚げ、頂く直前に蒸したもの。
甘い醤油ベースの餡が美味しく、実に香ばしい鴨まんじゅうです。
握りの前に【鶉の焼き物】を頂く事にします。
こちらの鶉はパンチのあるタレで照り焼きにしたもの。
野趣溢れる鶉を美味しく頂けます。
握りについては、4貫頼みました。
白身、光物、煮ものから、【甘鯛】、【鱚】、【鯖昆布】、【穴子】を選択。
【鯖昆布】は通常一本での提供ですが、他のお客さんが頼まれたため、幸運にも一人分を頂く事が出来ました。
頂いてみると、確かにシャリが街場寿司のそれで、握りとしては弱い。
米粒が密着しており、温度が低い為、タネとの一体感が低い次第です。
但し、【甘鯛】の旨味の引き出し方には特筆すべきところがあり、【鯖昆布】は必食とも言うべき熟成された味わいでした。
たっぷり食べて、お酒を結構飲んで、お会計は11,000円ほど。
(お酒:エビス小瓶、酔鯨生原酒しぼりたて、八海山純吟、金亀純米)
総合的に考えるとコストパフォーマンスは高いお店です。
可能であるならば複数人で訪れた方が楽しさがアップするかと思います。
店名:もり川(もりかわ)
予算の目安:7,000円〜12,000円
最寄り駅:市営北山駅から562m
TEL: 075-712-1297
住所: 京都府京都市北区上賀茂池端町23-2
営業時間:17:00〜22:00
定休日:水曜
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