珍しい「薬膳イタリアン」で新境地を拓く!京都の個性派「LUDENS(ルーデンス)」

ルーデンス看板

こんにちは、新たな表現を模索する料理人に出会うと興奮する、すしログ(@sushilog01)です。

さて、今回ご紹介する京都の「LUDENS(ルーデンス)」さんは、他に無い魅力を持つレストランです。

イタリアンに薬膳の要素を採り入れて、新境地を拓かれています。

さらに、京都と滋賀の食材を駆使して、「土地の味」を感じさせてくれます

京都で個性的かつ美味しい料理を求める方に、強くオススメする一軒です!

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京都「LUDENS(ルーデンス)」の魅力とは?

京都「LUDENS(ルーデンス)」さんは、「イタリアンに薬膳の要素を加えている」点も確かに面白いのですが、一つ一つの御料理が完全にオリジナルである点が最大の魅力だと感じました。

しかも、オリジナルでありながら味が決まっていて、ボンヤリとした料理やゴチャゴチャした料理がありません。

こう書くと当たり前のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、人気店でも「シェフのやりたい事」と味覚のレベルが不一致なお店は多々あります。

こちらの御料理は、シェフの田淵 章仁さんの今までのキャリアや生き方が表れているように感じました。

後になって知りましたが、田淵シェフはイタリア、ドイツ、フランス料理店とジャンルレスでキャリを積んだそうです。

 

また、田淵シェフは滋賀県草津市のご出身です。

それ故に滋賀県の食材を多用されている点も魅力です。

使用する食材は確かなクオリティで、滋賀県、京都府の食材と、各地の食材を合わせておられ、産地の面でも独自性があります。

「ただ良いものを集めた」のではなく、シェフが食材と向き合っておられるのが分かる構成です。

 

そして、薬膳や発酵のエッセンスを用いつつ、極めて自然に馴染ませるコース設計も魅力です。

どうしても「薬膳」と聞くと力強い味わいや香りをイメージする人が多いものですが、本質はそうではなく、シェフは上品に表現されていて、本質を知る方なのだと実感します。

 

薬膳を採り入れるだけあり、アレルギー対応もバッチリされているそうです。

さらに、お話を伺って驚いたのが、血糖値の上昇にも気を遣っておられるところ。

通常のレストランでは330mg/dLくらいまで上がるところ、こちらは133mg/dL程度との事なので、驚異的です。

 

ちなみに、お米については、滋賀県高島市の「針江のんきぃふぁーむ」さんのものを使用されています。

こちらは完全な有機栽培を行っておられるそうで、気になりました。

「LUDENS(ルーデンス)」のコースの詳細

「LUDENS(ルーデンス)」さんのコースについては、ランチのコース8品8,800 円(税サ込)から、ディナーの伊勢海老のコース12品・23,000 円(税サ込)まで、幅広いラインナップを用意されています。

また、お肉抜き、お魚抜き、ラクトースフリー、グルテンフリーや、ベジタリアン対応など、稀に見る程きめ細かい対応をされています。

 

この度頂いたコース

身体が喜ぶ素材を活かしたイタリア料理ベースのコース(8品)

  • LUDENSの養生スープ
  • WABARA Cube
  • 深浦サーモン、ホタルイカ
  • 大原野菜
  • 筍、新じゃがいも
  • 米粉パン、自家製唐墨
  • ヒラスズキ
  • 九絵、黒鯥、薬膳スープ
  • 仔羊
  • 筍のリゾット
  • アラビアータ
  • Dolce Primavera
  • Piccola Pasticceria
  • LUDENS tisana(薬膳ハーブティー)

「8品」ではなく、嬉しい驚きです(笑)

また、ドリンクについては、かなり面白いペアリングのご提案を頂けますので、伺いながら頼むのがオススメです。

Peri Rosé Millesimato

Roero Arneis 2020

Mauro Molino Leradici 2020

  • Peri Rosé Millesimato
  • Roero Arneis 2020
  • Bodegas Baron MICAELA OLOROSO
  • Mauro Molino Leradici 2020

LUDENSの養生スープ

LUDENSの養生スープ

ベースの養生スープは、地鶏、ポルチーニ、蛤、薬膳スパイスで作られている。

LUDENSの養生スープ02

一口目から鶏の旨味とゼラチン質がたっぷりと舌を喜ばせ、香りも実に良い。

器が香りを取れる形状である点にセンスを感じる。

具は、蛤、春キャベツ、菜の花。

スープの香りがスモーキーな印象なので、キャベツの甘味が活きる。

具の蛤は調理直前に届いたもので、大ぶりで旨い!

中心はとろりと柔らかく、良い火入れだ。

WABARA Cube

WABARA Cube

滋賀県守山市の「WABARAファーム」さんのバラを用いたパート・ド・フリュイで、中にはゴルゴンゾーラ。

甘味、香り、ゴルゴンゾーラのコク…独特のバランスの御料理で、一品目からのコントラストが面白い!

ロゼワインとの相性も抜群だ。

「WABARAファーム」さんは「プリンセスマサコ」を作った人との事で、当日のバラは「ユカリ」と言う品種だそうだ。

深浦サーモン、ホタルイカ

深浦サーモン、ホタルイカ

合わせているのは、白バイ貝と岩魚の卵!

