こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
今回ご紹介する「鮨つぐ」さんは、横浜が誇る某メーカーの友人社長からお誘い頂き訪問しました。
なんでも、その鮨好きな友人は2021年12月のオープンから2ヶ月の間に複数回訪問しているとの事。
これは否応なしに期待が高まります。
結果的に、税込10,000円のおまかせはコストパフォーマンスが抜群に高くて、驚きました。
そして、様々なニーズに応えてくれる鮨店だと感じます。
特に鮨店でお酒を飲みたい方には最適で、飲んでもリーズナブルな点は素晴らしいと思います。
おまかせ1万円代前半〜半ばの鮨店としては、ここ1年で最も費用対満足度に優れていました。
関内だと個人的に日本トップクラスの鮨店と考える「常盤鮨」さんもありますが、それぞれ違った魅力があり、用途は全く異なると感じました。
すしログ
関内「鮨つぐ」の魅力とは?
関内の「鮨つぐ」は、2021年12月16日にオープンした鮨店です。
親方の髙田直嗣さんはゼネコンの営業職を経て、鮨職人に転身された方。
異色の経歴です。
脱サラ後、西麻布の鮨店で8年間修業されたそうです。
赤坂の「すし晴」さんの佐藤治彦親方は兄弟弟子との事でした。
そして、女将さんの髙田裕子さんは幾つかの鮨店で職人として修行をされた方。
銀座の「鮨わたなべ」さんでも働いていたことがあると聞き、驚きました。
ご夫婦そろって鮨店で修業されたとは凄い!
かなり珍しいですね。
その甲斐あってオープン早々から安定感があり、寛げるサービスをご提供されています。
コースは握りと酒肴が織り交ぜられるスタイルで、所要時間は3時間ほど。
20時の回にお伺いして、終電で東京に戻りました(笑)
ついては、余裕を持ってお伺いするか、遠方ならば前半がベターだと思います(予約時間枠は、17:00~、17:30~、20:00~、20:30~)。
シャリは赤酢を用い、酸味と塩気がともに強く、旨味も強めで、温度がやや高めです。
かなり力強い味わいの赤酢のシャリです。
ただ、全体を通して仕事に合っていて、名刺代わりの一貫目である鮪中トロとの相性が抜群でした。
仕事は全体的に古典とモダンを融合させています。
これは、価格帯を考慮すると珍しい方向性だと感じます。
すしログ
コースの組み立て方も考えられていて、緩急のある料理構成も「鮨つぐ」さんの魅力です。
2時間以内でまとめられると、さらに魅力がアップすると感じました。
関内「鮨つぐ」のおまかせの詳細
今回頂いた「鮨つぐ」のおまかせは、先付、酒肴9品、握り11貫、椀、玉子、水菓子で構成されていました。
この度頂いたお酒
- 亀齢、辛口純米 八拾
- 風の森、ALPHA TYPE1 次章への扉
- 水尾、一味 辛口純米
友人がボトルで入れた、DOMAINE KUHEIJI (醸し人九平次)、ブルゴーニュ・シャルドネ 2018。
鮨と頂いても違和感が無い白ワインでした。
鮪中トロ
千葉勝浦産。
濃密かつ濃厚な脂に、酸味が利いたシャリが抜群の相性。
瞬時に乳化を楽しませる。
お店の仕事の方向性を力強く示す、名刺代わりの一貫目だ。
岩もずく
お酢の酸味は強すぎず、ちょうど良い塩梅。
縞鯵
鹿児島産の天然モノ。
脂が乗りつつ、ぷりっとした食感を楽しめ、香りも良い。
中トロとともにタネに抜かりない事が分かる。
冒頭で心を掴まれるコンビネーションだ。
鰹
長崎の迷い鰹。
艶めかしい食感、脂強い酸味もあり旨い。
薬味は当たりネギ。
最近、迷い鰹が当然のようになっている。
太刀魚
包丁がかなり細かく入れてあり、好印象。
しかも、熱源は炭火。
炭火焼きで燻香を付けず、脂をとろりと溶かしている。
これは、炭の管理と焼き方が良いと実感した。
そのおかげで、煙も出ず、焼き台があっても全く嫌味にならない。
ガリ
甘みを付けつつ、旨味もあり、フルーティな方向性のガリ。
鮃
程よい塩梅の昆布〆。
しっとり、ほろり、ねっちりと、昆布〆らしい食感も味わえる。
