こんにちは、鮨の次に中華が好きな、すしログ(@sushilog01)です。
さて、今回のテーマは【麻婆豆腐の素】です。
麻婆豆腐の素は数多くの商品が出ているので、家庭で食べ比べをするのはハードルが高いですよね。
そこで、中国・四川省まで食べ歩きに行くほどの麻婆豆腐マニアである筆者が、オススメの素をご紹介します。
食べ比べた結果、ハッキリ言ってヘタなお店よりも美味しい素もありました。
すしログ
また、記事の最後で「麻婆豆腐作りのワザ」もご紹介します。
「素」を使わない人すらも、ワザを使えば確実に更に美味しくすることが可能ですので、ご期待ください!
筆者について
- 18歳の頃から鉄人・陳建一さんのレシピを参考に陳麻婆豆腐を自作
- 麻婆豆腐愛・四川料理愛が高じて、四川省まで調味料を買い付けに行く
- 豆板醤をそら豆から自家製
- 日本テレビ「news every.」に「麻婆豆腐の極め人」として出演(2019年9月)
・激辛を求める本格派には、陳麻婆豆腐店(ヤマムロ)「成都陳麻婆 陳麻婆豆腐」!
・コク旨を求める本格派には、Cook Do「極(プレミアム) 麻辣麻婆豆腐用」!
タップできる目次
今回選んだ【麻婆豆腐の素】は7種類です。→【2024年2月】1つ追記しました。
世間には数多くの素が存在しますが、後述する基準を重視して、食べ比べの前段階で厳選しました。
- 味の素KK Cook Do「極(プレミアム) 麻辣麻婆豆腐用」
- 横浜大飯店監修 四川式麻婆豆腐がつくれるソース
- 聘珍樓シェフシリーズ「麻婆豆腐の素」 +「麻辣麻婆豆腐の素」
- ISETAN MITSUKOSHI「花椒と唐辛子のしびれる辛さ 麻婆豆腐 大辛」
- 陳麻婆豆腐店(ヤマムロ)「成都陳麻婆 陳麻婆豆腐」
- ユウキ食品(YOUKI)「四川マーボーソース」
- 新宿中村屋「辛さ、ほとばしる麻婆豆腐」
ちなみに、各調理で使用した薬味が異なりますが、比較の上で大きな影響はありません。
素はベースの味わいが確立されているものですし、何よりも「手軽さ」が最大のメリット。
読者の方もわざわざ薬味を買い物に行くのではなく、家にあるものを適宜使用されてください!
要は、飽きが来ないよう「味のアクセント」になれば良いものです。
【麻婆豆腐の素】の食べ比べを決めた際、何が人気なのかネットでリサーチしてみました。
Googleで「麻婆豆腐の素 おすすめ」と検索したところ、出てきたランキングはこちらです。
- 丸美屋 贅を味わう 麻婆豆腐の素<中辛>
- 丸美屋 贅を味わう 麻婆豆腐の素<辛口>
- 味の素 Cook Do 四川式麻婆豆腐用<中辛>
- 丸美屋 麻婆豆腐の素<中辛>
- 永谷園 ひき肉入り麻婆豆腐の素<中辛>
13種類を食べ比べして決めたランキングとのことですが、これは古典的なラインナップですね。
昭和の日本人の好みに合うような銘柄です。
辛さが「大辛」や「激辛」ではなく「中辛」主体であるところも特徴だと感じました。
すしログ
また、他のランキングも確認したところ、商品のチョイスが割と雑多な印象を受けました。
そこで、自分が食べ比べを行うならば、基準を絞ることが必須だと感じ、「本格さ」と「個性」を食べ比べのポイントにしようと決めました。
前述の自身の経歴を活かし、「辛口料理好き」「四川料理好き」「麻婆豆腐の食べ歩き好き」な方々にも響く【麻婆豆腐の素】をピックアップする目論見です。
そこで、各メーカーの【麻婆豆腐の素】に対して、下記の基準とコメントを交えて比較していきたいと思います。
【味の基準】
- 辛味(辣):強・中・弱
- シビレ(麻):強・中・弱
- 塩気:強・中・弱
- 甘み:強・中・弱
- 香り:最初に感じる香りについて
では、早速食べ比べを始めましょう!
