すしログ:激戦区福岡で若くして独り立ちした実力派職人!赤坂「鮨処 石ばし」

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

2020年2月に訪問して印象深かった「鮨処石ばし」さん。

この度、福岡の友人とともに訪問しました。

 

店主の石橋親方は福岡で名門とされる吉冨寿し(1979年創業)出身で、なんと24歳の時(2014年)にオープンされたと言う大変お若いデビューです。

お若い方ながら激戦区で5年以上続いていると言うのは実力の証左と判断して訪問したところ気に入った次第です。

石ばし鮪中トロ

ちなみに、福岡に近年オープンしたお店の親方は、鮨割烹のやま中(1972年創業)出身が多い模様です。

香坂(2013年)かず矢(2015年)、木島(2015年)、やま咲(2018年)など(敬称略にて失礼致します)。

福岡屈指の名店で僕も大好きな鮨さかいさんもお弟子さんを多く採られているので、今後新たな流派となるかもしれません。

すしログ

東京帰りの職人さんも多いので、今後も福岡は目が離せない鮨激戦区であり続けるでしょう!
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福岡「鮨処 石ばし」の魅力とは?

初めて石橋親方の握りを頂いたとき、20代の親方として全国でも非常に高いレヴェルだと感じました。

親方のシャリは赤酢を用いつつ、まろやかな味に仕上げたものです。

見た目はヨコ井の與兵衛が色濃く出ているため色黒ですが、酸味は穏やかで意表を突かれました。

 

酸味に加えて塩気も穏やかで、しかも少しだけ柔らかめながらに、ほどけ加減は上々です。

ハードな味の赤酢のシャリだとお客を騙すことが可能ですが、ハッタリの利かない味付けの場合、握りの技術と魚の仕事の精度がダイレクトに表れます。

独自性が高く、今後が楽しみなシャリです。

【2022年再訪時の追記】

炊き加減に変化を感じました。

炊き加減は硬めですが、「アルデンテ」ではなく、もっちりしています。

ゆえに硬いのにお米の甘みを感じられて、タネとの一体感が高いシャリで好印象でした。

 

ちなみに、お酢はヨコ井の與兵衛に琥珀のブレンドです。

お酢のブレンド数は多ければ良いと言うわけではなく、少なくて美味しいのがベストなので、親方のセンスを実感させます。

 

石橋親方の握りは流麗で、力業や早業ではなくジェントルな手返しだと思いました。

使用する魚は全て九州のものを用いているので、郷土性があって面白い。

しかしながら、仕事は正当派の江戸前。

味や見た目のパンチが求められがちな世の中ですが、こちらは本当の鮨好きならば魅力を実感するお店でしょう。

 

「鮨処 石ばし」のおまかせの詳細

「鮨処 石ばし」さんのおまかせをご紹介します。

2022年4月訪問時に頂いたもの

2022年4月訪問時に頂いた、夜のおまかせは以下の通りです。

石ばし酒器

この度頂いたお酒

  • 能古見、純米吟醸あらばしり
  • 天寶一 、八反錦 特別純米 限定直汲生
  • 鍋島、純米吟醸 赤磐雄町

 

真鯛の白子

石ばし真鯛の白子

昆布出汁で炊いた白子。

濃密な甘みに鯛の香りがふんわりと漂う。

昆布出汁以外に鯛の骨も使用されているように感じる。

 

石ばし蛸

地物。

ひたすら柔らかく、しっとりとほどける東京らしい桜煮。

 

ホタルイカ

石ばしホタルイカ

ホタルイカ自体は春の定番中の定番であるが、炭火焼き仕立てである点が良い!

