こちらのお店は、札幌に行く度に高確率でお伺いしております。
何が魅力かと言うと、種々多様な北海道産素材を楽しめるところなのですが、それもただの北海道産素材ではなく、
ご主人が自ら生産者のもとに足を運び厳選した素材である点です。
ご主人・越後さんは北海道の素材・産地に精通されており、例えば帆立なら、「今の時期ならば、サロマ湖産が一番美味いよ」などと把握されている。
しんせんは、北海道の食材を余すところなく楽しめ、各人が行った時が旬なのです。
調理は丁寧で細やかながらに、どことなく家庭的なもの。
調理自体に華美や贅沢、あるいは洗練等はありませんが、心がこもった調理だと思います。
頂く素材たちがご主人に出会えて良かったなあと思わされる。
カウンターで頂けば、これぞ北海道が生んだ板前割烹料理なのではないかと感じる。
料理の中でも特に野菜の引き立て方は素晴らしく、濃い味のソースと合わせ創作的な仕事を施しつつも、
野菜の本来の旨味を殺さずに満喫させてくれます。
例えば、初夏。
わらびと合わせるのは、蝦蛄と鮟肝のソース。
実に個性的な組み合わせです。
それにも関わらず、なんとわらびの存在感が上を行きます。
わらびの食感と風味がもの凄いために。
食べた瞬間の食感、香り立つ風味、噛むごとに高まるとろみに衝撃を覚えました。
聞くところによると、食感を活かすために茹でることはせず、湯を掛けて火入れされるとのことで、30分間、60℃から徐々に温度を下げられるそうです。
更には、アスパラ。
茹でたアスパラに鮑とずわい蟹を添えて提供。
ソースもまたアスパラ。
個性の強い添えものを相手に、アスパラが明確な存在感を示しており感動しました。
また、こちらで頂く焼き魚も絶品です。
焼き方もさる事ながら、素材の鮮度に圧倒されます。
~初夏~
「ちっぷ」と呼ばれる姫鱒(支笏湖産)を頂きました。
遠目で見ても明らかに違う魚の肌ツヤに驚いたものです。
~秋~
こちらで頂いた秋刀魚は現状、人生で一番美味しいと感じた逸品です(今も同様)。
とにかく肉厚で、旨味よし、香りよし。
舌に絡まる脂の旨味と、鼻をくすぐる秋刀魚の香気に、ただただ没頭しました。
そして、ご主人が自ら山に入って採った初物の松茸は、土瓶蒸しで頂きました。
心から温まり、満たされる一品。
さらに、その後にシメジを出されるというユーモアも最高でした。
“香り松茸、味シメジ”(笑)
実際に天然物の道産シメジは素晴らしい香りと味わい、食感でした。
こちらは6,000円から1,000円刻みで組み立ててくれるのですが、個人的には10,000円のオーダーがオススメです。
仕入れが限られている素材を楽しませてくれるお店ですので、支払うお値段で内容が明らかに変わってまいります。
雰囲気も家庭的なので、一人であっても楽しめます。
是非ともカウンター席を押さえて訪問されてください!
一例として、9月に頂いた料理のリスト。
【先付け】
【蝦夷鹿の串焼き】
【名残の礼文島産海胆】
【厚岸産ミンク鯨刺身】
【松茸、海老団子、海老、鱈の土瓶蒸し】
【興部産天然物シメジの煮浸し】
【日高産ピーマンとツブ貝の利休和え】
【ソイ、ボタン海老、鮪(南茅部産)、数の子のお造り】
【秋刀魚の焼き物】
【天然舞茸のうどん】
【網走産メロン】
店名:酒房しんせん
予算の目安:8,000円~15,000円
最寄駅:豊水すすきの駅から200m
TEL:011-512-3721
住所:北海道札幌市中央区南六条西3丁目
営業時間:17:30~23:00
定休日:日曜、祝日
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