こちらは、福岡空港にほど近い、東比恵にある鮨店です。
親方の香坂誠二さんは、福岡で職人を多く輩出する「やま中」で修行をされた方。
2001年秋に独立されたとの事ですので、福岡の鮨業界が今のような活況を帯びるよりも前のオープンとなります。
福岡に限らず全国でお昼営業のお店が少なくなっており、また、営業されるとしても夜と同じ高額なおまかせが多い状況なので、こちらのように「おきまり」を頂ける鮨店は貴重となりつつあります。
人気店でお昼に夜と同じコースを頂けるのは、それはそれで嬉しい事もありますが、全ての鮨店が高級化を図る風潮には、いつも通り警鐘を鳴らしたいと思う次第です。
香坂さんのランチのおきまり
さて、こちらのランチはリーズナブルでありながら、個性と技術を感じさせる確かな内容でした。
生小と日本酒2合、追加3貫(しかも海胆含む)を頼んで、お会計は7,500円ほど。
もちろん価格が全てではありませんが、この価格であれば一回飲み会を断れば誰しもが行ける価格帯です。
使用する魚は福岡らしいラインナップなので、県外からの訪問客には嬉しい内容。
店内はモダンな印象を与えつつ華美ではなく落ち着いた良い空間。
つけ場の奥は赤壁で、客席背面はコンクリートと、鮨店としては独特の意匠です。
そして、こちらのシャリは小粒で、はらっとほどける良い炊き加減。
お米はヒノヒカリを使用されているそう。
味付けはまろやかで、塩気は強くなく、酸味は穏やか。
酸味が独特なので、酢について伺ったところ黒酢を使用されているとの事でした。
なるほど。
この度頂いたお酒
生ビールプレモル小、花の露・純米、田中六十五・純米
香坂さんの握りの詳細
ガリ
甘みが強めで、食感はシャクシャク。
鯛
ねっちり感が強く、脂がかなり回っており、旨味主体の熟成仕事。
伺ったところ、3日であった。
カンパチ
これも旨味が強い…が身は柔らか過ぎず、好印象。
ヤリイカ
とろんととろけながら、むちむち且つコリコリ。
ヤリイカらしい食感。
アラ(九絵)
言わずもがなで、旨味は抜群!
椀
中から緑のお麩が登場してびっくり(笑)
他の椀種は椎茸。
ほんのり漂う甘みも含めて懐かしい感じの茶碗蒸し。
鯵
長崎産。肉厚で脂をたっぷり抱いており、瞬時に乳化!これは美味しい。
蛸
地モノの蛸。実に艶めかしい食感…
生っぽさを残した火入れで、親方の細やかな配慮を感じる。
鰹
炙らず生のねっちり且つ酸味ある鰹に、合わせる調味料はニラ醤油!
ニラやニンニクは和食では禁じ手の薬味であるが、鰹の旨味が強いので、バランスが取れている。
穴子
皮目のむっちり、とろんと溶ける感じが特徴的。
山椒塩で提供。
高菜の手巻き
青い高菜。
玉子
甘みある出汁巻き。
タマメ 追加
標準和名フエフキダイ。
脂は非常にしっかりしており、固有の香りがふんわりと漂う。
こちらは1日寝かせた程度。
鯖 追加
胡麻鯖(※調理法ではなく)か聞いたところ真鯖で、今時期としては良い!との事だったのでオーダー。
ネギ、生姜、ガリ、酢橘と薬味を多用し、しっとり〆ている。
確かに中々の味わいであった。
海胆 追加
唐津産。とろけて甘い。
海胆の風味が強いので、海苔は邪魔にならず。
ピオーネ
鮨 香坂さんのお店の情報と予約方法
WEB予約については、一休より可能です。
鮨 香坂(一休のリンク)
店名:鮨 香坂(すし こうさか)
シャリの特徴:はらっとほどけるシャリで、黒酢特有の酸味が個性的。
予算の目安:お昼5,000円ほどか
TEL:092-481-2887
住所:福岡県福岡市博多区博多駅東3-9-3 ニッコーハイツ1F
最寄駅:東比恵駅から500m
営業時間:12:00~13:30、17:30~21:00
定休日:月曜
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