初回訪問から約1ヶ月後に再訪しました。
再訪した感想、印象は前回と変わらず高レヴェル!
握りのみで構成し、個性的であるにもかかわらず感動が色褪せないと言うのは素晴らしい限りです。
毎回異なるタネの流れ=ストーリーという点も、魅力を高める装置かと思います。
概要と所見は前回の投稿↑をご参照頂くとして、今回頂いたものを下記に詳述致します。
頂いたお酒
うきうき山本・純吟うすにごり、十八盛・朝日純米大吟醸 、太平山・津月純吟中取り
頂いた握り
鮃
甘みと香りがあり、プリプリ。
前回の投稿の後、こちらは「熟成のお店」として認識されている方が多いと知りましたが、熟成はテクニックの一つとして捉えておられる事が分かる名刺代わりの一貫目かと。
墨烏賊
パツッとした墨烏賊らしい食感の奥にトロトロ感と強い甘みがある。
これは熟成を施しており、5日ばかりとの事。
椎茸
前回よりも香りを強く感じたのは温度と火入れの精度向上ゆえか。
ノドグロ(アカムツ)
こちらはシャリの温度を下げて合わせる。
トロリとほどけ、甘みが強く、脂は赤ムツとしては抑え目。
熟成期間は2日との事なので、長めの寝かせと言った程度。
個人的にはシャリ温はもう少し高めでも良いかな。
鰤
今季最後の鰤かな。
4日弱の熟成で、香りは弱くなっているが、脂のテイストは鰤ならでは。
白魚
ホロッとほどける食感は蒸しによるもの。
鰤の後に苦味が良い感じに引き締めるが、個人的には酢で洗うか、薬味を噛ませても良いように感じる。
親方は「引き算派」なので、されないだろうが…
トリ貝
軽く湯通ししてぬめりを取りつつ、限り無く生に近い食感。
香りが実に良く、旨い。
海老
敢えて茹で置きにしているとの事で、独特の仕事を施す。
塩強めの酒煮で「パスタを茹でるかのように」火を通しているそう。
甘みと香りを凝縮させている。
甘鯛
甘みが強烈で、ねっとりみっちりした繊維が舌に絡まる。
余韻も強く、奥歯に強く残る。
また、熟成を掛けていながら甘鯛の香りを活かしている点が良い。
針魚
シャクシャクッと良い食感。酢〆。
ちなみに、〆の仕事について伺ったところ、親方は〆に昆布を用いないとの事。
特に白身魚には決して用いたくないとの事で、個人的に好印象である。
勿論、昆布で巧く〆る職人さんもいるが、白身魚に昆布を合わせると香りが付着する点はネックだと思う。
(また、昆布〆は日本料理にしても強すぎるケースの方が多い印象である)
春子
出水産の神経〆。
脂が非常に乗っている。
前回も感銘を覚えたタネだが、やはり美味。
小鰭
熊本産。やはり秀逸且つ個性的な〆加減。
当初、滑らかな皮の食感を感じるが、旨いので噛み締めていると、自然に消え去っている。
皮の食感を感じさせつつ、このように変化させる〆加減は素晴らしい。
真梶木
10日熟成。脂の甘みが満ちているが、背の辺りの部位との事。
ハラモを用いる事が多い真梶木だが、熟成の仕事に合わせて選択されているのだろう。
奏功している。
鮟肝
トリッキーな握りで、見た目は不格好だが、ストレートに美味い。
見た時は不安を覚える海苔の存在も、頂いてみると不可欠と感じられる。
鮟肝には酒、味醂、三温糖を用いており、あたかもソースのような食感。
香りも抜群!
玉子
前回頂けなかった玉子だが、これは秀逸でオリジナリティが高い。
帆立、北寄貝、蛤をミキサーに掛けているそう。
ある種甲殻類のような香りを感じられ、口溶けはしっとり、じゅわり。
今回は僕よりも若い方と一緒だったので、追加を5貫。合計20貫です(笑)
こちらで面白いのが、追加の際には親方にタネではなく貫数をお伝えするところ。
追加であっても、一連の流れを考えて供されたい意向である。
甘エビ
これも前回と同様に感銘を覚える旨さ。
北寄貝
黒胡椒を強めに利かせ、北寄貝の甘みと合わせる。
海胆手巻き
収斂味が少し気になったが、海苔を巧く活かしており、美味。
鮪大トロ
10日熟成したものを漬けに。
トロロンととろけ脂が炸裂する。
太巻き
なんと、車海老、穴子、干瓢、玉子と、全て甘みのあるタネを使用!
異なる甘みが秀逸なバランスで調和しており、シャリの塩気と酸味が纏めている。
定点観測が楽しみになる、ポテンシャルの高いお店です。
店名:鮨處(すしどころ)やまだ
シャリの特徴:赤酢2種類をブレンドし、砂糖を用いつつ、多くのタネと調和する硬めのシャリ。
予算の目安:10,000円~ →15,000円~
最寄駅:新橋駅から350m、内幸町駅から450m
TEL:03-3572-7534
住所:東京都中央区銀座7-2-14 第26ポールスタービル3F
営業時間:18:00~21:30
定休日:日曜、祝日
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