こんにちは、18歳の頃からレシピ本に100万円以上使っている、すしログ(@sushilog01)です。
今回ご紹介するのは、ベテラン中華料理人でもビックリする中華料理本の傑作です!
日本で中華料理と言えば「サッパリ味の広東料理」と「辛口の四川料理」が圧倒的な人気を誇っており、レシピ本についても多くが広東、四川にページを割いている気がします。
そのような硬直した世の中に繰り出された怪著…否、名著が今回の『ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華』となります。
対象エリアは、雲南省、湖南省、貴州省、広西チワン族自治区、新疆ウイグル自治区など。
…ベテラン中華料理人のみならず中国人もビックリでしょう(笑)
タップできる目次
『ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華』の魅力ポイント
【魅力ポイント】
- 類書なし!=ほぼ全てのレシピが他の本に載っていない
- 味わいが本当に本格的
- それでいて日本人に響くようアレンジされたセンス
- 眺めているだけで香り立つような写真たち
【この本がピッタリな方】
- 中国料理好き
- タイやベトナムなどのエスニック料理好き
- 発酵料理好き、ハーブ・スパイス好き
- 自分の料理に新たな風を吹かせたい方
『ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華』のご紹介
まず、執筆陣のシェフたちが凄いです。
即ち、「蓮香」の小山内耕也(おさない こうや)氏、「茶馬燕」の中村秀行(なかむら ひでゆき)氏、「南方中華料理 南三」の水岡孝和(みずおか たかかず)氏。
食べ歩き好きならば「おお!」と唸るシェフたちの共作です。
他店に決して無い魅力を持っている名店ぞろいなので、そのスペシャリテを含むレシピを知れるなんて、本当に凄いことだと思います。
かく言う僕は刊行前に予約購入したのですが、出版記念パーティーでコースメニューのコーディネーターとして参加させて頂きました。
そして、このイベントのチケットは2時間半で70席が完売するほどの人気を示しました。
「ハーブ中華」、「発酵中華」、「スパイス中華」は世間では決してメジャーなジャンルではないのに、消費者のニーズは高く、今後の中国料理界に一石を投じる書籍が刊行されたんだな…と感慨を覚えたものです。
書籍の内容としては、本当にマニアックです(笑)
しかし、マニアックでありながら「これも食べたい…あ!これも…」と、ページをめくるたびに食欲と興味をそそられます。
「中国少数民族料理」を全く知らない人でも気付けば魅力を知っていることになるでしょう。
ちなみに、各「〜中華」の定義としては下記の通りです。
- ハーブ中華:加熱・生食を問わず、フレッシュハーブを駆使する料理
- 発酵中華:発酵させた食材や調味料を使う料理
- スパイス中華:乾燥させたスパイスや漢方で使う食材を味の決め手として使う料理
本著のレシピについては、使用する食材や調味料を含め、ちょっとハイレベルかもしれません。
料理好きならば問題ないと思いますが、それでも食材を仕入れる努力が少し必要です(笑)
なので、頻繁に作ることは難しいかもしれませんが、普段とは違う料理を作ろう!と言う日には大活躍してくれます。
ホームパーティで出せば100%驚かれるでしょう。保証します。
また、小山内シェフによると「日本にあるものを使ってアレンジしても問題無いレシピです」とのことですので、何が何でもレシピ通り再現する必要はありません。
この後にご紹介する自作の料理についても、アレンジを加えて気軽に作ったものとなります。
『ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華』から御料理をご紹介
鴨のなれずし炒め煮
中村シェフの御料理です。
一番最初に、本の中でもトップクラスにマニアックな料理を作ろう!と考えて、白羽の矢を立てたのがコチラ。
大阪が誇る美味しいブランド養殖鴨【河内鴨】を入手して、肉のナレズシを作った上で調理しました。
常温で発酵させるため、家で肉のナレズシを作るのは少し怖かったものの、バッチリ作れました。
雲南ニラミント醤を用いたダチョウ肉のロースト
水岡シェフの御料理です。
「雲南ニラミント醤」は、誰しもがファンになる水岡シェフ必殺の醤(ジャン)です。
レシピではラム(羊肉)ですが、きっと合うだろうなとダチョウのフィレを取り寄せてやってみました。
結果的に相性抜群でした。
雲南ニラミント醤は本当に汎用性が高いソースなので、肝となるスパイス・馬告(マーガオ)を取り寄せてでも作る価値があると痛感しました。
馬告(マーガオ)については別途記事を書きましたのでご参照ください。
怪噜炒饭(貴州ドクダミ炒飯)
小山内シェフの御料理です。
ドクダミは売っていないので、摘んできて作りました(笑)
ドクダミって、日本だと「臭い雑草」と言う位置づけで、僕ものに生えている状態だと臭くて苦手なんですが、小山内シェフの【貴州ドクダミ炒飯】は本当に美味しいです。
独立する前のお店で頂いた時からのファンなのですが、ドクダミの香りを巧く使っていて、苦手意識を低減してくれました。
レシピも秀逸で、摘んできたパンチのある香りのドクダミを使っても美味しかったです。
また、おかずで作った【陳皮肉餅】の相性が良かったです。
陳皮=柑橘類の皮の乾物を用いるので、香りが爽やか。
こっくりと甘みのあるタレもドクダミ炒飯に合います。
まとめの一言!
後にも先にもこれ一冊!中国人以上に詳しくなれる中華料理本!
書籍の情報
書名:ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華
副題:中国少数民族料理
著者・編集:小山内耕也、中村秀行、水岡孝和
出版社:柴田書店
発行:2019年2月
頁:144
本体価格:2,500円
レシピ数:83
【目次】
・ハーブ中華(傣族レモン鶏、雲南ハーブオムレツ、アヒルの塩卵とニガウリの和え物ほか)
便利調味料を自家製する【ハーブ編】:パイナップル喃咪、タイ族トマト喃咪、雲南ニラミント醤
・発酵中華(茹でインゲンと淡水蟹の発酵喃咪、新生姜のドラゴンフルーツ果汁漬け、雲南山羊チーズほか)
便利調味料を自家製する【発酵編】:水豆豉、サンバルソース、発酵パイナップル醤
・スパイス中華(台湾風鴨のスパイス煮込み、戻し空豆の薬膳蜜煮、鴨のロースト~五味子ソース沙茶醤など)
便利調味料を自家製する【スパイス編】:沙茶醤
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