順次ご紹介していきます。
まずは、こちら。
SNSで2023年にバズったアイテムで、四川料理に詳しい「麻辣連盟」総裁の中川さんや「タンタンタイガー」創業者の東山さんも絶賛されています。
コレ…大発明だわ…
— 東山 広樹 | Cooking Maniac (@h_gashiyama) December 5, 2023
クックドゥの極麻辣麻婆豆腐の素
四川まで麻婆豆腐食べに行く位好きだが、コレ間違いなく麻婆の素で一番うまい
本場の味完全再現
ひき肉炒めて麻婆の素&温めた豆腐入れて3分煮るだけ
水溶き片栗粉も不要だし技術もいらない
10分位で作れる
麻婆豆腐好きは絶対試した方がいい pic.twitter.com/PjiHlYUYmd
それ故に期待値が上がりまくったアイテムですが…結論から言って、美味しいです。
- 辛味(辣):辛味(辣):やや強(個人的にはピリ辛)
- シビレ(麻):やや強( ジリジリと途中から高まる)
- 塩気:中
- 甘み:やや弱(ありつつ程良い)
- 香り:スパイシーで硬派な本格志向
【コメント】
本格かつ日本人好みの方向性の麻婆豆腐です。
日本人好みの本格麻婆豆腐テイストを採り入れていますが、よくある「味噌っぽさ」がありません。
これは確かに四川料理店(リアル店舗)の麻婆豆腐に近い美味しさ!
麻辣とコク、甘味、塩味のバランスが素としては絶妙と言えます。
そして、MSG(旨味調味料)をバシッと効かせてジャンキーな病みつき感をアップさせているのも「素」ならではなアジャスト。
それでいて豆板醤もオイル感もあるし、豆豉が上品に香る点が本格的。
お米との相性抜群なので麻婆丼にしたら飛びます。
陳麻婆豆腐はひたすらアグレッシヴで、こちらはバランスタイプと言えます。
オイル感があるので、仕上げに焼き付けは必須です!
(「5 麻婆豆腐を美味しく作るワザ」をご参照ください)
メーカー:横浜大飯店(容量:120g)
- 辛味(辣):強
- シビレ(麻):弱
- 塩気:中
- 甘み:中
- 香り:本格的な中国スパイスの香り
【コメント】
スーパーよりも百貨店デパ地下での取扱のほうが多い印象の素です。
Amazonでのレビュー評価が高いので試してみました。
結論としては、人気の理由に納得です。
本格的な風味を採り入れつつ、あくまでも日本人好みの味に仕上げています。
豆板醤というよりは味噌っぽいテイストですが、辛味が利いていて、コクが強い麻婆豆腐です。
そして、塩気と油分が上品なところは日本人が好きな味わい。
辛味は中々あり、麻(痺れ)は弱めでジワジワ。
甘みやニンニクの風味を巧く使い、本格志向ながら家庭的に仕上げています。
すしログ
調理におけるワンポイントアドバイスは、豆腐と絡めるまでに水を少し加えて伸ばしておくと絡みやすくなります。
メーカー:聘珍樓(容量:110g)
- 辛味(辣):中
- シビレ(麻):ゼロ
- 塩気:弱
- 甘み:中
- 香り:上品な香りに加わるニンニクのパンチ
【コメント】
「日本最古の中国料理店」であり、誰もが知る高級店、聘珍樓(へいちんろう)。
化学調味料だけでなく、保存料と合成着色料も無添加と言う意識の高い麻婆豆腐です。
広東料理のお店なので、個性を求めてセレクトしました。
見た目こそ味噌っぽいですが、実際には醤油の風味が特徴的です。
そして、それなりの辛さに効果的な甘みが合わさり、ニンニクの主張が強いところも面白い。
ニンニクは他の素にも使用されているはずですが、こちらはニンニクの香りを前面に出しています。
全体的に上品なサッパリ味なのですが、ニンニクのパンチを加えて独特の味わいを作っています。
四川式の麻婆豆腐ではありませんが、これはこれでアリ。
すしログ
調理におけるワンポイントアドバイスは、とろみが強いので、煮る際に焦がさないよう要注意!
メーカー:聘珍樓(容量:110g)
- 辛味(辣):強
- シビレ(麻):弱
- 塩気:中
- 甘み:強
- 香り:クセのない香りで、こっくりと香ばしい
【コメント】
聘珍樓には「麻辣」をうたう麻婆豆腐の素もあります。
実際には「麻辣」ではないのですが(笑)、味の完成度は高いです。
見た目通りコクが強く、辛味すぐに届いて、直後に甜麺醤の甘みがこってりとまとめます。
豆板醤よりも醤油と甜麺醤、味噌などでまとめた味なので、幅広い人が確実に美味しいと感じる麻婆豆腐。
また、特徴的な軽い酸味があり、トマトピューレ由来かと思われます。
無化調なので旨味は自然ですが、しっかりあります。
これは日本人が好む「甘辛味噌系の麻婆豆腐」だと、一番美味しいのでは?と感じます。
「麻辣」を掲げる割に麻はありませんが、他にない味なので、これはこれで美味しいです。
すしログ
味の完成度が高いので、激辛が苦手な人に超オススメです。
調理におけるワンポイントアドバイスは、聘珍樓「麻婆豆腐」と同じです。
とろみが強いので、煮る際に焦がさないよう要注意!