香りと火入れが他になく、ホタルイカでも嬉しい酒肴だ。

 

初鰹

石ばし初鰹

長崎県五島産。

酸味がキリッと鋭い味わいの初鰹。

炭の香りとカリッとした皮の食感が実に良い。

 

カワハギ

石ばしカワハギ

大分産。

濃密ながら濃すぎない乳化のコク。

身は脱水によってみっちり仕上げていて、バランスが良い。

 

牡蠣

石ばし牡蠣

産地は播磨灘。

ぷるん、トゥルンとした食感で、低温調理のオイル漬けだと分かる。

柚子胡椒が辛く、香りも良い。

 

太刀魚

石ばし太刀魚

志賀島しかのしま産。

脂が乗っていて、美味しい太刀魚だ。

ネギと醤油ソースも爽やかでよく合う。

 

ガリ

石ばしガリ

過去と同様に塩気と辛味があり、旨味もあって、食感が強いガリ。

 

槍烏賊

石ばし槍烏賊

唐津産。

非常に甘い!

墨烏賊とは完全に異なり、トロトロな食感を味わわせるイカの仕事。

 

石鯛

石ばし石鯛

地物。

脂が乗っていて、むっちりした食感。

そして香りが良く、堪能していると甘みが広がる。

 

鮪中トロ

石ばし鮪中トロ

対馬産、湯霜漬け。

中トロの脂と香りと旨味を引き出す漬けで巧みだ。

 

小鰭

石ばし小鰭

しっとり、みしっとしつつ、ホロホロほどけて、旨味と香りを感じさせる〆加減。

 

車海老

石ばし車海老

唐津産。

茹で置きだが、めちゃくちゃしっとりした食感と強い甘みを楽しませてくれる。

ホロッホロと優しくほどけ、非常にハイレヴェルな茹で置きの仕事だ。

 

ノドグロ(アカムツ)

石ばしノドグロ(アカムツ)

長崎産。

みちっと凝縮された身は、とろっとろにとろける。

炭火焼きの香りが堪らない。

やはりノドグロは焼きを加えた方が美味しく、炭火であれば言うことはない。

 

縞鯵

石ばし縞鯵

脂が乗っているが、最後にキリッと酸味が広がる。

夏に向けての期待が高まる縞鯵だ。

 

ヒラスズキ

石ばしヒラスズキ

長崎県五島産で、12キロ。

凄い脂の乗りで、素晴らしい味わい!

歯切れを良くする包丁も魅力だ。

さらに、シャリの温度を高めてから握るため、乳化が速い。

モノ、仕事、シャリの三拍子が揃った一貫であった。

 

海胆軍艦

石ばし海胆軍艦

大村湾産で、海苔は有明海の新海苔と、旅先でテンションが上がる組み合わせだ。

濃密ながらとろけ良い海胆で、香りも凝縮されていて美味しい。

 

石ばし鯵

宗像産。

脂は初手では強くないが、徐々に高まり、香りがキリッと引き締める。

脂と香りのバランスが良い、端正な味わいの鯵だ。

 

穴子手巻き

石ばし穴子手巻き

変化球であるが、穴子を海苔で巻くのが良いと認識させる、説得力のある味わいだ。

穴子の香りや味付けの甘みなどが一体化するのは、香ばしさが非常に強い海苔ゆえか。

 

干瓢巻き

石ばし干瓢巻き

食感がコリッコリで、甘みと醤油はともに強すぎない。

得てして物足りなくなりそうな味付けだが、決して物足りなくないのは酢飯の賜物。

酸味と硬さがアクセントになり、個性的な干瓢巻きになっている。

 

玉子

石ばし玉子

ふわんふわん、しっとりなシフォンケーキ的な玉子焼き。

印象深い。

 

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2020年2月(ランチ)訪問時に頂いたもの

2020年2月のランチ訪問時に頂いたコースの詳細です。

 

この度頂いた日本酒

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繁桝・特別純米雄町、屋守(おくのかみ)・純米吟醸

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前者はスッキリした味に苦味も楽しませるのに対して、後者はまろやかな味で香りも良い。

シャリや仕事の特性に合わせて酒選びをされているのだと感じました。

横山秀樹さんの硝子器も奇麗です。

 

地蛸の柔らか煮

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一品のみ酒肴が登場。

しっとり、さくりとほどけ、蛸の香りを楽しませてくれる味付け。

 

ガリ

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塩気と辛味があり、食感も強い。

個人的に好きなタイプで、まろやかなシャリとのバランスも良い。

 

