
こんにちは、日本酒ペアリング研究家の、すしログ(@sushilog01)です。
この度、創作和食と日本酒の魅力的なペアリングを楽しめる素敵なレストランに出会いました。
お店の名は「めでたし sake restaurant」。
こちらは他にない魅力を持つ素敵な日本酒ペアリングのレストランです。

日本酒が好きな方ならば、ほぼ確実に魅了されると思います!
日本酒ペアリングに真面目に向き合っている貴重なお店で、しかも精度が抜群ですので。

なんと僕の日本酒アカウントを見てくださっているそうで、嬉しく思いました。
皆さま、【飲む干物】は必食(必飲?)です!!

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「めでたし sake restaurant」の魅力は日本酒ペアリングの楽しさにありますが、シェフのお料理も独自性が高く、しかも創作和食に寄せながら嫌味が無いので非常に魅力的です。
日本酒ペアリングを志向するお店には、ペアリングが良くてもお料理の方が貧弱であるケースもあるので、両立されている点は非常に強い武器であり魅力です。

他に感じた魅力としては、以下のとおりです。
- 季節のみならず景色をイメージさせる素敵な調理
- 全国から選びぬかれた食材
- 調味料へのこだわり
食材の取り合わせと盛り付け、ストーリーテリングが素晴らしいので、頂いていてワクワクし続けます。
そして、食材のクオリティも高く、一般的な「高級店」とは異なる方向性で食材の魅力を伝えてくれます。

さらに、シェフは調味料も徹底されていて、醤油は6種類を使い分けています。
この点に関してはヘタな高級店を凌駕する試みです。
昔、湯島にあった高級日本料理店でご主人に使用している醤油を伺ったところ、「醤油の味なんて大して変わらない」との談で、大手醤油メーカーの一般的な醤油を使用されていて驚いたことがあります。
僕は料理において調味料は要だと信じています。
お店が提供されているコースは、【ペアリングコース<めでたし>9品】21,000円と【ペアリングコース<カジュアル>7品】15,000円の2種類が基本です。
ただ、【お食事のみコース<めでたし>9品】17,000円やノンアルコールペアリングも提供されているので、幅広いニーズに応えられているようです。
この度頂いたコースの名前は「春隣」。

春夏秋冬、前後半で切り替えているそうです。

上記の食材にメレンゲと大根の柔らかい大根餅も加えており、構成要素が多い1品目。大根の香りと甘味に蟹の甘味と香りが加わり滋味深くまろやか。蟹はたっぷりで塩気も程良い。底面の薄い大根で巻いて食べると食感が増えて面白い仕掛け。平目は低温調理50℃で20分。故に一体感が高いお料理だ!

香りは非常に穏やかで、旨味を綺麗に活かす純米大吟醸だ。寄り添いながらフィニッシュの上品な苦味と酸味でお料理の甘味を切り、持続させるペアリング。温度も低すぎず良い(ここに気を使うお店は少ない)。

ソースはちぢみほうれん草で、味噌入りの模様。甘味は麦麹由来。里芋も入っていてとろりと甘い。ソースの味噌は白味噌との事であるが、白味噌感は弱く、調整されているのが魅力!米油も使用されているそうだ。

東光with greenについては、お料理とお酒は「緑色」を合わせているそうでユニーク。甘味と香ばしさが同調する。味噌の塩味と酒の甘味が相補的に合う。日本酒らしい甘味を活かしつつ重たくさせず、上品に楽しませるペアリング。

春の山をイメージされているそう。「みかん猪」を純米酒で煮込んだリエット仕立てと猪の好物である蕗の薹を合わせるストーリー性も楽しい。蕗の薹の香りと苦味を前面に出し、猪のコクで余韻が長い。見た目だけでなく、味わいからも山の景色を想像させるお料理だ。なお、使用する塩はオーストラリアのデボラ湖の塩で、ミネラル感があり塩味のアタックが軽い。

にいだしぜんしゅ樽酒は数ヶ月熟成させたもの。お料理の木の雰囲気に樽酒の木のニュアンスを合わせる。猪のコクと蕗の薹の苦味に酒のコクと樽香が合う。お酒の旨味と苦味が強く、酸味が良い相性。単体で味わいが強いので、強い香りの料理に合う模様。お料理単体でもしっかり美味しいところ、さらにお酒で完成させるのは面白い。

