首都圏から訪ねる非日常。小旅行気分を味わえる東村山「土家」

こんにちは、鮨ブロガーであり蕎麦好きな、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

さて、前回ご紹介した立川の蕎麦懐石の名店「無庵」さん

今回ご紹介する東村山の「土家」さんは、「無庵」で修行された蕎麦職人のお店です。

すしログ

予約難易度が高いお店なので、過去に何回か振られましたが、今回念願の訪問を果たしました!

いや〜、大変癒やされるお店です。

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「土家」の魅力とは?

「土家」さんで感じた魅力は、ひとえに「素朴さ」です。

こちらはお店の意匠と味の両面において「素朴さ」を体現していて、意図的に「田舎感」を創出されているように感じました。

「素朴さ」や「田舎感」は得てしてネガティヴな文脈で使われることもありますが、ここでは勿論ポジティヴな意味合いです。

 

東京都心から比較的アクセスしやすいけれど、時間はかかる場所、それが東村山。

その絶妙な距離感の場所に、非日常を感じさせてくれる空間があるというのは、都市住民にとって幸せなことです。

すしログ

僕は田舎出身で、地方への旅行が大好きな人間です。

東京だと中々「田舎の非日常感」を味わうことが出来ないところ、「土家」さんでは楽しませてくれます。

お店の雰囲気については後述しますが、お店に入る前から世界観を感じさせてくれて、腰を下ろした瞬間から癒やされるような空間です。

 

そして、作られるお料理も良い意味で洗練されておらず、素朴です。

甘みのある醤油味や椀にかきたまを使用するなど、田舎風の調理を巧く採り入れていると感じました。

それでいて塩分はコントロールされているので、決して野暮ッたくありません。

このバランス感覚は絶妙だと感じます。

 

お料理には魚も多用していますが、修行先とは異なり火を入れたもののみ。

蕎麦と水菓子以外のお料理全てに魚介類を使用されている点にはビックリしました!

反対に、肉は不使用です。

野菜も含めて季節感を表現されている点が魅力です。

 

ちなみに、こちらのお店をご紹介頂いたのは、兵庫県篠山の名店「ろあん」の二代目ご主人でした。

2017年にオススメ頂いたので、4年ぶりの実現になりました。

「土家」の蕎麦懐石の美味しさ

「土家」さんはコース一本です。

【季節の蕎麦懐石】は、お昼6,050円、夜8,800円。

御料理4品(盛り合わせ含む)と蕎麦、水菓子で構成されています。

 

トウモロコシのスープ

土家トウモロコシのスープ

冷製のすりながし。

海胆、枝豆、出汁のジュレ、蕎麦の実とともに。

実に甘く香ばしく、トウモロコシの魅力をひんやりと楽しませてくれる。

そして、蕎麦の実の香りや枝豆の食感が心ニクいアクセントになる。

ジュレは塩味や出汁の塩梅が良く、酸味を用いていない点にセンスを感じる。

 

季節の盛り合わせ

土家季節の盛り合わせ01

(左上から時計回りに)湯葉と焼き茄子の餡掛け、〆サバ・トマト・キュウリの胡麻だれ、う巻き卵、カマスの塩焼き、シシトウの田舎煮、蓮根とミョウガの甘酢漬け、鮎の煮浸し、モロヘイヤのお浸し、煮蛸、カボチャのカレー風味煮、オクラ入り蕎麦豆腐。

なんて種類豊富で面白い盛り合わせ!

土家季節の盛り合わせ02

【蕎麦豆腐】はオクラの爽やかな香りを楽しませてくれる。

湯葉の餡は甘みがありつつ塩気は穏やかで、出汁がまろやかな葛餡。

このあたりを頂き、確かな調理技術を感じる。

しかし、妙味は前述の通り「素朴さ」だ。

 

盛り合わせの中で個人的に琴線に触れたのが【シシトウの田舎煮】。

くったり煮たシシトウに甘みのある醤油と鰹節が堪らない。

シシトウの香りが夏を実感させ、窓外のセミの声と協奏する。

お店の雰囲気もあるのだろう。

土家内観01

【シシトウの田舎煮】や【鮎の煮浸し】など、良い意味で洗練を排除したお料理が、非常に印象深かった。

それでいて、カマスはキッチリ温めていて、作り置きだけの冷たい八寸ではない点に洗練を見る。

 

蕎麦がき椀

土家蕎麦がき椀

鱧、夕顔、ツルムラサキ。

蕎麦がきを椀で表現するのは、修行先の「無庵」の影響を感じる。

しかし、オリジナリティを出している。

すなわち、高級魚の鱧を用いつつ、家庭的なかきたまと合わせている。

トロトロと甘い蕎麦がきは、香りもスッキリしていて、美味。

吸い地の出汁もスッキリだ。

しかし、かきたまで優しい風味と甘みを加えていて、ほっこりと和む。

「肩肘をはらず、寛いでください」と言うメッセージを感じるかのようだ。

 

揚げもの:とろ茄子と黒ムツの餡掛け

土家とろ茄子と黒ムツの餡掛け

これまた「土家」さんの「素朴さ」を体現するお料理。

とろ茄子と黒ムツ以外に、万願寺唐辛子と、赤ピーマンを合わせている。

ホロホロに煮た黒ムツにトロトロの茄子、甘みのある味付けがお店に合っているなぁと強く感じた。

気負うところがなく、穏やかな気持ちで、蕎麦を頂く。

 

蕎麦

土家蕎麦01

ホシが飛んだ挽きぐるみであるのは「無庵」出身らしい。

土家蕎麦03

蕎麦は極細で平たい麺で、もっちりした食感が印象深い。

 

山葵ではなく辛味大根で頂く。

土家蕎麦02

ツユは甘みが弱く、それでいて醤油のエッジがまろやかな方向性の辛汁。

蕎麦湯は蕎麦粉を添加したタイプであるが、トロトロ過ぎず好感が持てる。

 

水菓子

土家水菓子

杏仁豆腐、スイカと桃のゼリーに、桃ソース。

甘みは果物主体で爽やかに締める水菓子。

季節のフルーツが嬉しい。

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「土家」の立地と雰囲気

お店は東村山駅から歩いて10分とかからない場所にあります。

土家外観

お店の外観は都会から訪問した際の期待を1ミリも裏切りません。

夏はセミが大合唱していて、軒先で開店を待つ間、都心とは違う夏の匂いを満喫していました。

 

先ほども掲載したが、カウンターの目の前には磨り硝子と箪笥。

土家内観01

お店!って感じではなく、民家の厨房というか土間のような温かみがあります。

それでいて、客席などの什器は上質なので、古臭さは感じさせず、瀟洒です。

 

土家内観02

素朴でありながら落ち着く空間づくりをされています。

「土家」のお店情報と予約方法

予約はお電話のみとなります。

経験則だと、土日の場合、最低1ヶ月以上前の予約がベターです(それでも結構キツいですが)。

なので、オススメは平日の訪問です。

 

土家(食べログのリンク)

店名:土家(つちや)

予算の目安:【季節の蕎麦懐石】お昼6,050円、夜8,800円

TEL:042-392-9457

住所:東京都東村山市野口町4-18-1

最寄駅:東村山駅から450m

営業時間:昼の入店時間12:00か12:30(最終入店)、夜の入店時間18:00か18:30

定休日:第一火曜、毎週水曜 ※但し木曜は夜のみの営業

※完全予約制になります

 

【関連する記事】

修行先の「無庵」さん

同門の松本の滿さん

 

冒頭で言及した、ろあん松田さん

 

もっと蕎麦懐石の世界を探求したいと感じる、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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