こんにちは、スパイスを最低30種類は常備する、すしログ(@sushilog01)です。
最近は日本でも中国の少数民族料理が脚光を浴びるようになっていますね。
そのようなお店を巡る中で何回か遭遇したのが、今回ご紹介する馬告と木姜子。
まず「何て読むんだ??」と思われるかもしれませんが、これが大変魅力的なスパイスで、今後脚光を浴びることは間違いないのでは!?と中華好きとして期待している次第です。
嬉しいことに最近は一般人でも入手できるようになったので、スパイス好きには超オススメです。
爽やかな香りがクセになること間違いありません。
馬告(マーガオ)と木姜子(ムージャンズ)とは?魅力について
馬告と木姜子は全く別のスパイスとなります。
読み方はそれぞれ馬告(マーガオ)、木姜子(ムージャンズ)。
全く別でありながら香りは非常に似ていて、爽やかな柑橘系の香りです。
よく例えられる香りはレモングラス。
レモングラス(葉)は乾燥モノだと香りが弱くなりますが、馬告と木姜子は香りがバッチリ決まるので、レモングラスの代わりに使う事が可能です。
ともに日本ではレアなのであまり情報がありませんが、一応和名があるようです。
馬告(マーガオ)
クスノキ科ハマビワ属の実で、和名は青文字(あおもじ)。
有名な産地は台湾(固有種)で、埔里(プーリー)以北の山岳に住むタイヤル族が好んで使用してきた。
最近では都市部でも人気を高めているらしい。
木姜子(ムージャンズ)
クスノキ科ハマビワ属の実で、和名は山蒼子(さんそうし)。
有名な産地は中国・貴州省で、特に黔東南(けんとうなん)のミャオ族、トン族が好んで使用。
西洋では精油(エッセンシャルオイル)として用いられ、リツィア・クベバの名で知られる。
…当ブログではなるべく分かりやすく、広い幅の人に響くように記述していますが、馬告(マーガオ)、木姜子(ムージャンズ)に関してはどうあがいてもマニアックになるので、諦めました(笑)
一般的な知識としては、ともに「レモングラスのような爽やかな香りで、用途は香りづけ」と覚えるだけでOKです。
味付けではなく、香り付けのためのスパイスと知っておくだけで役に立つと思います。
馬告(マーガオ)と木姜子(ムージャンズ)の使い方と買い方
馬告(マーガオ)は乾燥状態、木姜子(ムージャンズ)は香味油に加工して使われることが一般的です。
似た香りなのに加工方法が異なると言うのは興味深いですね。
各々の味覚・風味の違いに加えて、土地の気候や食文化も影響しているのではないでしょうか?
馬告(マーガオ)
見た目は黒胡椒のようで、表面はつるりとしています。
使用方法は丸のまま使ったり、挽いて使ったり、高温の油を掛けて使ったり。
少量でも香りがバシッと利きます。
「レモングラスに似た香り」以外の特徴としては、黒胡椒ほどではないピリッと走る辛味(花椒のような麻に近い「辛味」です)とキリッとした苦味。
この風味と味覚のバランスは独特です。
台湾現地では香腸(腸詰め)や煮込み料理に加えて、最近ではビールに使用されています。
木姜油(ムージャンヨウ)
木姜子(ムージャンズ)を用いた香味油です。
色合いは山椒オイルのような濃い黄色です。
使用方法も山椒オイルと似ていて、料理の仕上げや味チェンに使用されます。
貴州省現地では鍋料理に使用されることが多いそうです。
使い方として、台湾ではトウモロコシご飯にふり掛けると聞いて、やってみました!
これは未体験の味わい!
トウモロコシの甘みに馬告の爽やかな風味が合わさり、後を引きます。
柑橘の汁を掛けるのとは異なる柑橘系爽やかさ…これは初めての味わいです。
なお、トウモロコシと馬告の相性を高めるべく、炊き込み後に針生姜を混ぜました。
また、馬告を大活用した【雲南ニラミント醤(ジャン)】は傑作ソースです。
南三の水岡シェフの得意とする醤です。
この醤は肉類から白身魚まで幅広く合い、爽やかな香りは夏でも食欲を高めてくれるので、有用性が高いです。
詳細は後日アップするレシピ本の記事をご参照ください(執筆後にリンクを張ります)。
馬告、木姜油ともに決して安い調味料ではありません。
自分も購入前は少し悩みました。
が、実際に使ってみると一度あたりの使用量が多くないので、コストパフォーマンスは高いと感じました。
また、馬告と木姜油(あるいは生のレモングラス)を併用すると、香りの相乗効果が期待できます。
そして、個人的にタイ料理を作る時に代用できるのも良いなと感じています。
生のレモングラスは常に入手できるものではなく、また、乾燥ものは生と異なる香りなので、乾燥レモングラスよりも使い勝手が良いかもしれないと感じているところです。