鮃自体のパワーはやや弱いので、仕事で旨くしていることが分かる。
白魚の茶碗蒸し
べっこう餡とともに。
白魚で餡がけの茶碗蒸しにするとは意外性があり、良い茶碗蒸しだ。
意外性と同時に、季節感も上品に表現している。
墨烏賊
包丁の入れ方と切りつけが良い。
ぶちぶちと力強い食感の後に、とろりととろける。
ホタテの磯部焼き
炭火でじっくりと焼き上げ、身を凝縮している。
甘みとじゃくっとした食感が魅力だ。
子持ち槍烏賊
しっかりと火入れしているので、イカ飯的な方向性で面白い。
鰆
漬け。
柚子皮の香りが広がり、ねっちりとした身とシャリが一体化。
塩味がやや強いので、漬けの塩梅を変えると更に良いと感じた。
鰯
塩〆で凝縮し、酢〆で酸味をしっかりと浸透させている。
鰯の脂と香りを極めて上品に楽しませてくれる仕事だ。
はりはり漬け
べったら漬けよりも酒肴になる漬け物、はりはり漬け。
蛤
火入れは強すぎず弱すぎず、しっとり且つジャクジャクした食感。
漬け地は甘みがやや強めだが、全体の構成としては良い範囲だ。
濃いめの煮ツメを合わせている点は個人的に嬉しい。
墨烏賊のゲソ
山わさび、鰹節、長ネギと、香ばしい。
口直し的な意味合いも感じさせる酒肴。
メジマグロ
京都産の16キロ。
霜降りに当たる部位を藁で炙っている。
燻香の塩梅が良い。
みっちりした食感と酸味はメジマグロらしく、脂も非常に乗っている。
小鰭
旨味と香りをよく味わわせ、酸味をしっかりと利かせた仕事。
身はしっとりしている。
比較的クラシカルな〆加減で30分ほどの〆だ。
椀
サッパリ味の方向性の味噌汁で、お店の構成的に合っていると感じた。
鮪赤身
漬けにしつつ、スッキリと赤身の味わいを楽しませる漬け加減。
海胆軍艦
宮城県産のキタムラサキウニ。
キタムラサキなのでスッキリしているが、香りと余韻がふんわりと漂い、好印象な味わい。
穴子
かなり大型の穴子。
脂が多い魚体をふんわりと煮ている。
玉子
厚みは薄めだが、プリン的方向性の玉子焼き。
しかし、芝海老が香る点は鮨店らしい領分で表現している。
干瓢の手巻き
海苔の食感を重視するため手巻きとのこと。
ただ、干瓢を用いるならば、巻物の方が粋ではないだろうか。
また、干瓢は味覚と食感の一体感が極めて重要な素材なので、巻物の方が味として上を行く。
水菓子
福岡県産のあまおうと、奈良県産の真珠姫。
美味しいイチゴを2種類頂けるのは嬉しい計らい!
関内「鮨つぐ」の立地と雰囲気
お店は関内駅、馬車道から非常に近い場所にあります。
知らなければ分かりづらい場所で、古めかしいビルに入っています。
しかし、店内はフルリニューアルされていて、非常に落ち着いた雰囲気です。
氷冷庫が馴染む空間で、落とし目の照明が上質な雰囲気を演出しています。
全体的に什器も抜かり無く、寛ぐことが出来ます。
古いビルにありがちな臭いも全く無く、気を遣われているのが分かります。
関内「鮨つぐ」のお店情報と予約方法
WEB予約については、現在はお電話のみの予約となっています。
店名:鮨つぐ(すしつぐ)
シャリの特徴:赤酢を用い、酸味と塩気を強めに利かせたシャープなシャリ。温度と硬さはバッチリ。
予算の目安:おまかせ10,000円
TEL:045-225-9117
住所:神奈川県横浜市中区住吉町5-57-2 TYビル2F
最寄駅:関内駅から250m、馬車道駅から280m
営業時間:17:00~、17:30~、20:00~、20:30~
定休日:月曜、第3日曜
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すしつぐさんに行ってみたいです。
凄く行きたいと思わせるブログですね。
来年になってしまいそうですが
予約、頑張りますです。
マメキチ様
ありがとうございます!
「鮨つぐ」さんはコストパフォーマンスの高さゆえに、人気が凄いことになっていますね…
来年になれば、きっと更に美味しくなっていると思います!