すしログ日本料理編 No. 9 くろぎ@湯島【2017年3月に芝に移転】

※移転前の情報となります

f:id:edomae-sushi:20151223122549j:plain

中々訪問が叶わなかったものの、有り難いお誘いを頂き訪問する事が出来ました。

外観は小体な日本家屋、内装はシックな隠れ家と言った感。

意識的にカウンター内で多くの調理を行っておられるようで、エンターテイメント性も十分あります。

雰囲気のみならずスタイル的にもデートに使いやすい割烹か。

 

訪問当日(10月末)は、カウンターに盛られた松茸の質と量に驚きました。

上質な松茸が所狭しと山積みにされております。

調理する前から鮮烈な香りを感じる程。

f:id:edomae-sushi:20151223122559j:plain

f:id:edomae-sushi:20151223122600j:plain

 

料理は思っていたよりも素材を活かす調理。

いや、活かすというよりも、力を与え、存在感を高めている印象です。

男っぽさが前面に出た日本料理です。

素材に味をぶつけた際の、摩擦熱を好むか否か。それがこちらの好みを分けるポイントでしょうか。

 

正直なところ、超予約困難な人気は過剰かと思いますが、機会があれば違う季節に訪問し、黒木氏の引き出しを満喫したいと感じます。 

頂いた御料理は下記の通りです。

f:id:edomae-sushi:20151223122601j:plain

【焼き胡麻豆腐】

香ばしい焼き目からとろりと蕩ける胡麻豆腐。

食欲をじわりと高めてくれる。

f:id:edomae-sushi:20151223122556j:plain

【菊としめじのおひたし】

食感良く清涼感のあるおひたし。

f:id:edomae-sushi:20151223122555j:plain

【岩手産松茸と鱧の土瓶蒸し】

ツユはやや甘めでまろみを帯びている。

松茸の香りを穏やかに包んでいる。

f:id:edomae-sushi:20151223122603j:plain

【信州産焼き松茸】

素晴らしい逸品。

濃厚な味わいで、大振りながらにジューシィ。

香りと同時に甘みが弾け、数瞬遅れてかすかな酸味が滲む。

香り、食感、旨味のバランスが秀逸な火入れだった。

f:id:edomae-sushi:20151223122606j:plain

【余市産走りの鮟肝と遠州産金目鯛の軽い炙り】

鮟肝を金目鯛の炙りとぶつけるセンスが非常に印象的である。

大根おろしのは自成の柚子胡椒を使用。

一皿で味の濃淡が演出されたパワフルな一品。

f:id:edomae-sushi:20151223122602j:plain

【焼津産太刀魚の幽庵焼き】

脂の旨味が桁外れ。

身は分厚く、繊維と脂のグラデーションが舌を虜にする。

柚子の使用量は上品で、太刀魚が雄々しく立ち現れた。

f:id:edomae-sushi:20151223122605j:plain

【八寸】

とりわけ、クチコの火入れが良かった。

香ばしさを引き出し、食感も軽妙かつほの柔らか。

逆に鯖寿司は残念。

〆の技術を疑ってしまう調理であったので、

無理に寿司を入れずとも良いように感じる。

f:id:edomae-sushi:20151223122550j:plain

【お造り盛合せ】

淡路の鯛、大間の鮪を三部位、徳島産シラサエビ。

鯛、鮪の旨味は言わずもがな、何よりも面白いのは実はシラサエビだった。

他の海老とはかなり異なる食感と甘み。

f:id:edomae-sushi:20151223122551j:plain

【ずいきの出汁煮吉野葛とじ】

白ずいきの食感が楽しく、とじ加減に温かみを覚える。

強めの煮干出汁が上手く引き立てる。

f:id:edomae-sushi:20151223122604j:plain

【丹波産松茸のフライ】

名残の丹波産をフライにしてソースで食べさせるという、パンク精神。

f:id:edomae-sushi:20151223122557j:plain

【宮崎産牛ヒレ肉の焼き物】

これはいささか蛇足。

流れからして、牛の脂は強過ぎて、重い。

f:id:edomae-sushi:20151223122553j:plain

【はらこ飯】

抜群に美味しい。

旬の生いくらがこれでもか!と入っていて、瑞々しく火入れされた鮭とピッタリ合う。

問答無用に満足出来る、素晴らしい土鍋ご飯だった。

f:id:edomae-sushi:20151223122558j:plain

 【香の物】

f:id:edomae-sushi:20151223122552j:plain

【茄子と豆腐の味噌汁】

f:id:edomae-sushi:20151223122554j:plain

【葛切り】

出来たての葛切りは官能的な舌触り。

デザートをストレートに和菓子で行き、

しかも凡百よりも美味しく作るところに感銘を受ける。

 

店名:くろぎ

予算の目安:20.000円~30,000円→50,000円~59,999円

最寄駅:大門駅から200m

TEL:03-6452-9039

住所:東京都文京区湯島3-35-1→東京都港区芝公園1-7-10

営業時間:お昼12:00~14:30、夜17:00~23:00

定休日:日曜、月曜、祝日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA