すしログ:珍しい熊野地鶏を用いる焼鳥店「やきとり嶋家」

嶋家外観

こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

白金高輪に「熊野地鶏」を用いる焼鳥店があると聞いて、興味を覚えました。

「熊野地鶏」は「日本一美味しい地鶏」を目指して作られた地鶏で、伊勢志摩サミットで使われたことで知られます。

東京での流通量は必ずしも多くないので、楽しみにお伺いした次第です。

「やきとり嶋家」の魅力とは?

「やきとり嶋家」は、2017年3月に、東京の白金高輪にオープンした焼鳥店です。

駅から少し離れた場所にあり、店内外の雰囲気はシックでカジュアル。

落ち着いた雰囲気ですが、カジュアルに使える雰囲気です。

 

訪問の後に知ったのですが、こちらはご兄弟で経営しているそう。

浦嶋勇木也氏と、​弟の甲二郎氏は三重県出身で、お父さんが40数年続く焼鳥店を営んでいたため、ご自身も焼鳥店を開業したそうです。

浦嶋勇木也氏は京都の老舗料亭で修行した後、軽井沢発の人気グループ株式会社フォンスで飲食店マネジメントを学ばれました。

麻布の「川上庵」や新丸の内ビルの「酢重ダイニング」などを経て独立されたようです。

そして、弟の甲二郎氏が焼鳥店で修行を積み、タッグでお店をオープン。

今では恵比寿に「鉄板焼鳥専門店」の「食鶏 しまや」もオープンされました(2020年7月)。

 

調べてみると、熊野地鶏に加えて、水は熊野古道水、炭は紀州備長炭を使用していると知り、これならば期待が持てると感じた次第です。

【お店で使用しているもの】

  • 鈴鹿直送の無農薬野菜
  • 伊勢志摩産の真珠塩
  • 発祥の地より、醤油
  • 米は伊勢神宮奉納米
  • 熊野古道の山水
  • 三重紀州産マイヤーレモン
  • 三重尾鷲「紀州備長炭」
  • 三重尾鷲「梅干し」

「発祥の地より、醤油」の表記が気になりますが、これは醤油発祥の地が三重県ではなく和歌山県なのでこのように表記されているのだと思います(笑)

とは言え、大半が三重県の食材・調味料を使用されている点に、気概を感じます。

「熊野地鶏」とは?

三重県が10年以上の歳月を掛けて開発した地鶏です。

多気郡明和町に生息する天然記念物の軍鶏「八木戸」と「伊勢赤どり」を掛け合わせ、さらに名古屋コーチンの雌を掛け合わせて「三元交雑」によって生み出されました。

食味のイメージとしては、軍鶏特有の肉質の良さ、伊勢赤どりの脂、名古屋コーチンの旨味と歯ごたえを合わせ持つ地鶏とされています。

出荷日齢は平均115日で、生育環境は1平米あたり8羽。

 

頂いた感想としては、ジューシィさと確かな旨味を兼ね揃えいて、地鶏としてはサッパリ目の志向で、食感は柔らかいと感じました。

ただ、ちょっと気になるのが、お店側の表記。

「ジビエにも似た味の濃さ、上質で甘みのある脂が特徴」と謳っています。

しかし、「ジビエにも似た」については特徴の的を射ていませんし、ジビエと言っても熊から鳩まで幅広いので、あまり良い表現ではありません。

「やきとり嶋家」の焼鳥について

誤解を恐れずに言うと、優等生的な焼き鳥だと感じました。

街場焼鳥の進化版と言う印象です。

肉質はもちろん、焼鳥の火入れや振り塩については文句がありません。

 

ましてお値段が安いので、満足度は非常に高いです。

この立地でこの味とコストパフォーマンスを実現しているのは素直に素晴らしいです。

 

ただ、折角のお肉とコンセプトに対して勿体無いと感じた部分もあります。

自信がコンサルに入るならば、早急に下記の3点を改善します。

  1. 盛り付けを工夫する
  2. 山葵は本山葵を使用する
  3. 焼鳥のポーションを小さくして串の数を増やす

盛り付けについてはレバーパテを塗って温めたパンがサラダの上に乗っているなど、垢抜けていません。

サラダの水分がパンに移ったり、パンの熱が野菜に移ったりと、デメリットしかありません。

洗い物を減らす目的なのかもしれませんが、お客さん側にメリットが無いので止めた方が良いです。

 

そして、山葵については写真を見て予想済みでしたが、いざ頂いてみるとクオリティが予想以上に低くて残念でした。

鳥刺しやさび焼きでお肉の味を下げており、これは折角の仕入れが勿体無いと感じました。

また、お通しに付いている山葵は長時間前に準備していたようで乾いていました。

 

焼肉関係も含めてお洒落なお店は山葵を使いがちですが、低クオリティな混ぜ山葵であることが多いです。

大衆的な居酒屋ならば構いませんが、意識の高さを売りにするお店は、絶対に本山葵にすべきです。

 

また、焼き鳥のポーションが大きくて嬉しいのですが、大きすぎて満腹になってしまうサイズ感です。

焼鳥店(特にコースを用意するお店)では、「色々楽しみたい」と言うのが顧客心理。

よって、コースについては一串あたりのポーションを小さくして、代わりに串を増やした方がリピーターが増えると感じました。

 

トータルとして、美味しいだけに勿体無いと感じる部分が多かったので指摘しましたが、満足度が高い事は改めて強調します。

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「やきとり嶋家」のコースの詳細

コースは幾つか(幾つも笑)用意されていますが、初めての人にオススメと言う【KARUME軽めコース】2,980円に【高坂熟成鶏の鳥刺し盛り合わせ】1,900円を追加しました。

ちなみに、席料(お通し)は450円です。

 

ドリンクも三重のものを多数揃えています。

そして、ハイボールは各地のウィスキーを使用している点が面白いです。

嶋家ドリンクメニュー

お通しとともにお値段は良心的ですね。

嶋家伊勢角屋麦酒

まずは、伊勢角屋麦酒のペールエールを頂きました。

嶋家ハイボール

2杯目は三重ハイボールを。

 

お通し

嶋家お通し

お通しの山葵が粉山葵で乾燥しているのは悲しいところだ。

 

高坂熟成鶏の鳥刺し盛り合わせ

嶋家高坂熟成鶏の鳥刺し盛り合わせ01

鳥刺しには「高坂鶏」を使用している。

「高坂鶏」は世界で唯一「無菌鶏」と称される鶏で、丹波の養鶏家・高坂英樹氏が開発したもの。

フランスのブレス鶏を目標に開発され、Quintessence(​カンテサンス)や人気焼鳥店で使用されている鶏だ。

これに約二週間の「氷温熟成」と「ドライエイジング」を用いて熟成を掛けているそうなので、面白い試み。

嶋家高坂熟成鶏の鳥刺し盛り合わせ02

部位はささみ、胸、もも、生つくね、砂肝、金柑、白レバー。

ささみはしっとりした歯切れで、爽やかな香りとスッキリした酸味。

胸肉はむっちりしていて、酸味が強く、旨味もあり、個性的な味わい。

もも肉は予想外にしっとりしていて歯切れが良く、さっぱりながら旨い。

生つくねは「高坂鶏」らしい提供方法で、効果的に脂も混ぜている。

砂肝はコリコリ感が十分楽しめ、旨味があり、血っぽさは無し。

白レバーは非常に濃厚で、クセは皆無。

押しなべて満足度の高い鳥刺しだ。

 

…ただ、後日、生産者の高坂鶏農園について調べたところ、気になるニュースが発見された。

料理関係者の方には共有しておきたい。

▶丹波篠山市:環境保全条例に基づく氏名等の公表

▶高坂和鶏 高坂鶏農園の公害問題

 

サラダ、レバーパテのパン

嶋家サラダ、レバーパテのパン

パンは定番のバゲットではなく、もっちり感とさっくり感がある軽やかな食感のパン。

炭火で軽く炙っている。

嶋家サラダ、レバーパテのパン02

レバーパテは風味が良く、さらっとしたもの。

野菜は香りが良く、フレッシュ。

前述の通り、パンをサラダに乗せなければ尚良い。

 

冷やし茄子胡麻酢

嶋家冷やし茄子胡麻酢

 

辛味噌キュウリ、砂肝のガーリック炒めピンクペッパー

写真失念!

サッパリなものから、味の強いものに移行する流れは好感が持てる。

 

笹身

嶋家笹身

超ジューシィ!

焼きも素材も良い感じなので、山葵を改善すると更に美味しいのは間違いない。

 

砂肝

嶋家砂肝

これも火入れが良く、ぷりぷり且つコリコリ。

瑞々しさも保たれていて、美味しい砂肝。

 

生トウモロコシ、茶豆

嶋家生トウモロコシ、茶豆

生で食べられるトウモロコシで、甘みが強く、青臭さが無い。

 

抱き身

嶋家抱き身

皮はパリパリ、身は極めてジューシィに焼き上げていて、旨味をたっぷりと楽しませてくれる。

 

嶋家皮

表面は香ばしくカリカリに焼き上げ、脂がじゅわりと滲み美味。

 

かしわ

嶋家かしわ

むっちりとした肉質で旨味が強い。

皮はバリバリに焼き上げ、脂の甘みが溢れ、身は旨味を楽しませてくれる。

 

熊野地鶏のスープ

鳥スープ

濃厚な味わいの鶏スープ。

鶏スープが美味しいと、焼き鳥屋さんのイメージが良くなる。

 

「やきとり嶋家」のお店の情報と予約方法

WEB予約については、一休、食べログ経由で可能です。

やきとり嶋家(一休のリンク)

やきとり嶋家(食べログのリンク)

 

店名:やきとり嶋家(やきとりしまや)

予算の目安:大体6,000円〜7,000円

最寄駅:吉祥寺駅から1,700m

TEL:0422-71-3133

住所:東京都港区南麻布2-7-25 ストーク麻布1F

営業時間:火曜~土曜16:30~23:50(最終入店23:00)、日曜16:30~23:00(最終入店22:00)

定休日:不定休

 

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レア銘柄の鶏なので頑張って欲しいと願う、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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