函館は鮨店が多いものの、殊のほか情報が少ない。
その中でも、こちらのお店は函館で40年超の歴史を誇る、老舗のお鮨屋さんです。
札幌の「酒房しんせん」の親方にオススメ頂きました。
時間の都合上、夜は伺うチャンスが無かったため、今回はお昼に訪問しました。
結果、人気に間違いの無い秀逸な鮨で、全国的に見ても印象に残ったお店です。
→印象が変わった再訪の記事もございます。
タネは地物のオンパレード。
仕事はかなりシッカリと施しておりますが、上品かつ繊細。
タネの個性を活かす、素晴らしい仕事です。
地物のタネを使って江戸前の仕事が施された鮨、それこそ地方で頂く鮨の醍醐味です。
それでいて、シャリは中々に尖っております。
酢は強め、塩もやや強めで、比較的硬めの仕上げ。
ほどけ具合も良かったです。
写真は一貫目の鮃のエンガワ、さらりとした脂の質で、上品な旨味を楽しむ。
鮪
大間の対岸に当たる戸井の鮪。
鮪の手当てに気を遣う事で有名なだけに、美しい色合いです。
スルメイカ
蝦夷を感じさせる山わさび(ホースラディッシュ)と合わせて頂く。
包丁の入れ方が絶妙で、歯切れの気持ち良さと、ねっとりとした食感をともに味わえます。
帆立(ホタテ) 前掲
ボタン海老
旨味も香りも良い。余韻上々、たなびきます。
北寄貝
鮮度が良く、酢橘と塩で爽やかに。
秋刀魚
申し分の無い香りと脂の乗り具合。
とろりと滲み出る旨味を感じているうちに、緩やかにほどけてゆきます。
ずわい蟹
身もさる事ながら、蟹味噌が旨い。
玉子
いくら
食感が良く、ねっとりと味わい深い。
醤油を結構効かせておりますが、いくらの旨味が圧倒します。
海胆
非の打ち所の無い美味しさ。
塩水海胆なのに凛々しい出で立ちです。
鱒之介(マスノスケ) 追加
漁獲量の少ない道産キングサーモンを、更に厳選して仕入れておられるそう。
非常に肉厚な切り付けながら、柔らかく、甘美な口当たりです。
上質な脂も美味。
鰊 追加
臭みやクセは皆無で、良い〆加減。さっぱりと頂きました。
北海道の鮨店はタネのクオリティだけでなく、技術の面でも全国的にハイレヴェルだと感じます。
とりわけ、こちらのお店は札幌や小樽の名店の比べても、非常に印象深い。
機会を作って、是非とも夜に再訪したいお店です。
天候不良のため、函館の夜景を見ることも出来ませんでしたので…
店名:梅乃寿司(うめのずし)
シャリの特徴:酢は強め、塩もやや強めで、比較的硬めという、地方では結構尖ったタイプ。→塩気は穏やかに
予算の目安:おきまり梅2,000円、おまかせ10貫4,000円
最寄駅:柏木町駅から260m
TEL:0138-55-3133
住所:北海道函館市柏木町1-19
営業時間:12:00~14:00、17:00~22:00
定休日:日曜
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