さくらチップで瞬間燻製を掛けて提供。

ソースは浅葱のジェノベーゼだろうか。

岩魚の卵も良い相性で、アクセントになり、他の魚介を殺さない。

個々の味わいをピュアに楽しめる味付けのバランスだ。

キャビアオリーブオイルではなく岩魚の卵であるのがシェフのセンスの表れだろう。

スモーキーフレイバーもあくまでも上品。

大原野菜

大原野菜

豆腐と麹のソース、岩手県産ヤマブドウのソース。

香りが良く、食感が豊かな野菜たち。

ソースの味覚の連結も良い。

ネギは火入れしてから冷やしているため、とろんととろけ、甘い。

走りの山菜も使用しているようで、ホロ苦さもある点が嬉しい。

底に緑色の固形の物体があり、何だ??と驚いたところ、ほうれん草の水羊羹風と聞いて更にビックリした。

筍、新じゃがいも

筍、新じゃがいも

朝採れたての筍を使用!

新じゃがいもとポルチーニを合わせたスフォルマート。

筍の香り、甘味、ホロ苦さが実に良い。

新じゃがの味わいと好対照で、合う。

塩気がごく穏やかなので甘味が分かる点も魅力だ。

米粉パン、自家製唐墨

米粉パン自家製唐墨

表面はサクサク、カリッとしていて、中はとろっとした米粉パン。

そのテクスチャー故に唐墨と調和する。

しっとりした唐墨が米粉パンに馴染み、小麦粉のパンだとこうはならないだろう。

ヒラスズキ

ヒラスズキ

姫セロリの発酵ペーストを使用。

ヒラスズキは腹身と肩ロースに分けている、との談。

部位の呼び方が「シェフ」だ。

濃密な卵黄のコクと姫セロリ、他で出会えない味覚の一体感が面白い!

九絵、黒鯥、薬膳スープ

九絵

九絵は五島産で、20キロ。

ヒラタケ入の薬膳スープにオリーブオイルを加えて、スペイン風に表現。

旨味が非常に強く、ゼラチン質もたっぷりと滲んでいる。

旨味が強いので、ここに来て塩気を強める味覚の構成も魅力的に感じる。

そして、魚自体が美味しい事が素晴らしい。

 

御料理に合わせてお酒をお願いしたところ、なんとシェリーの燗!

Bodegas Baron MICAELA OLOROSO

しかも相性が抜群。

お酒のスパイシーな方向性と渋みと酸味が絶妙に合う。

そして、温度帯も御料理に合う!

これは日本酒ペアリングの発想だ!と、酒ディプロマ的に興奮した(笑)

本日のお肉料理:仔羊

デフォルトの仔羊以外に、木下牧場の近江牛【喜和味】のヒレに+2,200円で変更可能。

ただ、羊好きとしてはデフォルトの仔羊を頂いた。

仔羊01

メインをたっぷり頂けるのは嬉しい!

仔羊02

手前から左のソースはパプリカを用いたバニェット・ロッソ、奥のお肉に少し隠れているのが安土豊浦といらねぎのソース、お肉の下に少量の赤ワインのソース。

これは…やたら美味しい。

そして、イタリアの伝統ソースとシェフの故郷である滋賀県産の野菜ソースを合わせているところも素敵なセンスだ。

筍のリゾット

筍のパスタ01

鶏のブロードと筍の煮汁を合わせたシンプルなリゾット!

筍のパスタ02

筍の風味と香りがお米に馴染み、「筍の魅力の集合体」と言えるような味わいだ。

朝採れ故に満喫出来る究極の味。

チーズを用いてもあくまでも筍の味を楽しませる調理が嬉しい。

尚、筍の産地は「桂の山奥の方」との事なので、有名な物集女でも塚原でもなく、更に奥の方だと予想される。

アラビアータ

アラビアータ

生トマトから作るスペイン風のアラビアータで、新タマネギ、ひらたけ、テナガエビを使用。

パスタは滋賀県長浜の小麦粉とイタリアの小麦粉をブレンドして、薬用炭を混ぜたパスタフレスカ。

もっちり感が強くてパスタ自体が美味しく、トマトの甘味とコク、テナガエビの旨味がバッチリ効いている。

Dolce Primavera

Dolce Primavera

桜の時期の京都らしい、花見を意識した見た目のみならず、日本酒を用いて元来の花見の意味を込めたドルチェ。

季節感とメッセージ性があるドルチェは嬉しくなる。

Piccola Pasticceria

Piccola Pasticceria

文旦のマカロン、イチゴと黒ゴマのテリーヌ。

Piccola Pasticceria02

黒ゴマはイチゴらしい見た目だけでなく、味覚としても合っている。

LUDENS tisana(薬膳ハーブティー)

薬膳ハーブティー

最後に安らぐお店らしい香りと味わいの薬膳ティー。

「LUDENS(ルーデンス)」の立地と雰囲気

「LUDENS(ルーデンス)」さんは御所の手前にあり、落ち着いた良い場所です。

ルーデンス外観

町家を改修した建物なので趣があり、和建築の要素が残っていますが、内観やカウンターは洋風です。

奥には中庭が見える個室もあり、どちらもそれぞれ魅力的な雰囲気です。

ルーデンス内観

「LUDENS(ルーデンス)」のお店情報と予約方法

「LUDENS(ルーデンス)」さんは、公式サイトからWEB予約が可能です。

 

LUDENS(ルーデンス)(食べログのリンク)

店名:LUDENS(ルーデンス)

予算の目安:ランチ8,800円~、ディナー12,800円~

住所:京都府京都市中京区間之町通二条上ル夷町560-8

最寄駅:丸太町駅から300m

TEL:075-231-5606

営業時間:12:00~15:00(最終入店13:00)、18:00~22:30(最終入店20:00)

定休日:不定休

※完全予約制です

 

ご当地食材を用いるイタリアンも大好きな、すしログ(@sushilog01)でした。

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