メーカー:クイーンズ伊勢丹(容量:120g)
- 辛味(辣):強
- シビレ(麻):中
- 塩気:中
- 甘み:弱
- 香り:スッキリ漂う唐辛子の香り
【コメント】
ネットでは販売されていませんが、伊勢丹ブランドなので比較してみました。
唐辛子の辛味が強く、しっかりと辛口です。
唐辛子の香りも楽しませるところも特徴。
しかし、同時にコクが十分あるので、辛くても後を引く味付けです。
豆板醤と言うよりも味噌っぽい印象を受けますが、味噌は不使用。
甘みは弱めで程良いです。
すしログ
辣油が上手く味をまとめていて、濃厚かつ一体感のある味わいとなっています。
調理におけるワンポイントアドバイスは、粘度が高いので豆腐を加える前に少し水を足して煮込むとベター。
メーカー:陳麻婆豆腐店(輸入者:株式会社ヤマムロ、容量:150g(50g×3袋))
- 辛味(辣):最強
- シビレ(麻):最強
- 塩気:強
- 甘み:弱
- 香り:本格的な四川麻婆豆腐の香り
【コメント】
香りからしてガチなのですが、味も極めて本格的です。
「味噌」ではなく紛れもない「豆板醤」の風味と辛味がストレートに伝わり、さらにトウチ(豆豉)も香ります。
そして、かなり辛い。
辛味だけでなく唐辛子の香りもあります。
辣油の辛味と香りも現地さながらで、人によっては多く感じるかと思いますが、それこそが本格の証。
これは、ほぼ弱点無しの本格麻婆豆腐です。
例えば、料理の印象がない人がホムパなどで作ったら、全員ドン引きして拍手喝采するレヴェル。
いわばチート系麻婆豆腐の素。
すしログ
調理におけるワンポイントアドバイスは、これのみ水溶き片栗粉を別途加える必要があるので、一度に一気に入れず、3回くらいに分けて入れるとダマにならず美味しいです。
メーカー:ユウキ食品株式会社(容量:100g(50g×2袋))
- 辛味(辣):強
- シビレ(麻):強
- 塩気:中
- 甘み:弱
- 香り:唐辛子の香りと後がけ花椒の強い香り
【コメント】
上記の陳麻婆豆腐店「成都陳麻婆」と並んで本格的との定評がある麻婆豆腐の素です。
しかし、Amazonのレビューを見ると賛否両論が入り乱れており、「味の違いが分からない」と言う意見も複数あり、買う人が迷いそうなので比較対象にしてみました(笑)
結論としては…味は全然違います(笑)
実は「違いが無かったらどうしよう…」と少し不安があったのですが、杞憂。
鋭い辛味は両方の共通点ですが、こちらは豆板醤や辣油由来と言うよりも、唐辛子(辣椒面)由来の辛味が主体です。
そして、イメージよりもアッサリ味で、豆板醤の熟成期間が短めで、陳麻婆豆腐店よりも醤油が多めに感じます。
すしログ
使用する肉の量が多く(ユウキ150g、陳麻婆豆腐店120g)、さらに水分量も多い(ユウキ100cc、陳麻婆豆腐店50cc)ので、本格的と言ってもまろやかな味わいです。
しかし、こちらはこちらで完成度の高い味わいなので、ファンが多い理由には納得します。
麻辣の強さだけでなく塩気の強さと油の量などは陳麻婆豆腐店の方が現地味なので本格的と言えますが、人によっては「塩辛い」や「油が多い」と感じることかと思います。
なので、こちらは「本格的でありながら比較的上品」と言うニーズを回収する麻婆豆腐だと実感しました。
メーカー:株式会社中村屋(容量:150g)
- 辛味(辣):強
- シビレ(麻):中
- 塩気:中
- 甘み:中
- 香り:山椒の香りが良好
【コメント】
『マツコの知らない世界』で「麻婆豆腐 激辛レトルト第2位」として紹介されたそうですが、個人的には和風だと感じました。
「郫県豆瓣醤を使用」とのことで、調理時の香りは紛れもなく豆板醤が強めでテンションが上ったものの、実際は味噌っぽいテイストです。
※郫県豆瓣醤=四川の名産地・郫県で作られる熟成期間の長い豆板醤
ただ、青山椒と赤山椒を混ぜて香りとシビレを独自ブレンドしたと言う山椒は確かに香りが中々良いです。
これは肉入りとなり、肉の食感は柔らかめで、結構細かくホロホロです。
豚肉に加えて鶏肉、牛肉も使用されているようです。
全体的に、日式麻婆豆腐に辛味と本格的な香りを加えた印象で、感覚的に「タレ味」と言った感じの麻婆豆腐です。