アオリイカ

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地物。甘みがたっぷりながら、くにゅくにゅした食感もあるアオリ。

 

鮪中トロ

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漬け。鮪の酸味を活かす仕事。

脂とシャリが乳化し、繊維質の食感的にもシャリとの一体感が高い。

 

小鰭

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しっとり〆て香りをふんわりと立たせる。

軽やかな味ながらに小鰭の味があり、橙果汁の香りも嫌味無い。

 

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地物。塩を振って2日寝かせたもの。

香りがしっかりな鮃。

上に乗せているのは縁側。

シャリの酸味を上品に楽しませてくれる一貫。

 

針魚

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熊本湾産。浅葱を噛ませている。

ぷつっと千切れる食感が気持ち良く、〆の仕事の妙がある。

 

石ばし鰹

対馬産。一週間寝かせたもの。

ねっちりした身は旨味が強く、酸味が爽やかに纏める。

 

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宗像産。しっかりと脂が乗っており、軽めの野趣ある香り。

これは旨い。

生姜と浅葱は叩いて混ぜるのではなく、別々に噛ませている。

 

車海老

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唐津産。観音開きで味噌ごと握るスタイル。

茹で置きだが甘みを楽しませてくれる。

茹で上げが流行のスタンダードであるが、敢えて茹で置きで勝負されている点に、お若いのに意識的に江戸前仕事と向き合っていると感じた。

ご説明は「食べやすさを考慮して」との事であったが、それ以上の面白さがある。

 

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対馬産。脂がしっかりしており、香りもある鯖。

皮目炙りはバーナーであるが、火は皮のみに当たっており、過剰に熱してもいない点が魅力。

バーナーを安易に用いる料理人が多いが、食材の魅力を損ねているケースも多々ある。

 

春子

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昆布〆。むっちりした身は昆布の旨味と香りをやや強めに纏いつつ、春子の淡い味を決して邪魔しない。

橙の果汁をこれまた嫌み無く使用。

 

赤貝

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大分産。小ぶりで少々不格好だが、旨味も香りも強い。

紛れも無く豊後水道のもので、実際に当たっていた。

親方は紐を噛ませて食感と旨味を乗せている。

春子に続いて橙果汁を使用していたが、気にならず。

 

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対馬産。14キロ。

脂が強く、鰤の食感も楽しませる仕事。

熟成を掛けてトロトロにした上でシャリと一体化させる仕事とは異なる魅力がある。

 

穴子

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対馬産。塩と山椒で。

炭の炙りが香ばしい。

繊維質はトロトロ過ぎず、しっとりとほどける。

 

赤出汁

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干瓢巻

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程良く強い食感に甘みを利かせている。

 

玉子

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かなりきめ細かい玉子。

海老の香りが良く、甘みも上品。

 

またお伺いいたします。

 

「鮨処 石ばし」の立地と雰囲気

お店は赤坂駅から少し離れた場所にあり、隠れ家感があります。

ビルは年季が入っていますが、雰囲気があり、店内はリノベーションされています。

 

漆喰の塗り壁に網代天井と古風な和建築。

しかし、同時にカウンターは白木ではなく塗装が施されていて、カウンター奥はタイル張り。

リラックス出来る仕掛けのある意匠だと感じます。

 

「鮨処 石ばし」のお店の情報と予約方法

WEB予約は一休経由で可能です。

鮨処 石ばし(一休のリンク)

 

鮨処 石ばし(食べログのリンク)

店名:鮨処 石ばし(すしどころ いしばし)

シャリの特徴:赤酢2種類をまろやかにブレンドし、硬くなく、ほどけ加減が良いシャリ。

予算の目安:お昼おまかせ5,500円、夜おまかせ16,500円〜

TEL:092-714-5656

住所:福岡県福岡市中央区赤坂1-2-6 パインマンション1F

最寄駅:赤坂駅から500m

営業時間:火~土12:30(一斉スタート、休日翌日は無し)、17:30~21:00

定休日:日曜、祝日

 

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※すしログ No. 320に最新情報を加筆修正しました

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