鯵の干物のスープとはユニークだが、これは傑作である。鯵の干物を紛れもなく感じる!!!香りと旨味が強烈で、それでいて上品。しかも、まさかのカンパーニュとも抜群に合う。にんにく、バター、日本酒、ラム酒で非常にバランス良く調理されていて驚いた。

合わせる神雷は低アルコールの先駆けだそうだ。低アルでも旨味がしっかりで、酸味もある。尖ったところがなく、まろやかで美味しいお酒だ。これは優しくまろやかなペアリング!非常に汎用性が高い生酛のお酒で、決して重くなくお料理に合う。

焦がしバターソース、菜の花。ハタの力強い旨味に葱の甘味とシャキシャキした食感、さらに菜の花のホロ苦さがアクセントとなり美味しい。野菜で緩急付けるのは良い試みだ。菜の花の葉部分は焼いて海苔的な香ばしさを演出している。

剣菱瑞祥は5年以上熟成したもので、熟成酒が調味料的に合いながらフィニッシュは味わいを切る方向性。バターと合わせても負けない、ダレないのが大切。

鹿は広島県・安芸高田の鹿!酒粕にオーツミルクとマカダミアナッツを加えた乳製品不使用のソースで、削ったマカダミアナッツで雪を表現。鹿肉はしっとりしていて臭みが無く、実に旨い。香りも良い。酒粕のソースが粕汁っぽくなく上品に甘味と旨味を添える。また、マカダミアナッツの香りが魅力的なアクセントとなる。

天の戸純米大吟醸は、お米の味を楽しめて綺麗な方向性。うっすらとリンゴの香りがありつつ上品。甘味を残しながら苦味がじんわりと広がるので気品がある。

チーズはノルウェーの「イエトオスト(山羊チーズ)」ことスキクイーン。あたかもキャラメルを思わせる濃密なテクスチャーと香り、甘味のチーズだ。合わせる日本酒は何か?と否応なしに気になる。

登場したのは天の戸 貴樽で、これは美山錦を生酛で仕込んだ純米大吟醸をベースに造った貴醸酒を、オーク樽で1年ほど熟成させたリッチなお酒。貴醸酒なので甘味が強いが、同時に酸味もあり、甘酸っぱさがスキクイーンに抜群に合う。さらに、香りについても、メイラード反応に伴う香ばしさとチーズのキャラメル感がピッタリだ。甘酸っぱくも重厚感があり、波状的に味わいが広がるフィニッシュなのでチーズの存在感に決して負けない。

長野の高山さんの亀の尾で、浅蜊出汁に梶田醤油を使用!

お米は粒立ちが良く、もっちりしている。焦げ感はかなり抑え目で上品。焼きおにぎりの出汁茶漬けは実に魅力的。サラッと軽やかな食後感が好印象で、日本酒ペアリングレストランらしい亀の尾を使用している点も好感が持てる。美味しい〆であった。

イチゴの香りたっぷり。シャーベット状なので重くない食後感が素晴らしい。

お店は池尻大橋駅から徒歩5分ほどの新し目のビルに入っていて、店内からは高速道路が見えて非常に都会的です。
お店のレイアウトもスタイリッシュなので、記念日やデートにも使えます。
また、店内入口にはショップが有り、日本酒も調味料も購入可能なので、料理好き・家飲み好きならばテンションが上がるでしょう。
僕も食後に見させて頂き、幾つか購入しました。
「めでたし sake restaurant」さんは、下記の食べログのリンクからWEB予約が可能です。
めでたし sake restaurant(食べログのリンク)
店名:めでたし
予算の目安:【ペアリングコース<めでたし>9品】21,000円など
TEL:非公開
住所:東京都目黒区大橋2-16-26 CRIMSON ONE 5F
最寄駅:池尻大橋駅から400m
営業時間:18:00~20:00(までの入店)
定休日:月曜
直近で訪問して感銘を覚えたペアリングレストラン(こちらはワインペアリング)

日本酒ペアリングの奥深さとポテンシャルを実感する、すしログ(@sushilog01)でした。
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