辣油が少なくて豆腐に絡まないため一体感は必ずしも高くはありませんが、調理は最も楽でした。
すしログ
さて、いよいよオススメ【麻婆豆腐の素】をランキングとしてご紹介いたします。
自信を持ってオススメできるナンバー1については、陳麻婆豆腐店の「成都陳麻婆 陳麻婆豆腐調味料」となります。
圧倒的に本格的な味わいなので、辛い麻婆豆腐が好きな方ならばヒットするでしょう。
これは「単なるナンバー1」ではなく、「ダントツの1位」だと感じました。
そして、ナンバー2については、Cook Doの「極(プレミアム) 麻辣麻婆豆腐用」です。
ただ、これはナンバー1と同位と考えて良い味わいです。
僕がより「現地的」な麻辣を求めているため前者を推したものの、人によってはこちらがナンバー1になるはずです。
断言できるのは、こちらも間違いないということです。
また、「本格さ」の比較の点ではナンバー1の陳麻婆豆腐店が上を行きましたが、ユウキ食品の「四川マーボーソース」も魅力的です。
「どれか一つを選べ」と言われると陳麻婆豆腐店ですが、激辛系のマニアなら比較して損はありません。
前述の通り好みによってはこちらの方がヒットするかと思います。
最後に、ここまで読んで頂いた方の圧倒的多数は辛いもの好きな方だと思います。
しかし、「辛いものは苦手!でも、気になる…」と怖いもの見たさで読んでくださった方もいらっしゃるかもしれません。
そんなあなたには聘珍樓の「麻辣麻婆豆腐の素」をオススメします。
聘珍樓「麻婆豆腐の素」よりも辛味が強い素ですが、「激辛」ではないので幅広い人が楽しめるかと思います。
日本人向けのテイストながら確実に美味しいので、オススメです。
本編は以上となりますが、まとめに変えて麻婆豆腐を美味しく作るワザをご紹介します。
これは数々のプロのレシピを読み、10数年間、数100回麻婆豆腐を作ってきた自分の秘訣です。
麻婆豆腐の素を使う時も楽勝で応用できて、味がバッチリ変わります!
- 水気の多い豆腐は脱水する
- 挽き肉は混ぜる
- 挽き肉は弱めの中火でカリッと炒める
- 最後は強火で「焼く」
スーパーで売られている豆腐は千差万別ですが、なるべく水気が少ないものが麻婆豆腐に合います。
ですので、購入して水気が多い場合は、水抜きをしてから使用ください。
次に、挽き肉。
理想は塊肉から叩くのがベストですが、「素」は楽して作るものなので、肉を叩き始めたら本末転倒です。
そこで、美味しくするための秘訣として、挽き肉を混ぜてこねる方法があります。
こうすることで肉の食感が強くなって、明らかに美味しいです(そして、肉が冷たい状態で混ぜるのがポイントです)。
そして、弱めの中火でじっくり炒めてカリッとさせましょう。
香ばしさが高まり、調味料を含んだ時の味わい深さがアップします。
最後に、麻婆豆腐をお皿に盛る直前に、強火で一気に「焼き」ましょう。
この作業により火がしっかり通り、一体感が高まります。
この作業は絶対に忘れないでください!
プロの方々も使っている必須テクニックですので、。
今回の企画を何故実行しようと思ったかは、自分でも謎です(笑)
ただ、勢いで食べ比べして本当に良かったと感じます。
麻婆豆腐の素の完成度の高さに驚き、まだまだポテンシャルがある存在だと確信しました。
四川の調味料や食材を揃えるのが面倒な方にとって、非常に便利なアイテムだと感じます。
そして、四川の調味料をそろえている自分にとっても目からウロコだったのは、アレンジ料理です。
ヤマムロのものは複数パック入っているので、料理に「調味料」として使えます。
例えば、日本人のファンが多い麻婆ナス。
麻婆豆腐とは全く異なる魅力があり、これまた絶品でした。
炒めものに「調味料」として使えるのは大変便利です。
美味しくないとアレンジで活きないので、完成度が本当に高いと再認識しました。
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死ぬまで麻婆豆腐の探求を続けたい、すしログ(@sushilog01)でした。
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